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8話 ダンジョン内で起きたおかしな出来事
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「アッハッハッハッ!! 何よこれ!! こんなの見た事ないわよ!! アハハハハハハッ!! 可愛いぃぃぃ!!」
「こ、これは、俺も初めて見たな。くくっ」
ダンジョンには色々なタイプのダンジョンがある。洞窟タイプのダンジョンや、神殿タイプのダンジョン。草原タイプに森タイプにと、まぁ、それはそれはいろいろなタイプがあるんだが。
今回俺達が入ったのは森林タイプのダンジョンで。かなり奥まで進み、ちょうど少し開けている場所で、休憩をとっていたところだった。
ここまで来る間に、姉さんから今日何をするのか、散々聞かれたけど。もう面倒で、何も言わずにいた俺。
途中から姉さんは、そんな俺にイライラしたのか、弱いのに姉さん達の力に気づかず、襲って来たネズミに似ている魔獣、草原ネズミの群れを一瞬でしとめ、憂さ晴らしをすると。
何匹か串に刺し、残りはマジックバックにしまったあと、串刺しにした草原ネズミを火魔法で炙り、BBQの肉の串焼き風にして、食べながらここまで歩いてきた。
その姿を見たからか、その後はどの魔獣も近寄って来なかったよ。前の時にように、俺に近寄ってこようとした魔獣も数匹いたけど、その魔獣達も結局来なくなってしまった。俺の嫌な予感が当たった感じだな。
そうして休憩場所まで来るともう1本、草原ネズミの串焼きを食べ始めた姉さん。俺と優也さんも、姉さんに串焼きをもらい、昼食にする事に。
食べながらこれからの事を考えた俺。このままじゃ、何のためにダンジョンに来たか分からない。話して騒がれたくはなかったが、魔獣が寄って来てくれないと元も子もないって事で。
ご飯を食べたあと、姉さん達に今回ここへ来た目的を話し、静かにしていてくれるよう、頼もうかと考え。
そうしてご飯を食べ終わり、すぐに話しをしようとしたのだが。その時まさかの出来事が起きたんだ。そう、今姉さんが大笑いをし、優也さんも顔を隠しているが、方を震わせ笑っている出来事がな。
今俺達の周りを、ファインドモルルが囲んでいる。ファインドモルルは、モルモットに似ている魔獣で、大きさ大人のモルモットよりも少し小さいくらいだ。性格は大人しかったり活発だったりと様々で。暮らしは、群れで暮らしたり1匹で暮らしたりと、こっちもいろいろだ。
ただ、群れだろうが単独だろうが、人を襲う事はほとんどなく。というか、襲って来たという話しを聞いたこともないし。協会がそういう情報を、協会のホームページに載せたこともないことから、本当に襲って来ないんだろう。
協会はホームページで、どのダンジョンでどんな魔獣が出て、怪我人が出た、なんて情報を、プレイヤー達に発信していて。だからプレイヤーはその情報を見て、その情報に出てダンジョンに向かうか、近寄らないようにするか、決めることもできるぞ。
そして、そんな人に無害なファインドモルルは、レベルが高ければプレイヤーに大人気だ。名前にファインドと入っているけれど、見つけるモルルって意味で。レベルが高いファインドモルルは、希少なダンジョンの素材を見つけることができる、有能な魔獣なんだ。
つい最近もSS級の素材を見つけたファインドモルルがいて、かなり話題になっていた。なんか最終的に、どっかの金持ちが、その素材を買い取ったって、テレビで言っていたけど。
ただ、今言った通り大人気なのは、高ランクダンジョンにいる、レベルの高いファインドモルルだけだ。レベルが低いと、大した物を見つけて来ないんだよ。
じゃあ育てて、ファインドモルルのレベルを上げれば良いだろう、と思うかもしれないが。何故かなかなかレベルが上げられないファインドモルル。まるで俺みたいな魔獣で。
どうすればレベルが上がってくれるのか分からず。それなら最初からレベルの高いファインドモルルをテイムした方が早いと。プレイヤー達は高ランクダンジョンに、ファインドモルルを探しに行く事に。
しかいこれまた不思議で、低ランクのダンジョンには低ランクのファインドモルルが、山程居るのに。高ランクのダンジョンに、高ランクのファインドモルルはほとんど居らず。レアな素材を見つけるよりも難しい、と言われているくらいなんだ。
それで結局、レベルの低いファインドモルルをテイムしに来るっていうな。まぁ、でも途中で諦める人が多くて、最終的にそのプレイヤーの家族として、ゆっくり暮らすファインドモルル達が多い。
そしてそんなレベルの低い方の、ファインドモルル達の群れが今、俺達の事を囲んでいる。
それは俺が今回の事を姉さん達に説明しようとした時だった。突然ファインドモルル達の沢山の鳴き声が、そこら中から聞こえて、どんどん俺達の方へ近づいて来たんだ。
声でファインドモルルだと分かり、危険はないと思ったが。それにしては、あまりにも声の数が多いって事で。一応すぐに戦闘態勢をとって俺達。
そうして俺達のすぐ向こうの草むらまで近づいてくると、急に声がピタッと止まったため、更に警戒したんだけど。
次の瞬間、4列に並んだファインドモルル達が、行進するみたいに草むらから出て来て、キュッキュッ、キュッキュッ言いながら、俺達をどんどん囲んでいったんだ。
そうして最後に、キュキュッと全員で鳴いた後、ピタッと止まり。そのファインドモルルの中から、俺の前に1匹のファインドモルルが出て来た。
俺が最初にそれを見て思った事は。は? 何で行進? 何でファインドモルル達の代表みたいに、1匹が出て来た? だった。もう戦闘のことなんて頭からなくなっていたよ。
「こ、これは、俺も初めて見たな。くくっ」
ダンジョンには色々なタイプのダンジョンがある。洞窟タイプのダンジョンや、神殿タイプのダンジョン。草原タイプに森タイプにと、まぁ、それはそれはいろいろなタイプがあるんだが。
今回俺達が入ったのは森林タイプのダンジョンで。かなり奥まで進み、ちょうど少し開けている場所で、休憩をとっていたところだった。
ここまで来る間に、姉さんから今日何をするのか、散々聞かれたけど。もう面倒で、何も言わずにいた俺。
途中から姉さんは、そんな俺にイライラしたのか、弱いのに姉さん達の力に気づかず、襲って来たネズミに似ている魔獣、草原ネズミの群れを一瞬でしとめ、憂さ晴らしをすると。
何匹か串に刺し、残りはマジックバックにしまったあと、串刺しにした草原ネズミを火魔法で炙り、BBQの肉の串焼き風にして、食べながらここまで歩いてきた。
その姿を見たからか、その後はどの魔獣も近寄って来なかったよ。前の時にように、俺に近寄ってこようとした魔獣も数匹いたけど、その魔獣達も結局来なくなってしまった。俺の嫌な予感が当たった感じだな。
そうして休憩場所まで来るともう1本、草原ネズミの串焼きを食べ始めた姉さん。俺と優也さんも、姉さんに串焼きをもらい、昼食にする事に。
食べながらこれからの事を考えた俺。このままじゃ、何のためにダンジョンに来たか分からない。話して騒がれたくはなかったが、魔獣が寄って来てくれないと元も子もないって事で。
ご飯を食べたあと、姉さん達に今回ここへ来た目的を話し、静かにしていてくれるよう、頼もうかと考え。
そうしてご飯を食べ終わり、すぐに話しをしようとしたのだが。その時まさかの出来事が起きたんだ。そう、今姉さんが大笑いをし、優也さんも顔を隠しているが、方を震わせ笑っている出来事がな。
今俺達の周りを、ファインドモルルが囲んでいる。ファインドモルルは、モルモットに似ている魔獣で、大きさ大人のモルモットよりも少し小さいくらいだ。性格は大人しかったり活発だったりと様々で。暮らしは、群れで暮らしたり1匹で暮らしたりと、こっちもいろいろだ。
ただ、群れだろうが単独だろうが、人を襲う事はほとんどなく。というか、襲って来たという話しを聞いたこともないし。協会がそういう情報を、協会のホームページに載せたこともないことから、本当に襲って来ないんだろう。
協会はホームページで、どのダンジョンでどんな魔獣が出て、怪我人が出た、なんて情報を、プレイヤー達に発信していて。だからプレイヤーはその情報を見て、その情報に出てダンジョンに向かうか、近寄らないようにするか、決めることもできるぞ。
そして、そんな人に無害なファインドモルルは、レベルが高ければプレイヤーに大人気だ。名前にファインドと入っているけれど、見つけるモルルって意味で。レベルが高いファインドモルルは、希少なダンジョンの素材を見つけることができる、有能な魔獣なんだ。
つい最近もSS級の素材を見つけたファインドモルルがいて、かなり話題になっていた。なんか最終的に、どっかの金持ちが、その素材を買い取ったって、テレビで言っていたけど。
ただ、今言った通り大人気なのは、高ランクダンジョンにいる、レベルの高いファインドモルルだけだ。レベルが低いと、大した物を見つけて来ないんだよ。
じゃあ育てて、ファインドモルルのレベルを上げれば良いだろう、と思うかもしれないが。何故かなかなかレベルが上げられないファインドモルル。まるで俺みたいな魔獣で。
どうすればレベルが上がってくれるのか分からず。それなら最初からレベルの高いファインドモルルをテイムした方が早いと。プレイヤー達は高ランクダンジョンに、ファインドモルルを探しに行く事に。
しかいこれまた不思議で、低ランクのダンジョンには低ランクのファインドモルルが、山程居るのに。高ランクのダンジョンに、高ランクのファインドモルルはほとんど居らず。レアな素材を見つけるよりも難しい、と言われているくらいなんだ。
それで結局、レベルの低いファインドモルルをテイムしに来るっていうな。まぁ、でも途中で諦める人が多くて、最終的にそのプレイヤーの家族として、ゆっくり暮らすファインドモルル達が多い。
そしてそんなレベルの低い方の、ファインドモルル達の群れが今、俺達の事を囲んでいる。
それは俺が今回の事を姉さん達に説明しようとした時だった。突然ファインドモルル達の沢山の鳴き声が、そこら中から聞こえて、どんどん俺達の方へ近づいて来たんだ。
声でファインドモルルだと分かり、危険はないと思ったが。それにしては、あまりにも声の数が多いって事で。一応すぐに戦闘態勢をとって俺達。
そうして俺達のすぐ向こうの草むらまで近づいてくると、急に声がピタッと止まったため、更に警戒したんだけど。
次の瞬間、4列に並んだファインドモルル達が、行進するみたいに草むらから出て来て、キュッキュッ、キュッキュッ言いながら、俺達をどんどん囲んでいったんだ。
そうして最後に、キュキュッと全員で鳴いた後、ピタッと止まり。そのファインドモルルの中から、俺の前に1匹のファインドモルルが出て来た。
俺が最初にそれを見て思った事は。は? 何で行進? 何でファインドモルル達の代表みたいに、1匹が出て来た? だった。もう戦闘のことなんて頭からなくなっていたよ。
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