56 / 61
55.追ってくるオーク達をどうするか
しおりを挟む
白いカウロウが走り始めて少し経った時だった。1番外側に乗っていたクランシーさんが消えたと思ったら、白いカウロウのお尻に乗ってきて。それから端っこに乗っていたカシミールさんが、少しだけ体を動かすと、荷台の端の所へと足をかけしゃがんだ。
クランシーさん、よくそんな動きができるな。最初の動きなんて見えなかったし。やっぱりエルフって身体能力が良いのかな? 俺の読んでいた本のエルフは、みんなそうだったんだけど。まぁ、今はそれは置いておいて、何でわざわざあっちからこっちへ?
「不味いな、こちらへ進んできている」
「そうですね」
「なぜこちらへ来るのか。たまたまか、それとも何か目的があって、こちらへ来ているのか。だがやはり転移はできないようだな。できるのならば、すぐにでもそれで追いかけてくるはずだ」
「それだけ魔力を使うということですね。その魔力が戻るまでは、普通のオーク達と同じ動きしかできない」
「動きはそうかもしれないが、あれ程の攻撃ではないが、おそらく普通の攻撃でも、かなり強いはずだ。他のオークが普通のオークよりも、何倍もの力を持っているからな」
俺がどうしたんだろうと思っていると、シェイン達が俺の胸に乗ってきた。そしてレイナさんに貰った、あの美味しい花びらを舐めながら、俺に説明してくれた。
あの避難所からみんなで5方向に逃げたんだけど、避難所を攻撃してきたオーク達は、俺達を追って来ているらしい。何で俺達なんだよ。他のみんなを、追いかけられるのも困るけどさ。
「これからもずっと追いかけてくるのならば、対策を考えなければ。もしも途中で、他の避難所へ行こうとも、その後何回も、同じようなことが起こる可能性がある。そればかりやられたら、避難所が全て襲われる事に」
「どこかでしっかりと、奴らと戦わなければいけませんね」
「戦うのならば、しっかりと場所を選ばなければならないし。そこに居る者達の避難もしなければいけなくなる」
なんだよ、本当に面倒くさい奴らだな。ここへ転生して来て、一時はどうなるかと思ったけど、やっとみんなでゆっくり暮らし始めていたのに。それにさ、お前達が来なければ、この前ミルバーンは、初めてミルク飲ませが成功できたかもしれないんだぞ。
ミルバーンの初めての成功をどうしてくれるんだ。俺がそう言ったら、みんなもそうだって。お、ようやくか? ここまでずいぶん長いんじゃない? これで本当に大丈夫? って、思っていたら、今回のことが起こって。
できるようになったら、されにどんどん練習しなくちゃいけないのに。これで練習の期間が開いちゃったら、また最初からになっちゃうかも。と、みんな言っていた。
みんなミルバーンの練習している姿は、少し、ほんの少しだけど、認めても良いと思っていたらしいよ。だから練習の時は何も言わなかったって。
それに前の日よりもできた時は、ふ~ん、前よりはな、とか、こぼれる量が葉っぱの先くらいだけ、前よりも少ない、とか。前よりもしっかり俺を見ている、もう少し目線が口元じゃないとダメ。
なんて色々言っていたけど、あれは一応褒めているのと、アドバイスだったらしい。いつもミルバーンに文句を言っていたみんなだから、てっきり出来なかったミルバーンに、文句を言っていると思っていたよ。
『これで元に戻っちゃったら、あいつらに責任をとってもらわなくちゃ』
『でもあいつら、これから倒すかもしれないんだぞ?』
『しっかり後悔させる倒し方をすれば良い』
なんか凄い事を言ってないか? それに、どうにも戦う目的が変わって来ている感じがする。
「とりあえず、今向かっている避難所には予定通り行く予定だが。すぐまた移動になるかもしれん。着いたら向こうの者達と、すぐに対策の話し合いを」
「はい」
「レイナ、ティニーは大丈夫か?」
「はい、もうだいぶ落ち着いていますし。この子と触れ合えて、逆に楽しんでいるわよね」
「あう!!」
俺は返事をする。
「そう言えば、なぜこのカウロウに懐かれているのだ? 最初の避難で初めて出会ったのだろう?」
「出会った瞬間に意気投合したようで。実は別れる時に毛を貰ったんですよ」
「何? 本当か?」
「はい。それでそれを見ていたシャイン達がおねだりしたら、シャイン達にも」
「まさか毛まで貰っていたとは。かなり気に入られたのだな。私もこんなに早く毛を貰った者を知らないぞ」
おお、クランシーさんも初めてとな? ふふふ、凄いだろう。なんてな。そうだ! 後で何かお礼ができないかな? そういえば部屋の中で見つけた、綺麗な石があったっけ。あれをペンダントとかにして、プレゼントできないかな。後でレイナさんに聞いてみよう。
ペンサンドにするのに時間がかかるかもしれないし、大体今の面倒事が終わらないと、何もできないからな。まったく、本当に面倒な連中だよ。
オーク達が俺達を追って来ていたけれど、どうにか無事の次も避難所へ着いた俺達。白いカウロウにまたねと挨拶した後、俺達はとりあえずの振り分けされた家に入って。クランシーさんやカシミールさんは、他のエルフ達と、これからの事についての話し合いをすぐに始めた。
『あいつら、本当についてくるな』
『ぜんぜん、別の方へ行かないね』
『あっち行けば良いのに』
少しも外れずに、一直線に追って来ているようだ。このままUターンして、どこかに行けば良いのに。
『レイナママ、荷物出さないのか?』
「これからまたすぐに避難になるかもそれないから、荷物はなるべく出さないのよ。でもそうね。今のうちにご飯を食べてしまいましょう」
『ご飯!!』
『果物が良い』
「ふふ、はいはい」
時間があるうちにご飯をってことで、果物を用意した後、俺はミルクをもらって、みんなは果物を食べた。その後にレイナさんも非常食を食べて。
次はどこへ避難になるのか、なんて考えていた俺。まさかあんな避難になるなんて、あんな大変な事になるなんて。そしてそんな中でも新たな出会いを果たすなんて、思っても見なかった。
クランシーさん、よくそんな動きができるな。最初の動きなんて見えなかったし。やっぱりエルフって身体能力が良いのかな? 俺の読んでいた本のエルフは、みんなそうだったんだけど。まぁ、今はそれは置いておいて、何でわざわざあっちからこっちへ?
「不味いな、こちらへ進んできている」
「そうですね」
「なぜこちらへ来るのか。たまたまか、それとも何か目的があって、こちらへ来ているのか。だがやはり転移はできないようだな。できるのならば、すぐにでもそれで追いかけてくるはずだ」
「それだけ魔力を使うということですね。その魔力が戻るまでは、普通のオーク達と同じ動きしかできない」
「動きはそうかもしれないが、あれ程の攻撃ではないが、おそらく普通の攻撃でも、かなり強いはずだ。他のオークが普通のオークよりも、何倍もの力を持っているからな」
俺がどうしたんだろうと思っていると、シェイン達が俺の胸に乗ってきた。そしてレイナさんに貰った、あの美味しい花びらを舐めながら、俺に説明してくれた。
あの避難所からみんなで5方向に逃げたんだけど、避難所を攻撃してきたオーク達は、俺達を追って来ているらしい。何で俺達なんだよ。他のみんなを、追いかけられるのも困るけどさ。
「これからもずっと追いかけてくるのならば、対策を考えなければ。もしも途中で、他の避難所へ行こうとも、その後何回も、同じようなことが起こる可能性がある。そればかりやられたら、避難所が全て襲われる事に」
「どこかでしっかりと、奴らと戦わなければいけませんね」
「戦うのならば、しっかりと場所を選ばなければならないし。そこに居る者達の避難もしなければいけなくなる」
なんだよ、本当に面倒くさい奴らだな。ここへ転生して来て、一時はどうなるかと思ったけど、やっとみんなでゆっくり暮らし始めていたのに。それにさ、お前達が来なければ、この前ミルバーンは、初めてミルク飲ませが成功できたかもしれないんだぞ。
ミルバーンの初めての成功をどうしてくれるんだ。俺がそう言ったら、みんなもそうだって。お、ようやくか? ここまでずいぶん長いんじゃない? これで本当に大丈夫? って、思っていたら、今回のことが起こって。
できるようになったら、されにどんどん練習しなくちゃいけないのに。これで練習の期間が開いちゃったら、また最初からになっちゃうかも。と、みんな言っていた。
みんなミルバーンの練習している姿は、少し、ほんの少しだけど、認めても良いと思っていたらしいよ。だから練習の時は何も言わなかったって。
それに前の日よりもできた時は、ふ~ん、前よりはな、とか、こぼれる量が葉っぱの先くらいだけ、前よりも少ない、とか。前よりもしっかり俺を見ている、もう少し目線が口元じゃないとダメ。
なんて色々言っていたけど、あれは一応褒めているのと、アドバイスだったらしい。いつもミルバーンに文句を言っていたみんなだから、てっきり出来なかったミルバーンに、文句を言っていると思っていたよ。
『これで元に戻っちゃったら、あいつらに責任をとってもらわなくちゃ』
『でもあいつら、これから倒すかもしれないんだぞ?』
『しっかり後悔させる倒し方をすれば良い』
なんか凄い事を言ってないか? それに、どうにも戦う目的が変わって来ている感じがする。
「とりあえず、今向かっている避難所には予定通り行く予定だが。すぐまた移動になるかもしれん。着いたら向こうの者達と、すぐに対策の話し合いを」
「はい」
「レイナ、ティニーは大丈夫か?」
「はい、もうだいぶ落ち着いていますし。この子と触れ合えて、逆に楽しんでいるわよね」
「あう!!」
俺は返事をする。
「そう言えば、なぜこのカウロウに懐かれているのだ? 最初の避難で初めて出会ったのだろう?」
「出会った瞬間に意気投合したようで。実は別れる時に毛を貰ったんですよ」
「何? 本当か?」
「はい。それでそれを見ていたシャイン達がおねだりしたら、シャイン達にも」
「まさか毛まで貰っていたとは。かなり気に入られたのだな。私もこんなに早く毛を貰った者を知らないぞ」
おお、クランシーさんも初めてとな? ふふふ、凄いだろう。なんてな。そうだ! 後で何かお礼ができないかな? そういえば部屋の中で見つけた、綺麗な石があったっけ。あれをペンダントとかにして、プレゼントできないかな。後でレイナさんに聞いてみよう。
ペンサンドにするのに時間がかかるかもしれないし、大体今の面倒事が終わらないと、何もできないからな。まったく、本当に面倒な連中だよ。
オーク達が俺達を追って来ていたけれど、どうにか無事の次も避難所へ着いた俺達。白いカウロウにまたねと挨拶した後、俺達はとりあえずの振り分けされた家に入って。クランシーさんやカシミールさんは、他のエルフ達と、これからの事についての話し合いをすぐに始めた。
『あいつら、本当についてくるな』
『ぜんぜん、別の方へ行かないね』
『あっち行けば良いのに』
少しも外れずに、一直線に追って来ているようだ。このままUターンして、どこかに行けば良いのに。
『レイナママ、荷物出さないのか?』
「これからまたすぐに避難になるかもそれないから、荷物はなるべく出さないのよ。でもそうね。今のうちにご飯を食べてしまいましょう」
『ご飯!!』
『果物が良い』
「ふふ、はいはい」
時間があるうちにご飯をってことで、果物を用意した後、俺はミルクをもらって、みんなは果物を食べた。その後にレイナさんも非常食を食べて。
次はどこへ避難になるのか、なんて考えていた俺。まさかあんな避難になるなんて、あんな大変な事になるなんて。そしてそんな中でも新たな出会いを果たすなんて、思っても見なかった。
280
お気に入りに追加
1,099
あなたにおすすめの小説

攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?

野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。

Retry 異世界生活記
ダース
ファンタジー
突然異世界に転生してしまった男の物語。
とある鉄工所で働いていた佐藤宗則。
しかし、弱小企業であった会社は年々業績が悪化。
ある日宗則が出社したら、会社をたたむと社長が宣言。
途方に暮れた宗則は手持ちのお金でビールと少しのつまみを買い家に帰るが、何者かに殺されてしまう。
・・・その後目覚めるとなんと異世界!?
新たな生を受けたその先にはどんなことが!?
ほのぼの異世界ファンタジーを目指します。
ぬるぬる進めます。
だんだんと成長するような感じです。
モフモフお付き合いおねがいします。
主人公は普通からスタートするのでゆっくり進行です。
大きな内容修正や投稿ペースの変動などがある場合は近況ボードに投稿しています。
よろしくお願いします。
鬼神転生記~勇者として異世界転移したのに、呆気なく死にました。~
月見酒
ファンタジー
高校に入ってから距離を置いていた幼馴染4人と3年ぶりに下校することになった主人公、朝霧和也たち5人は、突然異世界へと転移してしまった。
目が覚め、目の前に立つ王女が泣きながら頼み込んできた。
「どうか、この世界を救ってください、勇者様!」
突然のことに混乱するなか、正義感の強い和也の幼馴染4人は勇者として魔王を倒すことに。
和也も言い返せないまま、勇者として頑張ることに。
訓練でゴブリン討伐していた勇者たちだったがアクシデントが起き幼馴染をかばった和也は命を落としてしまう。
「俺の人生も……これで終わり……か。せめて……エルフとダークエルフに会ってみたかったな……」
だが気がつけば、和也は転生していた。元いた世界で大人気だったゲームのアバターの姿で!?
================================================
一巻発売中です。

異世界転生はうっかり神様のせい⁈
りょく
ファンタジー
引きこもりニート。享年30。
趣味は漫画とゲーム。
なにかと不幸体質。
スイーツ大好き。
なオタク女。
実は予定よりの早死は神様の所為であるようで…
そんな訳あり人生を歩んだ人間の先は
異世界⁈
魔法、魔物、妖精もふもふ何でもありな世界
中々なお家の次女に生まれたようです。
家族に愛され、見守られながら
エアリア、異世界人生楽しみます‼︎
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる