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21全部お花畑になりました

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『みんな行くよ!』

『『『おう!!』』』

 ドラゴンさん達がみんな、ガウガウ何か言ってます。そしたら1匹のドラゴンさんがポワッて光り始めました。そのあとどんどん他のドラゴンさん達も光り始めます。ドラゴンさん達光っててカッコいい! 

 僕達の側にいるドラゴンさん達が全員光ったら、今度は地面が光り始めました。お花の咲いてた所全部、う~ん、それだけじゃなくてとうさま達の周りも、王様じぃじの周りも、ドラゴンおじさん達の周りも全部です。

「なにしてるのかなぁ?」

『地面に魔力流してるみたい』

 お父さんの近くにいたルーファスが僕達の所に走って来て、僕達が動いちゃうとお邪魔になっちゃうから動くなって。だから僕達はみんなで集まって、ぴたっです。
 どんどんドラゴンさん達が強く光って、地面もどんどん光ります。
 
 そしたら僕のお隣にある、さっきお花を取っちゃった茎の上に丸い白い光りができて、その光がなくなったら、またお花が咲いてました。
 そのお花が咲いたら、その周りの茎にもポンポンポンってお花が咲き始めました。
 茎ばっかりじゃなくて、新しい茎も生えてきて、それにもお花が咲いていきます。

 少ししてドラゴンさんも地面もお花も、全部光が消えました。

「ふわわ! すごいねぇ」

『ぷゆゆゆん!』

『お花が元に戻っちゃった!』

『ギャウギャ!』

『うん! さっきよりも多いね!』

 練習場にたくさんお花が咲きました。さっきは僕達がいた所だけだったけど、今は練習場全部にお花が咲いてます。
 
 ドラゴンおじさんが拍手しながら僕達の所に来ました。

『ふむさすがだな。エリアスにムー達、ドラゴン達はお前達のために花を咲かせてくれたのだぞ』

 そっかぁ、じゃあみんなでありがとうしなくちゃ。僕達みんなドラゴンさんの前に並んでありがとうします。
 
 ドラゴンおじさんは僕達の後ろでふらふら。とう様達はビックリのお顔で、王様じぃじも騎士さんもみんなおんなじです。こんなにお花いっぱい、とう様達もお花食べられるよ。

『エリアスは皆で食べたいのか?』
 
 だってみんなで食べた方が楽しいでしょう? 僕はみんなで食べるご飯大好きです。僕がそう言ったらドラゴンおじさんがウンウンってしました。

『そうか。エリアスはそうだったな。どれ、ドラゴン達がこれだけの事をエリアス達にしてくれたのだ。仕上げは我がするとしよう』

 今度はドラゴンおじさんが光り始めます。そしたらルーファスがもう1回動くなって言って、今度はまたとう様達の方に慌てて走って行きます。それでルーファスがお父さんに何かお話して、とう様はビックリなお顔やめて、慌てて王様じぃじに何かお話してます。

 ドラゴンおじさんが光ってすぐ、さっきよりも強く地面が光り始めました。今度は練習場だけじゃなくて、他の所も光ってます。柵のお外とか。
 それからドラゴンおじさんのお手々に光りが集まって、それをおじさんがお空に投げました。

 とっても高く光りの玉が上がって、でも急にピタって止まって、ぱぁ~んっ!! 光りの玉がパチパチ棒みたいにパチパチして、それでパチパチが雨みたいに降ってきます。キラキラでとっても綺麗だよ。

「わぁ! きれいねぇ」

『エリアス見て! キラキラが落ちたとこ、全部お花が咲いてるよ!』

「ふわ!? ぜんぶ!?」

 周りを見たら柵のお外にも、向こうの小屋の所も、僕達が馬車に乗ってきた道の横も、全部お花が咲いてます。お花畑になっちゃったの。
 これドラゴンおじさんさんがやったの? 魔法? すごい凄い! 光らなくなったおじさんの所に行って、みんなで拍手します。近くにいたドラゴンさん達も、おしっぽバタバタ、足をだんだん、お手々を叩いてます。

 僕達が拍手してたら、騎士さんが乗ったお馬さんが走って来ました。騎士さんはお馬さんから降りて、急いでレイトンおじさんの所に走って行きます。その騎士さんが来てから、他にもたくさん騎士さんがお馬さんに乗って来たり、走って来たりして、王様じぃじとレイトンおじさんの周りに集まりました。
 最初の騎士さんも他の人達もとっても慌ててます。どうしたのかな?

「陛下大変です! 急に花が!」

「こちらもです!」

「ああこれは…」

 王様じぃじもレントンおじさんも、みんな困ったお顔してるよ。

 チラッて最初の騎士さんが僕達の方見て、今度はビックリしたお顔に変わって、また慌ててバッてお辞儀しました。それ見て他の人達も騎士さん見て、僕達の方見て、それからビックリしてお辞儀したの。
 慌ててビックリしてお辞儀して、みんなとっても忙しいです。どうしたの? 
 
 レントンおじさんが騎士さん達とお話しするって言って、今来た騎士さん達みんな連れて、お城に帰っていっちゃいました。騎士さん達は帰る時も僕達の方見てぺこぺこお辞儀します。変なのぉ。
 
 騎士さん達がいなくなって、かあ様がドラゴンおじさんの所に歩いて来て。僕もぷるちゃん達も急いで逃げる準備です。
 かあ様のお顔、とっても怒ってる時のお顔してます。少しじゃなくてとっても。僕のこと怒ってるの?

「エン様!」

「な、何だ!?」

 良かったぁ。かあ様は僕じゃなくてドラゴンおじさんのこと怒ってるみたい。でも僕達じゃないけど逃げなくちゃ! 

「ドラゴンさん、にげて!」

 近くにいたドラゴンさん達に逃げてって言います。だってドラゴンさん達、かあ様が怒ってる時怖いの知らないもんね。ちゃんと教えてあげなくちゃ。

『ガウガウ?』

『ガウガ?』

『うん! 逃げて! かあ様怒ってるの。エン様のこと怒ってるの』

『ガウガウガ』

『怒ってるととっても怖いんだよ! だから早く逃げて!』

『ぷゆゆゆん!』

『ガウガァ』

『エン様は大丈夫だから、みんなは逃げるの!』

 ウルちゃん達がドラゴンさん達とお話してくれて、ドラゴンさん達が逃げ始めました。ドタドタ走ったり、バッてお空に飛んだり、周りがとっても煩くなって、ドラゴン騎士さん達が慌てて叫んでます。

「おい、どうしたんだ!」

「戻って来い!」

 コステロにぃにのドラゴンさんガルダーが、僕のお洋服咥えて、ぽんって僕のこと投げて、僕はガルダーの背中に乗りました。ぷるちゃん達も背中に乗って、王様じぃじのドラゴンさんは、にぃに達をぽんって投げて背中に乗っけて、かあ様達から離れてくれます。ありがとう!

 ドラゴンさん達は、かあ様とドラゴンおじさんから1番離れた場所に集まりました。それからドラゴン騎士さん達が走って来て、何で急に暴れたんだってドラゴンさん達のこと怒ります。暴れてないよね。みんな逃げただけだもん。
 
 僕がお話しようとしたら、ラッセルにぃにが僕はお話しちゃダメって言いました。僕のお話、みんな分かんないかもしれないからって。何で? 僕ちゃんとお話しできるよ。もう!

 にぃにが騎士さん達にお話してる時、かあ様の大きなお声が聞こえました。

「エン様! 何をなさっているのですか!」

 ドラゴン騎士さん達がかあ様達の方見ます。それからああって言いました。
 それからいつの間にかとう様達もかあ様達の所に行ってて、とう様も怒ったお顔してます。
 コステロにぃにが、みんなで騎士さんのお家に入って待ってようって言いました。ドラゴンさん達も1度お家に帰ります。

 僕本当はすぐにドラゴンさん達と遊びたいけど、かあ様怒ってるもんね。後でかあ様が怒るの終わったら遊んでも良いかなぁ? コステロにぃにに聞いたら、多分遊べるから大丈夫だって。
 ドラゴン騎士さんが5人だけお外に残って、他の騎士さんと僕達、それからドラゴンさん達がお家に入ります。ドラゴンさん、また後でね!

 ドラゴン騎士さん達のお家の中、入ってすぐのところは靴とか手袋とか、いろんな物がごちゃごちゃ。それから泥もいっぱいです。

「シェーラがおこるねぇ」

 シェーラは泥で汚れてるのが1番嫌いです。シェーラは今、かあ様達がたくさん出しちゃったお洋服をお片付けしてます。だから一緒にここに来ませんでした。

 でも玄関は汚かったけど、お部屋の中は綺麗でした。僕達が入ったお部屋は、みんながご飯食べるお部屋です。ここでかあ様達待ちます。

「おう、珍しい客が来たな」

 急にお声がしたからビックリ。僕ビクッてなっちゃったよ。ぷるちゃん達もビクッてなりました。
 お部屋の奥の方、大きな台みたいなのがあって、その向こう側に大きなおじさんが立ってました。
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