39 / 72
39.またまた問題発生? 小さい女の子の治療開始!!
しおりを挟む
『本当だ!! なんか居るぞ!!』
『今度は凄く小さい』
『何これ? パパ、変なのが居るよ!!』
セレンの所へみんなが集まる。待って待ってみんな。小さいって、みんなが集まって見ているくらい小さいのは分かるどけ。でも小さいからって、危険じゃないってわけじゃないんだよ。小さくても危険な生き物はたくさんいるんだから。
親子スノーベアーみたいに、突然襲われたらそうするんだ。それに回復できないような傷を負ったら?
僕は急いでみんなの所へ。そんな僕を追い抜いて親ベアーもみんなの所へ。あ、そうそう。魔獣に名前がないことは多いけど、この親子スノーベアーも名前はなく。
でもいちいち呼ぶのもってことで、親ベアー、子ベアーと呼ばせてもらうことになったんだ。
『お前達、何か分からない物に、そんなに近寄るんじゃない』
親ベアーに離されるみんな。そうそう、そんなに近づいちゃダメだよ。追いついた僕と親ベアーで、みんなが見ていた物を確認する。そんな僕達の頭に乗ったり肩の乗ったり。子ベアーは親ベアーの腕に抱っこちゃんになって、一緒に見てきた。
「これは……」
『一体なんだ?』
「親ベアーも分からない?」
『似ている者には、数回会った事があるんだが。それに比べると少し違う部分が。それにその者達特有の気配がしない』
「僕はこういう子、初めてみるから分からないんだけど。やっぱり特有の気配があるの?」
『ああ。この者達は俺達とは違う存在だからな。それ相応の気配を放っているんだ。だが、この者からは全くその気配がしない』
僕達の目にいる者。それは花の中に寝ている、小さな女の子だった。俺の手のひらに乗るくらいの小さな女の子で。見た感じだけで言えば、本で見た事がある妖精って感じだろうか。
でも親ベアーの言う通り、本に書いてある妖精と違う所が。妖精には小さな羽がついているんだけど、この女の子にはその羽がなかったんだ。ならこの子は一体?
『ねぇねぇ、アーベル。この子なんか具合悪そうだよ』
「そうなのか?」
『なんか顔色が悪いぞ』
『肌色じゃない、青』
『うん、青』
色々考えていると、セレン達がそう言ってきた。青? 思わず親ベアーと顔を見合わせる。僕には肌色に見えるんだけど。親ベアーに聞いてみたら、やっぱり肌色だって。ただ……。
「僕には顔色はいまいち分からないけど、確かに具合は悪そうだね。見つけた時から、こんな呼吸をしていた?」
『うん!!』
小さい女の子は苦しそうに、ゼェゼェ息をしていた。う~ん、僕的には治療ができるのなら治療をしてあげたいんだけど。この子がどんな存在か分からないし。もしも変わった妖精だったとしても、妖精には人間の回復魔法が効くのかな?
「ねぇ、妖精は特別な存在だって聞いているんだけど。そんな特別な存在の妖精に、人間の回復魔法は効くのかな? できるのなら助けてあげたいんだ」
『さすがに俺もそこまでは。だけど、全くやらないよりは。まだ魔法は使えるのか?』
「まぁね、それくれいは。それにお母さんの薬もまだあるし」
『やってみても良いと思うぞ。このままでは酷くなりそうだからな。もしそれで回復できないのであれば、後は自然に任せるしかないだろう』
そうだな。とりあえずやってみないと。それで回復できなければ、後は祈るだけだ。
僕は女の子に近づいて、まずは鑑定からする事に。どんな病状か見たかったんだよ。だけど何も見る事ができなかった。全ての項目が記号で表されていて、1つも病状が分からなかったんだ。
仕方なくお母さんが持たせてくれた、総合薬を飲ませてみる事に。総合薬は2本しか持ってきていなかったから、これで少しは効いてくれれば良いけど。それでその後僕が回復魔法をやってみよう。
すぐに薬を用意する僕。そして女の子に薬を飲ませる前に、女の子に静かに話しかけた。
「初めまして。僕はアーベル。こっちはセレンにモグーにハピちゃん、それからスノーベアーの家族だよ。今から僕は君に薬を飲ませようと思っているんだけど。君はとっても具合が悪そうだからね」
僕の声に反応を示さない女の子。よほど具合が悪いんだろう。
「僕達に気づいていない君に、薬を飲ませるのは申し訳ないんだけど、このままだと具合は悪くなるばかりだろうから、返事を待たずに治療させてもらうね」
『だ……れ……?』
と、薬の便を手に取った時だった。女の子が気が付いたんだ。
「気がついた? 僕はアーベルだよ。君は今具合が悪そうだから、これから薬を飲ませようと思っているんだ。良いかな?」
『くすり……、のむ……。うん』
たぶん気づいても意識が朦朧としているんだろう。僕の話しをどこまで分かってくれたか。でも少しでも意識があった方が、飲ませた時に自然と飲んでくれる事が多いから、飲ませるなら今のうちだ。
「さぁ、飲ませるからね」
少しずつ、少しずつ、薬を口に入れていく。小さな口からこぼれないようの、近くにあった葉っぱを使ってストローみたいにして、それを使ってね。
そうするとコクコク薬を飲んでくれた女の子。全部飲ませるには、この子には多いかと思ったけど、女の子は薬2本分を全て飲み干した。
すると少しして、全部薬を飲んだ女の子の息遣いが安定してきた。良かった、薬が効いてくれたみたいだ。僕はすぐに回復魔法をかける。
すると、さっきのセレン達のこと。青色って言ってただろう? 肌色に見えていた肌の色が、白く少し輝いて見えて。確かには肌色が変わるほど、具合が悪かったようだ。みんなよく分かったな。俺ももっと気をつけて見ないと。
回復魔法をかけ終わった僕。一応鑑定してみる事に。でもやっぱり何も分からなかった。大丈夫かな? ちゃんと回復できただろうか?
「僕の事が分かる?」
『……』
「声が聞こえるかな?」
『……う~ん』
あっ!! 目を開けてくれた!!
『今度は凄く小さい』
『何これ? パパ、変なのが居るよ!!』
セレンの所へみんなが集まる。待って待ってみんな。小さいって、みんなが集まって見ているくらい小さいのは分かるどけ。でも小さいからって、危険じゃないってわけじゃないんだよ。小さくても危険な生き物はたくさんいるんだから。
親子スノーベアーみたいに、突然襲われたらそうするんだ。それに回復できないような傷を負ったら?
僕は急いでみんなの所へ。そんな僕を追い抜いて親ベアーもみんなの所へ。あ、そうそう。魔獣に名前がないことは多いけど、この親子スノーベアーも名前はなく。
でもいちいち呼ぶのもってことで、親ベアー、子ベアーと呼ばせてもらうことになったんだ。
『お前達、何か分からない物に、そんなに近寄るんじゃない』
親ベアーに離されるみんな。そうそう、そんなに近づいちゃダメだよ。追いついた僕と親ベアーで、みんなが見ていた物を確認する。そんな僕達の頭に乗ったり肩の乗ったり。子ベアーは親ベアーの腕に抱っこちゃんになって、一緒に見てきた。
「これは……」
『一体なんだ?』
「親ベアーも分からない?」
『似ている者には、数回会った事があるんだが。それに比べると少し違う部分が。それにその者達特有の気配がしない』
「僕はこういう子、初めてみるから分からないんだけど。やっぱり特有の気配があるの?」
『ああ。この者達は俺達とは違う存在だからな。それ相応の気配を放っているんだ。だが、この者からは全くその気配がしない』
僕達の目にいる者。それは花の中に寝ている、小さな女の子だった。俺の手のひらに乗るくらいの小さな女の子で。見た感じだけで言えば、本で見た事がある妖精って感じだろうか。
でも親ベアーの言う通り、本に書いてある妖精と違う所が。妖精には小さな羽がついているんだけど、この女の子にはその羽がなかったんだ。ならこの子は一体?
『ねぇねぇ、アーベル。この子なんか具合悪そうだよ』
「そうなのか?」
『なんか顔色が悪いぞ』
『肌色じゃない、青』
『うん、青』
色々考えていると、セレン達がそう言ってきた。青? 思わず親ベアーと顔を見合わせる。僕には肌色に見えるんだけど。親ベアーに聞いてみたら、やっぱり肌色だって。ただ……。
「僕には顔色はいまいち分からないけど、確かに具合は悪そうだね。見つけた時から、こんな呼吸をしていた?」
『うん!!』
小さい女の子は苦しそうに、ゼェゼェ息をしていた。う~ん、僕的には治療ができるのなら治療をしてあげたいんだけど。この子がどんな存在か分からないし。もしも変わった妖精だったとしても、妖精には人間の回復魔法が効くのかな?
「ねぇ、妖精は特別な存在だって聞いているんだけど。そんな特別な存在の妖精に、人間の回復魔法は効くのかな? できるのなら助けてあげたいんだ」
『さすがに俺もそこまでは。だけど、全くやらないよりは。まだ魔法は使えるのか?』
「まぁね、それくれいは。それにお母さんの薬もまだあるし」
『やってみても良いと思うぞ。このままでは酷くなりそうだからな。もしそれで回復できないのであれば、後は自然に任せるしかないだろう』
そうだな。とりあえずやってみないと。それで回復できなければ、後は祈るだけだ。
僕は女の子に近づいて、まずは鑑定からする事に。どんな病状か見たかったんだよ。だけど何も見る事ができなかった。全ての項目が記号で表されていて、1つも病状が分からなかったんだ。
仕方なくお母さんが持たせてくれた、総合薬を飲ませてみる事に。総合薬は2本しか持ってきていなかったから、これで少しは効いてくれれば良いけど。それでその後僕が回復魔法をやってみよう。
すぐに薬を用意する僕。そして女の子に薬を飲ませる前に、女の子に静かに話しかけた。
「初めまして。僕はアーベル。こっちはセレンにモグーにハピちゃん、それからスノーベアーの家族だよ。今から僕は君に薬を飲ませようと思っているんだけど。君はとっても具合が悪そうだからね」
僕の声に反応を示さない女の子。よほど具合が悪いんだろう。
「僕達に気づいていない君に、薬を飲ませるのは申し訳ないんだけど、このままだと具合は悪くなるばかりだろうから、返事を待たずに治療させてもらうね」
『だ……れ……?』
と、薬の便を手に取った時だった。女の子が気が付いたんだ。
「気がついた? 僕はアーベルだよ。君は今具合が悪そうだから、これから薬を飲ませようと思っているんだ。良いかな?」
『くすり……、のむ……。うん』
たぶん気づいても意識が朦朧としているんだろう。僕の話しをどこまで分かってくれたか。でも少しでも意識があった方が、飲ませた時に自然と飲んでくれる事が多いから、飲ませるなら今のうちだ。
「さぁ、飲ませるからね」
少しずつ、少しずつ、薬を口に入れていく。小さな口からこぼれないようの、近くにあった葉っぱを使ってストローみたいにして、それを使ってね。
そうするとコクコク薬を飲んでくれた女の子。全部飲ませるには、この子には多いかと思ったけど、女の子は薬2本分を全て飲み干した。
すると少しして、全部薬を飲んだ女の子の息遣いが安定してきた。良かった、薬が効いてくれたみたいだ。僕はすぐに回復魔法をかける。
すると、さっきのセレン達のこと。青色って言ってただろう? 肌色に見えていた肌の色が、白く少し輝いて見えて。確かには肌色が変わるほど、具合が悪かったようだ。みんなよく分かったな。俺ももっと気をつけて見ないと。
回復魔法をかけ終わった僕。一応鑑定してみる事に。でもやっぱり何も分からなかった。大丈夫かな? ちゃんと回復できただろうか?
「僕の事が分かる?」
『……』
「声が聞こえるかな?」
『……う~ん』
あっ!! 目を開けてくれた!!
587
お気に入りに追加
1,522
あなたにおすすめの小説


やっと買ったマイホームの半分だけ異世界に転移してしまった
ぽてゆき
ファンタジー
涼坂直樹は可愛い妻と2人の子供のため、頑張って働いた結果ついにマイホームを手に入れた。
しかし、まさかその半分が異世界に転移してしまうとは……。
リビングの窓を開けて外に飛び出せば、そこはもう魔法やダンジョンが存在するファンタジーな異世界。
現代のごくありふれた4人(+猫1匹)家族と、異世界の住人との交流を描いたハートフルアドベンチャー物語!

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。


【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる