19 / 32
19話 カッコいい名前、ゴンザレス
しおりを挟む「さて、それじゃあ、これから名前を決めようと思うが、本当に俺が決めて良いんだな」
『良いっチュ!! カズキが付けてくれた名前がいいっチュ!!』
「そうか。それじゃあ、今から考えた名前を言っていくから、気に入ったものがあったら何個か選んで。その選んだ中から、1つを選ぼう。沢山候補があった方が、本当に好きな名前を選べるだろうからな」
『分かったっチュ!!』
「そうだな、忘れないように、メモしておこう。紙とペン……は分かるんだよな?」
『分かるっチュ!!』
「よし、そうしたら、最初はポチなんてそうだ?」
『……』
「モルルだから、モルでも良いな」
『……』
「あとは、タマ……は、ネコか。いや、そうなるとポチも犬だな。まぁ、良いか。俺の苗字を取って、高橋さんなんてのはどうだ? 食べ物の名前なんかもどうだろう。ほら、この紙に書いてある、これはおでんっていう食べ物なんだが、おでん、なんていうのも可愛いぞ」
『……』
「他にも食べ物だと、クッキーにつまみに。いや、そうなると、食べ物ならいくらでも選べるから、可愛い物を抜粋した方が良いか? そうだ! 今まで代表と呼んでいたから、社長や部長なんていうのはどうだ? 社長や部長っていうのは、偉い人のことだぞ。社長が1番偉いんだ」
次々に名前を言っていく俺。しかし、どうにも代表の反応がない。どうしたのかと思って代表を見てみると、凄い顔をしていた。眉間に皺を寄せ、口元はチッと舌打ちでもしていそうな形になっていて。挙句、ダメだこいつって感じの目で俺を見ていたよ。
「どうした?」
『……なんか、ダメな気がするっチュ。知ってる名前もあるっチュ。でもあんまりだっチュ』
「全部可愛いと思うけどな」
『……だめっチュ』
と、話している時だった。母さんが代表に、魔獣用ホットミルクを作ってきてくれて、部屋に入ってきたんだけど。代表の顔を見て、俺が何か代表に酷いことをしたんじゃないかと、めちゃくちゃ怒ってきた。
俺は別に酷いことなどしていない事、そして今は名前を考えていることを、すぐに母さんに話したよ。まぁ、疑われるくらい、代表は凄い顔をしていたからな。
「本当に名前を考えていたの? 代表ちゃん、本当にいじめられていない?」
代表があの表情のまま、うんうん頷く。
「じゃあ何で、こんな顔になっちゃってるのよ。名前はあなたが考えているのよね。ちょっとママに聞かせてごらんない」
俺は母さんに言われるまま、今考えたばかりの名前を母さんに伝える。すると母さんは呆気に取られた顔をした後、神妙な面持ちになって。
「あなた、それ本当に言ってるの?」
と言ってきた。そんなに酷い名前だったのか? 俺はとても可愛くて、代表に似合うと思うんだが。
……そう言えば、前世で俺の家族に名前をつけた時も、魔獣達に毎回、今の代表みたいな表情をされたり、母さんみたいなことを言われたな。それで側近のメイヤーに、『本の中から選びなさい』と言われて、結局全て本の中から選んだ気が。
「はぁ、良い名前が出るまで、ママもう少しここに居るわ。それとまず名前を考える前に、代表ちゃんが、どういう名前が良いか聞きなさい。可愛い名前、カッコいい名前、渋い名前、明るい名前、いろいろあるでしょう」
それもそうか。俺が考えて良いと言われていたし、ファインドモルルは可愛いから、勝手に可愛い名前が良いだろうと思っていたが。そういうのも大事だな。
俺はすぐに代表に聞いてみる事に。すると少し考えた後、代表は可愛い名前でもどんな名前でも良いけれど、1番はカッコいい名前が良いと言ってきた。
『オレ、ずっと考えてたっチュ。前に人間がカッコいい名前言ってて、オレ、それが好きだったっチュ。だけど名前全部覚えてなくて、半分覚えてたけど、半分分からなかったっチュ。でもでも、カズキの名前聞いてたら思い出したっチュ。その名前みたいに、カッコいい名前が良いっチュ!!』
「そんな名前があったのか。よし、じゃあ、その名前を聞いて、それから考えよう。もしそれが気に入っているならそれでも良いし」
「どんな名前なの?」
『ゴンザレス、だっチュ!!』
「「……」」
部屋の中が静まり返った。まさかの代表の気に入っている名前は、名前の中でも代表に1番似合わなそうな名前だった。母さんの方を見ると、母さんもなんとも言えない表情で苦笑いをしていた。たぶん、同じことを思ったんだろう。
『ゴンザレス、カッコいいだっチュウゥゥゥ~!』
「そ、そうだな」
「え、ええ、カッコいい名前ね」
『その人間言ってたっチュ。体型も、防具も、名前でも、全てカッコよく見えるだろうってっチュ。だからオレも、たくさんカッコいいが良いっチュ』
「そうか。代表は、珍しい物を見つけられる、カッコいい魔獣だもんな。名前もカッコいい方が良いもんな」
『うん、だっチュ!!』
「分かった!! 俺が決めて良いのなら、ゴンザレスよりカッコいい名前を考えてやるぞ!」
『本当だっチュか!? やったぁチュウゥゥゥッ!!』
その場でジャンプする代表。母さんがこそっと俺に聞いてきた。
「あなた、そんな事を言って大丈夫なの? さっきのあなたが考えたら名前を聞いたら、ママ、不安しかないわ」
「大丈夫だよ。ちょっと俺に考えがあるんだ。たまたま最近目に止まった物があって。ちょっとそれを調べてみる」
「そう? あなたがそういうのなら……。でも、本当にカッコいい、代表ちゃんが認める名前を考えるのよ」
「ああ」
俺は代表に少し待っていてくれと言ってから、パソコンを立ち上げた。そして地球の歴史が載っているファイルを開くき検索をかける。そして考えていた物が見つかると、それの意味を調べ。
……やっぱり。うん、これなら代表も気に入ってくれるんじゃないだろうか。
「代表、良い名前を考えたぞ!」
『何だっチュ!! 何だッチュウゥゥゥ!!』
「代表の名前は……」
『良いっチュ!! カズキが付けてくれた名前がいいっチュ!!』
「そうか。それじゃあ、今から考えた名前を言っていくから、気に入ったものがあったら何個か選んで。その選んだ中から、1つを選ぼう。沢山候補があった方が、本当に好きな名前を選べるだろうからな」
『分かったっチュ!!』
「そうだな、忘れないように、メモしておこう。紙とペン……は分かるんだよな?」
『分かるっチュ!!』
「よし、そうしたら、最初はポチなんてそうだ?」
『……』
「モルルだから、モルでも良いな」
『……』
「あとは、タマ……は、ネコか。いや、そうなるとポチも犬だな。まぁ、良いか。俺の苗字を取って、高橋さんなんてのはどうだ? 食べ物の名前なんかもどうだろう。ほら、この紙に書いてある、これはおでんっていう食べ物なんだが、おでん、なんていうのも可愛いぞ」
『……』
「他にも食べ物だと、クッキーにつまみに。いや、そうなると、食べ物ならいくらでも選べるから、可愛い物を抜粋した方が良いか? そうだ! 今まで代表と呼んでいたから、社長や部長なんていうのはどうだ? 社長や部長っていうのは、偉い人のことだぞ。社長が1番偉いんだ」
次々に名前を言っていく俺。しかし、どうにも代表の反応がない。どうしたのかと思って代表を見てみると、凄い顔をしていた。眉間に皺を寄せ、口元はチッと舌打ちでもしていそうな形になっていて。挙句、ダメだこいつって感じの目で俺を見ていたよ。
「どうした?」
『……なんか、ダメな気がするっチュ。知ってる名前もあるっチュ。でもあんまりだっチュ』
「全部可愛いと思うけどな」
『……だめっチュ』
と、話している時だった。母さんが代表に、魔獣用ホットミルクを作ってきてくれて、部屋に入ってきたんだけど。代表の顔を見て、俺が何か代表に酷いことをしたんじゃないかと、めちゃくちゃ怒ってきた。
俺は別に酷いことなどしていない事、そして今は名前を考えていることを、すぐに母さんに話したよ。まぁ、疑われるくらい、代表は凄い顔をしていたからな。
「本当に名前を考えていたの? 代表ちゃん、本当にいじめられていない?」
代表があの表情のまま、うんうん頷く。
「じゃあ何で、こんな顔になっちゃってるのよ。名前はあなたが考えているのよね。ちょっとママに聞かせてごらんない」
俺は母さんに言われるまま、今考えたばかりの名前を母さんに伝える。すると母さんは呆気に取られた顔をした後、神妙な面持ちになって。
「あなた、それ本当に言ってるの?」
と言ってきた。そんなに酷い名前だったのか? 俺はとても可愛くて、代表に似合うと思うんだが。
……そう言えば、前世で俺の家族に名前をつけた時も、魔獣達に毎回、今の代表みたいな表情をされたり、母さんみたいなことを言われたな。それで側近のメイヤーに、『本の中から選びなさい』と言われて、結局全て本の中から選んだ気が。
「はぁ、良い名前が出るまで、ママもう少しここに居るわ。それとまず名前を考える前に、代表ちゃんが、どういう名前が良いか聞きなさい。可愛い名前、カッコいい名前、渋い名前、明るい名前、いろいろあるでしょう」
それもそうか。俺が考えて良いと言われていたし、ファインドモルルは可愛いから、勝手に可愛い名前が良いだろうと思っていたが。そういうのも大事だな。
俺はすぐに代表に聞いてみる事に。すると少し考えた後、代表は可愛い名前でもどんな名前でも良いけれど、1番はカッコいい名前が良いと言ってきた。
『オレ、ずっと考えてたっチュ。前に人間がカッコいい名前言ってて、オレ、それが好きだったっチュ。だけど名前全部覚えてなくて、半分覚えてたけど、半分分からなかったっチュ。でもでも、カズキの名前聞いてたら思い出したっチュ。その名前みたいに、カッコいい名前が良いっチュ!!』
「そんな名前があったのか。よし、じゃあ、その名前を聞いて、それから考えよう。もしそれが気に入っているならそれでも良いし」
「どんな名前なの?」
『ゴンザレス、だっチュ!!』
「「……」」
部屋の中が静まり返った。まさかの代表の気に入っている名前は、名前の中でも代表に1番似合わなそうな名前だった。母さんの方を見ると、母さんもなんとも言えない表情で苦笑いをしていた。たぶん、同じことを思ったんだろう。
『ゴンザレス、カッコいいだっチュウゥゥゥ~!』
「そ、そうだな」
「え、ええ、カッコいい名前ね」
『その人間言ってたっチュ。体型も、防具も、名前でも、全てカッコよく見えるだろうってっチュ。だからオレも、たくさんカッコいいが良いっチュ』
「そうか。代表は、珍しい物を見つけられる、カッコいい魔獣だもんな。名前もカッコいい方が良いもんな」
『うん、だっチュ!!』
「分かった!! 俺が決めて良いのなら、ゴンザレスよりカッコいい名前を考えてやるぞ!」
『本当だっチュか!? やったぁチュウゥゥゥッ!!』
その場でジャンプする代表。母さんがこそっと俺に聞いてきた。
「あなた、そんな事を言って大丈夫なの? さっきのあなたが考えたら名前を聞いたら、ママ、不安しかないわ」
「大丈夫だよ。ちょっと俺に考えがあるんだ。たまたま最近目に止まった物があって。ちょっとそれを調べてみる」
「そう? あなたがそういうのなら……。でも、本当にカッコいい、代表ちゃんが認める名前を考えるのよ」
「ああ」
俺は代表に少し待っていてくれと言ってから、パソコンを立ち上げた。そして地球の歴史が載っているファイルを開くき検索をかける。そして考えていた物が見つかると、それの意味を調べ。
……やっぱり。うん、これなら代表も気に入ってくれるんじゃないだろうか。
「代表、良い名前を考えたぞ!」
『何だっチュ!! 何だッチュウゥゥゥ!!』
「代表の名前は……」
20
お気に入りに追加
115
あなたにおすすめの小説

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました
空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが当たり前になった世界。風間は平凡な会社員として日々を暮らしていたが、ある日見に覚えのないミスを犯し会社をクビになってしまう。その上親友だった男も彼女を奪われ婚約破棄までされてしまった。世の中が嫌になった風間は自暴自棄になり山に向かうがそこで誰からも見捨てられた放置ダンジョンを見つけてしまう。どことなく親近感を覚えた風間はダンジョンで暮らしてみることにするが、そこにはとても可愛らしいモンスターが隠れ住んでいた。ひょんなことでモンスターに懐かれた風間は様々なモンスターと暮らしダンジョン内でのスローライフを満喫していくことになるのだった。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…

最弱の職業【弱体術師】となった俺は弱いと言う理由でクラスメイトに裏切られ大多数から笑われてしまったのでこの力を使いクラスメイトを見返します!
ルシェ(Twitter名はカイトGT)
ファンタジー
俺は高坂和希。
普通の高校生だ。
ある日ひょんなことから異世界に繋がるゲートが出来て俺はその中に巻き込まれてしまった。
そこで覚醒し得た職業がなんと【弱体術師】とかいう雑魚職だった。
それを見ていた当たり職業を引いた連中にボコボコにされた俺はダンジョンに置いていかれてしまう。
クラスメイト達も全員その当たり職業を引いた連中について行ってしまったので俺は1人で出口を探索するしかなくなった。
しかもその最中にゴブリンに襲われてしまい足を滑らせて地下の奥深くへと落ちてしまうのだった。

僕が皇子?!~孤児だと思ったら行方不明の皇子で皇帝(兄)が度を超えるブラコンです~
びあ。
ファンタジー
身寄りのない孤児として近境地の領主の家で働いていたロイは、ある日王宮から迎えが来る。
そこへ待っていたのは、自分が兄だと言う皇帝。
なんと自分は7年前行方不明になった皇子だとか…。
だんだんと記憶を思い出すロイと、7年間の思いが積もり極度のブラコン化する兄弟の物語り。

異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト)
前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した
生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ
魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する
ということで努力していくことにしました

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる