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1アルフォート家へようこそ
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(3ヶ月後)
「けっきょく何も分からなかったな」
「仕方ありません。あれだけ調べて何も出なかったのです。それでいつお迎えに」
「ああ、これから行ってくる。先生には連絡済みだ」
「グロリア様は何と?」
「何と? というか、決まってすぐから、部屋の模様替えやら、必要な物を揃えなくちゃと、あっちへこっちへ動き回っているよ」
「ヴィック様、そろそろお時間です」
「そうか、あとの事を頼む」
私はゲリーにあとの仕事を任せ、ルーファスとライオネルと共に冒険者ギルドを後にする。馬車に乗り込むとすぐに馬車は動き始めた。
ここは首都トラッシュから少し離れた中規模な街ルクティア。私はこの街で領主をしている。今私の足の前で座れをしているのは私の相棒で、ホワイトウルフのルーファス。そして前に座っているのは、私の屋敷に勤めている筆頭執事のライオネル。
これから我々はある施設に、あの森では保護した赤ん坊を引き取りに行くのだ。
赤ん坊を保護し、そのあと馬車や殺された人々を調べたが、身元が分かるものは何も見つからなかった。調べが進められている最中、私は何度か赤ん坊の様子を見に、親を亡くした子供達が暮らしている施設へと足をはこんでいたのだが。
理由は分からない。だが赤ん坊は自分が引き取り育てるべきなのでは、と思うようになっていった。しかし自分の感情だけで子供を引き取るのはと何日も悩んでいた。
そんな私の様子を何も言わず、ずっと見守っていてくれた妻のグロリアが、ある日赤ん坊を引き取りましょうと言ってきた。グダグダ悩んでないで、本能に従ったらと。
「私はどんな子が私の子になっても、必ず愛し守ってみせるわ」
その言葉に私は赤ん坊を引き取る事に決めた。それでも調べが終わるまでは、赤ん坊の本当の家族が見つかる可能性が残っていたため、施設に預けていた。
が、昨日、調べは全部終わり、身元がわからないということから施設に連絡をし、今日赤ん坊を引き取る事になったのだ。
施設に着くと、すぐに担当者が客室へ案内し、そこで手続きをおこなった。その手続きが終わったタイミングで、別の職員が赤ん坊を寝かせるためのカゴに入れて連れてきた。
「ヴィッグ様、これにて手続きは完了です。この子は今日からヴィッグ様のお子様です」
「よし、今日から君はうちの子だ。さぁ、グロリアが待っている、それにラッセルにダレルもな」
「お名前は決めていられるので?」
「ああ、グロリアが私が決めると。この子が来てから教えると言われてな」
「さようですか」
再び馬車に乗り込み屋敷へと戻る。街の中をどんどん進み、もうそろそろ屋敷に着く頃だと窓から確認しようとすると、ルーファスがクンクン匂いを嗅ぎ、玄関前にグロリア達が立って待っていると教えてくれた。
何時になるか分からないから家の中で待っていろといったのに、一体いつから外で待っているのか。
門を通り、玄関前に到着する。ライオネルが先におり次にルーファスが。最後に私が赤ん坊の入っているカゴをそっと抱き上げ馬車を下りる。使用人とメイド達が私にお辞儀をする中、グロリアが静かに、息子の7歳のラッセルと5歳のダレルが駆け寄って来た。
「父様! 赤ちゃん見せて!」
「赤ちゃんどこ?」
そっと見えるようにカゴを下ろしてやれば、2人は最初恐る恐る赤ん坊の頭を撫でていたが、そのうち慣れたのか、顔をツンツン始めた。
「ほら2人とも、早く赤ちゃんをお家の中に入れてあげましょう。と、その前に」
グロリアがお赤ん坊をそっと抱き上げる。あうあうと声を上げて喜ぶ赤ん坊。
「ふふ、可愛い子ね。お家に入る前にあなたのお名前はエリアスよ。エリアス・アルフォート。そして貴方が今日から暮らすお家よ。良く見てね」
さらっと名前を発表するグロリア。そこは休憩の部屋にいって、紅茶を人で一息ついてから、みんなに発表するんじゃないのか? と思っているうちに、ラッセルとダレルを連れて、さっさと屋敷の中に入っていく。
後ろからエリアスの入っていない軽いカゴを持ちながら、慌てて後をついて屋敷に入る。
向かった先は、この日のためにグロリアが用意したエリアスの部屋だ。ベビーベッドにエリアスを寝かせるグロリア。ベッドにはルーファスに似せて作ったぬいぐるみが1つと、天井からベッドに向かって、赤ん坊が喜ぶ音になるおもちゃがぶら下がっている。
ラッセルがそのおもちゃを鳴らしたいというので、抱っこしてやりラッセルがおもちゃに通してある紐を引っ張る。
カランコロンと音を出すおもちゃ。その途端のエリアスがあうあうと喜び、そのあとはあうぅっ!! と手をバタバタさせて喜んだ。
「気に入ってくれたみたいね。他にもたくさんおもちゃとぬいぐるみを用意したのよ。でも私達が見ている時しか、まだ危なくて渡せないの。ぬいぐるみは大丈夫だと思うけれど」
しばらくエリアスを皆で構っていると、エリアスがウトウトし始めて眠りについた。そっと部屋を出る私達。
「母様、エリアスはご飯食べないの?」
「まだ一緒には食べられないわね」
「俺、一緒におやつ食べたい」
「おやつもまだダメよ。赤ちゃんはもう少し大きくなるまで、赤ちゃん専用のご飯を食べて大きくなるの。一緒にご飯はもう少し我慢しましょうね」
「ふーん。じゃあ後でジュース持ってきてあげるよ。ジュースなら大丈夫でしょう?」
「ジュースもまだダメよ」
2人の質問が止まらない。こんなに騒がしいのはダレルが生まれて以来か。あの時はラッセルが毎日のように私とグロリアにダレルの事で質問していたな。小さかったからあまりあの時の事は覚えていないようで、同じ質問を今もいている。
これから騒がしくて楽しい毎日になりそうだ。
「けっきょく何も分からなかったな」
「仕方ありません。あれだけ調べて何も出なかったのです。それでいつお迎えに」
「ああ、これから行ってくる。先生には連絡済みだ」
「グロリア様は何と?」
「何と? というか、決まってすぐから、部屋の模様替えやら、必要な物を揃えなくちゃと、あっちへこっちへ動き回っているよ」
「ヴィック様、そろそろお時間です」
「そうか、あとの事を頼む」
私はゲリーにあとの仕事を任せ、ルーファスとライオネルと共に冒険者ギルドを後にする。馬車に乗り込むとすぐに馬車は動き始めた。
ここは首都トラッシュから少し離れた中規模な街ルクティア。私はこの街で領主をしている。今私の足の前で座れをしているのは私の相棒で、ホワイトウルフのルーファス。そして前に座っているのは、私の屋敷に勤めている筆頭執事のライオネル。
これから我々はある施設に、あの森では保護した赤ん坊を引き取りに行くのだ。
赤ん坊を保護し、そのあと馬車や殺された人々を調べたが、身元が分かるものは何も見つからなかった。調べが進められている最中、私は何度か赤ん坊の様子を見に、親を亡くした子供達が暮らしている施設へと足をはこんでいたのだが。
理由は分からない。だが赤ん坊は自分が引き取り育てるべきなのでは、と思うようになっていった。しかし自分の感情だけで子供を引き取るのはと何日も悩んでいた。
そんな私の様子を何も言わず、ずっと見守っていてくれた妻のグロリアが、ある日赤ん坊を引き取りましょうと言ってきた。グダグダ悩んでないで、本能に従ったらと。
「私はどんな子が私の子になっても、必ず愛し守ってみせるわ」
その言葉に私は赤ん坊を引き取る事に決めた。それでも調べが終わるまでは、赤ん坊の本当の家族が見つかる可能性が残っていたため、施設に預けていた。
が、昨日、調べは全部終わり、身元がわからないということから施設に連絡をし、今日赤ん坊を引き取る事になったのだ。
施設に着くと、すぐに担当者が客室へ案内し、そこで手続きをおこなった。その手続きが終わったタイミングで、別の職員が赤ん坊を寝かせるためのカゴに入れて連れてきた。
「ヴィッグ様、これにて手続きは完了です。この子は今日からヴィッグ様のお子様です」
「よし、今日から君はうちの子だ。さぁ、グロリアが待っている、それにラッセルにダレルもな」
「お名前は決めていられるので?」
「ああ、グロリアが私が決めると。この子が来てから教えると言われてな」
「さようですか」
再び馬車に乗り込み屋敷へと戻る。街の中をどんどん進み、もうそろそろ屋敷に着く頃だと窓から確認しようとすると、ルーファスがクンクン匂いを嗅ぎ、玄関前にグロリア達が立って待っていると教えてくれた。
何時になるか分からないから家の中で待っていろといったのに、一体いつから外で待っているのか。
門を通り、玄関前に到着する。ライオネルが先におり次にルーファスが。最後に私が赤ん坊の入っているカゴをそっと抱き上げ馬車を下りる。使用人とメイド達が私にお辞儀をする中、グロリアが静かに、息子の7歳のラッセルと5歳のダレルが駆け寄って来た。
「父様! 赤ちゃん見せて!」
「赤ちゃんどこ?」
そっと見えるようにカゴを下ろしてやれば、2人は最初恐る恐る赤ん坊の頭を撫でていたが、そのうち慣れたのか、顔をツンツン始めた。
「ほら2人とも、早く赤ちゃんをお家の中に入れてあげましょう。と、その前に」
グロリアがお赤ん坊をそっと抱き上げる。あうあうと声を上げて喜ぶ赤ん坊。
「ふふ、可愛い子ね。お家に入る前にあなたのお名前はエリアスよ。エリアス・アルフォート。そして貴方が今日から暮らすお家よ。良く見てね」
さらっと名前を発表するグロリア。そこは休憩の部屋にいって、紅茶を人で一息ついてから、みんなに発表するんじゃないのか? と思っているうちに、ラッセルとダレルを連れて、さっさと屋敷の中に入っていく。
後ろからエリアスの入っていない軽いカゴを持ちながら、慌てて後をついて屋敷に入る。
向かった先は、この日のためにグロリアが用意したエリアスの部屋だ。ベビーベッドにエリアスを寝かせるグロリア。ベッドにはルーファスに似せて作ったぬいぐるみが1つと、天井からベッドに向かって、赤ん坊が喜ぶ音になるおもちゃがぶら下がっている。
ラッセルがそのおもちゃを鳴らしたいというので、抱っこしてやりラッセルがおもちゃに通してある紐を引っ張る。
カランコロンと音を出すおもちゃ。その途端のエリアスがあうあうと喜び、そのあとはあうぅっ!! と手をバタバタさせて喜んだ。
「気に入ってくれたみたいね。他にもたくさんおもちゃとぬいぐるみを用意したのよ。でも私達が見ている時しか、まだ危なくて渡せないの。ぬいぐるみは大丈夫だと思うけれど」
しばらくエリアスを皆で構っていると、エリアスがウトウトし始めて眠りについた。そっと部屋を出る私達。
「母様、エリアスはご飯食べないの?」
「まだ一緒には食べられないわね」
「俺、一緒におやつ食べたい」
「おやつもまだダメよ。赤ちゃんはもう少し大きくなるまで、赤ちゃん専用のご飯を食べて大きくなるの。一緒にご飯はもう少し我慢しましょうね」
「ふーん。じゃあ後でジュース持ってきてあげるよ。ジュースなら大丈夫でしょう?」
「ジュースもまだダメよ」
2人の質問が止まらない。こんなに騒がしいのはダレルが生まれて以来か。あの時はラッセルが毎日のように私とグロリアにダレルの事で質問していたな。小さかったからあまりあの時の事は覚えていないようで、同じ質問を今もいている。
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