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204.ゾンビみたいな黒ローブ、ブローにヒール?

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『あ~、これは我らが思っている以上に、レンが我らを回復してくれたらしいな。エン、ユイゴ、これならば』

『ああ、何とかなるかもしれん』

『力が回復しただけではなく、普段以上の力を感じていたが。まさかこれほどとは』

 何々? 何がどうしたの? 何故かニヤニヤしているスノーラとドラゴンお父さん。僕がどうしたって? とスノーラ達が話していると。

 コレイションが凄い勢いで、僕達を睨んできました。そんな中動いたのはディアブナスでした。でも襲って来るわけじゃなくて、倒れた黒ローブが達の所に行って、何か魔法をかけて、そうしたら倒れてたはずの黒ローブ達が立ち上がったんだ。
 でも今までの黒ローブ達と違います。目が真っ黒に、それから口はほとんど開けっぱなしで、動きもふらふらって感じです。

『ふん、死者を蘇らせたか』

『そう言えば昔もこの魔法を使っていたな。おいお前達気をつけろ! 頭を切り落としてたとしてもすぐに復活して来るぞ。あれを倒すには完全に全てを消滅しなければダメだ!』

 え~、なんかゾンビみたいだね。でもゾンビは頭がどうにかなれば止まってたけど、あの変になっちゃった黒ローブ達は、魔法で完全に全てを消さないと、いくらでも復活して来るんだって。ユイゴさんが動きを止めて、魔法で完全に消せって指示を出します。
 そしてその指示が終わると同時に、変わっちゃった黒ローブ達と、他の黒ローブ。そしてコレイションが攻撃きました。

 激しい戦いだったよ。変わっちゃった黒ローブ達は、さっきまでと全然動きが違ってて、コレイションよりは弱いけど、それと同じくらい強くなっちゃったんだ。しかも戦っているうちに、ほかに倒れていた黒ローブ達も復活させちゃったディアブナス。また人数が最初と同じに戻っちゃいました。

 でもね、ハイエルフさん達も負けていません。ハイエルフも何故かいつもよりも強くなってるからね。向こうがいくら強くなっても大丈夫。さっきみたいに一気に何人もは倒せないけど。弓や剣を使って動きを止めて、その後に魔法で完全に黒ローブ達を消していきます。時々1回の魔法で完璧に消しちゃう事もあるんだよ。

 それはハイエルフさん達だけじゃありません。コレイションと戦っているバディーとユイゴさんも、凄い攻撃をしていて。

『あ~! 今のはおしい!』

『もうちょっとだったなの!』

『あいつも逃げるのうまいからね』

『ディアブナスはあいつに、他の黒ローブよりも力を与えられてるからね。レンがバディー達を回復してくれて良かったよ。じゃなきゃすぐに僕達やられてたかも。だってレンのヒールのおかげで強くなってる今が、ギリギリ戦えている状態なんだから』

「ギリギリじゃにゃい! ばでーにょほうがちょよい!」

『そうだよブロー! 悪いことより良い事考えた方が言いよ』

『うん、ルリ、いっぱい応援する!』
 
『ぼくもなの!』

『そっか、そうだよね。気持ちも大事だよね。…うん、てことで、僕はスノーラとエンが、ディアブナスと睨み合ってるうちに、レンと話しがあるから、みんなは応援してて』

 良し、僕も応援! なんて気合を入れようとしていた僕。何で今お話し?って思いながら、ブローに早くって言われて、結界の端っこの方に。ルリ達は最初チラチラこっちを見ていたけどブローに応援!って言われて、みんなの応援を始めました。

「ぶりょー、おはにゃちにゃに? おえんたいしぇちゅ」

『大丈夫大丈夫、話しはすぐに終わるから。そのあとちょっと時間がいるけどさ。で、早速なんだけど、レン。さっきのスノーラに引き出してもらった魔力、まだ少し残ってるでしょう?』

 うん。残ってる。さっきハイエルフさん達達をヒールした時、ほとんど僕が感じられる魔力はなくなっちゃったんだけど、でも少ししたら、また胸のポカポカが少し強くなったんだ。だからまだ魔力が残ってるよ。

『やっぱり! じゃあさ、その残ってる魔力で、僕にもヒールやってほしんだ』

 わわ!? もしかしてブロー、まだ具合悪いの!? 僕は慌てちゃいました。もう、どうして言ってくれなかったの。言ってくれればすぐにヒールしたのに。そう怒る僕。でもブローは違うって。

『違うよ、今のレンのヒール、どうもみんなの力が強くなるみたいだから、僕も力を強くしてもらおうと思って』

 今はハイエルフさん達もバディーやユイゴさんも、ちゃんと敵と戦えていて問題はありません。でもディアブナスとスノーラ達が戦い始めたら? 強くなってるスノーラ達でも、きっと今のディアブナスと戦うのは大変なはずで。
 
 その時のために、ブローは強くなりたいんだって。ブローは闇の精霊、そしてディアブナスが使う魔法は、知らない物もあるけど、殆どが闇魔法で。同じ闇魔法を使うんだから、その闇魔法を止める事ができるんじゃないかって。

『例えばさっきからこっちに時々来る黒い攻撃。レン達もハリセンで攻撃できるけど、僕しっかり止められるようになると思うんだよね。それから闇魔法を飛ばしてきたら、僕が僕の闇魔法で包んじゃって、それを逆にあいつに打ち返すとか』

「ちょめりゅ? こげき?」
 
『そうそう、今まで見てた感じ、出来そうな気がするの。それで少しでもスノーラ達の手助けができれば。それにはレンのヒールが必要なんだ。だから魔力が残ってるなら、少しでも僕を強くしてもらおうと思って』

 ブローを強く? スノーラ達のお手伝い? でも小さいブローがそんな事して大丈夫? 僕がそう言ったら、僕子供じゃないよって。あっ、そう言えばばブロー、50歳だった。

『小さいけど、僕はレン達よりも長生きなんだからね。力だって、普通にしてても、レン達よりも強いよ。ね、だからさ、僕にヒールをかけて。ほら急いで、戦いが始まっちゃうかも』

「うん!」

 僕は両手を前に出しました。
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