33 / 78
33話 実は色々と恐ろしい? 目覚まし鳥①
しおりを挟む
テオドアさんとモッチーが帰った後、すぐにアオ達が居る部屋へ戻った俺。するとアオの周りにみんなが集まり、みんなでモッチーの話しを聞いていた。
『へぇ、ちゃんと謝りに来たんだ』
『でも、当たり前だよね。向こうが悪いんだから』
『ふん、謝るくらいなら、最初からやらなければ良いのよ。家族の人だって注意していたんでしょう?』
『私、オラオラって。自分の本当の力も分からずに、向かってくる男嫌いよ』
『そうよねぇ、そんな男嫌よね』
『そういうところを、しっかりと分かっていて。それから私より強い男じゃなくちゃ』
『それはそうよ、自分より弱い男なんて。この前告白してきた奴なんて、私の蹴りが見えないって言うのよ。私は実力の半分も出していなかったのに』
『何よそれ!』
『まったく見えなかったの!?』
『そうなのよ! それなのに私と付き合いたいだなんて』
『若い子だったの?』
『ええ、若い子だったのわ。だから私言ってあげたのよ。もう少し修行してからもう1度来なさいって。その時に私が誰とも付き合っていなければ、夫婦になっていなければ。そしてこれは、今も話している中で、1番大切なことだけれど。きちんと私に見合う実力になっていたら、考えてあげるってね』
『若い子なら、まぁ、仕方ないのかしら』
『そうね。これが良い歳した奴ならアウトだけど』
『本当よ。1度追い返されて、ママ~! 僕に酷い事いうんだよ!! とか泣きながら帰った奴いなかった?』
『いたいた、いたわねそういう奴!!』
『それ、私の話しよ。あれは本当最悪だったわ。良い歳した目覚まし鳥が、しかも力が大切な目覚まし鳥が、ママに泣きつくってどうなのよって話し』
『あれ、あの後どうなったの?』
『ああ、あれ後で母親と私の所に来たんだけど』
『ええ!? 本当に来たの!?』
『ああ、でも私に対して怒りに来たんじゃなくて、私謝りに来たのよ。うちのバカ息子が迷惑をかけたって。2度と近づけさせないし、私がこの子の根性を叩き直すわって。お詫びの品まで持ってきてくれて。奴、ボロボロになってたわ。おそらく母親にやられたんでしょう』
『母親の方はまともだったみたいね』
『もし夫婦になっても、家族関係で揉めたくないものね。特に相手の母親とは。お義母さん問題。あれ大変だもの。 適度な距離を保ってくれるお義母が良いわ』
『それであなたの方。その若い子は、あなたにそう言われてどうしたの?』
『しっかりと頷いて、帰って行ったわ。あの目の力、しっかりと修行してくれたら、強くなれるかもしれないわね』
『後は本人の努力次第ね』
『ここにいるみんなも、しっかり修行をしているのかしら。私達が修行をしている時、あまり見かけないのだけれど』
何故か男女に分かれて集まっていた目覚まし鳥達。目覚まし鳥の女の子達が一斉に、目覚まし鳥の男の子達を見た。それにビクッとして、あっちこっち目を逸らす男の子目覚まし鳥達。
モッチーの話しをしていたんじゃないのかよ。いつのまにか理想の男性像の話しになってるじゃないか。まぁ、うん。頑張れ、男の子達。こればかりは俺も手助けはしてやれない。力をつけた俺でも、こればかりは怖いからな。
それに、お姑さん問題まで。なんかせっかくの異世界、しかも可愛い姿の鳥なのに。すごく現代社会の問題を感じた……。はぁ、まさか魔獣の世界にも、嫁、姑問題を聞かされるとは。
目覚まし鳥。一体どんな鳥なのか。とっても可愛いけれど、実はとても怖い鳥。それが目覚まし鳥だ。
まず、目覚まし鳥の見た目だけれど。大人でもとても小さい鳥で、人の片手ですっぽりと包んでしまえるほどだ。そして目は小さいまんまる目で、色は淡い水色の、見た目とっても可愛い鳥である。
だから人気があって、家族に迎える人達や、相棒として一緒に暮らす人達が多い。勿論勝手に家族になったりしないぞ。ちゃんと目覚まし鳥に、家族や相棒になっても良いか、必ず許可を取ってからだ。
許可をとる? それは勿論そうだろう、とみんな思うかもしれない。ただ目覚まし鳥の場合、必ず、必ず許可を取らないと、命の危険に関わる可能性が。
目覚まし鳥は可愛いだけの鳥ではない。その名も通り、目覚ましとしての力を持っている。自然で生きている魔獣達や、この街で暮らすまで、自然で生きてきた俺にとって、時間は明るくなれば朝だし、暗くなれば夜ってだけだけれど。
目覚まし鳥は体感で、正確に時間を計ることができるんだ。しかも細かく分単位で。だから目覚まし鳥の能力を借りて、目覚ましがわりにしている人達がいっぱいいる。
そういう理由もあって、俺はこの施設ができる前に、目覚まし鳥達と交渉。衣食住を提供し、身の安全を保証して、この施設の従業員として働いてもらう事に。お客さんから目覚まし鳥の依頼があると、みんなに頼んで仕事をしてもらっている。
そしてここからは、少し困る目覚まし鳥の説明だ。例えばさっきまで話していた、ダメなお客さんのこと。
自分達に意地悪をするような人達には、頼まれていた時間ではなく、寝静まった時間にワザと鳴いて起こしたり、まったく時間を教えなかったりと。寝坊しようがどうなろうが、絶対に時間を教えない。
まぁ、これに関しては、原因は目覚まし鳥ではなく、彼らに悪さをした人達の責任なので、しょうがない。
それに時々、家族や相棒でも喧嘩し、起こさなかったり、ワザと違う時間に起こして、さらに喧嘩が酷くなり時もあるからな。
ただ、このくらいの事ならまだ良いんだよ。まぁ、途中で起こされるのは辛いし、起こしてもらえず遅刻して、問題になる時はあるけど。それでも命の危険はないからな。
問題はそれ以上の出来事が起こった場合だ。目覚まし鳥の恐ろしさは、ここからが本番なんだ。
『へぇ、ちゃんと謝りに来たんだ』
『でも、当たり前だよね。向こうが悪いんだから』
『ふん、謝るくらいなら、最初からやらなければ良いのよ。家族の人だって注意していたんでしょう?』
『私、オラオラって。自分の本当の力も分からずに、向かってくる男嫌いよ』
『そうよねぇ、そんな男嫌よね』
『そういうところを、しっかりと分かっていて。それから私より強い男じゃなくちゃ』
『それはそうよ、自分より弱い男なんて。この前告白してきた奴なんて、私の蹴りが見えないって言うのよ。私は実力の半分も出していなかったのに』
『何よそれ!』
『まったく見えなかったの!?』
『そうなのよ! それなのに私と付き合いたいだなんて』
『若い子だったの?』
『ええ、若い子だったのわ。だから私言ってあげたのよ。もう少し修行してからもう1度来なさいって。その時に私が誰とも付き合っていなければ、夫婦になっていなければ。そしてこれは、今も話している中で、1番大切なことだけれど。きちんと私に見合う実力になっていたら、考えてあげるってね』
『若い子なら、まぁ、仕方ないのかしら』
『そうね。これが良い歳した奴ならアウトだけど』
『本当よ。1度追い返されて、ママ~! 僕に酷い事いうんだよ!! とか泣きながら帰った奴いなかった?』
『いたいた、いたわねそういう奴!!』
『それ、私の話しよ。あれは本当最悪だったわ。良い歳した目覚まし鳥が、しかも力が大切な目覚まし鳥が、ママに泣きつくってどうなのよって話し』
『あれ、あの後どうなったの?』
『ああ、あれ後で母親と私の所に来たんだけど』
『ええ!? 本当に来たの!?』
『ああ、でも私に対して怒りに来たんじゃなくて、私謝りに来たのよ。うちのバカ息子が迷惑をかけたって。2度と近づけさせないし、私がこの子の根性を叩き直すわって。お詫びの品まで持ってきてくれて。奴、ボロボロになってたわ。おそらく母親にやられたんでしょう』
『母親の方はまともだったみたいね』
『もし夫婦になっても、家族関係で揉めたくないものね。特に相手の母親とは。お義母さん問題。あれ大変だもの。 適度な距離を保ってくれるお義母が良いわ』
『それであなたの方。その若い子は、あなたにそう言われてどうしたの?』
『しっかりと頷いて、帰って行ったわ。あの目の力、しっかりと修行してくれたら、強くなれるかもしれないわね』
『後は本人の努力次第ね』
『ここにいるみんなも、しっかり修行をしているのかしら。私達が修行をしている時、あまり見かけないのだけれど』
何故か男女に分かれて集まっていた目覚まし鳥達。目覚まし鳥の女の子達が一斉に、目覚まし鳥の男の子達を見た。それにビクッとして、あっちこっち目を逸らす男の子目覚まし鳥達。
モッチーの話しをしていたんじゃないのかよ。いつのまにか理想の男性像の話しになってるじゃないか。まぁ、うん。頑張れ、男の子達。こればかりは俺も手助けはしてやれない。力をつけた俺でも、こればかりは怖いからな。
それに、お姑さん問題まで。なんかせっかくの異世界、しかも可愛い姿の鳥なのに。すごく現代社会の問題を感じた……。はぁ、まさか魔獣の世界にも、嫁、姑問題を聞かされるとは。
目覚まし鳥。一体どんな鳥なのか。とっても可愛いけれど、実はとても怖い鳥。それが目覚まし鳥だ。
まず、目覚まし鳥の見た目だけれど。大人でもとても小さい鳥で、人の片手ですっぽりと包んでしまえるほどだ。そして目は小さいまんまる目で、色は淡い水色の、見た目とっても可愛い鳥である。
だから人気があって、家族に迎える人達や、相棒として一緒に暮らす人達が多い。勿論勝手に家族になったりしないぞ。ちゃんと目覚まし鳥に、家族や相棒になっても良いか、必ず許可を取ってからだ。
許可をとる? それは勿論そうだろう、とみんな思うかもしれない。ただ目覚まし鳥の場合、必ず、必ず許可を取らないと、命の危険に関わる可能性が。
目覚まし鳥は可愛いだけの鳥ではない。その名も通り、目覚ましとしての力を持っている。自然で生きている魔獣達や、この街で暮らすまで、自然で生きてきた俺にとって、時間は明るくなれば朝だし、暗くなれば夜ってだけだけれど。
目覚まし鳥は体感で、正確に時間を計ることができるんだ。しかも細かく分単位で。だから目覚まし鳥の能力を借りて、目覚ましがわりにしている人達がいっぱいいる。
そういう理由もあって、俺はこの施設ができる前に、目覚まし鳥達と交渉。衣食住を提供し、身の安全を保証して、この施設の従業員として働いてもらう事に。お客さんから目覚まし鳥の依頼があると、みんなに頼んで仕事をしてもらっている。
そしてここからは、少し困る目覚まし鳥の説明だ。例えばさっきまで話していた、ダメなお客さんのこと。
自分達に意地悪をするような人達には、頼まれていた時間ではなく、寝静まった時間にワザと鳴いて起こしたり、まったく時間を教えなかったりと。寝坊しようがどうなろうが、絶対に時間を教えない。
まぁ、これに関しては、原因は目覚まし鳥ではなく、彼らに悪さをした人達の責任なので、しょうがない。
それに時々、家族や相棒でも喧嘩し、起こさなかったり、ワザと違う時間に起こして、さらに喧嘩が酷くなり時もあるからな。
ただ、このくらいの事ならまだ良いんだよ。まぁ、途中で起こされるのは辛いし、起こしてもらえず遅刻して、問題になる時はあるけど。それでも命の危険はないからな。
問題はそれ以上の出来事が起こった場合だ。目覚まし鳥の恐ろしさは、ここからが本番なんだ。
30
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜
黒城白爵
ファンタジー
異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。
魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。
そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。
自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。
後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。
そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。
自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
俺、何しに異世界に来たんだっけ?
右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」
主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。
気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。
「あなたに、お願いがあります。どうか…」
そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。
「やべ…失敗した。」
女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる