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76.ついに私のアピールの時間よ!!(前半***視点、後半アルフ視点)

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『ふふふ、明日よ。ようやく私のアピールタイムがやってくるわ』

『おい、夜中に煩いぞ。この前皆が煩くし過ぎて、アルフが起きてしまったじゃないか』

『だから静かに話しているじゃない。明日よ! いよいよ明日、私がアピールできるのよ。あなた達だって嬉しいでしょう』

『喜んでるのは若い奴らだけだろう? オレ達は別に今更お前を見たからって……』

『……見たからって? 何かしら?』

『ゴッ、ゴホンッ。とにかく静かに黙って、心の中でアルフのことを考えていろよ。じゃないとお前の声を聞いたあいつが』

『ちょっとぉ、何勝手なこと言ってるのよぉ。明日アルフにアピールするのはあたしよぉ』

『そっちこそ、私のアルフの話しに入ってこないでよ!!』

『はぁ、ほらみろ。やっぱりこうなった』

『あまり煩くなるようなら止めないと。またアルフが起きてしまうぞ』

『分かっている。だがなぁ、止めるにしても覚悟が必要だろう。絶対にタダじゃ済まないぞ。お前、何もなく止められる自信が?』

『そんなわけないだろう。だが止めなければ、他の魔獣達にまたグチグチ文句を言われ続けることに』

『ただでさえ今は、ミルのことで皆、気が立っているからな』

『ちょっと!! 明日アフルにアピールするのは私なんだから、あなたは引っ込んでいなさい!!』

『そっちこそ、何勝手なことを言ってるのよぉ!! あたしがアピールするに決まっているじゃないぃ!! そっちこそ引っ込んでなさいよぉ!!』

『何言ってるのよ!! 大体あなたのアピールなんてたかがしれているわ。やっぱり私みたいに素晴らしボディーじゃないと、アルフへのアピールにはならないわよ!! この世界1の私のようなね!』

『よく言うわよぉ!! 世界1の私? 世界1の暴力魔獣の間違いでしょうぉ? そんな暴力魔獣が、世界1のあたしに勝てるわけないじゃないぃ!!』

『何ですって!! 暴力魔獣ですって!! そっちこそ世界1の暴力魔獣のくせして!!』

『何よ!! あんたのは本当のことでしょうぉ!! 私は違うわよ!!』

『はぁ、そろそろ止めないとダメか。そうしないとグーや親分コケコから……』

『コケコーッ!! コケコココーッ!!』

『グワアァァァッ!! グワアアアアッ!!』

『……やっぱりだよ、今止めるさ』

『大変だ!! アルフが起きてしまったらしい!!』

『はぁ、オレ達ばかり何でこんな目に……。おい!! いい加減にしないか!! アルフが起きてしまったぞ!!』

『私がアピールするのよ!!』

『いいえ、あたしよぉ!!』

『だから今はアピールなんて良いんだよ。それにお前達の事を見て喜ぶのは、若い奴だけだって言っただろう!! それも同じ種族のな。アルフはお前達のそれに興味なんてないだろうよ。そんなことよりもアルフが起きてしまったんだ。喧嘩するのは……』

『煩いわよ!!』

『煩いぃ!!』

『グアァァァ!?』

『おい、しっかりしろ!!』

『こっちに避難させろ!! それと皆で止めるんだ!!』

『分かった!!』

『何とかやってみる!!』

『おい、大丈夫か!?』

『あ、後のことは任せる……。ガクッ』

『大変だ!! 誰か誰か!!』

      *********

「あなた、じゃあ後のことお願いね!!」

「分かった!! お前は早く行ってやれ!!」

「ブルーノを連れていくわ!!」

「ああ!!」

 夜、魔獣さんがとっても煩くて、途中で起きちゃった僕。なかなか寝られなくて、やっと寝たら。朝のご飯の時間を過ぎていました。でもまだ眠くて。目を擦りながらご飯を食べるお部屋に行ったら。ママがバタバタしていたんだ。

「パパ、ママ、おはよございます。ママ、バタバタ、どしたの?」

「アルフ、おはよう。ママはちょっと忙しいから、お話はあとでね」

 ママはそれだけ言って、ささっとお部屋から出て行っちゃいました。

「パパ、どしたの? ママいそがし?」

「ああ、急に忙しくなったんだ。でも忙しいのはママだけだから、アルフは明日の準備の続きをしような」

「うん!」

 ママ、忙しいって。何のお仕事が忙しいのかな? 僕が椅子に上るみたいにして座ると、ミル君が僕の頭から降りて、テーブルの上に乗りました。これから朝のご飯です。その後は昨日の続きをしにいくんだ。

 昨日、僕達はマツボックとカーキの準備をしていたでしょう? でもママがお薬を作っていて爆発させちゃって。みんなバタバタ。
 みんながバタバタしている間、僕とミルク君とアイラで頑張って、カーキの種を取ったんだけど。カーキの実の半分しか、種を取れなかったんだ。マツボックの棘は1つも取ってないの。だから今日は朝から、昨日の続きをするんだよ。

 ご飯を食べ終わったらパパとトロイ、それからアイラと一緒に畑に行きました。畑にはオルドールさんがいて、今日一緒に棘と種を取ってくれるの。

 マツボックは昨日お水から出しておいて、今日の朝とっても早くに、またお水に入れたんだって。僕とミル君とアイラはカーキの種を取って、パパ達はトゲを取ります。

『わぁ!! 本当に手が見えないよ!!』

「ね、オルドールおじさんは、とってもはやく、てをうごかせるんだよ!!」

 モルーの小屋を直した時みたいに、トゲを取っているオルドールさんの手は、早過ぎて見えなくなってたの。だからミル君に見てって言って。オルドールさんを見たミル君はビックリ。

『凄い凄い!! 取ったトゲが、もうあんなに溜まってるよ!! わぁ!! 僕もたくさん練習したら、あの動きができるかなぁ』

「おにいちゃんモルーたちは、みんなれんしゅ。ぼくもれんしゅ。それからモルーたちは、オルドールおじさんししょ、っていってる」

『ししょ? ああ、師匠か。うん!! 師匠だよ!! オルドールおじさん師匠!! 僕も今日からそう呼ぼうっと』

「オルドール師匠? 何のことだ?」

「いえ、別に」

 オルドールおじさんのおかげで、お昼ご飯になる前に、全部の棘と種を取り終わることができました。
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