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7おじさんはドラゴンおじさん

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 やっと光が消えてきて、そこにおじさん居ませんでした。でもおじさんの代わりに、大きな大きなドラゴンさんがいました。ムーちゃんとおんなじ色のドラゴンさんです。

「おお~、おおきなドラゴンさん! ん? ドラゴンさん、おじさんふんじゃった?」

 僕とムーちゃん達ドラゴンさんの所に走っていこうとしたら、お父さんが僕のこと押さえました。もう、僕ドラゴンさんの所に行きたいのに。おじさん探さなきゃ。
 捕まってる僕のお洋服をムーちゃんが引っ張ります。

「な~に?」

『ギャウギャウ!!』

『ドラゴンがおじさんだっていってるよ』

「おじさん? ドラゴン?」

 僕じぃ~ってドラゴンさん見ます。ほんとうに? ほんとにおじさん? 僕はお父さんに捕まってるから動けないけど、ぷるちゃん達がドラゴンさんの方に近づいて行って、くんくん匂い嗅ぎます。それからドラゴンさんの周り1周して、大きな足の大きなお爪見て、お滑り台始めました。僕もやりたい!! 
 前に行こうとして、お洋服がお首ギュッてなっちゃった。けほけほっ!

「あなた!? お洋服を離して!」

「あ、ああ、すまない」

 ふぅ、とう様やっと離してくれた。

『何もせん。エリアスこっちに来て皆と滑ると良い」

 あれ? おじさんのお声だ。ほんとうにおじさんドラゴンさんなの? 絵本みたいに変身できるカッコいいドラゴンさん? 
 
 僕ねドラゴンさんの絵本1番大好きです。ぷるちゃんもウルちゃんも。
 絵本のドラゴンさんは僕達みたいな人に変身できて、それから人が大好きです。街に遊びに来てみんなとたくさん遊んでくれるんだよ。
 走ってぷるちゃん達に所に行って、おじさんドラゴンさんに聞いてみます。

「おじさんは、みんなすきぃ? えほんのドラゴンさんはみんながすきなの」

 おじさんドラゴンさんに絵本のお話したら、おじさんは僕のことが好きだって言いました。それからぷるちゃんとウルちゃんも。だからお誕生日の日に遊びに来てくれたんだって。
 そっかぁ。僕好きって言ってもらえてとっても嬉しいです。僕もおじさんドラゴンさん好き、ぷるちゃん達も好きだって。えへへへへ。
 
 うんしょ、うんしょ。お爪に登ろうとしたら、お爪大きくて僕上手に登れません。途中でズルルルルって滑っちゃうの。ぷるちゃん達は上手。僕はダメ…。
 そしたら僕のこと誰かが持ち上げました。僕足がぶらぶらです。

「す、すみません。エリアスを乗せても良いでしょうか? 近づいても?」

 後ろみたら、コステロにぃにが僕のこと持ち上げてました。それからとっても汗かいてて、あとお顔がドキドキのお顔してます。

『良いだろう。エリアスを乗せてやれ』

 コステロにぃにが僕のこと、お爪の1番高い所に乗せてくれました。すぃ~。ぷるちゃんが頭の上に乗っかって、ウルちゃんは僕が抱っこして、一緒にお爪を滑ります。ムーちゃんは隣のお爪をすぃ~。うん面白い! コステロにぃにが何回も乗せてくれたました。

 少しして、今度は王様じぃじが僕達の近くに来て、僕達がいつもドラゴンさんにするご挨拶さつします。

「エンシェントドラゴン様、何か理由がありここまで来られたと。どうかその話をさせて頂きたいにですが」

『勿論だ。しかし本当は今日話をするはずではなかったのだがな。エリアスの頼みを断れんで、ここまで来てしまった。ちょうど良いから、これからの事を話そうと思っていのだ』
 
 ドラゴンおじさんが、おじさんになるからお滑り台終わりだって言いました。え~、もっと遊びたかったのにぃ。
 僕達みんなでブーブー言ったら、お話が終わったらまた遊んで良いって。だから今は終わりにしてくれって。絶対だよ、お約束だからね。

 お滑り台やめて、とう様達の所に戻ったら、ドラゴンおじさんがまた光って、いつものおじさんに戻っちゃったから、僕達ちょっとしょんぼりです。
 これからとう様と王様じぃじ達は、おじさんとお話だから、僕達はお庭で遊んでててかあ様が言いました。

「始めまして、ラッセルです。よろしくお願いします」

「オレはダレルです。よろしくお願いします」

「む~? ギャウギャウ!!」

 にぃに達がムーちゃんに挨拶して、みんなでお花がいっぱい咲いてるお庭の方に行きます。遊びに行く前におじさんが、ムーちゃんは初めて見るものばっかりだから、みんなで教えてくれって。
 教える? にぃにの先生みたいに? うん! 僕先生! いっぱい教えてあげるよ。

 ラッセルにぃにはいつもお家でお勉強してるの。ダレルにぃにはお昼まで。カーライル先生はとっても優しいの。僕にお菓子いつもくれるんだよ。だから僕カーライル先生大好きです。
 ラッセルにぃにもカーライル先生好き。でもダレルにぃには好きだけど嫌い。お菓子くれるけどお部屋でお勉強いっぱいだからだって。よく分かんないね。好きなのに嫌い、どっち?

 お花見に行って、黄色いお花、白いお花って教えてあげます。それから青いお花はお花の所に蜜が入っててとっても美味しいって教えてあげたの。

「エリアス、それじゃダメだよ。ちゃんと花の名前教えてあげないと」

 お名前? 黄色いお花は黄色いお花でしょう? 僕は青いお花摘みながら考えます。考えたけど…まっ、いっか。ムーちゃんにお花の蜜あげなくちゃ。
 青いお花はコップみたいなお花です。だからコップみたいに持ってそのままお口つけて飲むと、お花の蜜が飲めるんだよ。だから僕飲み方を教えてあげます。
 ムーちゃんに青いお花渡して、ムーちゃん上手にお花持ちました。

「おくちつけて、こう」

 コクコク。お花の蜜を飲みます。とっても甘くて、とっても美味しい蜜がお口の中に入ってきました。にぃに達も一緒に飲みます。それをじぃ~ってムーちゃん見てて、まねっこして青いお花を横にしました。

「ありゃぁ」

 ボタボタボタ。ちゃんとお口につけてなかったから、ムーちゃんのお口の周りにお花の蜜がブワッ、ってくっついちゃいました。僕がたまにご飯食べる時になっちゃうのとおんなじ。お母さんがお口の周りにたくさんご飯がついてるって、いつもお顔拭いてくれます。

 ベロッてムーちゃんが自分のお口の周り舐めて綺麗にします。もったいない。お花の蜜が下に落ちちゃった。

「ムーちゃん、こう、こうだよ」

 もう1回教えてあげて、それから新しい青いお花わたしました。最初じぃっとお花見てたムーちゃん。急にポンッてお花を上に投げて、ぱくってそのままお花食べちゃいました。

「ありゃぁ」

「エリアス、ムーちゃんはきっとそうやって食べた方が良いんだ。みんな好きなように食べた方が良いぞ」

 ってダレルにぃにが言いました。ムーちゃんはにっこり笑って、次のお花食べてます。ムーちゃんが好きならそれでいっか。

 ムーちゃんがピンクのお花を摘もうとしました。あっ、それはダメだよ。僕はお花の前に立ってお花守って、ぷるちゃんとウルちゃんがムーちゃんにお話してくれます。このピンクのお花は、かあ様が大好きなお花だから、かあ様に摘んで良いか聞かないととっても怒るの。ムーちゃん怒られるの嫌でしょう? 
 ぷるちゃん達がお話してくれたから、ムーちゃんお手々あげてギャウギャウってお返事です。

『わかったってぇ』

 良かった。かあ様怒るととっても怖いんだよ。

『それから、あれ何ッて』

 ウルちゃんが見た方見たら、お肉焼いてる石でできてる入れ物がありました。あれは石窯っていうんだって。お外でご飯食べる時はあれでお肉とかお野菜とか焼いたり、後は木の枝いっぱい集めて、その上にお鍋置いてお料理作ったりするんだよ。

 使用人さんと料理人さんのリエドが、夜のご飯もここで食べるからって、ずっとお料理してます。リエドのお料理はとっても美味しんだぁ。

 ムーちゃんがまだ焼いてないお肉の塊が置いてる所に行きます。それから指でちょんってお肉触りました。

「そういえばムーちゃんは、お肉はそのまま食べるのかな?」

「そうだよ兄さん。だってドラゴンだもん」

「焼いて味がついてるお肉食べてるところ、見たことないもんな」

 リエドがムーちゃんにご挨拶して、初めましてだから、大きなお肉をムーちゃんにプレゼントしてくれました。
 ムーちゃんお肉貰って、お手々バタバタしてとっても喜んでます。でもすぐに静かになって、リエドが焼いてるお肉や、焼き終わってるお肉をじぃ~って見ました。それからスゥ~って息を吸って。

 ブワアァァァァッ!!

 ムーちゃんのお口から、炎がブワアァァァァッ!! 僕びっくりしちゃいました。ぷるちゃんもウルちゃんもお目々まん丸。にぃに達はお口開けてて、リエドと使用人さんもお口開けてました。
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