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33.倒れた親スノーベアー、近づく僕達
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『パパ!? パパ!? 大丈夫!? パパ!!』
『だ、大丈夫だ……、ぐっ!?』
親スノーベアーの限界がきたんだろう。僕達を警戒して、何かあれば攻撃して子スノーベアーを守ろうと、かなり無理をしていたみたいだからな。
まぁ、僕達が攻撃するのは、さっきみんなが言った通り、僕達に攻撃してくる魔獣か。どうしても敵対する魔獣と出会ってしまい、避けられない状況の時だ。
だから今の状況で、僕達が攻撃する事はない。そして今、目の前には怪我で苦しんでいる魔獣がいて、その親魔獣をとっても心配している子魔獣がいるんだ。
困っている魔獣がいるならば、俺が力を使わない事はない。だって僕はこの力をみんなのために使うって決めているんだから。……後で襲われるとちょっと、いや、かなり困るけどな。
スノーベアーの親なんて、僕にも、セレンやモグーやハピちゃんだって。勝てる相手じゃないんだよ。レベルが違いすぎるんだ。だからそれだけが問題なんだけど。
僕だけが襲われれば、その間にみんなは逃げてくれれば良い。だけど絶対にみんな僕から離れないしな……。
なんて事を考えている間に、親スノーベアーは更に苦しめ始め。子スノーベアーはおいおい泣き始め、みんなは早く治療治療と騒ぎ始め。……ここはやるしかないか。やっぱり放って置けないしな。
「みんな行くよ。それと一応警戒はしておいて」
俺はそっとそっと、一応気をつけながら進み始める。
『うん、分かった!!』
『しっかり警戒するぞ!!』
『みんなが攻撃されたら大変!!』
『どこに敵がいるか分からないもんね!!』
『ここに来るまでは大丈夫だったけどな!!』
『話してる間に近づいて来たかも、だから危険!!』
「いや、そうじゃなくて、スノーベアーの警戒をして欲しいんだよ」
『あっ! もっと具合が悪くなったら、アーベルに知らせるの?』
『アーベルも見てるのに、俺達が警戒?』
『何で? それに、う~ん、それは警戒じゃなくて見守る?』
『しっかり見守る!!』
いやだから違くて……。まぁ、それで良いか。それでしっかりと親スノーベアーを見ていてくれれば、攻撃されそうになっても、みんななら避けられるだろうし。
逃げる練習は今までかなり訓練して来たからな。お父さんやお母さんに、逃げるだけならかなりのレベルだって言われたほどだし。
俺はため息を吐きながら、スノーベアー達に近づいていく。
「良いか、今から近づくから、そのままじっとしていてくれ。それ以上動くと、キズが酷くなって、本当に治せなくなる可能性が高い」
『くっ、こっちに……、ぐっ!?』
『治せない? わわ!! 大変!! パパ、動いちゃダメ!!』
『そうだよ、動かないでよ』
『アーベルの治療の邪魔はダメなんだぞ』
『動かなぁい、動かない』
なんかハピちゃん、そのまま歌い出しそうな勢いだな。こんな時に歌わないでくれよ?
親スノーベアーの言葉は無視で、勝手に動く僕達。そうしてかなり僕達はスノーベアー達に近づくことができたけど、親スノーベアーは攻撃をする様子は一切見せず。目の前に立っても、やはり動かなかった。
怪我のせいと、さっき無理したせいで、本当に動けないんだろう。そしてそんな目の前まで来た僕の足に、子スノーベアーが必死にしがみついて来た。あれ? この子。
『お願い!! パパの怪我を治してください!!』
僕はしゃがんで子スノーベアーの頭を撫でてやる。
「大丈夫、できる限り治療はするよ。それと僕は大丈夫だけど、他の人間はもしかしたら、君達を傷つける人間かもしれないから、それだけは今度から気をつけて。今みたいに知らない人間に抱きつかないようにね」
『ん?』
あ~、これは分かってないな。まぁ、その辺は後で親スノーベアーにでも教えてもらうと良いよ。さて、僕は親スノーベアーの治療だ。まずはしっかりと傷を確認しないと。 俺はしゃがんだまま子スノーベアーから親スノーベアーの方へ目線を移す。
「いいか、これから傷を確認して治療を開始するから、そのまま寝ていてくれ。それと治療が終わっても、僕達を襲わないでくれると助かる。俺は良いけど、俺の家族が傷つくのはな。お前と同じで、僕も家族が大切なんだ」
『だから……、お前の治療など……』
『子を残して行くつもりか?』
そう言えば、親スノーベアーが黙った。本人もそれは絶対にしたくないだろうから。さぁ、静かになったところで傷の確認だ。
まず子スノーベアーにキズの場所を聞く、さっき確認できたのはお腹部分だけだったけど、他にもあったら、酷い傷の方から治療しないといけない。それに場所によって治療する順番が変わってくる。
子スノーベアーによると、1番酷い傷はお腹の傷だと。それから背中にもキズがあるらしい。あと親は足が痛い達言っていたようだ。もしかすると捻挫をしているか、悪ければ骨折の可能せも。その他には目に見える怪我はないらしい。痛みについては分からないと。
やはり話しを聞いて良かった。勿論全部を確認するつもりだけど、何も分からず、1つ1つ怪我を探して痛みがあるかを確認しるよりも、確認する場所が減ればそれだけ時間の短縮のなる。
よし、まずはまだ見ていない、背中の傷から確認して、次は足の痛みの確認だな。それでその確認場所の周りも一緒に診察しちゃって。他はその時その時で確認していこう。
『すぐに治してくれる?』
『まず、ケガがどれくらい酷いか確認するんだよ』
『そうそう、どれくらい酷い傷か確認しないとダメなんだぞ』
『確認、大切』
みんなが子スノーベアーに説明してくれる。
『そうなんだね。でもその後はすぐに治してくれる?』
『もちろん!! ささっとだよ!!』
『そう、ささっとだ!!』
『すぐだよ。ハピちゃんがよそ見してると終わってる』
それはハピちゃんがすぐに他のことに気を取られて、長い余所見をしている間に、終わっているからだよ。
『だ、大丈夫だ……、ぐっ!?』
親スノーベアーの限界がきたんだろう。僕達を警戒して、何かあれば攻撃して子スノーベアーを守ろうと、かなり無理をしていたみたいだからな。
まぁ、僕達が攻撃するのは、さっきみんなが言った通り、僕達に攻撃してくる魔獣か。どうしても敵対する魔獣と出会ってしまい、避けられない状況の時だ。
だから今の状況で、僕達が攻撃する事はない。そして今、目の前には怪我で苦しんでいる魔獣がいて、その親魔獣をとっても心配している子魔獣がいるんだ。
困っている魔獣がいるならば、俺が力を使わない事はない。だって僕はこの力をみんなのために使うって決めているんだから。……後で襲われるとちょっと、いや、かなり困るけどな。
スノーベアーの親なんて、僕にも、セレンやモグーやハピちゃんだって。勝てる相手じゃないんだよ。レベルが違いすぎるんだ。だからそれだけが問題なんだけど。
僕だけが襲われれば、その間にみんなは逃げてくれれば良い。だけど絶対にみんな僕から離れないしな……。
なんて事を考えている間に、親スノーベアーは更に苦しめ始め。子スノーベアーはおいおい泣き始め、みんなは早く治療治療と騒ぎ始め。……ここはやるしかないか。やっぱり放って置けないしな。
「みんな行くよ。それと一応警戒はしておいて」
俺はそっとそっと、一応気をつけながら進み始める。
『うん、分かった!!』
『しっかり警戒するぞ!!』
『みんなが攻撃されたら大変!!』
『どこに敵がいるか分からないもんね!!』
『ここに来るまでは大丈夫だったけどな!!』
『話してる間に近づいて来たかも、だから危険!!』
「いや、そうじゃなくて、スノーベアーの警戒をして欲しいんだよ」
『あっ! もっと具合が悪くなったら、アーベルに知らせるの?』
『アーベルも見てるのに、俺達が警戒?』
『何で? それに、う~ん、それは警戒じゃなくて見守る?』
『しっかり見守る!!』
いやだから違くて……。まぁ、それで良いか。それでしっかりと親スノーベアーを見ていてくれれば、攻撃されそうになっても、みんななら避けられるだろうし。
逃げる練習は今までかなり訓練して来たからな。お父さんやお母さんに、逃げるだけならかなりのレベルだって言われたほどだし。
俺はため息を吐きながら、スノーベアー達に近づいていく。
「良いか、今から近づくから、そのままじっとしていてくれ。それ以上動くと、キズが酷くなって、本当に治せなくなる可能性が高い」
『くっ、こっちに……、ぐっ!?』
『治せない? わわ!! 大変!! パパ、動いちゃダメ!!』
『そうだよ、動かないでよ』
『アーベルの治療の邪魔はダメなんだぞ』
『動かなぁい、動かない』
なんかハピちゃん、そのまま歌い出しそうな勢いだな。こんな時に歌わないでくれよ?
親スノーベアーの言葉は無視で、勝手に動く僕達。そうしてかなり僕達はスノーベアー達に近づくことができたけど、親スノーベアーは攻撃をする様子は一切見せず。目の前に立っても、やはり動かなかった。
怪我のせいと、さっき無理したせいで、本当に動けないんだろう。そしてそんな目の前まで来た僕の足に、子スノーベアーが必死にしがみついて来た。あれ? この子。
『お願い!! パパの怪我を治してください!!』
僕はしゃがんで子スノーベアーの頭を撫でてやる。
「大丈夫、できる限り治療はするよ。それと僕は大丈夫だけど、他の人間はもしかしたら、君達を傷つける人間かもしれないから、それだけは今度から気をつけて。今みたいに知らない人間に抱きつかないようにね」
『ん?』
あ~、これは分かってないな。まぁ、その辺は後で親スノーベアーにでも教えてもらうと良いよ。さて、僕は親スノーベアーの治療だ。まずはしっかりと傷を確認しないと。 俺はしゃがんだまま子スノーベアーから親スノーベアーの方へ目線を移す。
「いいか、これから傷を確認して治療を開始するから、そのまま寝ていてくれ。それと治療が終わっても、僕達を襲わないでくれると助かる。俺は良いけど、俺の家族が傷つくのはな。お前と同じで、僕も家族が大切なんだ」
『だから……、お前の治療など……』
『子を残して行くつもりか?』
そう言えば、親スノーベアーが黙った。本人もそれは絶対にしたくないだろうから。さぁ、静かになったところで傷の確認だ。
まず子スノーベアーにキズの場所を聞く、さっき確認できたのはお腹部分だけだったけど、他にもあったら、酷い傷の方から治療しないといけない。それに場所によって治療する順番が変わってくる。
子スノーベアーによると、1番酷い傷はお腹の傷だと。それから背中にもキズがあるらしい。あと親は足が痛い達言っていたようだ。もしかすると捻挫をしているか、悪ければ骨折の可能せも。その他には目に見える怪我はないらしい。痛みについては分からないと。
やはり話しを聞いて良かった。勿論全部を確認するつもりだけど、何も分からず、1つ1つ怪我を探して痛みがあるかを確認しるよりも、確認する場所が減ればそれだけ時間の短縮のなる。
よし、まずはまだ見ていない、背中の傷から確認して、次は足の痛みの確認だな。それでその確認場所の周りも一緒に診察しちゃって。他はその時その時で確認していこう。
『すぐに治してくれる?』
『まず、ケガがどれくらい酷いか確認するんだよ』
『そうそう、どれくらい酷い傷か確認しないとダメなんだぞ』
『確認、大切』
みんなが子スノーベアーに説明してくれる。
『そうなんだね。でもその後はすぐに治してくれる?』
『もちろん!! ささっとだよ!!』
『そう、ささっとだ!!』
『すぐだよ。ハピちゃんがよそ見してると終わってる』
それはハピちゃんがすぐに他のことに気を取られて、長い余所見をしている間に、終わっているからだよ。
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