13 / 61
12.大人1人と赤ん坊1人、精霊3匹には広すぎる、楽しいが満載の家
しおりを挟む
「あぶぅ」
目の前にこれから俺達が住む家が。遠くで見たよりも、そして思っていたよりも大きな家に、思わず声が出てしまった。遠くから見た時、ここまでの大きさだったか? 普通の感覚でいくと、日本の平均的な2回建ての家だと思ったんだけどな?
今、目の前に建っている家は3階建てで、横を通り過ぎたけど、広さもかなりありそうな家だった。
「さぁ、入りましょう。そうそう、向こうが私達の畑よ。そろそろ収穫できるものがあるから、今度見せてあげるわね」
そう言ったレイナさんの見ている方を見れば、そこには緑の草でいっぱいの畑が。そしてその葉の所々に、トマトに似ている実が見えた。あれが収穫間近のやつだろうか? それとも奥にまだ何かなっているのか。
「ミルバーン、これがお前達の家の鍵だ。私達には関係ないが、この子が大きくなった時には必要になるだろう。なにしろこの子は人間だからな。私達が使える魔法が、この子は使えないものもある。鍵はこの子のための物だ。しっかりしまっておくんだぞ」
「はあぁぁぁ」
大きなため息を吐くミルバーン。俺達だってため息を吐きたいよ。でも決まった事なんだ。しょうがないじゃないか。それに俺は文句ばかり言えないからな。
ただでさえ赤ん坊なんて面倒だろうに、何処の誰とも分からない、しかもエルフでもない人間の俺を、迎え入れてくれただけでなく。育ててくれると、家まで用意してくれたんだぞ。こんな素晴らしい事があるなんて。それなのにいつまでも文句を言ったら失礼だ。
「******」
「******」
「******」
「今のは、なくさないでよ。この子のだよ。絶対だからね。と言ったのよ」
蝶達とスライムは、納得していないけど。しかも信用してない感じだし。睨み合うミルバーンとみんな。
「とりあえず入りましょう。そして家の中を見てまわって。一応は揃えてあるけれど、必要な物が他にもないか確認をしないと。その後も大事な、やらないといけない事が控えているわ」
ミルバーンは嫌そうな顔をしながら、取っ手部分に手を触れ、それから何かを囁いた。すると小さい魔法陣のような物が浮かび、ガチャとドアが開く音が。何をしたんだろう?
不思議に思いながらも聞聞く暇もなく、そのまま順番に家の中へ入って行く。いやみんなに言って伝えてもらっても良かったんだけど、まだまだ睨み合っていたからさ。
中に入れば外で見た通り、とても広い家だった。全てが木でできていて、木の良い匂いがする、新築って感じの家だ。
1階には台所と、リビングと食事をする部屋は分かれていて、それぞれがとっても広い。それからお客さんが来た時用に使ったり、自分の仕事部屋にしたりと、自由に使える部屋が4部屋。他には大きな荷物を収納する場所が。
それと俺が1階で安心して遊べるようにと、遊び部屋が1つ。ただ、この俺の遊び部屋、不思議な物が生えていた。
それを気にしながら2階へ。2階にはそれぞれの部屋が用意してあった。ミルバーンの部屋、俺と蝶達とスライムの部屋。蝶達とスライムの特別部屋。他にもまだ何も決まっていない部屋が2部屋程。そして2階にもあった、俺達の遊び部屋。その遊び部屋にもある物が生えていて。
ただ変わっているのはそれだけじゃなかった。蝶達とスライム達の特別部屋だけど、部屋の中は森の中そのもので。土と草と花が生えていて、小さな木まで生えていてさ。本当に小さな森の中って感じなんだ。
ドライアドのアイラさんと共に生きていたみんな。アイラさんの周りには、それはそれは素晴らしい自然が広がっていて。みんなその素晴らしい世界で生きて来たんだ。
そしてエルフは自然を大切にしている種族っていうのは、本で見た事があるけれど。それはここのエルフも同じで、みんな自然を大切に、自然と共にいきている。
だけどもっと身近に自然を感じられるように、アイラさんの気配を感じられるようにって。アイラさんがこの部屋を作ったらしい。
これで何もない状態でアイラさんと連絡を取るよりも、もっと素早く確実に連絡を取れると。3匹がとっても喜んでいた。やはり俺と家族になると言っても、アイラさんと離れるのは寂しかったんだろう。でもこれで少しは、寂しい思いをしないで済むなら良かった。
最後3階。3階はまだ何も決まっていない部屋ばかりだった。俺達の遊び部屋を除いては。この部屋も他の何も決まっていない部屋同様、後で自分達で考えて自由に使えば良いって。
と、これで一応全部の部屋を確認したんだけど。ほらさっきから言っていた。俺達の遊び部屋に生えている物。それが3階の部屋にも生えていて。その正体は……。
大きな大きな木だ。部屋の中に大きな木が生えていて、それが3階部分を突き破って、屋根もちょっと突き破っていたんだ。いやさ、外から見た時変だとは思ったんだけど。何で屋根に木?って。
そしてその家に生えている木だけど。1階、2階、3階で別々の使い道が。1階の木には、エルフ達が木から下りる時に、木に付けられていた階段が設置されていたけど。その小さいバージョンの階段が、木に付いていて。
それから壁から木に向かって、床スレスレに揺れる小さな橋まで付いていたんだ。おもちゃじゃないぞ、本当にしっかりとした、本物の小さいバージョンだ。
これは俺の遊び遊具で、遊びながら練習もできるようにって、シャノンさんが考えてくれた物だった。ほら大きくなれば、外での行動も増えるし、その時にちゃんと階段や橋を渡れるようにって。
そして2階の遊び部屋には、木から滑り台が伸びていて、まさかの外に続いていた。これも大きくなったら遊べるようにって。
後はハシゴみたいな物と縄が結んであって。ぶら下がって遊ぶか、何か自分達で遊びを考えて、自由に使えば良いって。
最後3階には枝にぶら下がっているブランコが。それと巣箱が付いていたよ。よく小鳥が遊びに来るから、きっとその子達と仲良くなれるはず。それならその子達の休める場所があった方が良いって。
本当にこの家は、大きな大きなツリーハウスっていうか、森の家って感じだった。
目の前にこれから俺達が住む家が。遠くで見たよりも、そして思っていたよりも大きな家に、思わず声が出てしまった。遠くから見た時、ここまでの大きさだったか? 普通の感覚でいくと、日本の平均的な2回建ての家だと思ったんだけどな?
今、目の前に建っている家は3階建てで、横を通り過ぎたけど、広さもかなりありそうな家だった。
「さぁ、入りましょう。そうそう、向こうが私達の畑よ。そろそろ収穫できるものがあるから、今度見せてあげるわね」
そう言ったレイナさんの見ている方を見れば、そこには緑の草でいっぱいの畑が。そしてその葉の所々に、トマトに似ている実が見えた。あれが収穫間近のやつだろうか? それとも奥にまだ何かなっているのか。
「ミルバーン、これがお前達の家の鍵だ。私達には関係ないが、この子が大きくなった時には必要になるだろう。なにしろこの子は人間だからな。私達が使える魔法が、この子は使えないものもある。鍵はこの子のための物だ。しっかりしまっておくんだぞ」
「はあぁぁぁ」
大きなため息を吐くミルバーン。俺達だってため息を吐きたいよ。でも決まった事なんだ。しょうがないじゃないか。それに俺は文句ばかり言えないからな。
ただでさえ赤ん坊なんて面倒だろうに、何処の誰とも分からない、しかもエルフでもない人間の俺を、迎え入れてくれただけでなく。育ててくれると、家まで用意してくれたんだぞ。こんな素晴らしい事があるなんて。それなのにいつまでも文句を言ったら失礼だ。
「******」
「******」
「******」
「今のは、なくさないでよ。この子のだよ。絶対だからね。と言ったのよ」
蝶達とスライムは、納得していないけど。しかも信用してない感じだし。睨み合うミルバーンとみんな。
「とりあえず入りましょう。そして家の中を見てまわって。一応は揃えてあるけれど、必要な物が他にもないか確認をしないと。その後も大事な、やらないといけない事が控えているわ」
ミルバーンは嫌そうな顔をしながら、取っ手部分に手を触れ、それから何かを囁いた。すると小さい魔法陣のような物が浮かび、ガチャとドアが開く音が。何をしたんだろう?
不思議に思いながらも聞聞く暇もなく、そのまま順番に家の中へ入って行く。いやみんなに言って伝えてもらっても良かったんだけど、まだまだ睨み合っていたからさ。
中に入れば外で見た通り、とても広い家だった。全てが木でできていて、木の良い匂いがする、新築って感じの家だ。
1階には台所と、リビングと食事をする部屋は分かれていて、それぞれがとっても広い。それからお客さんが来た時用に使ったり、自分の仕事部屋にしたりと、自由に使える部屋が4部屋。他には大きな荷物を収納する場所が。
それと俺が1階で安心して遊べるようにと、遊び部屋が1つ。ただ、この俺の遊び部屋、不思議な物が生えていた。
それを気にしながら2階へ。2階にはそれぞれの部屋が用意してあった。ミルバーンの部屋、俺と蝶達とスライムの部屋。蝶達とスライムの特別部屋。他にもまだ何も決まっていない部屋が2部屋程。そして2階にもあった、俺達の遊び部屋。その遊び部屋にもある物が生えていて。
ただ変わっているのはそれだけじゃなかった。蝶達とスライム達の特別部屋だけど、部屋の中は森の中そのもので。土と草と花が生えていて、小さな木まで生えていてさ。本当に小さな森の中って感じなんだ。
ドライアドのアイラさんと共に生きていたみんな。アイラさんの周りには、それはそれは素晴らしい自然が広がっていて。みんなその素晴らしい世界で生きて来たんだ。
そしてエルフは自然を大切にしている種族っていうのは、本で見た事があるけれど。それはここのエルフも同じで、みんな自然を大切に、自然と共にいきている。
だけどもっと身近に自然を感じられるように、アイラさんの気配を感じられるようにって。アイラさんがこの部屋を作ったらしい。
これで何もない状態でアイラさんと連絡を取るよりも、もっと素早く確実に連絡を取れると。3匹がとっても喜んでいた。やはり俺と家族になると言っても、アイラさんと離れるのは寂しかったんだろう。でもこれで少しは、寂しい思いをしないで済むなら良かった。
最後3階。3階はまだ何も決まっていない部屋ばかりだった。俺達の遊び部屋を除いては。この部屋も他の何も決まっていない部屋同様、後で自分達で考えて自由に使えば良いって。
と、これで一応全部の部屋を確認したんだけど。ほらさっきから言っていた。俺達の遊び部屋に生えている物。それが3階の部屋にも生えていて。その正体は……。
大きな大きな木だ。部屋の中に大きな木が生えていて、それが3階部分を突き破って、屋根もちょっと突き破っていたんだ。いやさ、外から見た時変だとは思ったんだけど。何で屋根に木?って。
そしてその家に生えている木だけど。1階、2階、3階で別々の使い道が。1階の木には、エルフ達が木から下りる時に、木に付けられていた階段が設置されていたけど。その小さいバージョンの階段が、木に付いていて。
それから壁から木に向かって、床スレスレに揺れる小さな橋まで付いていたんだ。おもちゃじゃないぞ、本当にしっかりとした、本物の小さいバージョンだ。
これは俺の遊び遊具で、遊びながら練習もできるようにって、シャノンさんが考えてくれた物だった。ほら大きくなれば、外での行動も増えるし、その時にちゃんと階段や橋を渡れるようにって。
そして2階の遊び部屋には、木から滑り台が伸びていて、まさかの外に続いていた。これも大きくなったら遊べるようにって。
後はハシゴみたいな物と縄が結んであって。ぶら下がって遊ぶか、何か自分達で遊びを考えて、自由に使えば良いって。
最後3階には枝にぶら下がっているブランコが。それと巣箱が付いていたよ。よく小鳥が遊びに来るから、きっとその子達と仲良くなれるはず。それならその子達の休める場所があった方が良いって。
本当にこの家は、大きな大きなツリーハウスっていうか、森の家って感じだった。
463
お気に入りに追加
1,099
あなたにおすすめの小説


Retry 異世界生活記
ダース
ファンタジー
突然異世界に転生してしまった男の物語。
とある鉄工所で働いていた佐藤宗則。
しかし、弱小企業であった会社は年々業績が悪化。
ある日宗則が出社したら、会社をたたむと社長が宣言。
途方に暮れた宗則は手持ちのお金でビールと少しのつまみを買い家に帰るが、何者かに殺されてしまう。
・・・その後目覚めるとなんと異世界!?
新たな生を受けたその先にはどんなことが!?
ほのぼの異世界ファンタジーを目指します。
ぬるぬる進めます。
だんだんと成長するような感じです。
モフモフお付き合いおねがいします。
主人公は普通からスタートするのでゆっくり進行です。
大きな内容修正や投稿ペースの変動などがある場合は近況ボードに投稿しています。
よろしくお願いします。

異世界転移二児の母になる
ユミル
ファンタジー
牧野悠里(まきのゆうり)が一度目は勇者として召喚されて命を落とすがラウムにより転移で女性になる。
そこで出会った人達と仲良くしていく話です。
前作同様不慣れなところが多いですが、出来るだけ読みやすい様に頑張りたいと思います。
一応完結まで書く事ができました。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
今後は番外編等を書いていくのでよろしくお願いします。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる