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52.アンセルの登録と行動するときの姿をどうするか
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そうして次の日、僕達家族は朝から予定通り、冒険者ギルドと商業ギルドへ向かった。向かったんだけど、ここである問題が。これがこの前の、思ってもいなかった問題だった。
契約ができたとはいえ、まだ登録を済ませていないアンセルが、街の中を元々の大きさで歩いたら? 僕達が説明する前に街の中がパニックになる可能性も。
大人は強いけど子ベアーみたいに、まだ小さい強い魔獣だったら、まだ時々連れて歩いている人はいるからって事で。だからアンセルには申し訳ないけど、小さい姿のまま行ってもらう事になった。
今まで家にいる時は、ちょっと大きなぬいぐるみみたいだったから、大きさのことをすっかり忘れていた。お母さん達も忘れてたって。普通のアンセルを見たら、みんな驚くに決まってるよな。
アンセルも自分がどんな存在か、きちんと把握しているから。文句を言わずに、それどころかこの町で暮らしている間は、このまま小さい姿でも良いなんて言ってくれて。これについては冒険者ギルドと商業ギルドへ行ってから決める事にした。
まずは冒険者ギルドへ行った僕達。受付のメリアさんにお父さんが話しをして、僕達は登録のための個室へ。その部屋で登録をしながら、冒険者ギルドのギルドマスター、アドルフさんと話しをする事に。
お父さんがメリアさんにアドルフさんを呼んでもらったんだ。大切な話があるからって。お父さんとお母さんの様子、それから僕達が抱っこしている子ベアー姿のアンセルと子ベアーを見て。何かを察してくれたメリアさんは、すぐにアドルフさんを呼んできてくれた。
アドルフさんは元冒険者で、かなりの力の持ち主だ。かなりというか、アドルフさんに勝てる人なんて、魔物も人でも他の種族でも、勝てる人なんているんだろうか?
とても大きな体に似合っている、大きな大剣を使いこなすんだ。僕よりも大きな大剣だよ。そして魔法もレベルの高い魔法を使うことができる。
結婚してから、この街で暮らしていて。子が3人。子が全員最終学年まで卒業するまでは、冒険者として生活し。子供がそれぞれの道を歩み出すと冒険者を卒業。冒険者としての能力が認められて、この街の冒険者ギルドマスターに任命されたんだ。
最初に親子スノーベアーを見たアドルフさん。また森で魔獣を助けて、その魔獣がお母さんを訪ねてきたのかって。どういうことかと思ったら、お母さんを訪ねてやってきた魔獣は、親子スノーベアーだけじゃなかったらしい。
僕が生まれてからは、今回は初めてだったけど、その前までは、2年おきくらいに魔獣が訪ねてきていたって。それであんまり強い魔獣を街に近づけるなって、アドルフさんに何回も注意されていたみたいだ。お母さん、どれだけ自然に生きる魔獣達を助けてきたのか。
「それで、今回はスノーベアーの子供が2匹か? 大人じゃなかったからまだ良いが、本当にお前、気をつけてくれよ。前に5度も、街が騒ぎになったんだから」
「違うのよ。というかあれは、勝手に一部の人間が騒いだだけじゃない。まったく問題ないのに、わざわざ問題にしようとしちゃって」
「あれは当たり前だと思うが?」
「今はそに話しは良いのよ。それとあなたに出した申請書、あれ、一部間違っているから」
「は?」
「そうしないと流石に街に入れられなかったのよ。……ここなら大丈夫ね。アンセル、元の姿に戻ってくれるかしら?」
「ああ」
すぐにアンセルが大人の姿に戻る。それを見たルドルフさんは、ガックリと肩を落とした。それはそれはあの大きな体のルドルフさんが、とてもとても小さく見えるほど、可哀想なほどに。
「お前、何つう奴を街に入れてんだよ」
「色々と事情があるのよ。それでね……」
お母さんがアドルフさんに、昨日からの話しをする。僕が契約できたことも、それからこれからの事についても。
「あ~、確かのそれはダメだな。もちろんこれから登録はする。するが、親の方はぱっと見の場合、印に気づかなくて、驚く奴らは出てくるだろうからな。まぁ、小さい方に関しては、そのうちみんなが慣れて、問題じゃなくなるだろう」
「そうでしょうね」
「1番の問題は、誰がこの親と契約したかだ。オーランドやアシュリーなら、まだ大丈夫だろう。魔獣契約なしの登録だけだったとしても、皆お前達の実力知っていて、何かあればお前達が止めてくれると分かっているからな」
さすがお父さん達だ。みんなからの信頼が厚い。
「だがまだ子供の、しかもアーベルが契約したと分かれば。たとえ契約していても、本当にスノーベアーを街に入れて大丈夫なのか? 何かあった場合、アーベルで対処できるのかって。結局は騒ぎになる可能性がある。それと……」
まだ何かあるのか?
「ただでさえ目立つんだ。それなのに本来なら契約できないはずであろうアーベルが、契約したと分かったら? 更に注目を集める事になって、変な輩に絡まれ、それでまた騒ぎに。ならまだ、たまたま子スノーベアーを2匹保護して、弱っていたから契約できたとでも言った方が、みんな納得するだろう」
変な輩……。ほら他人の魔獣を奪おうとするバカな奴らのことだ。契約していようと登録していようと、どうにかこうにか無理やり魔獣を奪おうとする、面倒な奴ら。確かに目立つことで、そういう奴らが近寄ってこないとも限らない。
「ずっと小さいままでいられるのか?」
『ああ、別に問題はない。制限はないからな』
お母さんがルドルフさんに通訳する。
「ならそのままでいてくれ。登録の方は俺がうまい具合にやってやる。俺はあれができるからな」
あれ? あれって何のことだろう? そう思いながら、一応これからのアンセルのことが決まって、この後すぐにアンセルと子ベアーの登録をする事に。登録はメリアさんじゃなくて、アドルフさん直々のしてくれる事になった。
「さぁ、さっさと登録をすませっちまおう」
契約ができたとはいえ、まだ登録を済ませていないアンセルが、街の中を元々の大きさで歩いたら? 僕達が説明する前に街の中がパニックになる可能性も。
大人は強いけど子ベアーみたいに、まだ小さい強い魔獣だったら、まだ時々連れて歩いている人はいるからって事で。だからアンセルには申し訳ないけど、小さい姿のまま行ってもらう事になった。
今まで家にいる時は、ちょっと大きなぬいぐるみみたいだったから、大きさのことをすっかり忘れていた。お母さん達も忘れてたって。普通のアンセルを見たら、みんな驚くに決まってるよな。
アンセルも自分がどんな存在か、きちんと把握しているから。文句を言わずに、それどころかこの町で暮らしている間は、このまま小さい姿でも良いなんて言ってくれて。これについては冒険者ギルドと商業ギルドへ行ってから決める事にした。
まずは冒険者ギルドへ行った僕達。受付のメリアさんにお父さんが話しをして、僕達は登録のための個室へ。その部屋で登録をしながら、冒険者ギルドのギルドマスター、アドルフさんと話しをする事に。
お父さんがメリアさんにアドルフさんを呼んでもらったんだ。大切な話があるからって。お父さんとお母さんの様子、それから僕達が抱っこしている子ベアー姿のアンセルと子ベアーを見て。何かを察してくれたメリアさんは、すぐにアドルフさんを呼んできてくれた。
アドルフさんは元冒険者で、かなりの力の持ち主だ。かなりというか、アドルフさんに勝てる人なんて、魔物も人でも他の種族でも、勝てる人なんているんだろうか?
とても大きな体に似合っている、大きな大剣を使いこなすんだ。僕よりも大きな大剣だよ。そして魔法もレベルの高い魔法を使うことができる。
結婚してから、この街で暮らしていて。子が3人。子が全員最終学年まで卒業するまでは、冒険者として生活し。子供がそれぞれの道を歩み出すと冒険者を卒業。冒険者としての能力が認められて、この街の冒険者ギルドマスターに任命されたんだ。
最初に親子スノーベアーを見たアドルフさん。また森で魔獣を助けて、その魔獣がお母さんを訪ねてきたのかって。どういうことかと思ったら、お母さんを訪ねてやってきた魔獣は、親子スノーベアーだけじゃなかったらしい。
僕が生まれてからは、今回は初めてだったけど、その前までは、2年おきくらいに魔獣が訪ねてきていたって。それであんまり強い魔獣を街に近づけるなって、アドルフさんに何回も注意されていたみたいだ。お母さん、どれだけ自然に生きる魔獣達を助けてきたのか。
「それで、今回はスノーベアーの子供が2匹か? 大人じゃなかったからまだ良いが、本当にお前、気をつけてくれよ。前に5度も、街が騒ぎになったんだから」
「違うのよ。というかあれは、勝手に一部の人間が騒いだだけじゃない。まったく問題ないのに、わざわざ問題にしようとしちゃって」
「あれは当たり前だと思うが?」
「今はそに話しは良いのよ。それとあなたに出した申請書、あれ、一部間違っているから」
「は?」
「そうしないと流石に街に入れられなかったのよ。……ここなら大丈夫ね。アンセル、元の姿に戻ってくれるかしら?」
「ああ」
すぐにアンセルが大人の姿に戻る。それを見たルドルフさんは、ガックリと肩を落とした。それはそれはあの大きな体のルドルフさんが、とてもとても小さく見えるほど、可哀想なほどに。
「お前、何つう奴を街に入れてんだよ」
「色々と事情があるのよ。それでね……」
お母さんがアドルフさんに、昨日からの話しをする。僕が契約できたことも、それからこれからの事についても。
「あ~、確かのそれはダメだな。もちろんこれから登録はする。するが、親の方はぱっと見の場合、印に気づかなくて、驚く奴らは出てくるだろうからな。まぁ、小さい方に関しては、そのうちみんなが慣れて、問題じゃなくなるだろう」
「そうでしょうね」
「1番の問題は、誰がこの親と契約したかだ。オーランドやアシュリーなら、まだ大丈夫だろう。魔獣契約なしの登録だけだったとしても、皆お前達の実力知っていて、何かあればお前達が止めてくれると分かっているからな」
さすがお父さん達だ。みんなからの信頼が厚い。
「だがまだ子供の、しかもアーベルが契約したと分かれば。たとえ契約していても、本当にスノーベアーを街に入れて大丈夫なのか? 何かあった場合、アーベルで対処できるのかって。結局は騒ぎになる可能性がある。それと……」
まだ何かあるのか?
「ただでさえ目立つんだ。それなのに本来なら契約できないはずであろうアーベルが、契約したと分かったら? 更に注目を集める事になって、変な輩に絡まれ、それでまた騒ぎに。ならまだ、たまたま子スノーベアーを2匹保護して、弱っていたから契約できたとでも言った方が、みんな納得するだろう」
変な輩……。ほら他人の魔獣を奪おうとするバカな奴らのことだ。契約していようと登録していようと、どうにかこうにか無理やり魔獣を奪おうとする、面倒な奴ら。確かに目立つことで、そういう奴らが近寄ってこないとも限らない。
「ずっと小さいままでいられるのか?」
『ああ、別に問題はない。制限はないからな』
お母さんがルドルフさんに通訳する。
「ならそのままでいてくれ。登録の方は俺がうまい具合にやってやる。俺はあれができるからな」
あれ? あれって何のことだろう? そう思いながら、一応これからのアンセルのことが決まって、この後すぐにアンセルと子ベアーの登録をする事に。登録はメリアさんじゃなくて、アドルフさん直々のしてくれる事になった。
「さぁ、さっさと登録をすませっちまおう」
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