ライトノベルの悪役魔獣使いだった俺、現代に転生し新テイム能力で今の世界を突き進む

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19話 カッコいい名前、ゴンザレス

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「さて、それじゃあ、これから名前を決めようと思うが、本当に俺が決めて良いんだな」

『良いっチュ!! カズキが付けてくれた名前がいいっチュ!!』

「そうか。それじゃあ、今から考えた名前を言っていくから、気に入ったものがあったら何個か選んで。その選んだ中から、1つを選ぼう。沢山候補があった方が、本当に好きな名前を選べるだろうからな」

『分かったっチュ!!』

「そうだな、忘れないように、メモしておこう。紙とペン……は分かるんだよな?」

『分かるっチュ!!』

「よし、そうしたら、最初はポチなんてそうだ?」

『……』

「モルルだから、モルでも良いな」

『……』

「あとは、タマ……は、ネコか。いや、そうなるとポチも犬だな。まぁ、良いか。俺の苗字を取って、高橋さんなんてのはどうだ? 食べ物の名前なんかもどうだろう。ほら、この紙に書いてある、これはおでんっていう食べ物なんだが、おでん、なんていうのも可愛いぞ」

『……』

「他にも食べ物だと、クッキーにつまみに。いや、そうなると、食べ物ならいくらでも選べるから、可愛い物を抜粋した方が良いか? そうだ! 今まで代表と呼んでいたから、社長や部長なんていうのはどうだ? 社長や部長っていうのは、偉い人のことだぞ。社長が1番偉いんだ」

 次々に名前を言っていく俺。しかし、どうにも代表の反応がない。どうしたのかと思って代表を見てみると、凄い顔をしていた。眉間に皺を寄せ、口元はチッと舌打ちでもしていそうな形になっていて。挙句、ダメだこいつって感じの目で俺を見ていたよ。

「どうした?」

『……なんか、ダメな気がするっチュ。知ってる名前もあるっチュ。でもあんまりだっチュ』

「全部可愛いと思うけどな」

『……だめっチュ』

 と、話している時だった。母さんが代表に、魔獣用ホットミルクを作ってきてくれて、部屋に入ってきたんだけど。代表の顔を見て、俺が何か代表に酷いことをしたんじゃないかと、めちゃくちゃ怒ってきた。

 俺は別に酷いことなどしていない事、そして今は名前を考えていることを、すぐに母さんに話したよ。まぁ、疑われるくらい、代表は凄い顔をしていたからな。

「本当に名前を考えていたの? 代表ちゃん、本当にいじめられていない?」

 代表があの表情のまま、うんうん頷く。

「じゃあ何で、こんな顔になっちゃってるのよ。名前はあなたが考えているのよね。ちょっとママに聞かせてごらんない」

 俺は母さんに言われるまま、今考えたばかりの名前を母さんに伝える。すると母さんは呆気に取られた顔をした後、神妙な面持ちになって。

「あなた、それ本当に言ってるの?」

 と言ってきた。そんなに酷い名前だったのか? 俺はとても可愛くて、代表に似合うと思うんだが。

 ……そう言えば、前世で俺の家族に名前をつけた時も、魔獣達に毎回、今の代表みたいな表情をされたり、母さんみたいなことを言われたな。それで側近のメイヤーに、『本の中から選びなさい』と言われて、結局全て本の中から選んだ気が。

「はぁ、良い名前が出るまで、ママもう少しここに居るわ。それとまず名前を考える前に、代表ちゃんが、どういう名前が良いか聞きなさい。可愛い名前、カッコいい名前、渋い名前、明るい名前、いろいろあるでしょう」

 それもそうか。俺が考えて良いと言われていたし、ファインドモルルは可愛いから、勝手に可愛い名前が良いだろうと思っていたが。そういうのも大事だな。

 俺はすぐに代表に聞いてみる事に。すると少し考えた後、代表は可愛い名前でもどんな名前でも良いけれど、1番はカッコいい名前が良いと言ってきた。

『オレ、ずっと考えてたっチュ。前に人間がカッコいい名前言ってて、オレ、それが好きだったっチュ。だけど名前全部覚えてなくて、半分覚えてたけど、半分分からなかったっチュ。でもでも、カズキの名前聞いてたら思い出したっチュ。その名前みたいに、カッコいい名前が良いっチュ!!』

「そんな名前があったのか。よし、じゃあ、その名前を聞いて、それから考えよう。もしそれが気に入っているならそれでも良いし」

「どんな名前なの?」

『ゴンザレス、だっチュ!!』

「「……」」

 部屋の中が静まり返った。まさかの代表の気に入っている名前は、名前の中でも代表に1番似合わなそうな名前だった。母さんの方を見ると、母さんもなんとも言えない表情で苦笑いをしていた。たぶん、同じことを思ったんだろう。

『ゴンザレス、カッコいいだっチュウゥゥゥ~!』

「そ、そうだな」

「え、ええ、カッコいい名前ね」

『その人間言ってたっチュ。体型も、防具も、名前でも、全てカッコよく見えるだろうってっチュ。だからオレも、たくさんカッコいいが良いっチュ』

「そうか。代表は、珍しい物を見つけられる、カッコいい魔獣だもんな。名前もカッコいい方が良いもんな」

『うん、だっチュ!!』

「分かった!! 俺が決めて良いのなら、ゴンザレスよりカッコいい名前を考えてやるぞ!」

『本当だっチュか!? やったぁチュウゥゥゥッ!!』

 その場でジャンプする代表。母さんがこそっと俺に聞いてきた。

「あなた、そんな事を言って大丈夫なの? さっきのあなたが考えたら名前を聞いたら、ママ、不安しかないわ」

「大丈夫だよ。ちょっと俺に考えがあるんだ。たまたま最近目に止まった物があって。ちょっとそれを調べてみる」

「そう? あなたがそういうのなら……。でも、本当にカッコいい、代表ちゃんが認める名前を考えるのよ」

「ああ」

 俺は代表に少し待っていてくれと言ってから、パソコンを立ち上げた。そして地球の歴史が載っているファイルを開くき検索をかける。そして考えていた物が見つかると、それの意味を調べ。

 ……やっぱり。うん、これなら代表も気に入ってくれるんじゃないだろうか。

「代表、良い名前を考えたぞ!」

『何だっチュ!! 何だッチュウゥゥゥ!!』

「代表の名前は……」
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