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45.決まったこれから
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「まず、最初に。あなたはここで暮らしても良いと思っている?」
『ああ、それはもちろん。息子を助ける事ができるのなら、俺はこの街に住むぞ』
「それで良いのね。あなたあの森でかなりの力を持っていたでしょう。もしあの子が元気になって森へ戻った時、その力は通用しなくなっているかもしれないわよ」
『そんなもの。息子の命に比べれば。それに、ここで暮らすのなら、森に帰ることもないだろう』
「分かったは。じゃあ話しを進めましょう。分かっていると思うけど、今あなた達親子は、特別にこの街へ入れることになっている。だからこのままだと後少しで街から出ないといけない。そうなれば近くの森へ行ってもらう事になると思うけど……」
近くの森には強い魔獣は住んでいないって、みんなに認識されているから、もしそこで誰かにスノーベアーの親子が目撃されると問題に。もしかしたら討伐対象になりかねないんだ。そうしたら親ベアーは子ベアーを守って、みんなと戦う事になって、下手をしたら……。
それにそのせいで子ベアーの具合が悪くなる可能性も。それじゃあダメだろう? 体を治すために、命が危なくなるなんて。
そうなると、スノーベアーが暮らしていても完璧に大丈夫な森は、街から結構離れている場所になって、結局は子ベアーの移動が大変に。
1番良い方法は、僕達と家族になって、堂々とこの街で暮らす事。幸いまだ子ベアーは小さいし、こんな時に言うのはなんだけど。体が弱いおかげで僕と契約できるんだよ。だから僕と契約して登録を済ませれば問題なし。
問題は親ベアーの方だ。親ベアーは強い魔獣だから、やってみないと分からないけれど、僕と契約できる可能性は限りなく低い。
そうなるとほら、契約できなくても登録だけしている人達がいるだろう? その人達みたいに登録できれば良いけど。
そこで問題になってくるのが、やっぱり親ベアーの強さだ。何しろ今僕達といる親ベアーは人と敵対しない優しいスノーベアーだけど、本来はね。街を簡単に半壊させるくらい強い魔獣で。
そういう強い魔獣の登録は、契約をしていないとダメと言われる事が多いんだ。今はお父さんとお母さんのおかげで、短期間の滞在は許されているけど、それが登録となると。
「だからそうなったら場合、あなただけ、どこかの森で暮らしてもらう事に」
『そうか、そうなるよな』
「もちろんこれは最後よ。全部試してみて、子供しか街に残れない場合はってこと。子供と離れるのは心配でしょうけど、あなただけなら、隣の森じゃなくて2日位行った森で、暮らすのなら問題ないと思うの。子供が一緒じゃない分動きやすいでしょうし」
『確かに俺だけならば、どうにでも動けるからな。他の人間に見つからないようにすれば』
「そして1ヶ月に1回、数日だけ許可をもらって街へ入れば。何も数ヶ月街に入れないわけじゃない。勿論その時は私が迎えに行って。すぐに入れるように申請もしておくわ。どうかしら?」
『ああ、それで良い。息子は寂しがるだろうが、これも息子のためだ』
「もう1度確認するわね。もし全部試してダメだったら、あなただけ外で暮らす。それで良いのね」
『ああ、それでで頼む』
「分かったわ。じゃあ最後にもう1つ」
まだ何かあるのか? って思った僕、大事な事が残っていた。契約に関する事だ。もし親子スノーベアー、2匹とも契約できたら、問題なく街で暮らせるけれど。子ベアーがちゃんと薬が効いて、しっかりと生きていけるまでに成長して、薬が必要なくなった場合。
そのまま街に残っても良いけれど、元住んでいた森に帰るなら、しっかりと契約は破棄するって。確かに契約破棄には時間がかかるけど、でも今回は子ベアーのための契約だからな。セレン達みたいな本当の家族としての契約じゃない。
だからもし帰りたいというになら、お母さんが言ったからじゃないけど、しっかりと契約は破棄をするよ。
それは子ベアーだけ契約した時も同じだよ。治療が終わったら、契約破棄して親ベアーの元へ帰す。うん。大切なことだと。
「それでどうかしら」
『お前は変わっているな。そのまま俺達を繋ぎ止めておけば、色々と楽なこともあるだろう?』
「人間だろうと魔獣だろうと、信用が大切でしょう? 当たり前のことよ」
『確かにな。分かったは。その時の事はその時考えて決めよう』
「それじゃあ最後の確認よ。今話したこと全て納得して、あの子の治療をして良いわね」
『ああ、よろしく頼む!!』
こうしてこれからの事が決まった。お母さんが僕達に家の中へ入るように言う。僕はすぐにみんなを呼んで、足を綺麗に拭いてから家の中へ。そしてみんなに、お母さんと親ベアーが今の話しをした。
もちろんそれを聞いた子ベアーは、まだどうなるか分からないが、最初は離れることを拒んだ。当たり前だ。こんなに小さいのに、親と離れるなんて。
でもゆっくりじっくりと、お母さんと親ベアーが話しをしたら、最後には泣きながらだけど納得してくれて。
それに考えたらって。2日向こうの森に親ベアーが住んだ場合。2日の距離ならこっちから親ベアーの所へ遊びに行けば良いって。元の森まで行くわけじゃないから、確かのその通りで。それを聞いて、子ベアーは納得してくれた感じだった。
『わぁ、新しい家族!!』
『オレ、嬉しいぞ!!』
『ハピちゃんも!! 嬉しいなぁ、嬉しいな♪』
『ぼく、かぞく。よろしくね!!』
そして話しの後は、決まったんだからと、すぐに色々動く事に。まずは僕と子ベアーの契約からやる事になった。
でもしっかりとした名前は付けないことに。今後どうなるか分からないから。ほら森に帰るかもしれないだろう? とりあえずの名前は付けるかもしれないけど。ただの子ベアーじゃな。
急に忙しくなったけど、しっかり契約して、必ず子ベアーを元気にしてあげよう。そして親ベアーと幸せに暮らせるように。
『ああ、それはもちろん。息子を助ける事ができるのなら、俺はこの街に住むぞ』
「それで良いのね。あなたあの森でかなりの力を持っていたでしょう。もしあの子が元気になって森へ戻った時、その力は通用しなくなっているかもしれないわよ」
『そんなもの。息子の命に比べれば。それに、ここで暮らすのなら、森に帰ることもないだろう』
「分かったは。じゃあ話しを進めましょう。分かっていると思うけど、今あなた達親子は、特別にこの街へ入れることになっている。だからこのままだと後少しで街から出ないといけない。そうなれば近くの森へ行ってもらう事になると思うけど……」
近くの森には強い魔獣は住んでいないって、みんなに認識されているから、もしそこで誰かにスノーベアーの親子が目撃されると問題に。もしかしたら討伐対象になりかねないんだ。そうしたら親ベアーは子ベアーを守って、みんなと戦う事になって、下手をしたら……。
それにそのせいで子ベアーの具合が悪くなる可能性も。それじゃあダメだろう? 体を治すために、命が危なくなるなんて。
そうなると、スノーベアーが暮らしていても完璧に大丈夫な森は、街から結構離れている場所になって、結局は子ベアーの移動が大変に。
1番良い方法は、僕達と家族になって、堂々とこの街で暮らす事。幸いまだ子ベアーは小さいし、こんな時に言うのはなんだけど。体が弱いおかげで僕と契約できるんだよ。だから僕と契約して登録を済ませれば問題なし。
問題は親ベアーの方だ。親ベアーは強い魔獣だから、やってみないと分からないけれど、僕と契約できる可能性は限りなく低い。
そうなるとほら、契約できなくても登録だけしている人達がいるだろう? その人達みたいに登録できれば良いけど。
そこで問題になってくるのが、やっぱり親ベアーの強さだ。何しろ今僕達といる親ベアーは人と敵対しない優しいスノーベアーだけど、本来はね。街を簡単に半壊させるくらい強い魔獣で。
そういう強い魔獣の登録は、契約をしていないとダメと言われる事が多いんだ。今はお父さんとお母さんのおかげで、短期間の滞在は許されているけど、それが登録となると。
「だからそうなったら場合、あなただけ、どこかの森で暮らしてもらう事に」
『そうか、そうなるよな』
「もちろんこれは最後よ。全部試してみて、子供しか街に残れない場合はってこと。子供と離れるのは心配でしょうけど、あなただけなら、隣の森じゃなくて2日位行った森で、暮らすのなら問題ないと思うの。子供が一緒じゃない分動きやすいでしょうし」
『確かに俺だけならば、どうにでも動けるからな。他の人間に見つからないようにすれば』
「そして1ヶ月に1回、数日だけ許可をもらって街へ入れば。何も数ヶ月街に入れないわけじゃない。勿論その時は私が迎えに行って。すぐに入れるように申請もしておくわ。どうかしら?」
『ああ、それで良い。息子は寂しがるだろうが、これも息子のためだ』
「もう1度確認するわね。もし全部試してダメだったら、あなただけ外で暮らす。それで良いのね」
『ああ、それでで頼む』
「分かったわ。じゃあ最後にもう1つ」
まだ何かあるのか? って思った僕、大事な事が残っていた。契約に関する事だ。もし親子スノーベアー、2匹とも契約できたら、問題なく街で暮らせるけれど。子ベアーがちゃんと薬が効いて、しっかりと生きていけるまでに成長して、薬が必要なくなった場合。
そのまま街に残っても良いけれど、元住んでいた森に帰るなら、しっかりと契約は破棄するって。確かに契約破棄には時間がかかるけど、でも今回は子ベアーのための契約だからな。セレン達みたいな本当の家族としての契約じゃない。
だからもし帰りたいというになら、お母さんが言ったからじゃないけど、しっかりと契約は破棄をするよ。
それは子ベアーだけ契約した時も同じだよ。治療が終わったら、契約破棄して親ベアーの元へ帰す。うん。大切なことだと。
「それでどうかしら」
『お前は変わっているな。そのまま俺達を繋ぎ止めておけば、色々と楽なこともあるだろう?』
「人間だろうと魔獣だろうと、信用が大切でしょう? 当たり前のことよ」
『確かにな。分かったは。その時の事はその時考えて決めよう』
「それじゃあ最後の確認よ。今話したこと全て納得して、あの子の治療をして良いわね」
『ああ、よろしく頼む!!』
こうしてこれからの事が決まった。お母さんが僕達に家の中へ入るように言う。僕はすぐにみんなを呼んで、足を綺麗に拭いてから家の中へ。そしてみんなに、お母さんと親ベアーが今の話しをした。
もちろんそれを聞いた子ベアーは、まだどうなるか分からないが、最初は離れることを拒んだ。当たり前だ。こんなに小さいのに、親と離れるなんて。
でもゆっくりじっくりと、お母さんと親ベアーが話しをしたら、最後には泣きながらだけど納得してくれて。
それに考えたらって。2日向こうの森に親ベアーが住んだ場合。2日の距離ならこっちから親ベアーの所へ遊びに行けば良いって。元の森まで行くわけじゃないから、確かのその通りで。それを聞いて、子ベアーは納得してくれた感じだった。
『わぁ、新しい家族!!』
『オレ、嬉しいぞ!!』
『ハピちゃんも!! 嬉しいなぁ、嬉しいな♪』
『ぼく、かぞく。よろしくね!!』
そして話しの後は、決まったんだからと、すぐに色々動く事に。まずは僕と子ベアーの契約からやる事になった。
でもしっかりとした名前は付けないことに。今後どうなるか分からないから。ほら森に帰るかもしれないだろう? とりあえずの名前は付けるかもしれないけど。ただの子ベアーじゃな。
急に忙しくなったけど、しっかり契約して、必ず子ベアーを元気にしてあげよう。そして親ベアーと幸せに暮らせるように。
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