59 / 61
58.おかしなオークジェネラルが欲している物
しおりを挟む
「それはどういうの事なの? 奴もティニーの、そのポカポカしている物を浴びに、わざわざ来たって事?」
俺から溢れているそのポカポカしている物。それ目的で、家の周りに魔獣達が集まって来ていたのは知らなかったけど、まぁそれは良いとして。だってエルフの里にいる魔獣達は、害のない子達ばかりだからな。
だけどあの面倒なオークジェネラルまで、俺から溢れているポカポカ目的で来たかもしれないって? わざわざ俺達を襲ってまで? レイナさん達もそう思ったんだろう。
だって敵対してるんだぞ? それなのに気持ちが良いってだけで、わざわざ浴びに来るのか? まぁ、ずっと浴びていたくて、俺を攫いに来たのかもしれないけどさぁ。
大体ポカポカ暖かい、溢れている物ってなんだよ。それと、俺にはそれが何か分からないけれど、止められないのか? こう、俺が止まれっ! って思ったら止まるとか。やってみるか……。
「あぶぅっ!!」
俺は止まれって言ってみた。突然の俺の声に、俺の方を見てくるみんな。あっ、ごめんごめん。大事な話しの最中に。いや、でもさ。もしもこの溢れるものば止まったら、あの変なオークジェネラルも止まってくれるかと思って。俺はささっとそう説明した。
『ティニー、今止まれって言ったよね』
『でも、ぜんぜん止まってないぞ』
『いつもと一緒。レイナママくらいまでは溢れてる。後は消える』
残念。やっぱりそう簡単には止まらないか。でも俺から出ている物なんだから、俺が止められると思うんだけど。
そうだ! その辺にそのポカポカした物を溜めて、置いておけないかな? 俺のポカポカを浴びに来たなら、そのポカポカを集めてその辺に置いておけば、それを浴びて帰ってくれるかもしれないだろう?
俺はすぐにみんなのそう言った。それからそれをレイナさん達に伝えてもらって。
『確かにもしかしたら、それで止まるかもしれないけれど。私達もシャイン達が言っている、あなたのポカポカが何なのか分からないのよ。だからそれができるかどうか』
あー、やっぱりそうだよな。俺のポカポカの話し、レイナさん達も初めての話しで、分かってないんだもんな。
『溜められるのかな?』
『どうだろうな?』
『いつも溢れてるだけ』
『それにね、あいつは違うと思う。浴びに来たんじゃいと思うんだ』
フラフィーがそう言った。何だ、浴びに来たんじゃないのか? じゃあ何をしに来たんだよ。それにさっきからみんなは、俺のポカポカに気づいてここに来たんじゃないか? って言ってるのに。なんか話しがおかしくないか?
『あいつさ、ティニーのポカポカを浴びに来たんじゃなくて、たぶんティニーを自分の物のしようとしてるんじゃないかな』
「自分の物? それはティニーのそのポカポカを、いつでも浴びるたに、攫って自分の物にしようとしているって事かしら?」
『えっと、ティニーのポカポカは、太陽みたいにポカポカが気持ちよくて、元気になって、力が強くなった気がするでしょう。だから他の集まって来てた魔獣達も、みんなそれが嬉しくて集まって来てたんだけど』
『あいつは、1つだけが欲しいのかも』
「1つだけ?」
『あいつらってさ、力が全てじゃん。それで揉める以外考えてないっていうか。だからね、ティニーのポカポカとか、気持ちいい、幸せはぜんぜんいらなくて。1つの物だけ欲しいのかな? って。力が強くなる気がするやつ。だからあいつはティニーを食べちゃって、ティニーの力が強くなる力だけ欲しくて、ティニーを追って来てるのなかって』
は? 力だけ? いやいや、いくら何でも。力が欲しいって言ったって、赤ん坊の俺を食べたところで、そんな大した力にはならないだろう。少し腹が膨れるくらいじゃないのか? いや、それもな。こんな小さな赤ん坊じゃな。
フラフィー達の話しに、思わず俺はそう言った。そう、思いたかっただけかもしれないけど。だって食べちゃってなんて言われたらさ。そんなことはないって、考えたくもなるだろう。
だけどそう言った俺の話しは、誰も聞いていなかった。いや、聞いていたかもしれないけれど、右から左に聞き流されていた? そしてレイナさん、クランシーさん、カシミールさんの表情は……。
みんな最初は無表情だったけれど、すぐに険しい顔になって、レイナさん首を横に振った。
「まさか、そんな事」
「いや、この者達の言う通りかもしれない。もしもこの者達の言っている、ティニーから溢れている物。それが本当の話だったら。いや、本当の話しで間違いないだろう。そしてそれが私達には分からないものでも、奴にとって必要な物だったのなら」
「ティニーを取り込み、どれだけの力を得る事ができるのかは分からないが。その得た力によって、奴がさらに進化しようと考えていたら」
「奴がもしもオークキングに進化してしまえば、どれほど強力な存在になるか分からん」
いやいやいや、待って待って。俺は食べられること決定なのか? 他の目的で追いかけてきている可能性はゼロなのか?
「では、このままどこへ逃げても」
レイナさんがとても困ったような、悲しそうな顔をした。
「おそらくずっと追われる事になるだろう。奴を倒さない限り」
「そんな……」
「このまま予定通りの避難所へ。その後はティニーだけを連れ、別の場所へ行く。他の者達にも一応は移動するように言うが。それで奴がこちらを追いかけてくれば。ティニーが狙いで間違いないだろう」
「どこへ向かいますか?」
「ティニーのこと関係なく、奴らを倒すとは決めていたからな。本来ならティニー達と離れた場所で戦うつもりでいたが。もしもの時のために、備えへていた場所へ」
「あの場所ですね」
「魔法を打ち上げ、他の者にも知らせを。他のオーク達を倒した者は、あの場所へ集まるように伝えてくれ。少しでも戦力は欲しいからな。それまで我々だけで戦う事になるが」
「承知いたしました」
何だ何だ。俺を置いてけぼりで、これからのことが決まっていった。
俺から溢れているそのポカポカしている物。それ目的で、家の周りに魔獣達が集まって来ていたのは知らなかったけど、まぁそれは良いとして。だってエルフの里にいる魔獣達は、害のない子達ばかりだからな。
だけどあの面倒なオークジェネラルまで、俺から溢れているポカポカ目的で来たかもしれないって? わざわざ俺達を襲ってまで? レイナさん達もそう思ったんだろう。
だって敵対してるんだぞ? それなのに気持ちが良いってだけで、わざわざ浴びに来るのか? まぁ、ずっと浴びていたくて、俺を攫いに来たのかもしれないけどさぁ。
大体ポカポカ暖かい、溢れている物ってなんだよ。それと、俺にはそれが何か分からないけれど、止められないのか? こう、俺が止まれっ! って思ったら止まるとか。やってみるか……。
「あぶぅっ!!」
俺は止まれって言ってみた。突然の俺の声に、俺の方を見てくるみんな。あっ、ごめんごめん。大事な話しの最中に。いや、でもさ。もしもこの溢れるものば止まったら、あの変なオークジェネラルも止まってくれるかと思って。俺はささっとそう説明した。
『ティニー、今止まれって言ったよね』
『でも、ぜんぜん止まってないぞ』
『いつもと一緒。レイナママくらいまでは溢れてる。後は消える』
残念。やっぱりそう簡単には止まらないか。でも俺から出ている物なんだから、俺が止められると思うんだけど。
そうだ! その辺にそのポカポカした物を溜めて、置いておけないかな? 俺のポカポカを浴びに来たなら、そのポカポカを集めてその辺に置いておけば、それを浴びて帰ってくれるかもしれないだろう?
俺はすぐにみんなのそう言った。それからそれをレイナさん達に伝えてもらって。
『確かにもしかしたら、それで止まるかもしれないけれど。私達もシャイン達が言っている、あなたのポカポカが何なのか分からないのよ。だからそれができるかどうか』
あー、やっぱりそうだよな。俺のポカポカの話し、レイナさん達も初めての話しで、分かってないんだもんな。
『溜められるのかな?』
『どうだろうな?』
『いつも溢れてるだけ』
『それにね、あいつは違うと思う。浴びに来たんじゃいと思うんだ』
フラフィーがそう言った。何だ、浴びに来たんじゃないのか? じゃあ何をしに来たんだよ。それにさっきからみんなは、俺のポカポカに気づいてここに来たんじゃないか? って言ってるのに。なんか話しがおかしくないか?
『あいつさ、ティニーのポカポカを浴びに来たんじゃなくて、たぶんティニーを自分の物のしようとしてるんじゃないかな』
「自分の物? それはティニーのそのポカポカを、いつでも浴びるたに、攫って自分の物にしようとしているって事かしら?」
『えっと、ティニーのポカポカは、太陽みたいにポカポカが気持ちよくて、元気になって、力が強くなった気がするでしょう。だから他の集まって来てた魔獣達も、みんなそれが嬉しくて集まって来てたんだけど』
『あいつは、1つだけが欲しいのかも』
「1つだけ?」
『あいつらってさ、力が全てじゃん。それで揉める以外考えてないっていうか。だからね、ティニーのポカポカとか、気持ちいい、幸せはぜんぜんいらなくて。1つの物だけ欲しいのかな? って。力が強くなる気がするやつ。だからあいつはティニーを食べちゃって、ティニーの力が強くなる力だけ欲しくて、ティニーを追って来てるのなかって』
は? 力だけ? いやいや、いくら何でも。力が欲しいって言ったって、赤ん坊の俺を食べたところで、そんな大した力にはならないだろう。少し腹が膨れるくらいじゃないのか? いや、それもな。こんな小さな赤ん坊じゃな。
フラフィー達の話しに、思わず俺はそう言った。そう、思いたかっただけかもしれないけど。だって食べちゃってなんて言われたらさ。そんなことはないって、考えたくもなるだろう。
だけどそう言った俺の話しは、誰も聞いていなかった。いや、聞いていたかもしれないけれど、右から左に聞き流されていた? そしてレイナさん、クランシーさん、カシミールさんの表情は……。
みんな最初は無表情だったけれど、すぐに険しい顔になって、レイナさん首を横に振った。
「まさか、そんな事」
「いや、この者達の言う通りかもしれない。もしもこの者達の言っている、ティニーから溢れている物。それが本当の話だったら。いや、本当の話しで間違いないだろう。そしてそれが私達には分からないものでも、奴にとって必要な物だったのなら」
「ティニーを取り込み、どれだけの力を得る事ができるのかは分からないが。その得た力によって、奴がさらに進化しようと考えていたら」
「奴がもしもオークキングに進化してしまえば、どれほど強力な存在になるか分からん」
いやいやいや、待って待って。俺は食べられること決定なのか? 他の目的で追いかけてきている可能性はゼロなのか?
「では、このままどこへ逃げても」
レイナさんがとても困ったような、悲しそうな顔をした。
「おそらくずっと追われる事になるだろう。奴を倒さない限り」
「そんな……」
「このまま予定通りの避難所へ。その後はティニーだけを連れ、別の場所へ行く。他の者達にも一応は移動するように言うが。それで奴がこちらを追いかけてくれば。ティニーが狙いで間違いないだろう」
「どこへ向かいますか?」
「ティニーのこと関係なく、奴らを倒すとは決めていたからな。本来ならティニー達と離れた場所で戦うつもりでいたが。もしもの時のために、備えへていた場所へ」
「あの場所ですね」
「魔法を打ち上げ、他の者にも知らせを。他のオーク達を倒した者は、あの場所へ集まるように伝えてくれ。少しでも戦力は欲しいからな。それまで我々だけで戦う事になるが」
「承知いたしました」
何だ何だ。俺を置いてけぼりで、これからのことが決まっていった。
287
お気に入りに追加
1,099
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
Retry 異世界生活記
ダース
ファンタジー
突然異世界に転生してしまった男の物語。
とある鉄工所で働いていた佐藤宗則。
しかし、弱小企業であった会社は年々業績が悪化。
ある日宗則が出社したら、会社をたたむと社長が宣言。
途方に暮れた宗則は手持ちのお金でビールと少しのつまみを買い家に帰るが、何者かに殺されてしまう。
・・・その後目覚めるとなんと異世界!?
新たな生を受けたその先にはどんなことが!?
ほのぼの異世界ファンタジーを目指します。
ぬるぬる進めます。
だんだんと成長するような感じです。
モフモフお付き合いおねがいします。
主人公は普通からスタートするのでゆっくり進行です。
大きな内容修正や投稿ペースの変動などがある場合は近況ボードに投稿しています。
よろしくお願いします。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる