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43.避難するための集まるエルフ達
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「レイナ、準備は?」
「大丈夫よ。やっぱりティニーは起きてしまったけど」
「でも泣かないんだな。これだけ煩いのと、途中で起こされたので、泣きそうなものだが」
「もともとそんなにティニーは泣かないのよ。いつも静かにしていてくれるの」
「人間の赤ん坊はみんな、こんなに静かなのか?」
「どうかしら。でもシャイン達と話している時は、たくさん話しをしているわよ」
「赤ん坊が話しか……。やはり変わっているんじゃないか」
「良いのよ、みんなそれぞれなんだから。それで私達はどっちに?」
「俺に付いて来てくれ。お前達を途中まで送って行くように、オーレリアス様に言われている。おい! 俺は予定通りここを抜ける。ここの避難は任せるぞ!!」
男の人がそう言い、レイナさんは男の人と一緒に歩き始めた。俺はといえば、目で見える範囲だけど、今どういう状況なのかを確認しようと、あっちを見たりそっちを見たり。
よく見てみれば、避難している人達や武器を持っている人達以外にも、そこら中にたくさんのエルフ達が居た。
何をやっているのかは分からなかったけど、その人達の大半が、手を上に上げたり下げたり。その後何かの飲み物を飲んでいる。よく見るとみんな同じ瓶に入っている物を飲んでいた。しかも何かちょっと発光してるし。
もしかしてあれって、ただの飲み物じゃなくてポーションみたいな物か? ほら身体強化とか、魔力補充とか、小説なんかで出てくるやつ。
「あうあ~、あうぅ?」
『え? みんなが飲んでる物何かって?』
『あれはねぇ、エルフがよく飲んでる薬だよ』
『けっこう不味い。ううん、凄く不味い』
ラピーがオェって顔をした。薬って事はやっぱりポーションで合ってるのか? てか不味いって、飲んだことあるのか?
「どうしたのみんな?」
レイナさんが気づいて聞いてきて、みんなが話してくれた。そうしたらやっぱりポーションで合っていたよ。
人が住んでいる街や、他の種族の間では使われていない、エルフだけに伝わるポーションで。魔力の量をその人の最大のまで復活させられる事ができ、ついでに力も少しの間だけど、普段よりも上げられるらしい。
ずっとエルフの里には結界が張られているし、オーク達が現れてからすぐに、その結界を強化したけれど。でも今、すぐそこまでオークが来ちゃったから。結界を張れるエルフ達全員で、さらに結界を強化しているところらしい。
それから俺達が、これからどこに避難するかは分からないけれど、避難場所まで行く道と避難場所に、もしっかりと改めて結界を張るんだ。だからみんな今ポーションを飲んで力を上げているんだって。
「あうあう」
『そうなんだって言ってるぞ』
「……本当に話しているのか?」
「いつもこんな感じなのよ。そういえばご挨拶がまだだったわね。僕はティニーですよ~って。ティニー、彼はアロイシアス。私の家族の関係者よ。関係者っていうか、まぁ、家族で良いかしら。難しく言っても分からないものね」
「言葉が分かるのなら一応。俺はアロイシアス。レイナの弟のようなものだ。よろしく頼む」
「あう!! ばうぅ!!」
『ティニーだよ!! よろしくね!! だって』
「……本当にそう言っているのか?」
いや、アロイシアスさん、信じてくれているのか、そうじゃないのかどっちだよ。でも、挨拶してくれたんだから、ちゃんと返さないとな。
それと、家族の関係者、それでレイナさんの弟って事は、もしかして従兄弟って感じなのかな? そういえばどことなく顔が似ているようなって。まぁ、元々エルフはみんな、同じような顔をしているんだけどな。
「それで、私達はどこの避難所に?」
「とりあえずここから1番近い避難所に。それから様子を見て、遠い場所の避難場に、他の小さい者達と共に避難する。俺は最初の避難所まで。後はクランシー様が共に」
「クランシー様が? 珍しいわね」
俺達はとりあえず、1番近い避難所へ行くらしい。それからオークがさらに近づけば、遠い避難所へ、他の子達と避難すると。そこにクランシーさんが居るらしい。
クランシーさん、こんな時なんだ。オーレリアスさんと一緒に居なくて良いのか? だってオーレリアスさんの側近だろう。
「今はちょうど小さい者達が多いからな。それにティニーが居るからと。オーレリアス様にはしっかりと言ってあるし、自分よりもマーロウ様の方が、戦闘には向いている。私は未来ある者達を守らなければ。だそうだ」
「戦闘に向いていないって。クランシー様、マーロイ様とほとんど力は変わらないはずでしょう」
「クランシー様はいつも、子供達を誰よりも大切にされているからな」
「もう、オーレリアス様に何かあったらどうするのかしら。でもこちらとしては安心ね」
「ああ、そうだな」
大切……。だから子育てがあんなに上手なのか? オーレリアスさんの子育ての練習の時なんて、里の長なのに、かなりガミガミ言われていたしな。
そしてアーロンさんは、レイナさんは同じくらいの力と言っているけど、クランシーさんにしてみると、アーロンさんの方が自分よりも戦闘にむいていると。
移動するにつれて、だんだんとエルフの人数が増えてきた。いや、違うか? 確かに増えてはいるけど、みんなが同じ場所に集まって来て、より増えたって気がしているのかも。
本当に里のどこに、これだけの小さい子達が居たのか。もしかすると俺が考えていたよりも、かなりのエルフが。ここで暮らしているのかもしれない。
『エルフいっぱい』
『歩くの遅くなったぞ』
『ゆっくりゆっくり。早く避難』
「ここからみんな、それぞれの避難場所へ向かうのよ。だからどうしても混んでしまうの。でも、もうすぐ見えてくるはずよ」
見えてくる? 何が? そう思いながら少しずつ進んで行った俺達。そうして少しすると前から、何かの音が聞こえた。
「大丈夫よ。やっぱりティニーは起きてしまったけど」
「でも泣かないんだな。これだけ煩いのと、途中で起こされたので、泣きそうなものだが」
「もともとそんなにティニーは泣かないのよ。いつも静かにしていてくれるの」
「人間の赤ん坊はみんな、こんなに静かなのか?」
「どうかしら。でもシャイン達と話している時は、たくさん話しをしているわよ」
「赤ん坊が話しか……。やはり変わっているんじゃないか」
「良いのよ、みんなそれぞれなんだから。それで私達はどっちに?」
「俺に付いて来てくれ。お前達を途中まで送って行くように、オーレリアス様に言われている。おい! 俺は予定通りここを抜ける。ここの避難は任せるぞ!!」
男の人がそう言い、レイナさんは男の人と一緒に歩き始めた。俺はといえば、目で見える範囲だけど、今どういう状況なのかを確認しようと、あっちを見たりそっちを見たり。
よく見てみれば、避難している人達や武器を持っている人達以外にも、そこら中にたくさんのエルフ達が居た。
何をやっているのかは分からなかったけど、その人達の大半が、手を上に上げたり下げたり。その後何かの飲み物を飲んでいる。よく見るとみんな同じ瓶に入っている物を飲んでいた。しかも何かちょっと発光してるし。
もしかしてあれって、ただの飲み物じゃなくてポーションみたいな物か? ほら身体強化とか、魔力補充とか、小説なんかで出てくるやつ。
「あうあ~、あうぅ?」
『え? みんなが飲んでる物何かって?』
『あれはねぇ、エルフがよく飲んでる薬だよ』
『けっこう不味い。ううん、凄く不味い』
ラピーがオェって顔をした。薬って事はやっぱりポーションで合ってるのか? てか不味いって、飲んだことあるのか?
「どうしたのみんな?」
レイナさんが気づいて聞いてきて、みんなが話してくれた。そうしたらやっぱりポーションで合っていたよ。
人が住んでいる街や、他の種族の間では使われていない、エルフだけに伝わるポーションで。魔力の量をその人の最大のまで復活させられる事ができ、ついでに力も少しの間だけど、普段よりも上げられるらしい。
ずっとエルフの里には結界が張られているし、オーク達が現れてからすぐに、その結界を強化したけれど。でも今、すぐそこまでオークが来ちゃったから。結界を張れるエルフ達全員で、さらに結界を強化しているところらしい。
それから俺達が、これからどこに避難するかは分からないけれど、避難場所まで行く道と避難場所に、もしっかりと改めて結界を張るんだ。だからみんな今ポーションを飲んで力を上げているんだって。
「あうあう」
『そうなんだって言ってるぞ』
「……本当に話しているのか?」
「いつもこんな感じなのよ。そういえばご挨拶がまだだったわね。僕はティニーですよ~って。ティニー、彼はアロイシアス。私の家族の関係者よ。関係者っていうか、まぁ、家族で良いかしら。難しく言っても分からないものね」
「言葉が分かるのなら一応。俺はアロイシアス。レイナの弟のようなものだ。よろしく頼む」
「あう!! ばうぅ!!」
『ティニーだよ!! よろしくね!! だって』
「……本当にそう言っているのか?」
いや、アロイシアスさん、信じてくれているのか、そうじゃないのかどっちだよ。でも、挨拶してくれたんだから、ちゃんと返さないとな。
それと、家族の関係者、それでレイナさんの弟って事は、もしかして従兄弟って感じなのかな? そういえばどことなく顔が似ているようなって。まぁ、元々エルフはみんな、同じような顔をしているんだけどな。
「それで、私達はどこの避難所に?」
「とりあえずここから1番近い避難所に。それから様子を見て、遠い場所の避難場に、他の小さい者達と共に避難する。俺は最初の避難所まで。後はクランシー様が共に」
「クランシー様が? 珍しいわね」
俺達はとりあえず、1番近い避難所へ行くらしい。それからオークがさらに近づけば、遠い避難所へ、他の子達と避難すると。そこにクランシーさんが居るらしい。
クランシーさん、こんな時なんだ。オーレリアスさんと一緒に居なくて良いのか? だってオーレリアスさんの側近だろう。
「今はちょうど小さい者達が多いからな。それにティニーが居るからと。オーレリアス様にはしっかりと言ってあるし、自分よりもマーロウ様の方が、戦闘には向いている。私は未来ある者達を守らなければ。だそうだ」
「戦闘に向いていないって。クランシー様、マーロイ様とほとんど力は変わらないはずでしょう」
「クランシー様はいつも、子供達を誰よりも大切にされているからな」
「もう、オーレリアス様に何かあったらどうするのかしら。でもこちらとしては安心ね」
「ああ、そうだな」
大切……。だから子育てがあんなに上手なのか? オーレリアスさんの子育ての練習の時なんて、里の長なのに、かなりガミガミ言われていたしな。
そしてアーロンさんは、レイナさんは同じくらいの力と言っているけど、クランシーさんにしてみると、アーロンさんの方が自分よりも戦闘にむいていると。
移動するにつれて、だんだんとエルフの人数が増えてきた。いや、違うか? 確かに増えてはいるけど、みんなが同じ場所に集まって来て、より増えたって気がしているのかも。
本当に里のどこに、これだけの小さい子達が居たのか。もしかすると俺が考えていたよりも、かなりのエルフが。ここで暮らしているのかもしれない。
『エルフいっぱい』
『歩くの遅くなったぞ』
『ゆっくりゆっくり。早く避難』
「ここからみんな、それぞれの避難場所へ向かうのよ。だからどうしても混んでしまうの。でも、もうすぐ見えてくるはずよ」
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