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39.またまた問題発生? 小さい女の子の治療開始!!
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『本当だ!! なんか居るぞ!!』
『今度は凄く小さい』
『何これ? パパ、変なのが居るよ!!』
セレンの所へみんなが集まる。待って待ってみんな。小さいって、みんなが集まって見ているくらい小さいのは分かるどけ。でも小さいからって、危険じゃないってわけじゃないんだよ。小さくても危険な生き物はたくさんいるんだから。
親子スノーベアーみたいに、突然襲われたらそうするんだ。それに回復できないような傷を負ったら?
僕は急いでみんなの所へ。そんな僕を追い抜いて親ベアーもみんなの所へ。あ、そうそう。魔獣に名前がないことは多いけど、この親子スノーベアーも名前はなく。
でもいちいち呼ぶのもってことで、親ベアー、子ベアーと呼ばせてもらうことになったんだ。
『お前達、何か分からない物に、そんなに近寄るんじゃない』
親ベアーに離されるみんな。そうそう、そんなに近づいちゃダメだよ。追いついた僕と親ベアーで、みんなが見ていた物を確認する。そんな僕達の頭に乗ったり肩の乗ったり。子ベアーは親ベアーの腕に抱っこちゃんになって、一緒に見てきた。
「これは……」
『一体なんだ?』
「親ベアーも分からない?」
『似ている者には、数回会った事があるんだが。それに比べると少し違う部分が。それにその者達特有の気配がしない』
「僕はこういう子、初めてみるから分からないんだけど。やっぱり特有の気配があるの?」
『ああ。この者達は俺達とは違う存在だからな。それ相応の気配を放っているんだ。だが、この者からは全くその気配がしない』
僕達の目にいる者。それは花の中に寝ている、小さな女の子だった。俺の手のひらに乗るくらいの小さな女の子で。見た感じだけで言えば、本で見た事がある妖精って感じだろうか。
でも親ベアーの言う通り、本に書いてある妖精と違う所が。妖精には小さな羽がついているんだけど、この女の子にはその羽がなかったんだ。ならこの子は一体?
『ねぇねぇ、アーベル。この子なんか具合悪そうだよ』
「そうなのか?」
『なんか顔色が悪いぞ』
『肌色じゃない、青』
『うん、青』
色々考えていると、セレン達がそう言ってきた。青? 思わず親ベアーと顔を見合わせる。僕には肌色に見えるんだけど。親ベアーに聞いてみたら、やっぱり肌色だって。ただ……。
「僕には顔色はいまいち分からないけど、確かに具合は悪そうだね。見つけた時から、こんな呼吸をしていた?」
『うん!!』
小さい女の子は苦しそうに、ゼェゼェ息をしていた。う~ん、僕的には治療ができるのなら治療をしてあげたいんだけど。この子がどんな存在か分からないし。もしも変わった妖精だったとしても、妖精には人間の回復魔法が効くのかな?
「ねぇ、妖精は特別な存在だって聞いているんだけど。そんな特別な存在の妖精に、人間の回復魔法は効くのかな? できるのなら助けてあげたいんだ」
『さすがに俺もそこまでは。だけど、全くやらないよりは。まだ魔法は使えるのか?』
「まぁね、それくれいは。それにお母さんの薬もまだあるし」
『やってみても良いと思うぞ。このままでは酷くなりそうだからな。もしそれで回復できないのであれば、後は自然に任せるしかないだろう』
そうだな。とりあえずやってみないと。それで回復できなければ、後は祈るだけだ。
僕は女の子に近づいて、まずは鑑定からする事に。どんな病状か見たかったんだよ。だけど何も見る事ができなかった。全ての項目が記号で表されていて、1つも病状が分からなかったんだ。
仕方なくお母さんが持たせてくれた、総合薬を飲ませてみる事に。総合薬は2本しか持ってきていなかったから、これで少しは効いてくれれば良いけど。それでその後僕が回復魔法をやってみよう。
すぐに薬を用意する僕。そして女の子に薬を飲ませる前に、女の子に静かに話しかけた。
「初めまして。僕はアーベル。こっちはセレンにモグーにハピちゃん、それからスノーベアーの家族だよ。今から僕は君に薬を飲ませようと思っているんだけど。君はとっても具合が悪そうだからね」
僕の声に反応を示さない女の子。よほど具合が悪いんだろう。
「僕達に気づいていない君に、薬を飲ませるのは申し訳ないんだけど、このままだと具合は悪くなるばかりだろうから、返事を待たずに治療させてもらうね」
『だ……れ……?』
と、薬の便を手に取った時だった。女の子が気が付いたんだ。
「気がついた? 僕はアーベルだよ。君は今具合が悪そうだから、これから薬を飲ませようと思っているんだ。良いかな?」
『くすり……、のむ……。うん』
たぶん気づいても意識が朦朧としているんだろう。僕の話しをどこまで分かってくれたか。でも少しでも意識があった方が、飲ませた時に自然と飲んでくれる事が多いから、飲ませるなら今のうちだ。
「さぁ、飲ませるからね」
少しずつ、少しずつ、薬を口に入れていく。小さな口からこぼれないようの、近くにあった葉っぱを使ってストローみたいにして、それを使ってね。
そうするとコクコク薬を飲んでくれた女の子。全部飲ませるには、この子には多いかと思ったけど、女の子は薬2本分を全て飲み干した。
すると少しして、全部薬を飲んだ女の子の息遣いが安定してきた。良かった、薬が効いてくれたみたいだ。僕はすぐに回復魔法をかける。
すると、さっきのセレン達のこと。青色って言ってただろう? 肌色に見えていた肌の色が、白く少し輝いて見えて。確かには肌色が変わるほど、具合が悪かったようだ。みんなよく分かったな。俺ももっと気をつけて見ないと。
回復魔法をかけ終わった僕。一応鑑定してみる事に。でもやっぱり何も分からなかった。大丈夫かな? ちゃんと回復できただろうか?
「僕の事が分かる?」
『……』
「声が聞こえるかな?」
『……う~ん』
あっ!! 目を開けてくれた!!
『今度は凄く小さい』
『何これ? パパ、変なのが居るよ!!』
セレンの所へみんなが集まる。待って待ってみんな。小さいって、みんなが集まって見ているくらい小さいのは分かるどけ。でも小さいからって、危険じゃないってわけじゃないんだよ。小さくても危険な生き物はたくさんいるんだから。
親子スノーベアーみたいに、突然襲われたらそうするんだ。それに回復できないような傷を負ったら?
僕は急いでみんなの所へ。そんな僕を追い抜いて親ベアーもみんなの所へ。あ、そうそう。魔獣に名前がないことは多いけど、この親子スノーベアーも名前はなく。
でもいちいち呼ぶのもってことで、親ベアー、子ベアーと呼ばせてもらうことになったんだ。
『お前達、何か分からない物に、そんなに近寄るんじゃない』
親ベアーに離されるみんな。そうそう、そんなに近づいちゃダメだよ。追いついた僕と親ベアーで、みんなが見ていた物を確認する。そんな僕達の頭に乗ったり肩の乗ったり。子ベアーは親ベアーの腕に抱っこちゃんになって、一緒に見てきた。
「これは……」
『一体なんだ?』
「親ベアーも分からない?」
『似ている者には、数回会った事があるんだが。それに比べると少し違う部分が。それにその者達特有の気配がしない』
「僕はこういう子、初めてみるから分からないんだけど。やっぱり特有の気配があるの?」
『ああ。この者達は俺達とは違う存在だからな。それ相応の気配を放っているんだ。だが、この者からは全くその気配がしない』
僕達の目にいる者。それは花の中に寝ている、小さな女の子だった。俺の手のひらに乗るくらいの小さな女の子で。見た感じだけで言えば、本で見た事がある妖精って感じだろうか。
でも親ベアーの言う通り、本に書いてある妖精と違う所が。妖精には小さな羽がついているんだけど、この女の子にはその羽がなかったんだ。ならこの子は一体?
『ねぇねぇ、アーベル。この子なんか具合悪そうだよ』
「そうなのか?」
『なんか顔色が悪いぞ』
『肌色じゃない、青』
『うん、青』
色々考えていると、セレン達がそう言ってきた。青? 思わず親ベアーと顔を見合わせる。僕には肌色に見えるんだけど。親ベアーに聞いてみたら、やっぱり肌色だって。ただ……。
「僕には顔色はいまいち分からないけど、確かに具合は悪そうだね。見つけた時から、こんな呼吸をしていた?」
『うん!!』
小さい女の子は苦しそうに、ゼェゼェ息をしていた。う~ん、僕的には治療ができるのなら治療をしてあげたいんだけど。この子がどんな存在か分からないし。もしも変わった妖精だったとしても、妖精には人間の回復魔法が効くのかな?
「ねぇ、妖精は特別な存在だって聞いているんだけど。そんな特別な存在の妖精に、人間の回復魔法は効くのかな? できるのなら助けてあげたいんだ」
『さすがに俺もそこまでは。だけど、全くやらないよりは。まだ魔法は使えるのか?』
「まぁね、それくれいは。それにお母さんの薬もまだあるし」
『やってみても良いと思うぞ。このままでは酷くなりそうだからな。もしそれで回復できないのであれば、後は自然に任せるしかないだろう』
そうだな。とりあえずやってみないと。それで回復できなければ、後は祈るだけだ。
僕は女の子に近づいて、まずは鑑定からする事に。どんな病状か見たかったんだよ。だけど何も見る事ができなかった。全ての項目が記号で表されていて、1つも病状が分からなかったんだ。
仕方なくお母さんが持たせてくれた、総合薬を飲ませてみる事に。総合薬は2本しか持ってきていなかったから、これで少しは効いてくれれば良いけど。それでその後僕が回復魔法をやってみよう。
すぐに薬を用意する僕。そして女の子に薬を飲ませる前に、女の子に静かに話しかけた。
「初めまして。僕はアーベル。こっちはセレンにモグーにハピちゃん、それからスノーベアーの家族だよ。今から僕は君に薬を飲ませようと思っているんだけど。君はとっても具合が悪そうだからね」
僕の声に反応を示さない女の子。よほど具合が悪いんだろう。
「僕達に気づいていない君に、薬を飲ませるのは申し訳ないんだけど、このままだと具合は悪くなるばかりだろうから、返事を待たずに治療させてもらうね」
『だ……れ……?』
と、薬の便を手に取った時だった。女の子が気が付いたんだ。
「気がついた? 僕はアーベルだよ。君は今具合が悪そうだから、これから薬を飲ませようと思っているんだ。良いかな?」
『くすり……、のむ……。うん』
たぶん気づいても意識が朦朧としているんだろう。僕の話しをどこまで分かってくれたか。でも少しでも意識があった方が、飲ませた時に自然と飲んでくれる事が多いから、飲ませるなら今のうちだ。
「さぁ、飲ませるからね」
少しずつ、少しずつ、薬を口に入れていく。小さな口からこぼれないようの、近くにあった葉っぱを使ってストローみたいにして、それを使ってね。
そうするとコクコク薬を飲んでくれた女の子。全部飲ませるには、この子には多いかと思ったけど、女の子は薬2本分を全て飲み干した。
すると少しして、全部薬を飲んだ女の子の息遣いが安定してきた。良かった、薬が効いてくれたみたいだ。僕はすぐに回復魔法をかける。
すると、さっきのセレン達のこと。青色って言ってただろう? 肌色に見えていた肌の色が、白く少し輝いて見えて。確かには肌色が変わるほど、具合が悪かったようだ。みんなよく分かったな。俺ももっと気をつけて見ないと。
回復魔法をかけ終わった僕。一応鑑定してみる事に。でもやっぱり何も分からなかった。大丈夫かな? ちゃんと回復できただろうか?
「僕の事が分かる?」
『……』
「声が聞こえるかな?」
『……う~ん』
あっ!! 目を開けてくれた!!
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