異世界でチート無双! いやいや神の使いのミスによる、僕の相棒もふもふの成長物語

ありぽん

文字の大きさ
上 下
47 / 72

47.色々決まって、午後は畑仕事

しおりを挟む
 昨日はみんな盛り上がって、いつもよりも遅くまで起きていたから。朝起きるのが遅くて。話し合いと僕の魔獣契約で、午前中のほとんどを使っちゃって。
 午後から冒険者ギルドや商業ギルドに登録しに行っても良いけど、もしかしたら時間がかかるかもってって事で。登録には明日の朝から行くことに。

 それに朝から行けばその後ゆっくり、スノーベアー親子に街の中を案内できるからって。これからここで暮らすんだから、街を案内しないとね。
 それを聞いて子ベアーがとっても喜んでいたよ。子ベアーが食べられる、気に入りそうなお菓子は売ってるかな? 食べ物は何が好きか聞いてみよう。

 そして今日の午後だけど、まず初めにスノーベアー親子の仮の名を決める事に。それから早速薬を飲んでもらって。薬を飲んだ後は、別にすぐに動いちゃいけないとか、寝ていないとダメとかないから、そのまま僕達はさっきの畑仕事の続きを。

 親ベアーはお母さんの薬について、さっきよりも詳しく話しを聞くって。薬を飲ませる時の注意点なんかをね。

 と、いう事で。まずは名前なんだけど。

「どんな名前が良いかな? 僕達みんなで考えても良いし、何か気に入った名前があるなら、その名前にすれば良いし」

『そうだな。息子には名前の事を教えてはあったんだが。今までは必要なかったからな。もし俺の後を継いで、森を守る存在になれたら、仲間達と話しあって決めるつもりでいたんだ。だから何も考えていなくてな。ちなみに俺には一応名がある。アンセルだ』

「カッコいい名前だな!!」

『そうだろう? 俺も気に入っているんだ。それで名前の事なんだが、息子の名前は仮とはいえ親の俺が考えたいんだが、それで良いか? 息子が考えると、とんでもない名前になりそうだからな。前に名前の事を聞いたら、フワが良いとかモフーが良いとか言ってな』

「フワ? モフー? 何でその名前が良いって?」

『息子はもふもふとした柔らかい物が大好きでな。その触り心地をそのまま名前にと考えたのだ。確かに仮だからそれでも良いのだが、後の事を考えると色々な』

「分かった。じゃあ名前はアンセルに任せるよ」

 こうして子ベアーの名前はアンセルに任せる事に。ここまで決まってしまえば、もう僕達はここにいなくても良いから。午後からと言わずに、今から畑仕事の続きをすることに。セレンともぐモグーとハピちゃん、子ベアーと共に畑へと向かった。

 今日これからやる事は、まずは野菜の収穫、その後は収穫した野菜の残り、葉っぱや根っこを全て回収して土を耕す。土を耕した所は2日ほどそのままに。その後肥料を撒いてさらに1日おいて。それから種まきをするんだ。

 だから今日は土を耕すところまでやって、その後最後は畑全体に水撒きだ。野菜の収穫も結構時間がかかるし。
 土を耕すにも、いつも必ず調べるんだよ。大きな石が出てきたりするから。それの除去をしないといけない。種を蒔いたり、苗を植えているのに邪魔になるからね。水撒きも畑が広くなったぶん時間がかかる。

「さぁ、まず野菜の収穫からやっちゃおうね。みんな子ベアーに、どの野菜が取っても大丈夫な野菜なのか。どうやって取ったら良いのか、教えてあげてくれる?」
 
『うん!!』

『しっかり教えるぞ!!』

『ハピちゃんも!!』

 収穫する野菜については、午前中にお母さんに聞いていたから、すぐにその野菜の所へ向かうみんな。そして子ベアーに丁寧に教えてくれて。子ベアーも初めての体験だから、取っても興味深々、一生懸命にみんなの話しを聞いている。

 僕はその間に、みんなが収穫してくれた野菜を入れる籠を用意したり、雑草取りの準備をしたりと、みんなの近くで色々動いていた。この世界の雑草は育ちが良すぎて、物によっては一晩で僕の膝くらいまで伸びる雑草も。だからちょくちょく雑草取りをしないといけないんだよ。

『この野菜はまだダメだよ。こう皮がピンッ! ってなってないとダメなの』

『こっちの野菜は、しゅんってなってるのは、まだ取っちゃダメなんだぞ。シュッ!! ってなったら、取っても良いってサインなんだぞ!!』

『こっちの色はダメ。もっと濃い~ってなってないとダメ』

『ピンッ!! シュッ!! 濃い~!!』

『『『そう!!』』』

 思わず笑いそうになってしまった。一生懸命教えてくれるのは良いんだけど、あれで分かるんだろうか? まぁ、本人達が分かれば問題ないけど。

 それからみんな、子ベアーに付きっきりで野菜の収穫をしてくれて。子ベアーも楽しそうに野菜の収穫をして。初めての収穫なのに、先生達の教え方が良いのか、綺麗に野菜を収穫していた。これなら今後も子ベアーの事はみんなに任せるか。

 今日の収穫が大体終わった頃。いつも通りセレンが準備運動を始めた。セレンは最後の野菜や果物を収穫するとき、まとめてシュシュシュッ!! と収穫してくれるんだよ。

 ムーンラビットの攻撃技の1つなんだけど。爪を出して引っ掻くように攻撃。相手に傷を負わせるんだ。
 まぁ、元々がそんなに強い魔獣じゃないから、大したキズを負わせる事はできないんだけど。敵に攻撃して、敵の動きが一瞬止まったときに逃げたり、自分達のご飯を得るときに使ったり。色々と使えるんだ。

 それからセレンは風魔法もちょっと使えて。その風魔法で走るスピードと、引っ掻く速さをより早く、そして綺麗に切れるようにして。最後はいつもまとめて収穫してくれるんだ。

『こっちで見よう。邪魔はダメなんだぞ』

『すぐに終わる』

『うん!!』

 みんなが邪魔にならない場所まで下がる。俺は籠を持ってモグー達の隣へ。

『行くよ!! それっ!!』

 それは一瞬だった。いつもは最初の野菜にところまで移動、シュッ! シュッ! と2、3回引っ掻いて野菜を取ってから、次の野菜の所へ。次に行くのに一旦止まるんだよ。これでまとめて収穫? って言われるとなんだけど。でもそれでも普通にやるよりは早いんだ。

 だけど今回は……。一瞬で端から端まで移動しちゃったセレン。しかも一瞬だったのに、しっかりと野菜は傷つけずに下に落ちていて。

 僕もモグー達も、そしてそれをやったセレン本人も。突然の事に野菜をただただ見つめてしまっていた。
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

やっと買ったマイホームの半分だけ異世界に転移してしまった

ぽてゆき
ファンタジー
涼坂直樹は可愛い妻と2人の子供のため、頑張って働いた結果ついにマイホームを手に入れた。 しかし、まさかその半分が異世界に転移してしまうとは……。 リビングの窓を開けて外に飛び出せば、そこはもう魔法やダンジョンが存在するファンタジーな異世界。 現代のごくありふれた4人(+猫1匹)家族と、異世界の住人との交流を描いたハートフルアドベンチャー物語!

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

野草から始まる異世界スローライフ

深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。 私ーーエルバはスクスク育ち。 ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。 (このスキル使える)   エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。 エブリスタ様にて掲載中です。 表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。 プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。 物語は変わっておりません。 一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。 よろしくお願いします。

処理中です...