エリアスとドラゴンともふもふは、今日も元気に遊んでいます!?

ありぽん

文字の大きさ
上 下
8 / 72

6とう様達にムーちゃんを紹介?

しおりを挟む
 この前のドラゴンの儀式でドラゴン騎士へと選ばれたコステロ。私達はそのコステロの話に盛り上がっていた。

 ドラゴンの儀式とは、国に仕える若者が、国が管理しているドラゴンが生息している谷や山に海、いろいろな場所に行き、そこで出会うドラゴンと心を通わせる事で、騎士の中での最高とされるドラゴン騎士になる。と、いう物だが。
 
 ドラゴンを探しに行ったからといって、ドラゴンが簡単に見つかるわけでも、見つかったからといって必ず心を通わせる事ができるわけでもない。ここ数年、ドラゴン騎士になれる若者はいなかったのだ。
 
 が、そのドラゴン騎士にコステロが選ばれたのだ。久しぶりのドラゴン騎士誕生に国ではパレードも開かれ、かなりの盛り上がりをみせた。まぁ、パレードするのにはもう1つ理由があるのだが。

 コステロは私の親戚の1人息子で、私もお祝いをしたかったのだが、仕事で忙しくその機会を失っていた。やっとお祝いを言える。

「おめでとうコステロ。祝いが遅れた。プレゼントも用意してあるんだが、帰るときに渡そうと。それで、ガルダーだったか? 調子はどうだ?」

「はい。ガルダーもかなり街での生活にも慣れて、仲間のドラゴンとも仲良くやっています」

 どうしてドラゴン騎士が誕生しただけで、国がパレードを開いたか。その理由はドラゴンと心を通わせ契約しただけでは、ドラゴン騎士になれないからだ。そうドラゴンが国のために戦ってくれると、了承を得なければならない。
 ドラゴンは気位が高く、自分の意思をしっかりと持つ生き物。私達が礼を欠けばそれ相応の対応をしてくる。
 
 契約した彼らの中には、戦いを好まないドラゴンも、国や世界など関係なく契約した若者と自由に生きたいというドラゴンなど、とても様々だ。
 だからコステロがロガーの返事を受け、やっとドラゴン騎士の誕生となり、国でパレードが開かれたのだ。

 私達がドラゴン騎士の話に花を咲かせていると突然だった。それまでゆっくりと伏せをしていたルーファスが飛び起き、屋敷の角の方を見て、

「おい、ヴィック、何かが来るぞ!!」

 と、戦闘態勢を取ったのだ。そして異変はケイトルス達もだった。休んでいたケイトルス達も立ち上がり、角の方を見てじっとしている。
 陛下とコステロが声をかければ、

『ゴードン、我々では対抗できない大きな力が来たぞ』

『コステロ、勝手に動くなよ』

 と注意してきた。
 
 その時エリアスの姿が見えない事に気がついた。そうだ、私達が話している間、好きに遊んでいなさいと、プレゼントでも開けていろと言ったのだ。プレゼントの所にも、ケーキの所にも、どこにもエリアスの姿がない。どこだ!?
 グロリアも気づき慌ててエリアスを探しに行こうといたが、ルーファスに止められた。先程言っていた、大きな力と共にエリアスがこちらへ向かっていると。
 
 どういう事だ? エリアスは無事なのか? 一体誰とここへ戻ってこようとしてるんだ?
 ケイトルス達の動くなという言葉と、ルーファスに止められた事で、私達はその場に立っている事しか出来なかった。そして…。

 角から最初に姿を見せたのはエリアスだった。顔はニコニコで頭の上にぷるを乗っけている。
 続いて現れた者に我々は固まってしまった。エリアスくらいのドラゴンがエリアスと手を繋ぎ、そしてドラゴンの上にはウルが乗っかって、4人で歩いてきたのだ。

 ケイトルス達が言っていた大きな力とはあのドラゴンの事か? 私がルーファスを見れば、ルーファスは首を横に振る。違うのか? なら一体、どんな力が来たというのだ。
 
 変な汗をかきながら、エリアス達がこちらに歩いてくるのを見てると、ちょっとしてエリアス達の後ろから、青と黒の洋服を着た人物が現れた。

 剣を抜こうとした瞬間、ケイトルスの声が飛んだ。

『動くな! 剣もしまえ! 良いか何もするな。我々が初めに話す!!』

 私達の姿を確認したエリアスが、急にケーキの方を見て、何故かほっとした表情になり、その後また我々の方を見て、大きく手を振り私達を呼ぶ。

「とうさまぁ! かあさまぁ! おともだちぃ!」

 は?

      *********

 ムーちゃんとお手々繋いで、僕の頭の上にぷるちゃんが乗って、ムーちゃんの頭の上にウルちゃんが乗って、僕達の後ろをおじさんが歩きます。

「えへへ、おともだちうれしいねぇ」

『ギャウギャウ♪』

『ぷるるん!』

『うれしいねぇ』

 お家の角っこを曲がったら、とう様とかあ様、みんながこっち見て立ってました。何でみんなこっち見てるのかな? あっ、ルーファスもケイトルス達も起きてる。ムーちゃんのこと紹介するんだもん。みんな起きてなくちゃ。
 
 僕その時気づきました。ケイトルス達起きてる! 僕のケーキ全部食べてないよね。
 急いでケーキが置いてあるテーブルを見ます。さっきおじさんの所に行った時のまんま、ケーキ減ってませんでした。ふぅ、良かったぁ。

 ケーキが減ってないの見て僕安心です。安心したからまたとう様達の方見ました。良し! ムーちゃんのことご紹介!!

「とうさまぁ! かあさまぁ! おともだちぃ!」

 僕はお手々振りながらとう様達のこと呼びました。ぷるちゃんもウルちゃんも、ムーちゃんもまねっこしてお手々振ります。
 それでね、とう様達変なお顔してるんだよ。びっくりしてるお顔でしょう、困ってるお顔に怖いお顔。いろいろなお顔してます。

 僕達がとう様達の前に着いたら、ケイトルス達が伏せしました。それ見て今度はみんなびっくりしたお顔になりました。あれ? ゲリー達何で剣持ってるの? 剣の練習してたの。もう、何で僕呼んでくれないの! 僕剣の練習見るの大好きなのに。

「けんのれんしゅう、ないしょダメ!」

「え、あ、これは練習ではなく」

 あっ、でも僕ムーちゃんとお友達になってたもんね。うん、今日は許してあげる。

「あのね、あのねぼく、あたらしいおともだち!」

 僕がそう言ったらムーちゃんがまたみんなにお手々振ります。とう様がそっと前に歩いてきて、それから僕とぷるちゃんとウルちゃんだけ、かあ様の方に連れて行きました。それからおじさんに誰だって聞いたの。

「我は国王の友人だ」

 みんなが王様じぃじのこと見ます。王様じぃじはおじさんのこと睨んだまんま。怒ったお顔してるんだよ。どうしたのかな? 王様じぃじお友達でしょう。喧嘩してるの? 僕もにぃに達と喧嘩すると、怒ったお顔からなかなか元に戻らなくなっちゃいます。

「わしはお前など知らんが」

「ふむ。我も今困っている。どうも我が知っている国王はもっと前の国王のようだ。最近顔を出して居なかったからな。我の知っている国王の名はフィリプスだ」

 とう様達またまたびっくりなお顔しました。僕のお隣に立ってたかあ様が教えてくれたよ。フィリプス王様は、ずっとずっと前ね王様で僕もにぃに達も、じぃじ達もまだ生まれてない、むか~しむか~しの王様なんだって。ケイトルスは300歳だけど、ケイトルスも生まれてないの。おじさん、王様じぃじのお友達じゃなかったんだぁ。

「まぁ、そんな事はどうでも良いが、そこのドラゴン2匹。お前達は我が誰だか分かっているな」

『勿論です』

『伝説の貴方様に会えるとは、なんと素晴らしい事か』

「ケイトルスや、この者は一体誰なのだ」

『伝説のドラゴン、エンシェントドラゴン様だ」

 またまたまた、とう様達びっくりなお顔です。エンシェントドラゴン? おじさん人間だよ。
 かあ様僕のお手々繋いでたんだけど離したから、僕達ムーちゃんの所に戻ります。後ろでとう様が僕のこと呼んでたけど、お友達ムーちゃん1人はダメだよ。みんな一緒にいないとね。

 ムーちゃんの所に戻って、おじさんにおじさんは人間だよねって聞きました。
 おじさんニッって笑って、面白い物見せてくれるって。だからムーちゃんと一緒にとう様の所に戻ってなさいって言われました。
 さっきみたいにお手々繋いでとう様の所に戻ります。

 おじさんがもう少しみんなから離れて、ここにいるみんな以外に見られるとダメだからって、さっきの光りでみんなのこと包みました。

「よし良いだろう。エリアス良く見ているのだぞ」

 おじさんの体が光始めました。だんだんとおじさんが光で見えなくなっていって、それから光がどんどん大きくなって、お家の2階の所まで大きくなっちゃったんだ。
しおりを挟む
感想 72

あなたにおすすめの小説

元捨て子の新米王子様、今日もお仕事頑張ります!

藤なごみ
ファンタジー
簡易説明 転生前も転生後も捨て子として育てられた少年が、大きく成長する物語です 詳細説明 生まれた直後に病院に遺棄されるという運命を背負った少年は、様々な境遇の子どもが集まった孤児院で成長していった。 そして孤児院を退寮後に働いていたのだが、本人が気が付かないうちに就寝中に病気で亡くなってしまいす。 そして再び少年が目を覚ますと、前世の記憶を持ったまま全く別の世界で新たな生を受ける事に。 しかし、ここでも再び少年は生後直ぐに遺棄される運命を辿って行く事になります。 赤ん坊となった少年は、果たして家族と再会する事が出来るのか。 色々な視点が出てきて読みにくいと思いますがご了承ください。 家族の絆、血のつながりのある絆、血のつながらない絆とかを書いて行く予定です。 ※小説家になろう様でも投稿しております

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません? せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」 不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。 実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。 あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね? なのに周りの反応は正反対! なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。 勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?

簡単に聖女に魅了されるような男は、捨てて差し上げます。~植物魔法でスローライフを満喫する~

Ria★発売中『簡単に聖女に魅了〜』
ファンタジー
ifルート投稿中!作品一覧から覗きに来てね♪ 第15回ファンタジー小説大賞 奨励賞&投票4位 ありがとうございます♪ ◇ ◇ ◇  婚約者、護衛騎士・・・周りにいる男性達が聖女に惹かれて行く・・・私よりも聖女が大切ならもう要らない。 【一章】婚約者編 【二章】幼馴染の護衛騎士編 【閑話】お兄様視点 【三章】第二王子殿下編 【閑話】聖女視点(ざまぁ展開) 【四章】森でスローライフ 【閑話】彼らの今 【五章】ヒーロー考え中←決定(ご協力ありがとうございます!)  主人公が新しい生活を始めるのは四章からです。  スローライフな内容がすぐ読みたい人は四章から読むのをおすすめします。  スローライフの相棒は、もふもふ。  各男性陣の視点は、適宜飛ばしてくださいね。  ◇ ◇ ◇ 【あらすじ】  平民の娘が、聖属性魔法に目覚めた。聖女として教会に預けられることになった。  聖女は平民にしては珍しい淡い桃色の瞳と髪をしていた。  主人公のメルティアナは、聖女と友人になる。  そして、聖女の面倒を見ている第二王子殿下と聖女とメルティアナの婚約者であるルシアンと共に、昼食を取る様になる。  良好だった関係は、徐々に崩れていく。  婚約者を蔑ろにする男も、護衛対象より聖女を優先する護衛騎士も要らない。  自分の身は自分で守れるわ。  主人公の伯爵令嬢が、男達に別れを告げて、好きに生きるお話。  ※ちょっと男性陣が可哀想かも  ※設定ふんわり  ※ご都合主義  ※独自設定あり

誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?

伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します 小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。 そして、田舎の町から王都へ向かいます 登場人物の名前と色 グラン デディーリエ(義母の名字) 8才 若草色の髪 ブルーグリーンの目 アルフ 実父 アダマス 母 エンジュ ミライト 13才 グランの義理姉 桃色の髪 ブルーの瞳 ユーディア ミライト 17才 グランの義理姉 濃い赤紫の髪 ブルーの瞳 コンティ ミライト 7才 グランの義理の弟 フォンシル コンドーラル ベージュ 11才皇太子 ピーター サイマルト 近衛兵 皇太子付き アダマゼイン 魔王 目が透明 ガーゼル 魔王の側近 女の子 ジャスパー フロー  食堂宿の人 宝石の名前関係をもじってます。 色とかもあわせて。

【完結】政略結婚をしたらいきなり子持ちになりました。義娘が私たち夫婦をニヤニヤしながら観察してきます。

水都 ミナト
恋愛
私たち夫婦は祖父同士が決めた政略結婚だ。 実際に会えたのは王都でのデビュタントだけで、それ以外は手紙で長らく交流を重ねてきた。 そんなほぼ初対面にも等しき私たちが結婚して0日目。私たちに娘ができた。 事故で両親を亡くした遠い親戚の子を引き取ることになったのだ。 夫婦としてだけでなく、家族としてもお互いのことを知っていかねば……と思っていたら、何やら義娘の様子がおかしくて――? 「推しカプ最高」って、なんのこと? ★情緒おかしめの転生幼女が推しカプ(両親)のバッドエンド回避のため奔走するハイテンション推し活コメディです ★短編版からパワーアップしてお届け。第一話から加筆しているので、短編版をすでにご覧の方も第一話よりお楽しみいただけます!

髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ
ファンタジー
髪の色がとてもカラフルな世界。 そんな世界に唯一現れた白髪の少年。 その少年とは神様に転生させられた日本人だった。 その少年が“髪の色=愛の証”とされる世界で愛を知らぬ者として、可愛がられ愛される話。 ⚠第1章の主人公は、2歳なのでめっちゃ拙い発音です。滑舌死んでます。 ⚠愛されるだけではなく、ちょっと可哀想なお話もあります。

転生することになりました。~神様が色々教えてくれます~

柴ちゃん
ファンタジー
突然、神様に転生する?と、聞かれた私が異世界でほのぼのすごす予定だった物語。 想像と、違ったんだけど?神様! 寿命で亡くなった長島深雪は、神様のサーヤにより、異世界に行く事になった。 神様がくれた、フェンリルのスズナとともに、異世界で妖精と契約をしたり、王子に保護されたりしています。そんななか、誘拐されるなどの危険があったりもしますが、大変なことも多いなか学校にも行き始めました❗ もふもふキュートな仲間も増え、毎日楽しく過ごしてます。 とにかくのんびりほのぼのを目指して頑張ります❗ いくぞ、「【【オー❗】】」 誤字脱字がある場合は教えてもらえるとありがたいです。 「~紹介」は、更新中ですので、たまに確認してみてください。 コメントをくれた方にはお返事します。 こんな内容をいれて欲しいなどのコメントでもOKです。 2日に1回更新しています。(予定によって変更あり) 小説家になろうの方にもこの作品を投稿しています。進みはこちらの方がはやめです。 少しでも良いと思ってくださった方、エールよろしくお願いします。_(._.)_

野草から始まる異世界スローライフ

深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。 私ーーエルバはスクスク育ち。 ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。 (このスキル使える)   エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。 エブリスタ様にて掲載中です。 表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。 プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。 物語は変わっておりません。 一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。 よろしくお願いします。

処理中です...