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44エリアスの魔力
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「ヱン様はエリアスの力が必要だと」
「お前達に初めて会ったときに話したであろう。エリアスは特別だと」
あの日、初めてヱン様が我々の前に詩型を現した時のことを思いだす。そしてその時の話も。確かにあの時ヱン様はエリアスが特別だと。だがそれと今回のことと何か関係が?
「今回のやつらの襲撃、我だけでは止められない、それは理解したな?」
「はい」
今回のオーク達の襲撃。ヱン様が住んでいた森から、私達の所へ来たことで、奴らは今がチャンスだと思い行動に出たのではと。奴らはヱン様が死んだか、何処かえ移動し、もう自分達の邪魔をする存在は居ないと、今まで静かに、だが確実に力を溜めて来た物をここですべて出してきた。
そして動いたのはオーク達だけではなかった。トロルたちも動き出したのだが、それはオーク達が動きだしたからなのか、それともやはりヱン様が居なくなったのに気づき動いたのか、それは分からないが、トロルたちも動き始めた。
「普段であれば、われ1人で奴らなど簡単にたおせるのだがな。奴らめ、我にも分からない力を手に入れたらしい」
これからまた調べに行くがと続けるヱン様。最初ヱン様が奴らを確認したときに、それに気づいたそうだ。何か分からない力が奴らに力を与えていると。そしてその力は、オーク達を追いかけて来たトロルたちの方にまで、影響を及ぼしているらしい。
「あの力、我が攻撃しても、いつものように奴らを消すことはできない。まぁ半分はなんとかなるだろうが、その半分を消している間に、他のやつらがこちら攻撃してくるだろう。そうなれば我でもここを守れるかどうか」
そこで力を借りたのが逃げて来た魔獣達だった。魔獣たちもヱン様が戦うならと、このままではすべてが奴らの手に落ちてしまうと、一緒に戦う事を了承してくれた。
「勿論、我が魔獣達には私の特別な結界を張る。そう簡単には破られない結界だ。簡単にやられることはない。もちろんその結界はこの城、街にも張るが。その結界を張り、奴らに攻撃するとなるとな…」
いったんそこで言葉を切るヱン様。グロリアを一瞬見た後、すぐに話を再開する。
「我が結界を張り、奴らを攻撃するには、エリアスの力が必要になる」
は? 何故そこでエリアスが出てくる? 思わず聞き返してしまった。
「エリアスは特別だと言っただろう。エリアスの魔力は我らに力を与えてくれるのだ。ここに居る人間達すべてを合わせても、いやこの世界のすべての人間達のすべてを合わせても、エリアスのあの輝くような魔力には遠く及ばない」
確かにこの前そのような事は言っていたが、そこまでとは聞いていなかった。エリアスの魔力が、すべての人間の魔力を合わせても及ばないだと。部屋にいた全員が驚きの表情を見せている。
「お前達には分からんだろうが、今でも我々はエリアスから力を分けてもらっているのだ。それは戦いの準備が整うまで、そしてその後も続けてな。エリアスは気づいておらんが」
「それは…エリアスはそんなことをして、大丈夫なのですか。魔力を分け与えるなど、いつか倒れてしまうのでは、いや、命の危険も」
「このくらいで倒れるような魔力量ではない」
だからこの戦いにはエリアスが必要だと。ヱン様達がオーク達と戦い、得体のしれない力に勝ためにも、ヱン様達の力が劣らないためにエリアスに魔力を与え続けてもらわなければいけないらしい。
エリアスは自分に好意的な者達に対して、無意識に魔力を流しているらしい。それはヱン様たちだけではなく、私達もらしい。
「お前達は気づいていなかっただけだ。エリアスが生まれた時から一緒だったからな。しかし確実にお前達にも力を与えている。そしてエリアスが敵だと判断した者達には、エリアスの魔力は流れていない」
エリアスが居れば、アリアスの力があれば負けることはないだろう。しかしもしその力がなければ、いくらヱン様、と魔獣達、私達が力を合わせても勝てるかどうか。ここを落とされ、奴らの糧になってしまえば、奴らを止めるもの何もなくなり、後はどんどん侵略されていくだけ。
「仮に今エリアスを達を逃がしても、我らが負ければ、いつかはエリアス達が逃げた場所へ奴らが。そうなればエリアス達も命を落とすことになるだろう。そうならないためにも、エリアスにはここに残ってもらい、我々に力を貸してもらいたい」
今ここでエリアス達を私達の家に避難させる。しかしそのせいでヱン様達がエリアスから力を貰えず万が一に蒔けてしまえば、結局エリアス達は。
「だからグロリアにも言ったのだが、危険だがエリアスにはここに残ってもらいたいのだ。もちろんエリアス達には何重にも結界を張り守る。お前達の心配は分かるが、今1番可能性のある戦いはこれなのだ」
部屋の中が静まり帰った。
*********
「あっ、とうさま! おしごとおやすみ?」
僕はお部屋に入ってきたとう様に抱きついたよ。そしたらとう様は僕の頭をたくさんなでなでしてくれて。でも…。
「とうさま?」
とう様笑ってるんだけど、ちょっと心配なお顔してました。
「お前達に初めて会ったときに話したであろう。エリアスは特別だと」
あの日、初めてヱン様が我々の前に詩型を現した時のことを思いだす。そしてその時の話も。確かにあの時ヱン様はエリアスが特別だと。だがそれと今回のことと何か関係が?
「今回のやつらの襲撃、我だけでは止められない、それは理解したな?」
「はい」
今回のオーク達の襲撃。ヱン様が住んでいた森から、私達の所へ来たことで、奴らは今がチャンスだと思い行動に出たのではと。奴らはヱン様が死んだか、何処かえ移動し、もう自分達の邪魔をする存在は居ないと、今まで静かに、だが確実に力を溜めて来た物をここですべて出してきた。
そして動いたのはオーク達だけではなかった。トロルたちも動き出したのだが、それはオーク達が動きだしたからなのか、それともやはりヱン様が居なくなったのに気づき動いたのか、それは分からないが、トロルたちも動き始めた。
「普段であれば、われ1人で奴らなど簡単にたおせるのだがな。奴らめ、我にも分からない力を手に入れたらしい」
これからまた調べに行くがと続けるヱン様。最初ヱン様が奴らを確認したときに、それに気づいたそうだ。何か分からない力が奴らに力を与えていると。そしてその力は、オーク達を追いかけて来たトロルたちの方にまで、影響を及ぼしているらしい。
「あの力、我が攻撃しても、いつものように奴らを消すことはできない。まぁ半分はなんとかなるだろうが、その半分を消している間に、他のやつらがこちら攻撃してくるだろう。そうなれば我でもここを守れるかどうか」
そこで力を借りたのが逃げて来た魔獣達だった。魔獣たちもヱン様が戦うならと、このままではすべてが奴らの手に落ちてしまうと、一緒に戦う事を了承してくれた。
「勿論、我が魔獣達には私の特別な結界を張る。そう簡単には破られない結界だ。簡単にやられることはない。もちろんその結界はこの城、街にも張るが。その結界を張り、奴らに攻撃するとなるとな…」
いったんそこで言葉を切るヱン様。グロリアを一瞬見た後、すぐに話を再開する。
「我が結界を張り、奴らを攻撃するには、エリアスの力が必要になる」
は? 何故そこでエリアスが出てくる? 思わず聞き返してしまった。
「エリアスは特別だと言っただろう。エリアスの魔力は我らに力を与えてくれるのだ。ここに居る人間達すべてを合わせても、いやこの世界のすべての人間達のすべてを合わせても、エリアスのあの輝くような魔力には遠く及ばない」
確かにこの前そのような事は言っていたが、そこまでとは聞いていなかった。エリアスの魔力が、すべての人間の魔力を合わせても及ばないだと。部屋にいた全員が驚きの表情を見せている。
「お前達には分からんだろうが、今でも我々はエリアスから力を分けてもらっているのだ。それは戦いの準備が整うまで、そしてその後も続けてな。エリアスは気づいておらんが」
「それは…エリアスはそんなことをして、大丈夫なのですか。魔力を分け与えるなど、いつか倒れてしまうのでは、いや、命の危険も」
「このくらいで倒れるような魔力量ではない」
だからこの戦いにはエリアスが必要だと。ヱン様達がオーク達と戦い、得体のしれない力に勝ためにも、ヱン様達の力が劣らないためにエリアスに魔力を与え続けてもらわなければいけないらしい。
エリアスは自分に好意的な者達に対して、無意識に魔力を流しているらしい。それはヱン様たちだけではなく、私達もらしい。
「お前達は気づいていなかっただけだ。エリアスが生まれた時から一緒だったからな。しかし確実にお前達にも力を与えている。そしてエリアスが敵だと判断した者達には、エリアスの魔力は流れていない」
エリアスが居れば、アリアスの力があれば負けることはないだろう。しかしもしその力がなければ、いくらヱン様、と魔獣達、私達が力を合わせても勝てるかどうか。ここを落とされ、奴らの糧になってしまえば、奴らを止めるもの何もなくなり、後はどんどん侵略されていくだけ。
「仮に今エリアスを達を逃がしても、我らが負ければ、いつかはエリアス達が逃げた場所へ奴らが。そうなればエリアス達も命を落とすことになるだろう。そうならないためにも、エリアスにはここに残ってもらい、我々に力を貸してもらいたい」
今ここでエリアス達を私達の家に避難させる。しかしそのせいでヱン様達がエリアスから力を貰えず万が一に蒔けてしまえば、結局エリアス達は。
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