異世界でチート無双! いやいや神の使いのミスによる、僕の相棒もふもふの成長物語

ありぽん

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70.オレの獲物はどこだ!!(前半***視点、後半アシュリー視点)

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『あの力はどこだ……。どこに居る? ここに居るのは確かなのだ。チッ! お前、オレの邪魔をするな!!』

 バシュウゥゥゥッ!!

『ぐぎゃあぁぁぁ!?』

『あれはオレが見つけたのだ。誰にも渡さん』

 ようやくここまで集めた魔物達。オレは知っている。この街の中に、特別な能力を持っている人間がいることを。そしてかなりの魔力を持っていることも。何故他の者達が気づかないのかは分からんが。

 あの人間の力を奪うことができれば、オレはまた進化しることができる。あの忌々しいオークジェネラルをも超えることができるだろう。いや、それ以上だ。今まで俺を馬鹿にしていた魔物達を、周りの魔物達を全て、支配できるほどの力を手に入れられるはずなのだ。

 それにはまず、オレが探している人間を殺し、その人間を食わなければ。そうすればその人間の力を手に入れられるはず。昔、そういう話しを聞いたことがあった。あいつは力のある人間を食い、力を手に入れたのだと。でなければあいつが、あそこまで強くなれるわけはないと。

 確かにあいつは強くなる前に、オレ達の目を盗んで、捉えた殺した人間を、こっそりと食べていた。そしてそれに気づいた者達は奴を殺そうとしたが。一瞬で殺そうとした奴らを返り討ちにしてしまい。

 あの時一瞬でどれだけ殺した? それからオレ達は、あいつの言いなりになった。逆らえばその場で殺されてしまうからだ。あの時の屈辱と言ったら。
 だが、それももうすぐ終わりだ。今度はオレが人間の力を手に入れ、魔物達の頂点に立つのだ。

 それにはオレが見つけた、特別な力を持ち、魔力も量も多いい、あの人間を探さなければ。どこだ、どこに居る? チッ、前の方が詰まっているな。これでは中へ入れないではないか。

 これだけの量の魔物を集めたのだから、すぐに中へ入れると思っていたが。人間め、オレの邪魔をするとは。
 ん? よし!! もう1つ壁が崩れたか。これでもう少し早く中へ入っていけるだろう。

 オレは今開いた壁の穴の方へ進もうとする。だがオレに声をかけてきた魔物が。

『おい』

 無視をするわけにはいかず、オレは後ろを振り向いた。無視をすれば、まだ今の段階では、その場で殺されてしまうからな。

『はい』

『俺は今開いた穴から中へはいる。お前は向こうの穴から中へ入れ』

『分かりました』

 オレを睨みながら、オレ達を率いているオークジェネラルが、新たに開いた穴の方へ向かって歩き始めた。

『……』

 おそらく奴も、オレが狙っている人間を狙っているんだろう。チッ、入りやすい方の穴を取られたか。仕方がない向こうへ移動して、他の邪魔な魔物達をやりながら進むしかないか。今のオレにどれだけその力が残っているか。だが、やるしかない。

 オレはすぐに別の穴へと向かった。もう半分以上修復された壁。しかしここから入るしかないだろう。ん? なんだ!? 危ない!! オレはオレの前にいた、大きな魔物も後ろに隠れる。そして何とかそれをやり過ごしたのだが。

 何だ今の魔法は。下手をしたらオレは今、死んでいたかもしれない。大量の炎の波が、オレ達を襲ってきたのだ。そのせいでオレの周りの魔物達が一瞬で半分以上やられてしまった。

 オレが探している人間以外に、これだけの力を使える人間が? どこだ? どこに居る!? オレがすぐにお前を食ってやる。そのせいで多少時間がかかり、本来探している人間の所へ着くのが、遅くなってしまうかもしれないが。

 もしその人間を、あの忌々しいオークジェネラルと取り合えうことなれば。少しでも力をつけておいた方が良いだろう。

 待っていろ、もうすぐ、もうすぐオレが……。

      *********

「カロリーナ! 大丈夫!?」

「うん。アーベルママ、私は大丈夫。ちょっと尻餅ついただけ」

「そう、なら良いのだけど。さぁ、この薬を飲んで。魔力と体力が回復するわ」

「ん」

「それにしても今の魔法、凄い魔法だったわね。かなり魔物を消すことができたわ。少しの時間だけれど、あなたのおかげで皆が体勢を整える事ができる。ありがとう」

「なんか変な感じがした」

「変な感じ?」

「そう。なんかアーベルの邪魔をしそうな、アーベルを狙っているような、変な感じ。だから燃やした」
 
「……変な感じは今もしている」

「うん、でも気のせいかもしれない。また後で燃やして確認してみる」

「あまり無理をしてはダメよ」

「カロリーナ!!」

「ママ!!」

「カロリーナ! 大丈夫!?」

「マーシア、カロリーナは大丈夫よ。今回復の薬を飲ませているところよ」

「はぁ、良かったわ。さっきの魔法を見て驚いて来たのよ。もう、心配させないで」

「ん。でも変な感じを消す」

「変な感じ?」

 私は今のカロリーナの話しをマーシアにしたわ。それから少しの間カロリーナを休ませながら、カロリーナに聞こえないように、話しの続きをして。

 戦いにおいて、もちろん実力は大事だけれど、でも自分が感じる感覚も、とても大事なのよ。これ以上は進んではいけない。相手をしてはいけない。危険だおかしいと。
 戦い始めた頃はその感覚は分からないわ。でも長いこと戦っていくうちに、感覚が研ぎ澄まされて、危険を察知する事ができるようになる。

 カロリーナは他の子よりも優秀な子だけれど、まだそこまでの域には達していない。でも、それでもカロリーナがそう感じたのならば、気をつけなければいけないわ。

「アシュリー、今からでもアーベルの方へ行った方が」

「でも今ここを離れるわけにはいかないわ。それこそ魔物達を中へ入れてしまう事になって、結局はアーベル達の所へ、魔物を行かせてしまう事になる」

「でも、何かあってからじゃ遅いのよ。あの子はアーベルのことになると、アーベル専用の能力を発揮するもの。そのカロリーナが変と言っているんだから、やっぱり行った方が良いわ。ここは私達に任せて」

「マーシア」

「考えている時間がもったいないわよ。さぁ、行って」

「……ありがとう! あの人に伝えてから行くわ」

 私はすぐにあの人の所へ走ったわ。カロリーナ、ありがとう。マーシアありがとう。アーベル、どうか無事でいて。
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