エリアスとドラゴンともふもふは、今日も元気に遊んでいます!?

ありぽん

文字の大きさ
上 下
70 / 72

68すべてを終えて戻ると(ヱン様視点)

しおりを挟む
「ふむ、我が戻って来るまでに、だいぶ奴らを減らせていたな。ほう、あそこ。オークキングが居る場所はあそこか」

 我は城に戻って来ると、すぐにオークキングが居る場所に移動した。奴らはすでに撤退をはじめていて、これ以上戦う気はないようだったが。さっさと奴らを消し、ムーの所へ戻ってゆっくりしよう。
 そう思った我は、オークキングの周り、そして向こうに居る、やはり逃げ出しているトロールの軍団。そして城の周りから急いで逃亡をはかる手下たちを確認する。

 これならば3回も攻撃すれば、ほとんどの奴らを消すことができるだろう。残りの細かい奴らは他の魔獣達と人間に任せれば良いし。
 そうと決まればさっさとやってしまおうと、我は我の攻撃で、一緒に戦っている魔獣達、そして人間達に結界を張った。我に攻撃で死んでいまわないように。

 すべての者達に結界が張れたことを確認した我は、さっそくオークキングが居る群れから潰しにかかる。
 オークキングの少し向こうにシューの気配が。奴も先にオークキングを倒した方が良いと、こちらに来ていたのだろう。奴に結界は張らなかったが、まぁ、あいつは自分でなんとかするだろうから、私は気にせずオークキングのいる群れを攻撃した。

 大きな爆発とともに、一瞬で奴らは姿を消す。ん? シューのしっぽが少しこげてしまったか? まぁ、気にするほどでもない。シューは我の方を見て睨んでいるが。放っておいて次だ。

 次に向かったのはとトロール達の所だ。こちらは真ん中の大きな群れを除いて、他の力が弱いトロール達はバラバラに逃げ回っていて、その逃げ回っている奴らを魔獣達と人間が倒しているところだった。私の先程の攻撃で、ビックリして動きを止めている者達がほとんどだったが。

 こちらも我は一瞬で群れを消し、後は魔獣達に任せ最後、城の周りにいるオークとトロールを消すことに。
 城の真上まで移動して、すべての奴らの気配を感じる。そして…。3回目の大きな爆発と、そのすぐあと、煙が消えた場所には、もう奴等の姿は綺麗さっぱりなくなっていて、代わりに大きな穴が。

 よし、これで我の仕事は終わりだ。一応周りを確認しなければならないが、まぁ、心配はないだろう。
 城を中心に、確認する場所を広げていく。最終的に山2つ分の範囲まで確認を行い、もう危険がない事を確認すると、我はすぐに城へと戻った

 こうして我は城に戻って来たのだが、戻って来た我を待っていたのは、ともに戦った魔獣達が一心不乱に、あの美味しいパンケーキとやらを、物凄い勢いで食べている姿だった。そしてその中心には、パンケーキを並んで焼く人間達。その人間達と、食べる魔獣達をニコニコしながら見ているムーとエリアス達。

 その中にはシューも居て、奴の目の前には、他の魔獣達よりも高く積まれたパンケーキが。我は魔獣達をかき分けシューの所へ。そしてシューのパンケーキを奪いながら、戻って来た我に駆け寄って来たムー達に話を聞いた。が、よくわからず、後で来たグロリアに聞くまで、シューとパンケーキの取り合いをしながら待つことに。

 話を聞けば、これはエリアスが考えたと。皆頑張って戦いましたのプレゼントだという。エリアスがあの料理人に頼んでくれたようだ。そしてパンケーキを皆に配るとき、魔獣達1匹1匹それぞれに、『ありがとう』を伝えていたと。

 優しい子だ。魔獣達は別に人間のことなど考えず戦っていない者もいた。自分達のためにと戦った者達だ。そんな魔獣達にも、『ありがとう』と伝えたらしい。
 それを聞いた私は、今までの疲れなどなかったように、さらにシューとパンケーキを争いながら、少しの休憩をとることができた。

 そして腹が膨れた頃、ヴィックが我を呼びに。王と話をしてくれと伝えに来たのだ。ここは腹いっぱいで、腹を出して寝ている魔獣達。そのままぐうぐう寝ている魔獣達が溢れかえっている。ゆっくり話がしたいからと、別の場所に話す場を用意したらしい。

 我は腹を出して寝ていたシューを蹴り起こし、アスールも一緒にヴィックの後をついて行く。そして着いた場所にはすでに王とその他何人か人間が集まっていて、我らが到着すると皆がすぐに立ち上がり、我々に頭を下げて来た。

 ザッ!!

 皆完璧に揃った挨拶だった。王は頭を下げたまま。

「ヱン様、シュー様、アスール様。此度はこの国を救っていただき、誠にありがとうございます」

 そう言ってきた。

『何、我らは自分達のために動いたまでの事。別に気にする事だはない。ああ、それと、周りを確認してきたが、もう危険はないから安心しろ』

 それを聞き、また深々とお辞儀をする王達。我らが席に着くと、王達も席へ。そして今回のオーク、トロールの襲撃についての話を始めた。
 驚いたことに、確かに我は周りの森2つ分とパンケーキを食べたが、その短い時間の中で、ヴィックがこれまでのことを、出来るだけ調べまとめ、この話し合いに間に合わせていたのだ。あの事を除いては。

「時間があまりなかったもので、詳しくはこれからになりますが」

「よい。よくここまでまとめてくれた。」

 その後、まだやる事は山程あると、すぐに解散になったが、とりあえず、全てが終わったのだった。
しおりを挟む
感想 72

あなたにおすすめの小説

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!

えながゆうき
ファンタジー
 妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!  剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

コストカットだ!と追放された王宮道化師は、無数のスキルで冒険者として成り上がる。

あけちともあき
ファンタジー
「宮廷道化師オーギュスト、お前はクビだ」  長い間、マールイ王国に仕え、平和を維持するために尽力してきた道化師オーギュスト。  だが、彼はその活躍を妬んだ大臣ガルフスの陰謀によって職を解かれ、追放されてしまう。  困ったオーギュストは、手っ取り早く金を手に入れて生活を安定させるべく、冒険者になろうとする。  長い道化師生活で身につけた、数々の技術系スキル、知識系スキル、そしてコネクション。  それはどんな難関も突破し、どんな謎も明らかにする。  その活躍は、まさに万能!  死神と呼ばれた凄腕の女戦士を相棒に、オーギュストはあっという間に、冒険者たちの中から頭角を現し、成り上がっていく。  一方、国の要であったオーギュストを失ったマールイ王国。  大臣一派は次々と問題を起こし、あるいは起こる事態に対応ができない。  その方法も、人脈も、全てオーギュストが担当していたのだ。  かくしてマールイ王国は傾き、転げ落ちていく。 目次 連載中 全21話 2021年2月17日 23:39 更新

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

野草から始まる異世界スローライフ

深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。 私ーーエルバはスクスク育ち。 ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。 (このスキル使える)   エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。 エブリスタ様にて掲載中です。 表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。 プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。 物語は変わっておりません。 一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。 よろしくお願いします。

公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~

松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。 なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。 生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。 しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。 二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。 婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。 カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。

【完結】聖獣もふもふ建国記 ~国外追放されましたが、我が領地は国を興して繁栄しておりますので御礼申し上げますね~

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
 婚約破棄、爵位剥奪、国外追放? 最高の褒美ですね。幸せになります!  ――いま、何ておっしゃったの? よく聞こえませんでしたわ。 「ずいぶんと巫山戯たお言葉ですこと! ご自分の立場を弁えて発言なさった方がよろしくてよ」  すみません、本音と建て前を間違えましたわ。国王夫妻と我が家族が不在の夜会で、婚約者の第一王子は高らかに私を糾弾しました。両手に花ならぬ虫を這わせてご機嫌のようですが、下の緩い殿方は嫌われますわよ。  婚約破棄、爵位剥奪、国外追放。すべて揃いました。実家の公爵家の領地に戻った私を出迎えたのは、溺愛する家族が興す新しい国でした。領地改め国土を繁栄させながら、スローライフを楽しみますね。  最高のご褒美でしたわ、ありがとうございます。私、もふもふした聖獣達と幸せになります! ……余計な心配ですけれど、そちらの国は傾いていますね。しっかりなさいませ。 【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ ※2022/05/10  「HJ小説大賞2021後期『ノベルアップ+部門』」一次選考通過 ※2022/02/14  エブリスタ、ファンタジー 1位 ※2022/02/13  小説家になろう ハイファンタジー日間59位 ※2022/02/12  完結 ※2021/10/18  エブリスタ、ファンタジー 1位 ※2021/10/19  アルファポリス、HOT 4位 ※2021/10/21  小説家になろう ハイファンタジー日間 17位

転生することになりました。~神様が色々教えてくれます~

柴ちゃん
ファンタジー
突然、神様に転生する?と、聞かれた私が異世界でほのぼのすごす予定だった物語。 想像と、違ったんだけど?神様! 寿命で亡くなった長島深雪は、神様のサーヤにより、異世界に行く事になった。 神様がくれた、フェンリルのスズナとともに、異世界で妖精と契約をしたり、王子に保護されたりしています。そんななか、誘拐されるなどの危険があったりもしますが、大変なことも多いなか学校にも行き始めました❗ もふもふキュートな仲間も増え、毎日楽しく過ごしてます。 とにかくのんびりほのぼのを目指して頑張ります❗ いくぞ、「【【オー❗】】」 誤字脱字がある場合は教えてもらえるとありがたいです。 「~紹介」は、更新中ですので、たまに確認してみてください。 コメントをくれた方にはお返事します。 こんな内容をいれて欲しいなどのコメントでもOKです。 2日に1回更新しています。(予定によって変更あり) 小説家になろうの方にもこの作品を投稿しています。進みはこちらの方がはやめです。 少しでも良いと思ってくださった方、エールよろしくお願いします。_(._.)_

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません? せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」 不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。 実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。 あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね? なのに周りの反応は正反対! なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。 勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?

処理中です...