可愛いけど最強? 異世界でもふもふ友達と大冒険!

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322 確認は大事

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「だからな、レン達はここで待ってないとダメだ。あっちは父さんや、ケビンに任せような」

 え~、僕達しっかり確認した方が良いよ。もしあの白い半透明ボールの中にいるジャガルドが、僕達の知っている人なら、それをしっかりとローレンスさんに伝えないとダメでしょう?
 それにさ、もしかしなくても、お兄ちゃん達も気づいてるんじゃない? あの時僕と一緒にいたのはルリとお兄ちゃん達と、それからセバスチャンさんだったんだから。それでさっき、ローレンスさんと内緒話して、あの人のことを伝えていたんじゃない?

「おにちゃも、ちってりゅ」

『うん、お兄ちゃん達は知ってる人。たぶん。みんな会ったことがある』

『何だ? お前達、ジャガルドのことを知っているのか?』

「いや、まぁ、たぶんそうだと思うんだよな。ただ、周りのアレが半透明だから、しっかりとそうだとは。でも、それの確認も兄さんがするから、レン達はこっちに」

「ダメ。ぼくたちも、かくにんしゅりゅ!」

『うん、しっかり確認。悪い奴、しっかり確認して、それからスノーラにお仕置きしてもらう』

「だからな、危ないから…」

『なるほど、分かった。レン達はあの石の辺りから確認しろ。あそこならば問題はないだろう』

 スノーラが指差した場所は、数少ない飛ばされないで残っていた、石の置物の場所。あそこからなら白い半透明ボールを消して、もしジャガルドが抵抗して攻撃してきても届かないし。僕達はしっかりと確認もできるって。

 それにね。もちろん今回の事件、僕もルリ達もアイスも、この世界に生きている人たちみんなが危険な目にあったけど。ルリは自分を捕まえようと、苦しめた犯人を、しっかり確認んしたいはずだからって。

 そうだよね。ルリ、初めて会った時、とっても苦しんでいて、命が消えそうになっていたんだもんね。自分をこんな目に合わせた犯人が目の前にいるんだもん。しっかり確認したいはずだよ。

「でもなぁ、俺は心配だよ」

『大丈夫だ。奴は簡単には動けない状態だからな。悪いがルリに奴を確認させてやってくれ』

「はぁ、分かった。父さんに聞いてくるから待っててくれ」

 レオナルドお兄ちゃんがローレンスさん達の方へ走っていきます。僕達が確認するって騒いでいたせいで。それからもしかしたら、あのみんなの、お仕置きコールが原因だったかもしれないけど。白い半透明ボールの近くで、ローレンスさん達は止まっていて、僕達の方を見ていたよ。

 それでレオナルドお兄ちゃんが、僕達のところまで声は聞こえないけど、ルリや僕が確認したいってことをローレンスさんに伝えたと思うんだけど、すぐにローレンスさんがとっても嫌そうな顔をして、スノーラを呼んで、スノーラはローレンスさん達の所に移動。

「はぁ、本当は奴らに近づけたくないんだが?」

『分かっている。だが、ルリの気持ちも汲んでやりたい。もちろんレン達に危害を加えられないように、しっかりと結界を張る。それに…、奴はもう、そんなに強い攻撃はできないだろう』

「どういうことだ?」

『見たらわかると思うが、動くこと自体が、そう簡単にはできんだろうからな。動けたとしても、レンよりも動きが遅いだろう』

「は?」

『何にしろ、我がしっかりとレン達を守るから、確認させてやってくれ。それに確認しないと、向こうへ移動しても、ここまでさっきのお仕置きの掛け声が聞こえてくるかもしれないぞ』

「…はぁ、分かった。だが確認が終わったら、なるべく早く向こうへ移動させてくれ。俺達にも色々あるからな。どう行動するかまだ完璧には決まっていないが、なるべくレン達には見せたくない」

『分かった。レン!! 皆も、あの石の所まで移動しろ!』

 ローレンスさんが許可してくれて、すぐに僕達は、ドラゴンお父さんとカースと移動。それからスノーラもすぐに僕達の所に。それで3人で僕達に、結界を張ってくれました。大丈夫だけど一応だって。念には念を。また何かあっても困るから。

 こうして僕達の準備は完了。カースが僕達の側に付いていてくれる事になりました。スノーラとドラゴンお父さんは、あの白い半透明ボールを消さないといけないし、それからローレンスさん達に何もないように、ジャガルド達から守ってくれます。

 スノーラとドラゴンお父さんが、先に白い半透明ボールの所へ行って、ローレンスさん達と合流。その時白い半透明ボールから何か音が聞こえて。こう、誰から唸るような声が聞こえたの。ううう! とか、むぅ! とかね。

 その途端ドラゴンお父さんが白い半透明ボールを蹴って、慌ててスノーラが光の紐を掴んでいたよ。そして蹴られた半透明ボールはびよ~んっ!! と飛んで、完全に光の紐が伸び切ると元の場所へ。それからバウンドした後ちょっと転がって。そしてピタッと止まれば、さっき聞こえていた唸り声は、完全に止まっていました。

『やっぱり面白い』

『びょんっ! と伸びるなの。それからぼよんぼよん跳ねるなの!』

『あの白い半透明ボール、たぶん結界だと思うんだよね』

「けかい?」

『うん。そうでしょう、ブロー?』

『うん、そうだよ! スノーラの魔法と結界を合わせた感じ? それからドラゴンお父さんのね。なんていうか、帰ってくるまでに混ぜてたよ。面倒だからって』

『僕達も入れないかな?』

『ぼよんぼよん、遊びたいなの』

『僕も入ってみたいなぁ』

 うん、僕も入ってみたいかも。あれって僕達が入っても大丈夫かな? ジャガルド達が入っているんだから、大丈夫だと思うんだけど。

『後でスノーラに聞く。それで遊べるなら遊ぶ』

『みんなでお願いするなの』

『そうだね、そうしよう』

『ねぇ、フーリ。僕達も一緒に入れてもらおうよ』

『う、うん。楽しそうだもんね』
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