46 / 72
44エリアスの魔力
しおりを挟む
「ヱン様はエリアスの力が必要だと」
「お前達に初めて会ったときに話したであろう。エリアスは特別だと」
あの日、初めてヱン様が我々の前に詩型を現した時のことを思いだす。そしてその時の話も。確かにあの時ヱン様はエリアスが特別だと。だがそれと今回のことと何か関係が?
「今回のやつらの襲撃、我だけでは止められない、それは理解したな?」
「はい」
今回のオーク達の襲撃。ヱン様が住んでいた森から、私達の所へ来たことで、奴らは今がチャンスだと思い行動に出たのではと。奴らはヱン様が死んだか、何処かえ移動し、もう自分達の邪魔をする存在は居ないと、今まで静かに、だが確実に力を溜めて来た物をここですべて出してきた。
そして動いたのはオーク達だけではなかった。トロルたちも動き出したのだが、それはオーク達が動きだしたからなのか、それともやはりヱン様が居なくなったのに気づき動いたのか、それは分からないが、トロルたちも動き始めた。
「普段であれば、われ1人で奴らなど簡単にたおせるのだがな。奴らめ、我にも分からない力を手に入れたらしい」
これからまた調べに行くがと続けるヱン様。最初ヱン様が奴らを確認したときに、それに気づいたそうだ。何か分からない力が奴らに力を与えていると。そしてその力は、オーク達を追いかけて来たトロルたちの方にまで、影響を及ぼしているらしい。
「あの力、我が攻撃しても、いつものように奴らを消すことはできない。まぁ半分はなんとかなるだろうが、その半分を消している間に、他のやつらがこちら攻撃してくるだろう。そうなれば我でもここを守れるかどうか」
そこで力を借りたのが逃げて来た魔獣達だった。魔獣たちもヱン様が戦うならと、このままではすべてが奴らの手に落ちてしまうと、一緒に戦う事を了承してくれた。
「勿論、我が魔獣達には私の特別な結界を張る。そう簡単には破られない結界だ。簡単にやられることはない。もちろんその結界はこの城、街にも張るが。その結界を張り、奴らに攻撃するとなるとな…」
いったんそこで言葉を切るヱン様。グロリアを一瞬見た後、すぐに話を再開する。
「我が結界を張り、奴らを攻撃するには、エリアスの力が必要になる」
は? 何故そこでエリアスが出てくる? 思わず聞き返してしまった。
「エリアスは特別だと言っただろう。エリアスの魔力は我らに力を与えてくれるのだ。ここに居る人間達すべてを合わせても、いやこの世界のすべての人間達のすべてを合わせても、エリアスのあの輝くような魔力には遠く及ばない」
確かにこの前そのような事は言っていたが、そこまでとは聞いていなかった。エリアスの魔力が、すべての人間の魔力を合わせても及ばないだと。部屋にいた全員が驚きの表情を見せている。
「お前達には分からんだろうが、今でも我々はエリアスから力を分けてもらっているのだ。それは戦いの準備が整うまで、そしてその後も続けてな。エリアスは気づいておらんが」
「それは…エリアスはそんなことをして、大丈夫なのですか。魔力を分け与えるなど、いつか倒れてしまうのでは、いや、命の危険も」
「このくらいで倒れるような魔力量ではない」
だからこの戦いにはエリアスが必要だと。ヱン様達がオーク達と戦い、得体のしれない力に勝ためにも、ヱン様達の力が劣らないためにエリアスに魔力を与え続けてもらわなければいけないらしい。
エリアスは自分に好意的な者達に対して、無意識に魔力を流しているらしい。それはヱン様たちだけではなく、私達もらしい。
「お前達は気づいていなかっただけだ。エリアスが生まれた時から一緒だったからな。しかし確実にお前達にも力を与えている。そしてエリアスが敵だと判断した者達には、エリアスの魔力は流れていない」
エリアスが居れば、アリアスの力があれば負けることはないだろう。しかしもしその力がなければ、いくらヱン様、と魔獣達、私達が力を合わせても勝てるかどうか。ここを落とされ、奴らの糧になってしまえば、奴らを止めるもの何もなくなり、後はどんどん侵略されていくだけ。
「仮に今エリアスを達を逃がしても、我らが負ければ、いつかはエリアス達が逃げた場所へ奴らが。そうなればエリアス達も命を落とすことになるだろう。そうならないためにも、エリアスにはここに残ってもらい、我々に力を貸してもらいたい」
今ここでエリアス達を私達の家に避難させる。しかしそのせいでヱン様達がエリアスから力を貰えず万が一に蒔けてしまえば、結局エリアス達は。
「だからグロリアにも言ったのだが、危険だがエリアスにはここに残ってもらいたいのだ。もちろんエリアス達には何重にも結界を張り守る。お前達の心配は分かるが、今1番可能性のある戦いはこれなのだ」
部屋の中が静まり帰った。
*********
「あっ、とうさま! おしごとおやすみ?」
僕はお部屋に入ってきたとう様に抱きついたよ。そしたらとう様は僕の頭をたくさんなでなでしてくれて。でも…。
「とうさま?」
とう様笑ってるんだけど、ちょっと心配なお顔してました。
「お前達に初めて会ったときに話したであろう。エリアスは特別だと」
あの日、初めてヱン様が我々の前に詩型を現した時のことを思いだす。そしてその時の話も。確かにあの時ヱン様はエリアスが特別だと。だがそれと今回のことと何か関係が?
「今回のやつらの襲撃、我だけでは止められない、それは理解したな?」
「はい」
今回のオーク達の襲撃。ヱン様が住んでいた森から、私達の所へ来たことで、奴らは今がチャンスだと思い行動に出たのではと。奴らはヱン様が死んだか、何処かえ移動し、もう自分達の邪魔をする存在は居ないと、今まで静かに、だが確実に力を溜めて来た物をここですべて出してきた。
そして動いたのはオーク達だけではなかった。トロルたちも動き出したのだが、それはオーク達が動きだしたからなのか、それともやはりヱン様が居なくなったのに気づき動いたのか、それは分からないが、トロルたちも動き始めた。
「普段であれば、われ1人で奴らなど簡単にたおせるのだがな。奴らめ、我にも分からない力を手に入れたらしい」
これからまた調べに行くがと続けるヱン様。最初ヱン様が奴らを確認したときに、それに気づいたそうだ。何か分からない力が奴らに力を与えていると。そしてその力は、オーク達を追いかけて来たトロルたちの方にまで、影響を及ぼしているらしい。
「あの力、我が攻撃しても、いつものように奴らを消すことはできない。まぁ半分はなんとかなるだろうが、その半分を消している間に、他のやつらがこちら攻撃してくるだろう。そうなれば我でもここを守れるかどうか」
そこで力を借りたのが逃げて来た魔獣達だった。魔獣たちもヱン様が戦うならと、このままではすべてが奴らの手に落ちてしまうと、一緒に戦う事を了承してくれた。
「勿論、我が魔獣達には私の特別な結界を張る。そう簡単には破られない結界だ。簡単にやられることはない。もちろんその結界はこの城、街にも張るが。その結界を張り、奴らに攻撃するとなるとな…」
いったんそこで言葉を切るヱン様。グロリアを一瞬見た後、すぐに話を再開する。
「我が結界を張り、奴らを攻撃するには、エリアスの力が必要になる」
は? 何故そこでエリアスが出てくる? 思わず聞き返してしまった。
「エリアスは特別だと言っただろう。エリアスの魔力は我らに力を与えてくれるのだ。ここに居る人間達すべてを合わせても、いやこの世界のすべての人間達のすべてを合わせても、エリアスのあの輝くような魔力には遠く及ばない」
確かにこの前そのような事は言っていたが、そこまでとは聞いていなかった。エリアスの魔力が、すべての人間の魔力を合わせても及ばないだと。部屋にいた全員が驚きの表情を見せている。
「お前達には分からんだろうが、今でも我々はエリアスから力を分けてもらっているのだ。それは戦いの準備が整うまで、そしてその後も続けてな。エリアスは気づいておらんが」
「それは…エリアスはそんなことをして、大丈夫なのですか。魔力を分け与えるなど、いつか倒れてしまうのでは、いや、命の危険も」
「このくらいで倒れるような魔力量ではない」
だからこの戦いにはエリアスが必要だと。ヱン様達がオーク達と戦い、得体のしれない力に勝ためにも、ヱン様達の力が劣らないためにエリアスに魔力を与え続けてもらわなければいけないらしい。
エリアスは自分に好意的な者達に対して、無意識に魔力を流しているらしい。それはヱン様たちだけではなく、私達もらしい。
「お前達は気づいていなかっただけだ。エリアスが生まれた時から一緒だったからな。しかし確実にお前達にも力を与えている。そしてエリアスが敵だと判断した者達には、エリアスの魔力は流れていない」
エリアスが居れば、アリアスの力があれば負けることはないだろう。しかしもしその力がなければ、いくらヱン様、と魔獣達、私達が力を合わせても勝てるかどうか。ここを落とされ、奴らの糧になってしまえば、奴らを止めるもの何もなくなり、後はどんどん侵略されていくだけ。
「仮に今エリアスを達を逃がしても、我らが負ければ、いつかはエリアス達が逃げた場所へ奴らが。そうなればエリアス達も命を落とすことになるだろう。そうならないためにも、エリアスにはここに残ってもらい、我々に力を貸してもらいたい」
今ここでエリアス達を私達の家に避難させる。しかしそのせいでヱン様達がエリアスから力を貰えず万が一に蒔けてしまえば、結局エリアス達は。
「だからグロリアにも言ったのだが、危険だがエリアスにはここに残ってもらいたいのだ。もちろんエリアス達には何重にも結界を張り守る。お前達の心配は分かるが、今1番可能性のある戦いはこれなのだ」
部屋の中が静まり帰った。
*********
「あっ、とうさま! おしごとおやすみ?」
僕はお部屋に入ってきたとう様に抱きついたよ。そしたらとう様は僕の頭をたくさんなでなでしてくれて。でも…。
「とうさま?」
とう様笑ってるんだけど、ちょっと心配なお顔してました。
24
お気に入りに追加
1,605
あなたにおすすめの小説

元捨て子の新米王子様、今日もお仕事頑張ります!
藤なごみ
ファンタジー
簡易説明
転生前も転生後も捨て子として育てられた少年が、大きく成長する物語です
詳細説明
生まれた直後に病院に遺棄されるという運命を背負った少年は、様々な境遇の子どもが集まった孤児院で成長していった。
そして孤児院を退寮後に働いていたのだが、本人が気が付かないうちに就寝中に病気で亡くなってしまいす。
そして再び少年が目を覚ますと、前世の記憶を持ったまま全く別の世界で新たな生を受ける事に。
しかし、ここでも再び少年は生後直ぐに遺棄される運命を辿って行く事になります。
赤ん坊となった少年は、果たして家族と再会する事が出来るのか。
色々な視点が出てきて読みにくいと思いますがご了承ください。
家族の絆、血のつながりのある絆、血のつながらない絆とかを書いて行く予定です。
※小説家になろう様でも投稿しております

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!
ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません?
せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」
不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。
実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。
あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね?
なのに周りの反応は正反対!
なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。
勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?
簡単に聖女に魅了されるような男は、捨てて差し上げます。~植物魔法でスローライフを満喫する~
Ria★発売中『簡単に聖女に魅了〜』
ファンタジー
ifルート投稿中!作品一覧から覗きに来てね♪
第15回ファンタジー小説大賞 奨励賞&投票4位 ありがとうございます♪
◇ ◇ ◇
婚約者、護衛騎士・・・周りにいる男性達が聖女に惹かれて行く・・・私よりも聖女が大切ならもう要らない。
【一章】婚約者編
【二章】幼馴染の護衛騎士編
【閑話】お兄様視点
【三章】第二王子殿下編
【閑話】聖女視点(ざまぁ展開)
【四章】森でスローライフ
【閑話】彼らの今
【五章】ヒーロー考え中←決定(ご協力ありがとうございます!)
主人公が新しい生活を始めるのは四章からです。
スローライフな内容がすぐ読みたい人は四章から読むのをおすすめします。
スローライフの相棒は、もふもふ。
各男性陣の視点は、適宜飛ばしてくださいね。
◇ ◇ ◇
【あらすじ】
平民の娘が、聖属性魔法に目覚めた。聖女として教会に預けられることになった。
聖女は平民にしては珍しい淡い桃色の瞳と髪をしていた。
主人公のメルティアナは、聖女と友人になる。
そして、聖女の面倒を見ている第二王子殿下と聖女とメルティアナの婚約者であるルシアンと共に、昼食を取る様になる。
良好だった関係は、徐々に崩れていく。
婚約者を蔑ろにする男も、護衛対象より聖女を優先する護衛騎士も要らない。
自分の身は自分で守れるわ。
主人公の伯爵令嬢が、男達に別れを告げて、好きに生きるお話。
※ちょっと男性陣が可哀想かも
※設定ふんわり
※ご都合主義
※独自設定あり

誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?
伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します
小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。
そして、田舎の町から王都へ向かいます
登場人物の名前と色
グラン デディーリエ(義母の名字)
8才
若草色の髪 ブルーグリーンの目
アルフ 実父
アダマス 母
エンジュ ミライト
13才 グランの義理姉
桃色の髪 ブルーの瞳
ユーディア ミライト
17才 グランの義理姉
濃い赤紫の髪 ブルーの瞳
コンティ ミライト
7才 グランの義理の弟
フォンシル コンドーラル ベージュ
11才皇太子
ピーター サイマルト
近衛兵 皇太子付き
アダマゼイン 魔王
目が透明
ガーゼル 魔王の側近 女の子
ジャスパー
フロー 食堂宿の人
宝石の名前関係をもじってます。
色とかもあわせて。

【完結】政略結婚をしたらいきなり子持ちになりました。義娘が私たち夫婦をニヤニヤしながら観察してきます。
水都 ミナト
恋愛
私たち夫婦は祖父同士が決めた政略結婚だ。
実際に会えたのは王都でのデビュタントだけで、それ以外は手紙で長らく交流を重ねてきた。
そんなほぼ初対面にも等しき私たちが結婚して0日目。私たちに娘ができた。
事故で両親を亡くした遠い親戚の子を引き取ることになったのだ。
夫婦としてだけでなく、家族としてもお互いのことを知っていかねば……と思っていたら、何やら義娘の様子がおかしくて――?
「推しカプ最高」って、なんのこと?
★情緒おかしめの転生幼女が推しカプ(両親)のバッドエンド回避のため奔走するハイテンション推し活コメディです
★短編版からパワーアップしてお届け。第一話から加筆しているので、短編版をすでにご覧の方も第一話よりお楽しみいただけます!
髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜
あめ
ファンタジー
髪の色がとてもカラフルな世界。
そんな世界に唯一現れた白髪の少年。
その少年とは神様に転生させられた日本人だった。
その少年が“髪の色=愛の証”とされる世界で愛を知らぬ者として、可愛がられ愛される話。
⚠第1章の主人公は、2歳なのでめっちゃ拙い発音です。滑舌死んでます。
⚠愛されるだけではなく、ちょっと可哀想なお話もあります。

転生することになりました。~神様が色々教えてくれます~
柴ちゃん
ファンタジー
突然、神様に転生する?と、聞かれた私が異世界でほのぼのすごす予定だった物語。
想像と、違ったんだけど?神様!
寿命で亡くなった長島深雪は、神様のサーヤにより、異世界に行く事になった。
神様がくれた、フェンリルのスズナとともに、異世界で妖精と契約をしたり、王子に保護されたりしています。そんななか、誘拐されるなどの危険があったりもしますが、大変なことも多いなか学校にも行き始めました❗
もふもふキュートな仲間も増え、毎日楽しく過ごしてます。
とにかくのんびりほのぼのを目指して頑張ります❗
いくぞ、「【【オー❗】】」
誤字脱字がある場合は教えてもらえるとありがたいです。
「~紹介」は、更新中ですので、たまに確認してみてください。
コメントをくれた方にはお返事します。
こんな内容をいれて欲しいなどのコメントでもOKです。
2日に1回更新しています。(予定によって変更あり)
小説家になろうの方にもこの作品を投稿しています。進みはこちらの方がはやめです。
少しでも良いと思ってくださった方、エールよろしくお願いします。_(._.)_

野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる