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85話 晴翔に貰った素敵なプレゼントと面倒くさい叔父さん
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「だから、お前達のチャンネルをチェックしてて、面白いことしてるなぁとは思ってたけど、まさかあんな良いプレゼントを出されるなんて思わないだろう? あんなレアな物。だから、これは絶対に手に入れなないとと思ったんだよ」
何を言っているんだ、この大人は? 俺だけじゃなく、母さんも呆れ返っている。
まず、このダメな大人、康伸叔父さんについて説明すると。本来はとても良い人だし、仕事も完璧にこなす人だ。
家族全員を、と言うか親戚までも大切に思っていて、もしも何か問題が起きれば、すぐに駆けつけてきてくれるし。問題の解決方法が見つからなければ、それが見つかるまで、最後まで相談に乗ってくれる。
そして仕事も、いつもさぼって西川さんに殴られ、吹っ飛ばされているけれど。でもいざとなればしっかり仕事をこなすし。ダンジョンで問題が起きれば先頭を切って、プレイヤー達を助けに行ってくれる。
ただ。そう、ただ、康伸叔父さんは、グッズを集めるのが大好きなんだ。しかもレアな物を。そのためには休んだり、まだ休むと言ってあれば良いけど、仕事中にお店に並んだりと。まぁ、他にもいろいろ理由をつけてはレア物をゲットしに行く。
叔父さん曰く、視聴者さん参加型の配信で、プレゼントが出るのは初めてで。プレゼントは普段は貰えない、ラビ達のステッカーにポストカード、そしてラビ達が自ら作った物だった。これはしっかりゲットしなくてはと瞬時に判断し、休みを決めたと。
すぐに西川さんに休みを取る事を伝え。部下に仕事を押し付けたり、終わらせたと思わせたりして 休みを取得。そうして休みになったから、前夜祭的な感じで、今日はお酒を飲みに来たらしい。
……何してるんだよ!
「はぁ、康伸お兄さん、そんな休みなんて取らなくても、連絡をくれれば拓哉に頼んで、すぐに作って貰ったのに」
「それじゃあレア度が下がるさろう!! 俺は作ってもらうんじゃないて、限定の物が欲しいだよ。しかも大切で大好きなラビ達関係の物だぞ? プレゼントが欲しいんだ!!」
子供か!! そんな必死に、プレゼントが欲しいんだ!! って。
「お前らは良いよなぁ。そんな良い物を貰って。まぁ、さすがに俺も、それを欲しいとは言えないさ、家族の記念だからな。だけど他のレアな物は集めたい」
そう言いながら、さっき母さんが怒る前に、ラビ達が持って逃げた物を見る叔父さん。それに気づいたラビ達が、俺にどうしたのかと聞いてきて。叔父さんの話しをしたら、今度は急いでソファーの後ろに隠れた。
ラビ達は叔父さんが、色々な特別なグッズを集めている事を知っているからな。自分達の特別を取られたら大変だと、持って隠れたんだ。そう、晴翔から貰った大切なプレゼントを。
この前の晴翔の記念日のプレゼント。最後に貰ったプレゼントは、本当に素晴らしい物だった。俺まで感想するほどのな。何を貰ったのか、それは写真のアルバムだった。
昔の人達がよく、思い出の写真を綺麗にとっておくために使っていた、本型のアルバムっていう物があるんだけど。ページにフィルムが付いていて、それを剥がした後、剥がした場所に写真を並べる。
そうして写真を並べた終わったら、さっき剥がしたフィルムをそっと写真の上に被せる事で。写真をピタッと動かないように固定できるんだ。
だんだん時が過ぎるとともに、写真の色は褪せるものの、それでも写真自体は綺麗にとっておくことができた紙のアルバム。今ではデータで残して、パソコンで見るのが普通で、アルバムを持っている人は少ない。
「でもさ、こういうのも、たまには良いと思うんだ。確かにデータとして残しておけば、いつでも綺麗な写真が見られるよ。でも、こうやって時代とともに色褪せていく写真は、それだけ時間が流れた証で。その色褪せた写真を、歳を重ねてもずっと家族みんなで見て、あの頃はこうだった、こうだったって、楽しく思い出を話しができたら、素敵だと思わないか?」
そう言った晴翔。そうして俺たち全員に2冊ずつ、紙のアルバムをくれたんだ。大きいサイズが入っているアルバムと、小さい写真を集めたアルバム。そして表には全員が揃って、映っている写真が貼ってあって。
俺は感動して、すぐにラビ達に晴翔の言葉を伝えた。ただ、自分達の写真の本っていうのは分かってくれたんだけど、さすがに思い出とか、色褪せてからもとか、その辺は難しかったみたいで。写真の本!! で、ラビ達はかなり喜んでいたよ。
俺はラビ達の分も、晴翔に何度もお礼を言った。こんな素敵なプレゼントを貰えるなんて。俺は家に帰ってきてから、すぐにアルバムに合う箱を探して、その後机の引き出しにしっかりとしまった。
そしてラビ達はといえば。大きな方のアルバムは、ずっと持って歩くのは大変だから、それぞれやっぱり箱を探してそれにしまい。俺のアルバムと一緒にしまったよ。
でも小さい方は、いつも持ち歩いているから、今度ブーちゃんみたいにカバンを買ってあげることにした。そのうちずっと持っては歩かなくなるだろうけど、それでもカバンがあれば楽だろうからな。
ちなみにブーちゃんのカバンだけど。クーちゃんのぬいぐるみが増え、アルバムもしまったもんだから、結構パンパンに。
もしも今のサイズよりも、大きなサイズのカバンに、変えないといけなくなった場合は。普段は良いけれど、ダンジョンに入る時は、家に置いていくよう言おうと思っている。
ダンジョンのレベルによっては、いつ誰に襲われるかわからないからな。もしもカバンが大きくなったせいで、的として攻撃が当たり安くなり、その攻撃でカバンを落としてしまったら? 回収できれば良いけど、回収できなかった日には、ブーちゃんがどうなることやら。
「そんなに特別な物を見せられて、俺が他の物を手に入れない訳にはいかんだろう!!」
あのプレゼントをもらった時の感動と、ラビ達の嬉しそうな顔を思い出してるんだから、大きな声で、変な宣言しないでくれよ。
何を言っているんだ、この大人は? 俺だけじゃなく、母さんも呆れ返っている。
まず、このダメな大人、康伸叔父さんについて説明すると。本来はとても良い人だし、仕事も完璧にこなす人だ。
家族全員を、と言うか親戚までも大切に思っていて、もしも何か問題が起きれば、すぐに駆けつけてきてくれるし。問題の解決方法が見つからなければ、それが見つかるまで、最後まで相談に乗ってくれる。
そして仕事も、いつもさぼって西川さんに殴られ、吹っ飛ばされているけれど。でもいざとなればしっかり仕事をこなすし。ダンジョンで問題が起きれば先頭を切って、プレイヤー達を助けに行ってくれる。
ただ。そう、ただ、康伸叔父さんは、グッズを集めるのが大好きなんだ。しかもレアな物を。そのためには休んだり、まだ休むと言ってあれば良いけど、仕事中にお店に並んだりと。まぁ、他にもいろいろ理由をつけてはレア物をゲットしに行く。
叔父さん曰く、視聴者さん参加型の配信で、プレゼントが出るのは初めてで。プレゼントは普段は貰えない、ラビ達のステッカーにポストカード、そしてラビ達が自ら作った物だった。これはしっかりゲットしなくてはと瞬時に判断し、休みを決めたと。
すぐに西川さんに休みを取る事を伝え。部下に仕事を押し付けたり、終わらせたと思わせたりして 休みを取得。そうして休みになったから、前夜祭的な感じで、今日はお酒を飲みに来たらしい。
……何してるんだよ!
「はぁ、康伸お兄さん、そんな休みなんて取らなくても、連絡をくれれば拓哉に頼んで、すぐに作って貰ったのに」
「それじゃあレア度が下がるさろう!! 俺は作ってもらうんじゃないて、限定の物が欲しいだよ。しかも大切で大好きなラビ達関係の物だぞ? プレゼントが欲しいんだ!!」
子供か!! そんな必死に、プレゼントが欲しいんだ!! って。
「お前らは良いよなぁ。そんな良い物を貰って。まぁ、さすがに俺も、それを欲しいとは言えないさ、家族の記念だからな。だけど他のレアな物は集めたい」
そう言いながら、さっき母さんが怒る前に、ラビ達が持って逃げた物を見る叔父さん。それに気づいたラビ達が、俺にどうしたのかと聞いてきて。叔父さんの話しをしたら、今度は急いでソファーの後ろに隠れた。
ラビ達は叔父さんが、色々な特別なグッズを集めている事を知っているからな。自分達の特別を取られたら大変だと、持って隠れたんだ。そう、晴翔から貰った大切なプレゼントを。
この前の晴翔の記念日のプレゼント。最後に貰ったプレゼントは、本当に素晴らしい物だった。俺まで感想するほどのな。何を貰ったのか、それは写真のアルバムだった。
昔の人達がよく、思い出の写真を綺麗にとっておくために使っていた、本型のアルバムっていう物があるんだけど。ページにフィルムが付いていて、それを剥がした後、剥がした場所に写真を並べる。
そうして写真を並べた終わったら、さっき剥がしたフィルムをそっと写真の上に被せる事で。写真をピタッと動かないように固定できるんだ。
だんだん時が過ぎるとともに、写真の色は褪せるものの、それでも写真自体は綺麗にとっておくことができた紙のアルバム。今ではデータで残して、パソコンで見るのが普通で、アルバムを持っている人は少ない。
「でもさ、こういうのも、たまには良いと思うんだ。確かにデータとして残しておけば、いつでも綺麗な写真が見られるよ。でも、こうやって時代とともに色褪せていく写真は、それだけ時間が流れた証で。その色褪せた写真を、歳を重ねてもずっと家族みんなで見て、あの頃はこうだった、こうだったって、楽しく思い出を話しができたら、素敵だと思わないか?」
そう言った晴翔。そうして俺たち全員に2冊ずつ、紙のアルバムをくれたんだ。大きいサイズが入っているアルバムと、小さい写真を集めたアルバム。そして表には全員が揃って、映っている写真が貼ってあって。
俺は感動して、すぐにラビ達に晴翔の言葉を伝えた。ただ、自分達の写真の本っていうのは分かってくれたんだけど、さすがに思い出とか、色褪せてからもとか、その辺は難しかったみたいで。写真の本!! で、ラビ達はかなり喜んでいたよ。
俺はラビ達の分も、晴翔に何度もお礼を言った。こんな素敵なプレゼントを貰えるなんて。俺は家に帰ってきてから、すぐにアルバムに合う箱を探して、その後机の引き出しにしっかりとしまった。
そしてラビ達はといえば。大きな方のアルバムは、ずっと持って歩くのは大変だから、それぞれやっぱり箱を探してそれにしまい。俺のアルバムと一緒にしまったよ。
でも小さい方は、いつも持ち歩いているから、今度ブーちゃんみたいにカバンを買ってあげることにした。そのうちずっと持っては歩かなくなるだろうけど、それでもカバンがあれば楽だろうからな。
ちなみにブーちゃんのカバンだけど。クーちゃんのぬいぐるみが増え、アルバムもしまったもんだから、結構パンパンに。
もしも今のサイズよりも、大きなサイズのカバンに、変えないといけなくなった場合は。普段は良いけれど、ダンジョンに入る時は、家に置いていくよう言おうと思っている。
ダンジョンのレベルによっては、いつ誰に襲われるかわからないからな。もしもカバンが大きくなったせいで、的として攻撃が当たり安くなり、その攻撃でカバンを落としてしまったら? 回収できれば良いけど、回収できなかった日には、ブーちゃんがどうなることやら。
「そんなに特別な物を見せられて、俺が他の物を手に入れない訳にはいかんだろう!!」
あのプレゼントをもらった時の感動と、ラビ達の嬉しそうな顔を思い出してるんだから、大きな声で、変な宣言しないでくれよ。
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