異世界でチート無双! いやいや神の使いのミスによる、僕の相棒もふもふの成長物語

ありぽん

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21.学校に通って数ヶ月、ついにこの時が

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「はい。じゃあ今日の魔法のお勉強は終わりです。みんな忘れもをしないようにね。それと魔法が使えるようになった子も、まだまだ使えるようになったばかりだから、お父さんやお母さんがいない所では、絶対魔法は使わないようにね」

「「「は~い!!」」」

「それでは皆さん、さようなら!」

「「「さようなら!!」」」

「アーベルかえろ!」

「うん!!」

「あ、アーベル君!!」

 カロリーナと教室を出ようとして、僕達に魔法を教えてくれているアスティン先生に呼び止められた。

「今日は初魔法おめでとう。1つ魔法ができれば、すぐに他の魔法も使えるようになるからね。それとたぶん君は家に帰ってから、あの魔法を使うだろうけど。さっきも言った通り、ちゃんとパパとママがいる場所で使うんだよ。失敗しても、きっとすぐに使えるようになるから、ガッカリしないでね」

「はい!!」

「それからカロリーナも、ちゃんとパパとママがいる時に魔法を使うこと。絶対、絶対に1人はだめだよ」

 僕に魔法のことで注意しながら、カロリーナにはかなり強く注意したアスティン先生。まぁ、先生の気持ちは分かるけど。

 2人でもう1度先生にさようならをして、ママ達が待ってくれている、学校の門まで移動する。門の前には子供を迎えに来た親達でごった返していた。

 魔法の勉強をするために、一応面接があって。まぁ形式的なもので。その子の特技とか好きな物とか、面接はクラスを担当する先生がするんだけど。たぶんその子がどんな子なのか、最初に会って様子を見ておこうって感じかな。

 後は学校に書類を送ったり。これはその子がどんな力を授かったのか、簡単に先生に知らせることになっているんだ。みんな授かった力はバラバラだからね。だからまずはどんな力を授かったかだけ知らせる。

 もっと上の学校に行く時はもっとしっかりと、学校に知らせるけど。どのレベルまで使えるようになる予定ですって。上級魔法はそれだけ難しくなるからね、先生も把握しておかないと。

 それで一応の面接と書類提出をして、無事にみんな学校に通えることに。僕とカロリーナは同じクラスで、2人で良かったねって喜んだよ。しかも面倒いジークは違うクラスだったしね。

 そうして学校に通い始めて数ヶ月。僕は今日始めて、水の魔法を使うことに成功したんだ。魔法はまず、魔力を感じることから始まって、それに成功したら、今度は魔力を集める練習を。こう自分の中心に魔力を集める感じかな。魔力を集めてから魔法を使うって流れだから。

 別に簡単に魔法が使えるようになれば、こんな魔力を集めてなんて事はやらずに、意識しなくても魔法を使えるようになるけど。まだ僕達は魔法を学び出したばかりだから、分かりやすくこうして魔力を集めるんだ。

 これもできるようになったら、いざ魔法の練習だ。そんなにいっぺんに色々な魔法を練習しても、すぐに出来るわけじゃないから。まずみんなが持っている、基本属性の中から、自分がやりたい属性を1つだけ選んで、集中的にその魔法だけを練習した。

 僕が水魔法を、カロリーナは勿論火魔法を選んだ。僕が水魔法を選んだのは、パパ達をお手伝いをするため。お水が1番使うなって思ったから。

 そして今日ついに、僕は水魔法に成功した。カロリーナより1週間遅かったけど、無事に魔法ができて良かったよ。まぁ、できたと言っても。小さなコップに半分くらいの水が出せただけだけど。

 それでも初魔法は初魔法。僕は早くママ達に報告したくて、魔法ができた時からうずうずしていた。それに水魔法ができたって事は、あの魔法ももしかしたら、すぐに出来るかもしれない。

 そう魔獣契約だ。待ちに待った魔獣契約。今日水魔法が成功したばかりだから、魔獣契約が1回で成功するとは思っていないけど、それでも何回かやれば……。

「ママ、どこかなぁ?」

「いっぱいだから、わからないね」

 今日は僕もカロリーナも、ママが迎えに来てくれている。パパ達は仕事に行ってるんだ。街の外に。

「ねぇねぇ、あたしがまほうつかったら、ママたちみつけてくれるかな?」

「カロリーナ、ダメ。せんせいにいわれたよ。ママたちがいないところで、まほうつかったらダメって」

 ちょと、なんて事言い出すんだ。さっき返事したばっかりなのに。それに今カロリーナが魔法を使ったら、もしかしたら火魔法が爆発するかもしれない。だからアスティン先生も強めにカロリーナに注意していたんだよ?

 いやね、カロリーナは火魔法に成功してから、どんどん火魔法が成長したんだけど。時々その火がね、小さな爆発を起こすんだよ。まだ使う魔力量を一定にできていないから。魔力量が増えると、制御できなくてボンッ!! て。

 子供だから、そこまでたくさんの魔力はまだ使えないけれど。でもね、小さくても爆発は爆発。これまでに5つのテーブルを焦がして、3つの椅子も焦がし。床にも焦げが。先生の教科書も燃やしそうになったからね。

 だからアスティン先生は、カロリーナが魔法を使う時は、特別に結界を張っているんだ。みんなの方に魔法が行かないようにって。それから時々助手を連れて来て、カロリーナについてもらったり。

 これからカロリーナの魔法が、爆発を起こさないくらいに落ち着くまでは、そんな感じらしいよ。大きくなってからの魔法の爆発は自己責任になってくるけど、今は魔法を習いたての子供だから、仕方ないって言えば仕方がないんだ。

 僕だって水の魔法を暴走させて、その辺を水浸しにするかもしれないし。他の子も時々やっちゃうからね。カロリーナが1番やらかすってだけの話し。

「あ!! ママたちいた!!」

 何とかカロリーナを止めた後、少ししてカロリーナがママ達を見つけた。早く報告しなくちゃ。ママにも、そしてもちろん、ママに抱かれている子ムーンラビットにも。
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