ダンジョンの戦闘配信? いやいや魔獣達のための癒しスローライフ配信です!!

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36話 緊急依頼

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 魔獣社長が誕生したマッサージ配信から2日。俺に緊急の依頼が入った。依頼の主は協会役員の康伸叔父さん。まさかの康伸叔父さんからの依頼に、これは只事じゃないと思った俺は、急いで晴翔と共に協会へ向かうことに。

 本当は、今日はそれぞれ過ごす予定でいたんだけど、少しでも人手が欲しいと言われたことと。俺のスキルが必要だってことは、俺のスキルについて、しっかり理解してくれている晴翔を連れて行った方が良いと思って。休みのところ悪かったが晴翔を呼んだんだ。

「何があったんだ?」

「それが詳しい内容は、協会に着いてから話すって。ただ、俺に癒して欲しい魔獣が大勢いるって言ってたよ」

「癒しで緊急依頼するってどんなだ? いつもどんなにたくさん癒してくれっ連絡が来ても、多くてこの前くらいの頭数だろう? 緊急ってどれだけ大勢の魔獣が待ってるんだよ」

「何が起こったのか……。俺の癒しが欲しいってことは、魔獣達が疲弊する何かがあったってことだからな」

「しかも少しでも人手が欲しいって言われたんだろう?」

「ああ、父さんと母さんは、別の場所に呼ばれて行ったよ」

「おじさん達もか!?」

「ああ。色々とダンジョンを見回って欲しいって言われたらしい。父さん達はAランクのダンジョンに向かうって言ってた。だからクーちゃんに、クーちゃんの父親と連絡を取ってもらったんだけど。向こうのダンジョンではいつも通りらしい。この前のように変なドラゴン? も出ていないと。まぁ、クーちゃんの両親が、どのダンジョンに住んでいるかは分からないけどさ」

「そうなのか……。まぁな、とりあえず急いで協会へ行こう」

「みんな、今日俺は忙しくなりそうだし、人が大勢いるだろうからな、なるべく俺の側を離れるなよ。もしかしたら手伝ってもらうかもしれないから頼むぞ」

『きゅい!!』

『ぷぷ~!!』

『にょ、にゅおぉぉぉ。ぬにょおぉぉぉ?』

『おてつだい?』

『ぷぷぷ! ぷぷ~!!』

『きょうはイタズラない、おてつだいをがんばるひ? うん! ぼくがんばる!!』

 ププちゃん、クーちゃんに説明してくれてありがとう。そしてブーちゃんや。お手伝い? ま、寝ならがら頑張る、邪魔になりそうな時は、上手に転がる? って。
 いやいや、今日は起きててくれな。まぁ、グーちゃんはやる時はやってくれるから大丈夫だと思うけど。沼田さんが攻撃してきた時も、魔獣達を守ってくれたし。

 そうして約40分後、協会へ着いた俺達。急いで中へ入ったけれど、見た感じ外も中もいつも通りの協会だった。本当に緊急なのか? と思いながら受付に向かう。
 すると俺の名前を聞いた受付の人が、慌ててどこかへ連絡をとって、数分後康伸叔父さんが俺達を迎えに来た。

「おう、待ってたぞ。こっちだ!」

 普段は、というか、余程のことがない限り、職員以外は使えないエレベーターから、地下へ降りていく。ちなみに協会は地下8階からあり、上は30階まである。
 ダンジョン産の素材を使えるようになって、昔よりもかなり丈夫に建物を建てられるようになり。俺の癒し空間もそうだけど、訓練施設や試験会場として、地下は使われている。

 ちょっとやそっとじゃ、まぁ、沼田さんみたいなS級の人が攻撃すれば別だけど。A級プレイヤーの弱攻撃くらいなら、簡単に防いでくれるんだ。
 だからそんな建物を壊した沼田さんの弁償額はかなりの物で、川野さんがまたキレていたとこの前聞いた。

「康伸さん、一体何があったんです?」

「緊急依頼なんて初めてですよ」

「それがな、俺もいまいちまだ分からんのだ」

「え?」

「現場はC級ダンジョンで、その中でも上の方のダンジョンだ。ただ、お前達くらいの能力なら、何の問題もなく入れるくらいのダンジョンだからな。今回はB級になったばかりの奴らを連れて、講習会を行っていた」

「ああ、B級になったは良いけどギリギリ合格で、もう少し訓練と知識が必要とされる奴らが受ける講習か」

「ああ。それが今日行われていたんだ。最初はいつも通り、問題なく講習は行われていたそうだ。ちなみに今回はA級のプレイヤー5人と、協会から数人が講師とて、B級プレイヤーは25人参加していた」

「随分な人数だな。いつもはもっと少ないだろう」

「前回が人数が揃わなすぎて、中止になったんだよ。で、今日まとめてダンジョンに行ったんだ」

「でも、それだけの高ランクプレイヤーがいたんなら、ちょっとの面倒ごとがが起きても、問題ないだろう?」

「事態が急変したのは、午後の講習が始まってすぐだったらしい。まず異変に気がついたのは、プレイヤー達が契約している魔獣達だった。いや、そうだな。正しく言えば、まず異変を感じたダンジョンの魔獣達が、ダンジョン奥から逃げて来ていて。それに契約魔獣達が気がついたって感じか?」

「魔獣達は俺達より何十倍も危機に敏感だからな」

「で、そのダンジョンの魔獣達は、こっちに気もくれず、かなりの勢いで去って行ったと。その魔獣達の中にはライジングボアもいたらしいが、奴らまでこちらを無視して行ったらしい」

「ライジングボアが!?」

 ライジングボアとは、雷を常に纏っていて、周りを感電させながら突進してくる、イノシシに似ている魔獣だ。大きさは3倍くらいだけど。人だろうが魔獣だろうが、目に入った物に必ず突進してくる厄介な魔獣なんだ。そのライジュングボアが無視して逃げた?

「危険を感じすぐに講習は中止され、全員がすぐに戻ろうとした。が、ここで問題が起きた」

 と、ここで俺達は地下5階に到着。少し歩きドアの扉の前に立つ。

「で、この有様だ。本当に重症な奴らは、ダンジョンの前で治療をしているが、他の連中はとりあえずここまで運んできて治療をしている」

 康伸叔父さんが扉を開ける。そこには……。驚きの光景が広がっていた。
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