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18話 ラノベに転生した女の今2
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それから麗奈の説明を聞きながら、ギルドの中を回った私は、ちょうどお昼頃、ギルド内の食堂に来たわ。さすがにこの地区で1、2を争うギルドだけあって、かなりの設備が揃っていて、全て見るのに半日もかかったわよ。
「それじゃあ、簡単な施設の案内は終わりよ。後はこのギルドで決められているルールについてね」
そうだわ。休憩のためにここへ来たけれど、まだそれが残っていたのよね。あ~あ、必要なこととはいえ、まだこの女と一緒にいないといけないなんて。誰か代わりに、良い男が来てくれないかしら。
そう思っていたら、まさか本当に来るなんてね。最初に幹部に紹介された時、ひと言も話さなかった男がいたんだけど。そいつが麗奈を呼びに来たの。
「おい、川島が呼んでいるぞ」
「あら、そう。どうしましょう、まだギルドルールの説明が終わっていないのよね」
「それならば、俺が残りを引き受ける」
「そう? ならあとは任せるわね。操、これから同じギルドの人間としてよろしくね」
笑っているけれど、目が笑っていない。私を邪魔者として見ている目。何度そんな目を見てきたか。あんたがどう思っているかなんて、最初の呟いた言葉と、目つきでお見通しよ。その辺の女には分からないかもしれないけど、相手は私なんだから。
まぁ、向こうは、本当の私に気づいていないでしょうね。だってラノベの世界で、第2部、第3部と、それぞれの最悪と呼ばれた女達を、私は完璧に騙して、最悪な終わり方にしてやったんだから。そう簡単に、本当の私を見破ることは出来ないわ。
それにしても、ラッキーだったわね。向こうから来てくれるなんて。
「食事はこれからか」
「は、はい!!」
「では食事が終わったら、トレーニングルームへ。そこでトレーニングをしながら、残りのギルドのルールについて説明しよう」
「はい!!」
なかなか渋くて良い声じゃない。私達はそのまま昼食を取る事に。あっ、ちなみにこの男の名前は剛健らしいわ。
でも、せっかくこの男の情報を手に入れようとしたけど。食事をしている時に、話せたのは数回。名前と、これからのことと、早く食べろ。だけだったわ。
ただ単に無口なのか、来たばかりの私と話しにくいのか。それとも可愛い私に戸惑っているのか。まぁ、無口なところと渋い声は合っていたわね。それに顔もまぁまぁだし。これからの様子にもよるけど、最初に落とす男はこの男でも良いかもね。
う~ん、でもぉ。ブランクがあるし、他のもう少し扱いやすそうな男から、狙った方が良いかしら。本当だったらもっと男が寄ってきても良いのに、まだ1番の頃の私に戻れていないし。
感気ているうちに昼食を食べ終わって、私達は早速トレーニングルームへ。ダンジョンに入っていない時は、毎日決められたトレーニングをこなしているみたいで。それをやりながら、私にギルドのルールを説明するって。
洋服を脱いだ剛健の体は、程よい筋肉質な体で、私の好みにピッタリだったわ。そうね、やっぱりもう少し様子を見て、良さそうなら、後で確実に落としましょう。ブランクを考えて、失敗したら勿体ないもの。本調子に戻ったら、失敗なんてありえないしね。
それにしても……。私は剛健の話しを聞きながら、トレーニングルーム内を見渡す。なかなか良い男が多そうじゃない。やっぱり、こっちのギルドに来たのは正解だっがかもね。
記憶を取り戻してから、どんどんレベルを上げていった私は、いろいろなギルドから、ギルドへの勧誘を受けたわ。そして最後に私に声をかけてきた人が、このシャドウギルドのギルドマスター、西野道影だったわ。
私はもっと、凄い力を使えるようになるとかなんとか。もしも力を手に入れ、この世界の全てを手にしたいのなら、俺のギルド、シャドウギルドへ来いって。
最初は何こいつ? と思ったけど。別れる前にギルマスが言い残していった、練習方法を試したら。一気にレベルが上がったものよね。
それに誘われたギルドの、全てのサイトを見てメンバーを確認したら。このシャドウギルドが1番、良い顔の男達が揃っていたのよ。
ギルマスの私のレベルを上げる方法に、全てを手に入れたいのならという言葉。そしてこれが1番大事な、良い顔の男が多いことが決め手になって。私はこのシャドウギルドに、入る事に決めたの。
「大体こんな感じだ」
「わぁ、たくさんルールがあるんですねぇ。覚えられるかなぁ」
「覚えなければ、何かあった時に困るのはお前だぞ」
「でもでも、こんなにいっぱいあるなんて。剛健さんはどれくらいで全て覚えたんですかぁ?」
「その日のうちだ。やるべき事はやる、覚えるべき事は覚える。それは当たり前のことだ」
なるほど、真面目な性格って感じかしら。で、普段は黙々とトレーニングをするタイプ。無口なのはきっと性格からね。ならここは、とりあえず頑張るアピールでもしておこうかしら。
「ええ!? 凄いです!! 私もせっかくギルマスに、このギルドに誘ってもらえたんです!! ギルマスのためにも、ギルドのためにも、私のためにも、頑張って覚えますね!!」
「ああ」
う~ん。こういうタイプは、やっぱり顔に出にくいのが厄介よね。でも顔の表情は少しも動いていないから、嫌がってはいないはずだわ。
「説明は終わりだ。1人で移動できるな?」
「はい!! 地図をいただいているので。説明ありがとうございました!!」
私が頭を下げた後、トレーニングルームから出ようと背を向ければ、今までよりも激しい音が聞こえてきて。今までは説明をしていたから、本気でトレーニングできていなかったのね。
ドアから出る時に見た剛健さんは、汗でさらに格好良く見えたわ。ふふふ、こうでなくちゃ。
今日から少しだけ使わせてもらう、寮に向かう私の横を、魔獣を連れたプレイヤーが通り過ぎて行ったわ。
そういえばラノベの世界で、魔獣を連れていた男の中で、1番顔が良かったのは、最初の悪役の男だけだったわね……。
「それじゃあ、簡単な施設の案内は終わりよ。後はこのギルドで決められているルールについてね」
そうだわ。休憩のためにここへ来たけれど、まだそれが残っていたのよね。あ~あ、必要なこととはいえ、まだこの女と一緒にいないといけないなんて。誰か代わりに、良い男が来てくれないかしら。
そう思っていたら、まさか本当に来るなんてね。最初に幹部に紹介された時、ひと言も話さなかった男がいたんだけど。そいつが麗奈を呼びに来たの。
「おい、川島が呼んでいるぞ」
「あら、そう。どうしましょう、まだギルドルールの説明が終わっていないのよね」
「それならば、俺が残りを引き受ける」
「そう? ならあとは任せるわね。操、これから同じギルドの人間としてよろしくね」
笑っているけれど、目が笑っていない。私を邪魔者として見ている目。何度そんな目を見てきたか。あんたがどう思っているかなんて、最初の呟いた言葉と、目つきでお見通しよ。その辺の女には分からないかもしれないけど、相手は私なんだから。
まぁ、向こうは、本当の私に気づいていないでしょうね。だってラノベの世界で、第2部、第3部と、それぞれの最悪と呼ばれた女達を、私は完璧に騙して、最悪な終わり方にしてやったんだから。そう簡単に、本当の私を見破ることは出来ないわ。
それにしても、ラッキーだったわね。向こうから来てくれるなんて。
「食事はこれからか」
「は、はい!!」
「では食事が終わったら、トレーニングルームへ。そこでトレーニングをしながら、残りのギルドのルールについて説明しよう」
「はい!!」
なかなか渋くて良い声じゃない。私達はそのまま昼食を取る事に。あっ、ちなみにこの男の名前は剛健らしいわ。
でも、せっかくこの男の情報を手に入れようとしたけど。食事をしている時に、話せたのは数回。名前と、これからのことと、早く食べろ。だけだったわ。
ただ単に無口なのか、来たばかりの私と話しにくいのか。それとも可愛い私に戸惑っているのか。まぁ、無口なところと渋い声は合っていたわね。それに顔もまぁまぁだし。これからの様子にもよるけど、最初に落とす男はこの男でも良いかもね。
う~ん、でもぉ。ブランクがあるし、他のもう少し扱いやすそうな男から、狙った方が良いかしら。本当だったらもっと男が寄ってきても良いのに、まだ1番の頃の私に戻れていないし。
感気ているうちに昼食を食べ終わって、私達は早速トレーニングルームへ。ダンジョンに入っていない時は、毎日決められたトレーニングをこなしているみたいで。それをやりながら、私にギルドのルールを説明するって。
洋服を脱いだ剛健の体は、程よい筋肉質な体で、私の好みにピッタリだったわ。そうね、やっぱりもう少し様子を見て、良さそうなら、後で確実に落としましょう。ブランクを考えて、失敗したら勿体ないもの。本調子に戻ったら、失敗なんてありえないしね。
それにしても……。私は剛健の話しを聞きながら、トレーニングルーム内を見渡す。なかなか良い男が多そうじゃない。やっぱり、こっちのギルドに来たのは正解だっがかもね。
記憶を取り戻してから、どんどんレベルを上げていった私は、いろいろなギルドから、ギルドへの勧誘を受けたわ。そして最後に私に声をかけてきた人が、このシャドウギルドのギルドマスター、西野道影だったわ。
私はもっと、凄い力を使えるようになるとかなんとか。もしも力を手に入れ、この世界の全てを手にしたいのなら、俺のギルド、シャドウギルドへ来いって。
最初は何こいつ? と思ったけど。別れる前にギルマスが言い残していった、練習方法を試したら。一気にレベルが上がったものよね。
それに誘われたギルドの、全てのサイトを見てメンバーを確認したら。このシャドウギルドが1番、良い顔の男達が揃っていたのよ。
ギルマスの私のレベルを上げる方法に、全てを手に入れたいのならという言葉。そしてこれが1番大事な、良い顔の男が多いことが決め手になって。私はこのシャドウギルドに、入る事に決めたの。
「大体こんな感じだ」
「わぁ、たくさんルールがあるんですねぇ。覚えられるかなぁ」
「覚えなければ、何かあった時に困るのはお前だぞ」
「でもでも、こんなにいっぱいあるなんて。剛健さんはどれくらいで全て覚えたんですかぁ?」
「その日のうちだ。やるべき事はやる、覚えるべき事は覚える。それは当たり前のことだ」
なるほど、真面目な性格って感じかしら。で、普段は黙々とトレーニングをするタイプ。無口なのはきっと性格からね。ならここは、とりあえず頑張るアピールでもしておこうかしら。
「ええ!? 凄いです!! 私もせっかくギルマスに、このギルドに誘ってもらえたんです!! ギルマスのためにも、ギルドのためにも、私のためにも、頑張って覚えますね!!」
「ああ」
う~ん。こういうタイプは、やっぱり顔に出にくいのが厄介よね。でも顔の表情は少しも動いていないから、嫌がってはいないはずだわ。
「説明は終わりだ。1人で移動できるな?」
「はい!! 地図をいただいているので。説明ありがとうございました!!」
私が頭を下げた後、トレーニングルームから出ようと背を向ければ、今までよりも激しい音が聞こえてきて。今までは説明をしていたから、本気でトレーニングできていなかったのね。
ドアから出る時に見た剛健さんは、汗でさらに格好良く見えたわ。ふふふ、こうでなくちゃ。
今日から少しだけ使わせてもらう、寮に向かう私の横を、魔獣を連れたプレイヤーが通り過ぎて行ったわ。
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