異世界で新生活〜スローライフ?は精霊と本当は優しいエルフと共に〜

ありぽん

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1.慌てる俺、初めての出会い

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 おい、本当のどうすれば良いんだ? 赤ん坊のままじゃ身動きも取れないし、食事や飲み物だって。このままじゃやっぱりまた死ぬことに。この世界での俺の寿命は生後何日なのか?

 いやそれだったら、急いで転生なんてしてもらわなくても良かったよ。今度こそスローライフを堪能できて、長い人生を送れるような。そんな世界が見つかってから、その世界へ転生させてくれれば良いのに。

 どうする? どうすれば良い? おい! 神様!! 俺の声が聞こえるか? 世界のことを、人々が何をしてるかも、そしてその人の人生がどんな人生なのかも。
 神はどこにいても把握できているんだろう? なら、今の俺の状態だって分かっているはず。

 だったらこの後、俺がどうなるか教えて欲しい。前世みたいに早死にするのか。いや、転生したての赤ん坊のまま死ぬなら、前世の早死に記録を更新するが。それでも死ぬなら死ぬと分かっていた方が、少しは覚悟ができるんだよ。

 そして死んだ後また、神の世界に行くことができたら。今度こそ長生きできる世界へ、転生させてくれれば良いからさ。

 いや、待てよ。もしかして俺は、元々こういう運命なのか? 前世の地球での記憶がある俺。実はその地球で生活も、別の人生からの転生だったら? 地球の時はちゃんと前の記憶が消えていてさ。だって今の俺が転生できているなら、何回も転生している可能性があるだろう?

 そそれでもしかしたら、毎回俺の生が短命だったら? どの世界へ転生しても、短い人生を送ることしかできず。それが俺の運命で、何回転生しても早死にしていたら。

 本当だったら少しでも前向きに、色々考えた方が良いんだろうけど、あまりの状況に俺は、最悪なことばかりしか考えられず。
 が、それも少し経つと。俺は赤ん坊。そんなに体力があるわけもなく、赤ん坊は寝るのが仕事だと言われるように、睡魔が襲ってきて。俺はいるの間にか眠っていた。

 そして次に目が覚めた時、急いで周りを確認したけれど。俺は赤ん坊のまま変わりなく、周りの景色も一切変わっていなくて、どれだけガックリきたことか。
 しかも何も飲み物を飲んでいないのに、もよおしてしまい下着には不快感が。だけど誰も下着を変えてくれる人はいないからな。そのままにしておくしかなかった。

 ……よく洋服を着ていたよな。転生して赤ん坊スタートなら、裸だと思うけど。まぁ、着ててくれて良かった。良かったけど。

「ばぁぶぅ、ばぁ、ぶぅ?」

 今のは、やっぱり死ぬのを待って、どうしてこんな事になったのかって、神に文句を言うしかないのか? って言ったんだ。

 はぁ、死ぬ時苦しくないと良いな。こう何だったら眠っている最中のそのままって感じで。それで目が覚めたら神がいる世界でさ。

 何て木々の間から見える、晴れ渡っている空を見ながら考えていた俺。その後はまた眠気が襲ってきて俺は寝ることに。あ~あ、起きたらまた、変わらない景色を、見ることになるんだろうなと思いながら。

 だけど俺の考えは間違っていた。目を覚ますと、すぐに周りを確認んしようとした俺。相変わらずお尻の不快感と、相変わらずの景色が俺を迎えてくれたけど。何とここにきて新しい変化が起きたんだ。

 俺の目の動きの範囲で、籠のふちが何とか見えていたんだけど。あの籠のふち、左右どちらともに、今までになかったものが。
 左のふちには昆虫? が2匹、そして右のふちにはふよふよ動いている、ボールみたいな物が乗っていた。

「ばぶ?」

 何だ? と言った俺。その俺の声に反応したのか、3匹が同時に体を揺らす。この世界の生き物だから、似ていても地球とはまったく違う生き物かもしれないけれど。

 まず昆虫の方は、姿は蝶に似ていた。形は、俺が知っているのはモンシロチョウとかアゲハとか基本的な蝶だけで、世界のどこかを探せば今見ている蝶みたいな生き物と、同じような蝶がいるかもしれないけれど。

 1匹は全体的に透明で、向こうの木が透けて見えて。光の当たり具合で、キラキラと黄色に見えたりオレンジに見えたり。赤や青、色々な色に見えて、とって綺麗なカッコいい生き物だった。生き物……、とりあえず蝶で良いか。

 そしてもう1匹の方は。全体的、体も4つの羽も、もふもふ、ふさふさしていて。4つの羽先が薄いピンク色で、とても可愛い蝶だった。それから2匹の蝶はどちらとも、小さなまん丸の瞳で、とても可愛いかったよ。

 次、右の方のふよふよ、ふるふる動いている、丸いボールのような物。これはゲームに出てくるスライムのような感じで。こっちもとりあえずスライムで良いか。色は薄い黄緑色で、こちらも可愛いまん丸の瞳をしていて。

 大きさは3匹とも、赤ん坊の俺の手のひらサイズで。見た感じでは、この3匹が悪い生き物のは見えなかった。見た感じでは、だ。もしかしたら毒を持っている生き物だったり、人にとって有害な生き物かもしれないけど。

「ばぁぶぅ?」

 話しが通じるわけないと分かっていながらも。なにしろこの世界がどんな世界か知らないのに、言葉が分かるわけもないし。もしも言葉が分かっとしても、俺は赤ちゃん。赤ちゃん言葉しか話せないからな。

 が、とりあえず何処から来たんだ? と聞いてみたい俺。すると透明な蝶とスライムが、蝶は小さい足で。スライムはそのボールのような体から、ちょっとだけ突起のように一部分を出して。お互いが同じ方角を指してきたんだ。

 ん? 俺の言葉が通じた? 『ばぁぶぅ』が? まさかそんなわけ。たまたまって事もあるからな。何か他にも質問をしてみるか? 
 だけど質問っていってもな。ここは何処? って聞いて、もし言葉でも使って答えてくれても、俺が分かんないだろうし。

 俺以外に人は居るか? とでも聞いてみるか? そうすれば頷くとかなんかしてくれるかも?

「ばぶう、ばぶ?」

 俺は今考えた質問をする。すると今度はもふもふ蝶の方が、足でバッテンをつくり、スライムの方は体の形を鏡餅みたいな形に変形して。それだけ上の部分だけを動かして、首を横に振るような動きをした。

 え? 本当に俺の言っていることが分かってるいる? 確かに神は、この世界には俺の知らない生き物が、たくさん溢れている世界だと言っていたけど。なに? この世界の生き物は人の言葉が、赤ん坊の言葉が分かる、凄い生き物なのか?
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