34 / 110
34話 スキルなしでもまったりマッサージ配信
しおりを挟む
『皆さんこんにちは!! 【もふっとチャンネル】の拓哉です! そして俺の大切な家族の、ラビとププちゃんとブーちゃんとクーちゃん、そしてメンバーの晴翔です!! 今日も魔獣のための、癒しスローライフ配信、始めて行こうと思います!!』
“こんにちは”
“始まった”
“こんにちは~”
“みなさんこんにちは”
“この間のドタバタ配信からファンになりました!!”
“ドタバタ配信ファンがw”
“今日もドタバタかw?”
「今日はドタバタじゃありませんよ。うん、きっとドタバタじゃありません。今日は俺のような魔獣専用癒しスキルがなくとも、魔獣達をリラックスさせてあげよう、マッサージ配信です」
“えー、ドタバタ配信じゃないの?”
“え? ここはドタバタ配信チャンネルじゃ?”
“www”
“いや違うからw”
“この頃ドタバタが多かったからw”
“ドタバタ配信チャンネルに変わっちゃってるじゃんw”
待て待て、もふっとチャンネルは、魔獣達のための癒しスローライフ配信チャンネルだからな! 決してドタバタ配信チャンネルじゃないから!?
まったく、ブーちゃんの緊急配信から、大食い選手権配信に、クーちゃん紹介配信のおかげで、ドタバタチャンネルになっちゃってるじゃないか。
「今日はゆっくりまったり、見ていってくださいね」
“でも後ろで、ドタバタが始まってるぜ?”
“なんかバトルしてるけどw”
“しかも何とも言えないバトルw”
“かっわっwww”
“何でわざわざそれを選ぶかな?w”
“始まったばっかだけど、もうダメかも……”
“みんな可愛いぃ!!”
何だ? 後ろ? 俺は不思議に思いながら顔を上げる。すると晴翔が苦笑いしていて。おいおい、後ろにいる4匹、一体何してるんだよ!
俺は、俺の後ろにいるはずの4匹を見た。挨拶の時はカメラに向かって、きちんと挨拶してくれてたのに、今は何を?
そうして振り返り見たものは。視聴者さん達のコメント通り、バトルをしている4匹だった。いや正確には、起きてバトルしているのが3匹と、寝ながらバトルしているのが1匹。はぁ、お前達、何してるんだよ。
ラビ達は2組に分かれてバトルをしていた。しかも何とも言えないバトルをだ。まずラビとブーちゃん組。ラビはうさぎに似ている魔獣だからか、足技が得意なんだけど、わざわざ手の方でブーちゃんを攻撃していて。
ブーちゃんはブーちゃんで、仰向けに寝たままあの短い足で、ラビの攻撃を全て防いでいた。ブーブーイビキをかきながら。あれで本当に寝てるのか? って毎回思うが。どうもラビ達によると、本当に寝ているらしい。
そしてププちゃんとクーちゃん組。クーちゃんはドラゴン種。だからやっぱり手が小さいんだけど、その小さい手をボクシング選手のように動かして、ププちゃんを攻撃。
対するププちゃんは、体を自由に伸ばせるのに、何故かクーちゃんに合わせて、小さな手のように体を少しだけ伸ばすと、そのままクーちゃんを攻撃。
4匹全員が自分達の得意攻撃ではなく、小さく短い手で可愛い攻撃をしていた。うん、何故?
“可愛い~!!”
“ぬいぐるみが戦ってるみたい! 可愛いよぉ”
“何この可愛いバトル”
“ずっと見ていられるんだけど”
“みんなぁ、何でそんな可愛いバトルしてるのぉ?”
“やっぱりバトル配信か”
“待て待てw”
“保護者はマッサージ配信って言ってるけど?w”
“誰も保護者の言う事聞いてないw”
何でバトルなんか始めたんだよ。確かに可愛いけどさ。それは認めるよ。だけど今日はゆっくりまったり、マッサージ配信なんだよ。
「ほらほら、何でお前達はバトルしてるんだ。止めろ止めろ」
俺はすぐに4匹を止めに行く。そして最初にモデルになってもらう予定でいたラビを、クッションに座らせ。ププちゃん達は、俺が立つ場所の横に用意したクッションに座らせる。ブーちゃんはそれで完璧に寝る体勢に入った。
「いいか? 今日はマッサージ配信だって言っただろう? ちゃんと「ここで順番に待っていてくれ。みんなマッサージ好きだろう?」
『きゅい!』
「何だって?」
『ぴゅい~』
『ぷぷぷ~』
『きゅいぃぃぃ!』
何だそれ?
“何て?”
“何でバトル始めたのか教えてくれたのか?”
“どうしてバトル始めたの?”
これ、俺言わなくちゃいけないのか? こんな何とも言えない理由を? でも視聴者さんは知りたいよな。はぁ。
「あ~、何と言うか、ブーちゃんの寝言が原因みたいで」
“は?”
“寝言?”
“何だそれ?”
「ブーちゃんが寝言で、『みじかパンチを受けてみろ』と言ったらしくて。たぶん、『短い手のパンチ』のことを言っていたんだと。ですが何故かその時動かしたのは足だったようで。ラビ達は、何でキックをしているんだろうと思ったけれど、ブーちゃんが言った寝言の通りにしてみたと……」
……って、何だそれ!? 寝言と蹴り? 寝言の通りにしてみた?
“原因は寝言!?”
“www”
“w”
“ブーちゃん何してるんw”
“自分で短パンチって言ってるしwww”
“でもキックw”
“それでラビたん達も、何で言う通りにしちゃうかなw”
“あー、おもしろwww”
“はぁ、最近毎回笑い過ぎて、お腹が痛くなるwww”
俺はただ、まったり癒し配信がしたいだけなのに……。
“こんにちは”
“始まった”
“こんにちは~”
“みなさんこんにちは”
“この間のドタバタ配信からファンになりました!!”
“ドタバタ配信ファンがw”
“今日もドタバタかw?”
「今日はドタバタじゃありませんよ。うん、きっとドタバタじゃありません。今日は俺のような魔獣専用癒しスキルがなくとも、魔獣達をリラックスさせてあげよう、マッサージ配信です」
“えー、ドタバタ配信じゃないの?”
“え? ここはドタバタ配信チャンネルじゃ?”
“www”
“いや違うからw”
“この頃ドタバタが多かったからw”
“ドタバタ配信チャンネルに変わっちゃってるじゃんw”
待て待て、もふっとチャンネルは、魔獣達のための癒しスローライフ配信チャンネルだからな! 決してドタバタ配信チャンネルじゃないから!?
まったく、ブーちゃんの緊急配信から、大食い選手権配信に、クーちゃん紹介配信のおかげで、ドタバタチャンネルになっちゃってるじゃないか。
「今日はゆっくりまったり、見ていってくださいね」
“でも後ろで、ドタバタが始まってるぜ?”
“なんかバトルしてるけどw”
“しかも何とも言えないバトルw”
“かっわっwww”
“何でわざわざそれを選ぶかな?w”
“始まったばっかだけど、もうダメかも……”
“みんな可愛いぃ!!”
何だ? 後ろ? 俺は不思議に思いながら顔を上げる。すると晴翔が苦笑いしていて。おいおい、後ろにいる4匹、一体何してるんだよ!
俺は、俺の後ろにいるはずの4匹を見た。挨拶の時はカメラに向かって、きちんと挨拶してくれてたのに、今は何を?
そうして振り返り見たものは。視聴者さん達のコメント通り、バトルをしている4匹だった。いや正確には、起きてバトルしているのが3匹と、寝ながらバトルしているのが1匹。はぁ、お前達、何してるんだよ。
ラビ達は2組に分かれてバトルをしていた。しかも何とも言えないバトルをだ。まずラビとブーちゃん組。ラビはうさぎに似ている魔獣だからか、足技が得意なんだけど、わざわざ手の方でブーちゃんを攻撃していて。
ブーちゃんはブーちゃんで、仰向けに寝たままあの短い足で、ラビの攻撃を全て防いでいた。ブーブーイビキをかきながら。あれで本当に寝てるのか? って毎回思うが。どうもラビ達によると、本当に寝ているらしい。
そしてププちゃんとクーちゃん組。クーちゃんはドラゴン種。だからやっぱり手が小さいんだけど、その小さい手をボクシング選手のように動かして、ププちゃんを攻撃。
対するププちゃんは、体を自由に伸ばせるのに、何故かクーちゃんに合わせて、小さな手のように体を少しだけ伸ばすと、そのままクーちゃんを攻撃。
4匹全員が自分達の得意攻撃ではなく、小さく短い手で可愛い攻撃をしていた。うん、何故?
“可愛い~!!”
“ぬいぐるみが戦ってるみたい! 可愛いよぉ”
“何この可愛いバトル”
“ずっと見ていられるんだけど”
“みんなぁ、何でそんな可愛いバトルしてるのぉ?”
“やっぱりバトル配信か”
“待て待てw”
“保護者はマッサージ配信って言ってるけど?w”
“誰も保護者の言う事聞いてないw”
何でバトルなんか始めたんだよ。確かに可愛いけどさ。それは認めるよ。だけど今日はゆっくりまったり、マッサージ配信なんだよ。
「ほらほら、何でお前達はバトルしてるんだ。止めろ止めろ」
俺はすぐに4匹を止めに行く。そして最初にモデルになってもらう予定でいたラビを、クッションに座らせ。ププちゃん達は、俺が立つ場所の横に用意したクッションに座らせる。ブーちゃんはそれで完璧に寝る体勢に入った。
「いいか? 今日はマッサージ配信だって言っただろう? ちゃんと「ここで順番に待っていてくれ。みんなマッサージ好きだろう?」
『きゅい!』
「何だって?」
『ぴゅい~』
『ぷぷぷ~』
『きゅいぃぃぃ!』
何だそれ?
“何て?”
“何でバトル始めたのか教えてくれたのか?”
“どうしてバトル始めたの?”
これ、俺言わなくちゃいけないのか? こんな何とも言えない理由を? でも視聴者さんは知りたいよな。はぁ。
「あ~、何と言うか、ブーちゃんの寝言が原因みたいで」
“は?”
“寝言?”
“何だそれ?”
「ブーちゃんが寝言で、『みじかパンチを受けてみろ』と言ったらしくて。たぶん、『短い手のパンチ』のことを言っていたんだと。ですが何故かその時動かしたのは足だったようで。ラビ達は、何でキックをしているんだろうと思ったけれど、ブーちゃんが言った寝言の通りにしてみたと……」
……って、何だそれ!? 寝言と蹴り? 寝言の通りにしてみた?
“原因は寝言!?”
“www”
“w”
“ブーちゃん何してるんw”
“自分で短パンチって言ってるしwww”
“でもキックw”
“それでラビたん達も、何で言う通りにしちゃうかなw”
“あー、おもしろwww”
“はぁ、最近毎回笑い過ぎて、お腹が痛くなるwww”
俺はただ、まったり癒し配信がしたいだけなのに……。
105
お気に入りに追加
393
あなたにおすすめの小説

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…

私のスキルが、クエストってどういうこと?
地蔵
ファンタジー
スキルが全ての世界。
十歳になると、成人の儀を受けて、神から『スキル』を授かる。
スキルによって、今後の人生が決まる。
当然、素晴らしい『当たりスキル』もあれば『外れスキル』と呼ばれるものもある。
聞いた事の無いスキル『クエスト』を授かったリゼは、親からも見捨てられて一人で生きていく事に……。
少し人間不信気味の女の子が、スキルに振り回されながら生きて行く物語。
一話辺りは約三千文字前後にしております。
更新は、毎週日曜日の十六時予定です。
『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しております。


異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~
小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ)
そこは、剣と魔法の世界だった。
2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。
新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・
気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる