エリアスとドラゴンともふもふは、今日も元気に遊んでいます!?

ありぽん☆書籍発売中

文字の大きさ
上 下
14 / 72

12か浅間のぬいぐるみと土砂崩れ

しおりを挟む
 お城までは8日くらいでいつもつくの。ちょっと小さい街でお泊まりしたり、大きな街でお泊まりしたり。お泊りする街に早く着くと、とう様もかあ様も、お店に連れて行ってくれます。

 でも僕達が煩くしたり、馬車を動かしてくれてる人のお邪魔しちゃうと早く着かなくて、遊べなくなっちゃうの。だから馬車の中にいるときは、静かにみんなで遊びます。かあ様が足の所にカバーとクッションを置いてくれて、僕はそこに座って遊べるんだ。ぷるちゃんもウルちゃんもクッション持ってます。

 この前かあ様は、いつもクッションとか、ベッドのお布団とか作ってくれるセイルおじさんに、ムーちゃんのクッションを作ってってお願いしてくれました。お出かけする前の日に、そのクッションをおじさんが持ってきてくれて、ムーちゃんとっても喜んでおしっぽブンブン振って、さあ様の大切な花瓶割っちゃっいました。
 ムーちゃん逃げたけど、すぐにかあ様がムーちゃん捕まえて、たくさん怒られちゃったんだ。

 ムーちゃんのクッションは青色で、真ん中にムーちゃんとおんなじお月様の模様が描いてあります。ぷるちゃんのは水色でスライムさんの絵が描いてあって、うるちゃんは白色でウルちゃんの絵が描いてあります。
 
 僕のはねぇ、僕のクッションも新しく作ってもらったんだ。色は黄色で、ぷるちゃん、ウルちゃん、ムーちゃんの絵が全部描いてあるクッションなです。えへへ、良いでしょう。

 今日は馬車に乗って4回街でお泊まりしたから、あと半分でお城まで着きます。でもね。

「それにしても今日は珍しく他に人が居ないな。馬車もいない」

「そうね。誰も居ないなんて珍しいわね。でもそれよりも、さぁエリアスちゃん、ちょっとお片付けしましょうか。もうすぐ山の道に入るから、お片付けしてお椅子にちゃんと座りましょうね」

 大きなお山が1つあって、ちょっと道がガタガタです。前にお城に行った時お山の道でおままごとしてたら、みんなでゴロゴロ、おままごとのお道具もゴロゴロ転がっちゃったんだ。だからお山の道はちゃんとお椅子に座って、ゴロゴロしないようにします。

 でもずっとお山の道。僕つまんない。ぷるちゃんもウルちゃんもおんなじ。ムーちゃんは…多分つまんなくなるよ。
 
「エリアスちゃん大丈夫よ。街までかあ様が良いもの見せてあげるわ」

 かあ様がそう言って、かあ様の横に置いてあった鞄の中をガサゴソします。鞄から出したのは、うさぎさんのぬいぐるみと、リスさんのぬいぐるみ、それから小さい木の実のぬいぐるみでした。

 でもうさぎさんとリスさんはちょっと変なの。お体のところがぺっしゃんこです。僕のうさぎさんのぬいぐるみはワタがいっぱい。
 僕達じぃーて、ぬいぐるみさん見ます。かあ様が鞄をまた横に置いて、急にぬいぐるみさんのお体の中にお手々を入れました。そしたらぺしゃんこで、だらんってしてたぬいぐるみさんのお体が膨らんで、それからお手々もぴんってなったの。

「こんにちわ、僕はうさぎのうさです。俺はリスのリッツだぞ」

 かあ様がお話すると、うさ君とリッツ君がお手々動かしたり、お顔が動いたり。面白い!
 僕達座ってたけど、かあ様に駆け寄っちゃいました。だって動くぬいぐるみ初めて見たんだもん。僕の大切なうさぎさんのぬいぐるみは大好きだけど、このぬいぐるみさんも好き!

「かあさま! かあさまがうごかしてるの!?」

「そうよ。今からかあ様がこの子達を動かして、お話してあげるわ。さぁちゃんと座って、そうしないとお話してあげないわよ」

 そう言われて、慌ててお椅子に戻ります。
 かあ様はお山を走ってる間、ずっとうさ君とリッツ君を動かしてお話してくれました。うさ君達、お手々で木の実のぬいぐるみも持てるんだよ。凄いねぇ。

 どんどん馬車はお山を登っていって、僕お話聞いてたら眠くなってきちゃいました。かあ様がお昼寝してからまたうさ君達のお話してくれるって。だからとう様に抱っこしてもらって、みんなも僕の周りに集まって、こっくりこっくり。

 ガタタンッ!!!

 寝てたら突然馬車が大きな音がして、ガタガタって凄く揺れました。とう様がぎゅうって僕のこと抱きしめます。僕お目々擦りながらお顔上げます。

「とうさま、なぁに?」

「なんだろうな? 良いかエリアス、大人しくしているんだぞ」

「ヴィック様!!」

「どうした!!」

 コステロにぃにのお声です。

「崖崩れです。それも大規模の!」

「今見に行く! 良いかエリアス、それにプル達も。本当に大人しくしているんだぞ。父様は少し外に出てくるからな」

 とう様がガタンってドア開けてお外に出て行きます。

「かあさま、がけくずれなぁに?」

「そうね。エリアスちゃんはお庭でお山作ったりするでしょう。でも作ってる時に、お山が崩れちゃう時があるわね? それがこのお山でも起こったのよ。お山がねくすれちゃったの」

 そっか。僕ねお家のお庭で泥のお団子作るの好き。お山作るの大好きなの。でも大きなお山作ってると、たまにお山がぐしゃって崩れちゃって、また作らないといけません。それとおんなじだって。

 ガタンッ。とう様が馬車に戻ってきました。

「あなたどう?」

「かなり酷い崖崩れだ。道が完全に埋まってしまっている。ドラゴン達がいるし、私達だけよりは早く何とかできるだろうが。それでもかなりの時間がかかるかもしれない」

「そう、じゃあ私も魔法で手伝うわ。エリアス達の事はラッセル達に…」

 かあ様がお話してたら、ドラゴンおじさんがとう様の後ろからお顔出しました。それで僕達についてこいって。僕のこと抱っこして馬車から下ろして歩き始めます。
 とう様が慌てて、僕達をお外に出すなって、ドラゴンおじさんに怒鳴りました。

「お前達に面白いものを見せてやる。それにそれをすれば、さっさと進む事ができるぞ」

 面白いもの? 何だろう?

「本当だったら我が飛んで連れていった方が早いが、お前達が目立つなと言うし、確かに目立てば、ムーに余計な者達が近づいてくるかもしれんからな。まぁ、我らの事を発表した時点で目立ってはいるが」

 コステロにぃにの所に着いたら、道の所が木や石や土でいっぱい。大きな岩もあって、道がなくなっちゃってました。

「よし、お前達はここで座って見ていろ。お前達もそこを退け」

 面白いもの見れるんでしょう? 僕達ちゃんと座るよ。僕の隣にぷるちゃん達もちゃんと座りました。
 ドラゴンおじさんが土砂崩れの所からみんなを離します。ガルダーとアロンにも離れろって言いました。ガルダー達が片付けてくれたところは、他の場所よりも道が見えてます。

「ふむ、変身を解かなくともいけるか?」

 ドラゴンおじさんが土砂崩れの前に立って、右のお手々をあげました。どんどん手の掌の上に白い光が集まります。僕の後ろにいたとう様が僕の頭ぽんてしました。振り返ったらとう様変なお顔してます。

「嫌な予感がするのは私だけか?」

「あらあなたも? 私もちょっと嫌な予感がするわ」

 とう様達どうしたのかな? ドラゴンおじさん面白い事って言ってたよ。僕楽しみなの。

 どんどん集まった白い光は、僕よりも大きくなっちゃいました。それでドラゴンおじさんがウンウン頷いて、もう良いかって言ったの。

「エリアス、皆も一応耳を塞いでおけ」

 耳を塞ぐ? かあ様がほらって、お耳にお手々つけてます。僕は真似してお耳塞いで、うるちゃんもムーちゃんもお耳塞ぎました。ぷるちゃんも。ぷるちゃんお耳どこにあるの? そこはお体じゃない?

 みんながお耳塞いだの見て、ドラゴンおじさんが頷いて、でももうちょっとだけって言って、白い光がちょっとだけ大きくなりました。

「よし、こちらの方向で良いな」

 ドラゴンおじさんが白い光を土砂崩れの所に投げました。

 ダガアァァァァァン!!!!!!

 お耳塞いでたのに、とっても大きな音です。それからとっても強い風が吹きました。僕達座ってたけど、どんどんお体が後ろに行っちゃって、

「お、おおおおお!?」

「エリアス!!」

 転がりそうになっちゃった僕達を、とう様やかあ様、ライオネルが抑えてくれます。

「とうさまぁ!」

「そのまま耳を塞いでいなさい!」

 なかなか風が止まりません。ドラゴンおじさんがぶつけた白い光は、最初は土砂崩れした所で止まってたけど、急にビュンッて進みます。そしてどこかに飛んで行っちゃいました。 
しおりを挟む
感想 72

あなたにおすすめの小説

寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。

にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。 父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。 恋に浮かれて、剣を捨た。 コールと結婚をして初夜を迎えた。 リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。 ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。 結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。 混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。 もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと…… お読みいただき、ありがとうございます。 エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。 それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。

悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。

向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。 それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない! しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。 ……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。 魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。 木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

落ちこぼれ公爵令息の真実

三木谷夜宵
ファンタジー
ファレンハート公爵の次男セシルは、婚約者である王女ジェニエットから婚約破棄を言い渡される。その隣には兄であるブレイデンの姿があった。セシルは身に覚えのない容疑で断罪され、魔物が頻繁に現れるという辺境に送られてしまう。辺境の騎士団の下働きとして物資の輸送を担っていたセシルだったが、ある日拠点の一つが魔物に襲われ、多数の怪我人が出てしまう。物資が足らず、騎士たちの応急処置ができない状態に陥り、セシルは祈ることしかできなかった。しかし、そのとき奇跡が起きて──。 設定はわりとガバガバだけど、楽しんでもらえると嬉しいです。 投稿している他の作品との関連はありません。 カクヨムにも公開しています。

聖女なのに婚約破棄した上に辺境へ追放? ショックで前世を思い出し、魔法で電化製品を再現出来るようになって快適なので、もう戻りません。

向原 行人
ファンタジー
土の聖女と呼ばれる土魔法を極めた私、セシリアは婚約者である第二王子から婚約破棄を言い渡された上に、王宮を追放されて辺境の地へ飛ばされてしまった。 とりあえず、辺境の地でも何とか生きていくしかないと思った物の、着いた先は家どころか人すら居ない場所だった。 こんな所でどうすれば良いのと、ショックで頭が真っ白になった瞬間、突然前世の――日本の某家電量販店の販売員として働いていた記憶が蘇る。 土魔法で家や畑を作り、具現化魔法で家電製品を再現し……あれ? 王宮暮らしより遥かに快適なんですけど! 一方、王宮での私がしていた仕事を出来る者が居ないらしく、戻って来いと言われるけど、モフモフな動物さんたちと一緒に快適で幸せに暮らして居るので、お断りします。 ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~

柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。 家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。 そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。 というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。 けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。 そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。 ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。 それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。 そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。 一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。 これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。 他サイトでも掲載中。

処理中です...