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50.俺の寝ていた時に起きたこと、そして……
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まさか俺が寝ている間に、そんな事が起きていたなんて。あの避難で起きる少し前に、かなり凄い攻撃があったらしいんだ。
激しい音に衝撃にと、家がかなり揺れて、その辺の物が全部落ちるわ。レイナさんが言ったように、俺は籠をごとソファーから落ちるわ。シャイン達は俺を支えてくれようとしたんだけど、いきなりのことで籠を引っ張ることしかできなかったって。
でも、そのおかげで俺はひっくり返ることなく、ソファーから落ちることができたんだ。みんなありがとう!!
そしてそんな激しい揺れの中、助けに来てくれたレイナさん。レイナさんは自分に結界を張って、物にぶつかっても大丈夫なようにして、俺の所へ来てくれた。その後は揺れが治るまで、全員でレイナさんの結界の中にいたらしい。
揺れが収まってからは、これは避難になるかもと。移動で怪我をするといけないから、風魔法でささっと、片付けられる物だけ片付けて。そのままみんなで玄関へ。そして結界を俺達に張ったまま、レイナさんは荷物を取りに部屋へ戻り。
その荷物を取りに行っている間に、避難指示が出たんだよ。そうしてレイナさんが戻って来て、俺の入っている籠を持ち上げた時に、その揺れで俺は目を覚ましたらしい。レイナさんの籠の揺れで? みんなが慌てるほどの攻撃の揺れが、俺達を襲っていたのに?
家の中の物があちこちに飛び、ほとんどの物が落ちるほどの揺れの中、俺は爆睡していたと。しかも赤ん坊のくせに、小さなイビキをかきながら。それなのに何で、レイナさんの籠の揺れで目を覚ますんだよ、俺は。
『なぁ。ぜんぜん起きなかったよな』
『うん、ぜんぜん』
『ボク達いっぱい、ティニーって呼んだのに、それでも起きなかった』
「ハハハハハッ!! それは凄いな!! レイナ、ティニーは将来大物になるかもしれなぞ。あの騒ぎの中、欠伸をして、イビキをかいて爆睡しているくらいだからな」
「ティニーにとっての危機感って、何なのかしらね?」
いや、なんか。みんなごめんな。そんな事になっていたなんて。みんなが俺を守ろうとしてくれていたのに、爆睡していたなんて。
それにしても、本当によく俺は起きなかったな。俺が普通に動けるくらいの歳で、1人しかいない場所で。もし何かあったら、俺、生き残れるのか? 寝ていて気づかずに死亡! なんて事になりたくないぞ。
「何を話している?」
俺達が話しをしていると所へ、やって来たのはクランシーさんだった。この避難所に集まるエルフが全員避難して来たから、これからのことを話し合うって。玄関はみんな一緒だからな。続々とエルフ達が集まって来た。
集まって来たのは、それぞれの部隊の隊長達だ。それぞれの避難所にいくつかの部隊が集まっていて、その隊長達との話し合いが終わったら、それぞれの部隊に、隊長が話し合いの内容を伝え。
他の家族のエルフ達には、避難所の中心に集まってもらった後、クランシーさんが話し合いの内容を伝える事になっているらしい。そんなことをレイナさんが言っていたよ。カシミールさんも参加するらしく、そのままクランシーさんと共に、2階へ上がって行った。
それからは、これといった事は何もなく。避難所だけどいつも通りの時間が流れていた。相変わらず小さい子達が遊ぶ声は聞こえているし、俺のお腹の上でシャイン達が遊んでいて、そして俺はぼけっとしているし。レイナさんは忙しく動いているし。な、いつもと変わらないだろう?
だけどその時間も、俺の夕食が終わって少しして終わってしまった。あの後、もう1回ぐっすり寝た俺は、しっかりとミルクを飲み。その後シャイン達と白いカウロウの話しをしていた。あの貰った毛をどうするか話し合っていたんだよ。
そうしたらそれは突然だった。シャイン達がある方向を睨んで、俺のお腹の上で、洋服にしっかりとしがみついたと思ったら。
レイナさんが隣の部屋から急いで俺達の所へ来て、その後すぐに仮眠をしていたカシミールさんも部屋に入って来て。レイナさんと一緒に、俺達全員を包むように結界を張った。次の瞬間。
爆発音と言うのか、何と言うのか。ガシャアァァァッ!! だか、バシュシュシュシュ!! だか、物凄い音がして。それから大きな揺れが俺達を襲ったんだ。
音と揺れのせいで、その他の音は何も聞こえず。本当はシャイン達が心配だったから、声をかけたかったんだけど、それもできず。目をギュッと閉じているから、目で確かめることもできずに。俺は全てが止まるのを待つしかなかった。
どれくらいの経ったのか。俺の顔を何かが触る感触にハッ!! として目を開ければ、家の中の様子が変わっていた。全ての物が倒れ、元々あった場所から別の方向へ飛んでしまっているし、色々な物が壊れていたんだ。
と、俺の目の前にシャイン達が。何が起こったか分からないけれど、シャイン達に怪我はないようでホッとする俺。だけどある異変が俺に起きている事に気づく。
シャイン達が心配そうに俺を見ながら、何か言っているんだけど、何を言っているか分からないんだ。前みたいに言葉が分からないって意味じゃなく、音自体が聞こえなくて。
何だこれ? どうしたんだ? 俺は何とか自分の耳を触ろうとするんだけど、上手く手が動かせないから、それもできなくて。と、体が急に起こされて、見えたのはレイナさんとカシミールさんだった。良かった2人も無事みたいだ。だけど……。
俺を見るレイナさん達も、シャイン達のように心配そうに俺を見ながら、何か言っているんだけど、ぜんぜん声が聞こえない。
と、カシミールさんが、何かを出してきた。フラスコのような、エルフ達が飲んでいたポーションが入っていた入れ物に似ていて、ピンクの液体が入っている。
レイナさんはその瓶を受け取り、スプーンにその液体を入れると、それを俺の口に運んできて。口の動きと動作から、俺に飲めと言っているんだろう。俺はそっとその液体を飲み込んだ。
激しい音に衝撃にと、家がかなり揺れて、その辺の物が全部落ちるわ。レイナさんが言ったように、俺は籠をごとソファーから落ちるわ。シャイン達は俺を支えてくれようとしたんだけど、いきなりのことで籠を引っ張ることしかできなかったって。
でも、そのおかげで俺はひっくり返ることなく、ソファーから落ちることができたんだ。みんなありがとう!!
そしてそんな激しい揺れの中、助けに来てくれたレイナさん。レイナさんは自分に結界を張って、物にぶつかっても大丈夫なようにして、俺の所へ来てくれた。その後は揺れが治るまで、全員でレイナさんの結界の中にいたらしい。
揺れが収まってからは、これは避難になるかもと。移動で怪我をするといけないから、風魔法でささっと、片付けられる物だけ片付けて。そのままみんなで玄関へ。そして結界を俺達に張ったまま、レイナさんは荷物を取りに部屋へ戻り。
その荷物を取りに行っている間に、避難指示が出たんだよ。そうしてレイナさんが戻って来て、俺の入っている籠を持ち上げた時に、その揺れで俺は目を覚ましたらしい。レイナさんの籠の揺れで? みんなが慌てるほどの攻撃の揺れが、俺達を襲っていたのに?
家の中の物があちこちに飛び、ほとんどの物が落ちるほどの揺れの中、俺は爆睡していたと。しかも赤ん坊のくせに、小さなイビキをかきながら。それなのに何で、レイナさんの籠の揺れで目を覚ますんだよ、俺は。
『なぁ。ぜんぜん起きなかったよな』
『うん、ぜんぜん』
『ボク達いっぱい、ティニーって呼んだのに、それでも起きなかった』
「ハハハハハッ!! それは凄いな!! レイナ、ティニーは将来大物になるかもしれなぞ。あの騒ぎの中、欠伸をして、イビキをかいて爆睡しているくらいだからな」
「ティニーにとっての危機感って、何なのかしらね?」
いや、なんか。みんなごめんな。そんな事になっていたなんて。みんなが俺を守ろうとしてくれていたのに、爆睡していたなんて。
それにしても、本当によく俺は起きなかったな。俺が普通に動けるくらいの歳で、1人しかいない場所で。もし何かあったら、俺、生き残れるのか? 寝ていて気づかずに死亡! なんて事になりたくないぞ。
「何を話している?」
俺達が話しをしていると所へ、やって来たのはクランシーさんだった。この避難所に集まるエルフが全員避難して来たから、これからのことを話し合うって。玄関はみんな一緒だからな。続々とエルフ達が集まって来た。
集まって来たのは、それぞれの部隊の隊長達だ。それぞれの避難所にいくつかの部隊が集まっていて、その隊長達との話し合いが終わったら、それぞれの部隊に、隊長が話し合いの内容を伝え。
他の家族のエルフ達には、避難所の中心に集まってもらった後、クランシーさんが話し合いの内容を伝える事になっているらしい。そんなことをレイナさんが言っていたよ。カシミールさんも参加するらしく、そのままクランシーさんと共に、2階へ上がって行った。
それからは、これといった事は何もなく。避難所だけどいつも通りの時間が流れていた。相変わらず小さい子達が遊ぶ声は聞こえているし、俺のお腹の上でシャイン達が遊んでいて、そして俺はぼけっとしているし。レイナさんは忙しく動いているし。な、いつもと変わらないだろう?
だけどその時間も、俺の夕食が終わって少しして終わってしまった。あの後、もう1回ぐっすり寝た俺は、しっかりとミルクを飲み。その後シャイン達と白いカウロウの話しをしていた。あの貰った毛をどうするか話し合っていたんだよ。
そうしたらそれは突然だった。シャイン達がある方向を睨んで、俺のお腹の上で、洋服にしっかりとしがみついたと思ったら。
レイナさんが隣の部屋から急いで俺達の所へ来て、その後すぐに仮眠をしていたカシミールさんも部屋に入って来て。レイナさんと一緒に、俺達全員を包むように結界を張った。次の瞬間。
爆発音と言うのか、何と言うのか。ガシャアァァァッ!! だか、バシュシュシュシュ!! だか、物凄い音がして。それから大きな揺れが俺達を襲ったんだ。
音と揺れのせいで、その他の音は何も聞こえず。本当はシャイン達が心配だったから、声をかけたかったんだけど、それもできず。目をギュッと閉じているから、目で確かめることもできずに。俺は全てが止まるのを待つしかなかった。
どれくらいの経ったのか。俺の顔を何かが触る感触にハッ!! として目を開ければ、家の中の様子が変わっていた。全ての物が倒れ、元々あった場所から別の方向へ飛んでしまっているし、色々な物が壊れていたんだ。
と、俺の目の前にシャイン達が。何が起こったか分からないけれど、シャイン達に怪我はないようでホッとする俺。だけどある異変が俺に起きている事に気づく。
シャイン達が心配そうに俺を見ながら、何か言っているんだけど、何を言っているか分からないんだ。前みたいに言葉が分からないって意味じゃなく、音自体が聞こえなくて。
何だこれ? どうしたんだ? 俺は何とか自分の耳を触ろうとするんだけど、上手く手が動かせないから、それもできなくて。と、体が急に起こされて、見えたのはレイナさんとカシミールさんだった。良かった2人も無事みたいだ。だけど……。
俺を見るレイナさん達も、シャイン達のように心配そうに俺を見ながら、何か言っているんだけど、ぜんぜん声が聞こえない。
と、カシミールさんが、何かを出してきた。フラスコのような、エルフ達が飲んでいたポーションが入っていた入れ物に似ていて、ピンクの液体が入っている。
レイナさんはその瓶を受け取り、スプーンにその液体を入れると、それを俺の口に運んできて。口の動きと動作から、俺に飲めと言っているんだろう。俺はそっとその液体を飲み込んだ。
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