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58向かうということ(ヴィック視点)
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アスール様の話を聞き、驚きを隠せない私達に、ヱン様はさらに話を進めて来た。これからの私達、いや、エリアスとムー様についてだ。
アスール様の話の流れから、こういう話になることは分っていた。しかし、分かってはいても、あまりその事について話はしたくないというのが本音だった。
話のまま進めば、エリアス達はこの、オークたちの襲撃の原因になった場所へ行き、どうするかは分からないが、その原因を破壊しに行くことになる。
その原因となっている場所が、今どのような状況になっているか。すでにその場所には誰も近づけない、もしかしたらヱン様でも近づけないような、危険すぎる場所になっている可能性もある。
それとも、近づけるは近づけるかもしれないが、近づきすぎて、アスール様のように、得体のしれない闇の力に捕まってしまう可能性も。
魔獣の心配もある。個々へ来る前、私の街や、周りの街、森に現れたオーク達はなんとか倒すことが出来た。が、あれからどうなったか。どこからともなく、またオーク達が現れているかもしれないし。もしぁしたら他にも闇の力にあてられ、恐ろしい力を持つ魔獣達が集まっていたら?
考えれば考えるほど、エリアス達がそこへ向う事がどれだけ危険か、改めて思い知らされる。しかし…。
「今考えられる、最善の策はこれしかないぞ」
オーク達やトロルたちの力は、ヱン様の考えていた以上に強かったようだ。思うように敵を減らすことが出来ていないと。魔獣達も勿論人間も頑張っているが、このままでは押し切られる可能性があるらしい。
ヱン様はいざとなれば、これ以上の攻撃を受けた場合、エリアス達を連れて、逃げることを考えていた。しかし、このままの勢いで、オーク達がドンドン侵攻することになれば、逃げたところで、また奴らと戦う事になると。
そしてその時は、今以上に力をつけていて、再び戦い勝てるか分からないと言うのだ。まさかこんな事態になるとは。
本当にエリアス達を連れて行かなければいけないのか? 他に何か方法はないのか? 考えようとする私に、ヱン様は時間を許さない。
「考えている時間はそんなにないぞ。いつまた奴らが動きだすか。奴らが休んでいるうちに行動を始め、もし奴らが動き始めてしまっても、なるべく早く奴らの力の源を絶ち、ここでの戦いを優位にするためにも。早くこちらは動かなければ」
せかされ目を閉じ考える。そんな私の手を握って来た者が。目を開ければ目の前にはグロリアが。静かに微笑み、私の手をギュっと握り、
「あなた、本当はわかっているのでしょう? これを止めることができるのは、あの子達だけと」
「グロリア…」
「本当は私も行かせたくないわ。私達の大切な子達だもの。でも、今ここで奴らを止めなければ、エリアスちゃん達が幸せに暮らす世界が、消えてしまうかもしれない。ヱン様の言う通り、逃げてもそれは同じ。なら今出来る最善の方法を」
私とグロリアはアリアス達を見る。アスール様の話を聞いた後、私達からは離れて、私達の話し合いが終わるのを、静かに待っているエリアス達。ラッセルがしっかり面倒を見てくれてる。
あの子達の未来が奪われるなどあってはならない。そのためには今危険を冒してでも、やらなければならない事がある。そのせいでアリアス達に何かあるかもしれない。だが、それでも今動かなければ。
グロリアがもう1度力強く手を握って来た。グロリアのおかげで私の心は決まった。
「分かりました。ヱン様の言う通りに」
「そうか。シュー、少しの間、ここをお前に任せたい。良いか?」
『ああ、あそこへ行くなら、お前の方が良いだろうからな。お前達が戻って来るまで、ここのことは俺に任せろ』
「頼むぞ。限界まで来てしまったら、出来る限り皆で退避しろ」
「俺を誰だと思ってんだ。そんな事になるわけないだろう。だが、それも分かった」
森へはヱン様、私、エリアス、ムー様。それからぷるとウルが行くことになった。ぷるとウルはエリアスと契約しているため、2匹も力になるだろうと連れて行くことに。
話がまとまり、私達はエリアス達の所へ。そしてこれから森へ行くことを伝える。
「いしこわすと、あのわるいまじゅうとまるの?」
「ああ。そうだ」
「そしたらもうだれもおけがしない?」
「ああ、そうだな」
「ぼくたちもあそべる?」
「ああ」
『エリアス行こう!!』
『ぷゆゆゆん!!』
『ガウガァ!!』
『みんなも行こうって。わるい魔獣さんやっつけようって』
「うん!! やっつけよう!!」
エリアス達がおぉっー!!と手を上げた。一緒に行かないラッセルとダレル、それからフラキーは、頑張れとエリアス達を応援して。良かった。怖がるかと思ったら、それどころか行く気満々だ。
話が決まれば、すぐに行く準備を始める。私が必要になるかもしれない物を準備している間、グロリアはエリアスの用意を。アリアス達の好きなお菓子や、落ち着けるようにと、エリアス達のお気に入りをカバンに詰め込んでいるようだ。
準備をしている私の所へヱン様が。
「この間のように我の力で、いしの近くまでほぼ一瞬で移動する。そこからは静かにゆっくり、だがなるべく早く石の所まで移動するぞ。いきなり石の所に移動しては、そうなるかわからないからな」
「分かりました」
そして準備が終わると、私達はドラゴン姿のヱン様でも平気な場所まで移動した。ずっと応援しているラッセル達。エリアスを抱きしめて行ってらっしゃいと言うグロリア。頑張る!!と張り切るエリアス達。そして私達はヱン様の背中に。
『破壊するときは、僕も手伝うからね!!』
「うん!!」
『よし、では移動するぞ!』
私達は光りに包まれた。
アスール様の話の流れから、こういう話になることは分っていた。しかし、分かってはいても、あまりその事について話はしたくないというのが本音だった。
話のまま進めば、エリアス達はこの、オークたちの襲撃の原因になった場所へ行き、どうするかは分からないが、その原因を破壊しに行くことになる。
その原因となっている場所が、今どのような状況になっているか。すでにその場所には誰も近づけない、もしかしたらヱン様でも近づけないような、危険すぎる場所になっている可能性もある。
それとも、近づけるは近づけるかもしれないが、近づきすぎて、アスール様のように、得体のしれない闇の力に捕まってしまう可能性も。
魔獣の心配もある。個々へ来る前、私の街や、周りの街、森に現れたオーク達はなんとか倒すことが出来た。が、あれからどうなったか。どこからともなく、またオーク達が現れているかもしれないし。もしぁしたら他にも闇の力にあてられ、恐ろしい力を持つ魔獣達が集まっていたら?
考えれば考えるほど、エリアス達がそこへ向う事がどれだけ危険か、改めて思い知らされる。しかし…。
「今考えられる、最善の策はこれしかないぞ」
オーク達やトロルたちの力は、ヱン様の考えていた以上に強かったようだ。思うように敵を減らすことが出来ていないと。魔獣達も勿論人間も頑張っているが、このままでは押し切られる可能性があるらしい。
ヱン様はいざとなれば、これ以上の攻撃を受けた場合、エリアス達を連れて、逃げることを考えていた。しかし、このままの勢いで、オーク達がドンドン侵攻することになれば、逃げたところで、また奴らと戦う事になると。
そしてその時は、今以上に力をつけていて、再び戦い勝てるか分からないと言うのだ。まさかこんな事態になるとは。
本当にエリアス達を連れて行かなければいけないのか? 他に何か方法はないのか? 考えようとする私に、ヱン様は時間を許さない。
「考えている時間はそんなにないぞ。いつまた奴らが動きだすか。奴らが休んでいるうちに行動を始め、もし奴らが動き始めてしまっても、なるべく早く奴らの力の源を絶ち、ここでの戦いを優位にするためにも。早くこちらは動かなければ」
せかされ目を閉じ考える。そんな私の手を握って来た者が。目を開ければ目の前にはグロリアが。静かに微笑み、私の手をギュっと握り、
「あなた、本当はわかっているのでしょう? これを止めることができるのは、あの子達だけと」
「グロリア…」
「本当は私も行かせたくないわ。私達の大切な子達だもの。でも、今ここで奴らを止めなければ、エリアスちゃん達が幸せに暮らす世界が、消えてしまうかもしれない。ヱン様の言う通り、逃げてもそれは同じ。なら今出来る最善の方法を」
私とグロリアはアリアス達を見る。アスール様の話を聞いた後、私達からは離れて、私達の話し合いが終わるのを、静かに待っているエリアス達。ラッセルがしっかり面倒を見てくれてる。
あの子達の未来が奪われるなどあってはならない。そのためには今危険を冒してでも、やらなければならない事がある。そのせいでアリアス達に何かあるかもしれない。だが、それでも今動かなければ。
グロリアがもう1度力強く手を握って来た。グロリアのおかげで私の心は決まった。
「分かりました。ヱン様の言う通りに」
「そうか。シュー、少しの間、ここをお前に任せたい。良いか?」
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「頼むぞ。限界まで来てしまったら、出来る限り皆で退避しろ」
「俺を誰だと思ってんだ。そんな事になるわけないだろう。だが、それも分かった」
森へはヱン様、私、エリアス、ムー様。それからぷるとウルが行くことになった。ぷるとウルはエリアスと契約しているため、2匹も力になるだろうと連れて行くことに。
話がまとまり、私達はエリアス達の所へ。そしてこれから森へ行くことを伝える。
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「うん!! やっつけよう!!」
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私達は光りに包まれた。
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