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13話 追放した人達は今(1)
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「チッ、さっさと出ていけ!」
「そんな、俺は言われた通りのことをしただけで!?」
「あぁ? 俺に文句があるってのか? 何なら今お前が持ってる素材も、回収したって良いんだぞ!」
「だけど、それじゃあ契約とちがっ……」
『グアァァァッ!!』
「ひっ!? わ、分かった、今すぐ出て行くから待ってくれ!!」
「あと3秒、3、2……」
「た、助けてくれ!!」
バタバタと、大きな足音を立てながら、1週間前に募集した荷物持ちが出て行く。
「チッ! おい、もう下がって良いぞ!」
『グオォォォッ!』
『うるせぇ、もう下がれって言ってるだろう! まったく戦闘能力は抜群だが、人の言葉を理解できない低脳ない生き物め!』
「はぁ、どれだけ役立たずなんだよ。てか役立たずしか居ないのかよ」
「最近どうにもレベルが下がっていないか?」
「それは違いますよ。私達について来られる人達が少なくなった、というのが正しいでしょう」
「まぁ、わたし達、だいぶレベルが上がったものね」
「本当、アイツが抜けてから良いことばかりだよな」
「本当ですね。こんなことならもっと早く辞めさせていても良かったのでは?」
「そうよね。みんなが私達に付いてこらないのなら、どうせあいつも、もし今残っていたとして、さらに役立たずになっていただけでしょうに」
「おい! それは違うだろう。俺達だってやつに期待していたんだからな。じゃあ何だ? お前達ならそれおちゃんと分かった上で、奴を辞めさせてたのか?」
「それは……」
「すみません、言いすぎました」
「はぁ、お前達はまったく。自分でできなかったくせに、リーダーに求めすぎんじゃねぇ」
2人が黙る。本当だ。あれはもっと早く、俺が気づくべきだった。久志は庇ってくれているが、確かにそれを決められず、長い間給料と戦利品を渡すことになっちまった。それに時間を無駄にしてしまった。
「それに関しては悪かった。あんなに使えないやつだとはな」
「別に、それはしかなないだろ。誰もあいつの能力が、いつまで経っても目覚めないなんて思わねーしな」
「そうよねぇ。能力を目覚めさせるためにあれだけしたのに」
「なぁ、普通あれだけ危険な目にあえば、命の危険を感じて、能力が目覚めると思うもんな」
「そのせいで私の手作り、最高級のポーションをどれだけ使った事か」
そう、世界で1つしかない能力を持っていた井上拓也。奴のその、何か分からない能力を目覚めさせるために、俺達がどれだけ危険な目にあったか。まぁ、それ自体は、俺達が引き起こしたものだが。
あいつの能力が目覚めるように、わざと俺達が入ることのできる、ギリギリのレベルのダンジョンに入り、高ランクの魔獣に奴を襲わせるようしむけたり。
その時奴が逃げずに、しっかり敵魔獣と戦えるよう、気付かれないように薬をもったりして、せっかく能力が目覚めるためのお膳立てをしたっていうのに。俺の時間を無駄にしやがって。だが……。
「だが、少し遅れたが、やはり追い出しておいて正解だった。まさか目覚めた能力が、あんなくだらない能力だったとはな。魔獣限定の癒しの能力なんて」
「ハハハッ、聞いた時にはお腹が痛くなるほど笑ったぜ!」
「世界初の能力が、ただの癒しですものね」
そう言えばあいつは、俺達のパーティーを辞めてから、あいつの自分の能力を分かっていない馬鹿な幼馴染と、配信チャンネルを作って生活いていたな。確か癒し配信だか、魔獣のための配信だか言っていたが。
あんな物を見る物好きは、そうはいないと思うが、今は、そういう状況になっているんだ?
「おい、あいつの配信チャンネルはどんな感じだ? 1年前くらいから配信していただろう?」
「そう言えば、そんなことを言っていたわね。私いまの今まで忘れていたわよ」
まさかってこともあるからな、確認はしておいた方が良いだろう。まぁ、今の今まで俺も忘れていたが。
「そんな、俺は言われた通りのことをしただけで!?」
「あぁ? 俺に文句があるってのか? 何なら今お前が持ってる素材も、回収したって良いんだぞ!」
「だけど、それじゃあ契約とちがっ……」
『グアァァァッ!!』
「ひっ!? わ、分かった、今すぐ出て行くから待ってくれ!!」
「あと3秒、3、2……」
「た、助けてくれ!!」
バタバタと、大きな足音を立てながら、1週間前に募集した荷物持ちが出て行く。
「チッ! おい、もう下がって良いぞ!」
『グオォォォッ!』
『うるせぇ、もう下がれって言ってるだろう! まったく戦闘能力は抜群だが、人の言葉を理解できない低脳ない生き物め!』
「はぁ、どれだけ役立たずなんだよ。てか役立たずしか居ないのかよ」
「最近どうにもレベルが下がっていないか?」
「それは違いますよ。私達について来られる人達が少なくなった、というのが正しいでしょう」
「まぁ、わたし達、だいぶレベルが上がったものね」
「本当、アイツが抜けてから良いことばかりだよな」
「本当ですね。こんなことならもっと早く辞めさせていても良かったのでは?」
「そうよね。みんなが私達に付いてこらないのなら、どうせあいつも、もし今残っていたとして、さらに役立たずになっていただけでしょうに」
「おい! それは違うだろう。俺達だってやつに期待していたんだからな。じゃあ何だ? お前達ならそれおちゃんと分かった上で、奴を辞めさせてたのか?」
「それは……」
「すみません、言いすぎました」
「はぁ、お前達はまったく。自分でできなかったくせに、リーダーに求めすぎんじゃねぇ」
2人が黙る。本当だ。あれはもっと早く、俺が気づくべきだった。久志は庇ってくれているが、確かにそれを決められず、長い間給料と戦利品を渡すことになっちまった。それに時間を無駄にしてしまった。
「それに関しては悪かった。あんなに使えないやつだとはな」
「別に、それはしかなないだろ。誰もあいつの能力が、いつまで経っても目覚めないなんて思わねーしな」
「そうよねぇ。能力を目覚めさせるためにあれだけしたのに」
「なぁ、普通あれだけ危険な目にあえば、命の危険を感じて、能力が目覚めると思うもんな」
「そのせいで私の手作り、最高級のポーションをどれだけ使った事か」
そう、世界で1つしかない能力を持っていた井上拓也。奴のその、何か分からない能力を目覚めさせるために、俺達がどれだけ危険な目にあったか。まぁ、それ自体は、俺達が引き起こしたものだが。
あいつの能力が目覚めるように、わざと俺達が入ることのできる、ギリギリのレベルのダンジョンに入り、高ランクの魔獣に奴を襲わせるようしむけたり。
その時奴が逃げずに、しっかり敵魔獣と戦えるよう、気付かれないように薬をもったりして、せっかく能力が目覚めるためのお膳立てをしたっていうのに。俺の時間を無駄にしやがって。だが……。
「だが、少し遅れたが、やはり追い出しておいて正解だった。まさか目覚めた能力が、あんなくだらない能力だったとはな。魔獣限定の癒しの能力なんて」
「ハハハッ、聞いた時にはお腹が痛くなるほど笑ったぜ!」
「世界初の能力が、ただの癒しですものね」
そう言えばあいつは、俺達のパーティーを辞めてから、あいつの自分の能力を分かっていない馬鹿な幼馴染と、配信チャンネルを作って生活いていたな。確か癒し配信だか、魔獣のための配信だか言っていたが。
あんな物を見る物好きは、そうはいないと思うが、今は、そういう状況になっているんだ?
「おい、あいつの配信チャンネルはどんな感じだ? 1年前くらいから配信していただろう?」
「そう言えば、そんなことを言っていたわね。私いまの今まで忘れていたわよ」
まさかってこともあるからな、確認はしておいた方が良いだろう。まぁ、今の今まで俺も忘れていたが。
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