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14話 追放した人達は今(2)
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「待ってください、今調べます。……最初の伸び始めの頃より、2倍伸びたという感じでしょうか」
「ふんっ、やっぱり物好きな連中がいるんだな」
「魔獣癒しチャンネルだったわよね。魔獣が気持ちよく、まったりと幸せに暮らせるようにするためのチャンネル? であってる?」
「まぁ、大体そんな感じですね」
「魔獣は私達のために、ただ戦えば良いだけの存在じゃない。それを幸せにだなんて。本当、何が良いのかしら? むしろ私達のために戦えることが幸せなんじゃないの?」
「まぁ、どうせ見ている連中は、大した能力を持たないような凡人ばっかりだろう。俺達みたいな高レベルのパーティーやプレイヤー達は、そんな配信見ちゃいないさ」
「おい、俺達の方はどうだ?」
俺たちのチャンネルを開設して1年。奴の配信からは少し遅れてしまったが、それでも俺達のことを知っている奴らは多かった。そいつらが登録してくれていれば、簡単に奴の登録人数を抜いいるはずだ。
「修也! これは素晴らしいですよ。配信開始より4倍以上、登録人数が増えています!」
「ほう、4倍以上か」
「やったわね! やっぱり私達に惹かれない人達なんていないのよ!」
「ふっ、やっぱりな」
俺達の力は本物って事だ。たかだか1年でここまで登録者集を伸ばしことができたんだからな。そうだ、俺達は一般の奴らとは違う。これからもっともっと上に行くことができる。
そのための何をすれば良いのか。もちろん何も考えていないわけがないだろう。それにちょうど奴らが、俺に声をかけてきたからな。タイミング的に新しく動くならば、今がその時だろう。
「おい、これからのことだが、これからはもう少し上のダンジョンに入ろうと思う」
「上の? 確かに俺達はかなり力をつけたが、大丈夫なのか?」
「それに今でさえ荷物持ちが保たないのよ? 私達が上のダンジョンに入れたとしても、戦利品はどうするの? 私、持って歩くなんていやよ?」
「俺だってなぁ」
「私も嫌ですね」
「それに関しては、俺に考えがある。もしかしたら役に立つ奴を借りられるかもしれない」
「どういう事だ?」
「1週間前、オジットギルドから誘われたんだよ。俺達のギルドに入らないか、ってな」
「オジットギルドだって!?」
「あの最高ランクのプレイヤー達が集まるオジットギルドから!? 本当なの!?」
「それはそれは素晴らしい!」
「実はな、少し前から考えていたんだよ。どうせなら自分達でギルドを立ち上げたらどうかってな。だが。それには人をあつめなないといけないし、申請だ登録だと、面倒なことばかりだろう。だからどうしようかと思っていた所に声をかけてもらってな」
「凄いじゃい!! やっぱり実力のある人達は違うわね。私達の力の気づいて声をかけてくれるなんて!」
「それでだが、あのギルドで成功すればギルドの紹介で、自分達でギルドを立ち上げることも可能だろう? そうすれば面倒な手続きはないし、自分達のギルドを作ることができる。だからオジットギルドで俺たちの力を示した後、独立するんだよ。オジットギルドに登録している奴らを連れてな」
「それは……、ふっ、なるほど。入るのは見せかけで、仲間を手に入れようってか」
「俺達はこれからも強くなる。そう、いつかオジットギルドの連中をも超える存在にな。その時に他の奴らを引き連れて出れば、人数を揃えることもやらなくてすむ」
「いやだわ~、本当に何もしなくて良いじゃない。良いわね、すぐに彼らの元へ行きましょう!」
「そうですね、私のその意見に賛成です」
「俺も、そういう事なら反対はしないぜ」
「ふっ、よし、次やることは決まったな。皆準備をしろ。今日中に返事をすれば、明日、明後日には、オジットギルドに所属できるはずだ」
「本当にあいつがいなくなってから、良いことばかりねぇ」
「まったくです」
「武器でも新調するか」
『グアァァァァァァァッ!!』
「煩いぞ! 戦闘好きなお前に、獲物を用意してやってるの俺なんだ。俺の言うことを聞かなければ、次のダンジョンで囮に使っても良いんだぞ!!」
『グルルルルル……』
はぁ、煩い魔獣め。明日から忙しくなるって言うのに。だが、本当に井上拓哉を辞めさせてから良いことばかりだ。このままこの調子で、俺達は世界のトップに上り詰めてやる!!
「ふんっ、やっぱり物好きな連中がいるんだな」
「魔獣癒しチャンネルだったわよね。魔獣が気持ちよく、まったりと幸せに暮らせるようにするためのチャンネル? であってる?」
「まぁ、大体そんな感じですね」
「魔獣は私達のために、ただ戦えば良いだけの存在じゃない。それを幸せにだなんて。本当、何が良いのかしら? むしろ私達のために戦えることが幸せなんじゃないの?」
「まぁ、どうせ見ている連中は、大した能力を持たないような凡人ばっかりだろう。俺達みたいな高レベルのパーティーやプレイヤー達は、そんな配信見ちゃいないさ」
「おい、俺達の方はどうだ?」
俺たちのチャンネルを開設して1年。奴の配信からは少し遅れてしまったが、それでも俺達のことを知っている奴らは多かった。そいつらが登録してくれていれば、簡単に奴の登録人数を抜いいるはずだ。
「修也! これは素晴らしいですよ。配信開始より4倍以上、登録人数が増えています!」
「ほう、4倍以上か」
「やったわね! やっぱり私達に惹かれない人達なんていないのよ!」
「ふっ、やっぱりな」
俺達の力は本物って事だ。たかだか1年でここまで登録者集を伸ばしことができたんだからな。そうだ、俺達は一般の奴らとは違う。これからもっともっと上に行くことができる。
そのための何をすれば良いのか。もちろん何も考えていないわけがないだろう。それにちょうど奴らが、俺に声をかけてきたからな。タイミング的に新しく動くならば、今がその時だろう。
「おい、これからのことだが、これからはもう少し上のダンジョンに入ろうと思う」
「上の? 確かに俺達はかなり力をつけたが、大丈夫なのか?」
「それに今でさえ荷物持ちが保たないのよ? 私達が上のダンジョンに入れたとしても、戦利品はどうするの? 私、持って歩くなんていやよ?」
「俺だってなぁ」
「私も嫌ですね」
「それに関しては、俺に考えがある。もしかしたら役に立つ奴を借りられるかもしれない」
「どういう事だ?」
「1週間前、オジットギルドから誘われたんだよ。俺達のギルドに入らないか、ってな」
「オジットギルドだって!?」
「あの最高ランクのプレイヤー達が集まるオジットギルドから!? 本当なの!?」
「それはそれは素晴らしい!」
「実はな、少し前から考えていたんだよ。どうせなら自分達でギルドを立ち上げたらどうかってな。だが。それには人をあつめなないといけないし、申請だ登録だと、面倒なことばかりだろう。だからどうしようかと思っていた所に声をかけてもらってな」
「凄いじゃい!! やっぱり実力のある人達は違うわね。私達の力の気づいて声をかけてくれるなんて!」
「それでだが、あのギルドで成功すればギルドの紹介で、自分達でギルドを立ち上げることも可能だろう? そうすれば面倒な手続きはないし、自分達のギルドを作ることができる。だからオジットギルドで俺たちの力を示した後、独立するんだよ。オジットギルドに登録している奴らを連れてな」
「それは……、ふっ、なるほど。入るのは見せかけで、仲間を手に入れようってか」
「俺達はこれからも強くなる。そう、いつかオジットギルドの連中をも超える存在にな。その時に他の奴らを引き連れて出れば、人数を揃えることもやらなくてすむ」
「いやだわ~、本当に何もしなくて良いじゃない。良いわね、すぐに彼らの元へ行きましょう!」
「そうですね、私のその意見に賛成です」
「俺も、そういう事なら反対はしないぜ」
「ふっ、よし、次やることは決まったな。皆準備をしろ。今日中に返事をすれば、明日、明後日には、オジットギルドに所属できるはずだ」
「本当にあいつがいなくなってから、良いことばかりねぇ」
「まったくです」
「武器でも新調するか」
『グアァァァァァァァッ!!』
「煩いぞ! 戦闘好きなお前に、獲物を用意してやってるの俺なんだ。俺の言うことを聞かなければ、次のダンジョンで囮に使っても良いんだぞ!!」
『グルルルルル……』
はぁ、煩い魔獣め。明日から忙しくなるって言うのに。だが、本当に井上拓哉を辞めさせてから良いことばかりだ。このままこの調子で、俺達は世界のトップに上り詰めてやる!!
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