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プロローグ
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なんて事だ。まさかこんな事になるとは。こちらに気がいっていたとはいえ、もっと気をつけていれば。
………何だ!? この魔力の輝き、まさか生きているのか!?
だが助けた後はどうする? 我に人間の子供を育てることは不可能に近い。今傷を癒し助けたとして、そのあとどうすれば良いかなど、我に分かるはずもない。
どうする、どうする? とりあえず傷だけは治しに行くか?
我は森へと飛び立つ。少しして目的の森にたどり着き、今にも消えそうになっている命の前に座ると、傷を癒し魔力がきれてしまわないように、自分の魔力を流し込む。
これで死ぬことはないだろうが…本当にどうする?
ん? この気配は? あの者達は確か…。
あの者達に後は託してみよう。もしこの命を終わらせようとするのならば、その時こそ、我が連れ帰りあの子と一緒に育てて、生きていく力を授けようではないか。
我はそっと、気づかれないように気配を消し飛び立つと、少し離れたところで見守る事にした。
*********
『おいヴィッグ、血の匂いだ。それもかなりの量だぞ』
「何だと。どの辺だ?」
『あちらだ、ついてこい』
ついていけばそこには、みるも無残な光景が広がっていた。2台の馬車は粉々に破壊され、この破壊された馬車に乗っていただろう人々が、至る所に転がっている。全ての遺体に刃物や魔法による攻撃の痕があった。
「ヴィッグ様、状況と殺されている人々、馬車から判断して、商人の馬車が盗賊に襲われたのでは? あちらで死んでいる者達はおそらく護衛の冒険者でしょう」
「多分そうだろう」
私はエドモントとアンディーに周りを警戒させ、ゲリーとリオと共に、馬車を調べることにした。何か身分の分かる物が残っていれば、どこかにいるかもしれない家族に伝えることができるし、盗賊達の情報も手に入るかもしれない。
1つの馬車をリオとゲリーが、もう1つを私とルーファスが調べようとした時、ルーファスがピクッと反応して、すぐに馬車の後ろの部分の匂いを嗅ぐ。そして、
『おい、これはまだ生きているぞ』
と言った。慌てて全員で駆け寄り、ルーファスが匂いを嗅いだ所を覗き込めばそこには小さな小さな赤ん坊が、すやすやと寝息を立てて眠っていた。
何という事だ、こんな惨状の中怪我ひとつなく、しかもスヤスヤと。そっと抱き上げれば、一瞬起きそうになったが、またすぐにスヤスヤし始めた。
「よく無事で。これは奇跡だぞ」
「もしかすると、襲われた衝撃で気を失って、最後まで気づかれなかったのかもしれませんね」
「それにしてもだ。本当によく無事だった。よし早く戻って、帰ったらゲリーお前が指揮をとって、他の部下達を連れてここに戻ってきてくれ。まずは人命優先だ」
「はい」
リオに一応、体に異常がないか見てもらったが、本当にどこも悪くないらしい。だがきちんと診療するならば街まで早く戻らなければ。
私は馬に積んであった荷物の中から小さめの毛布を取り出すと、お赤ん坊をそれでくるくる包み、そのまま抱いたまま馬に乗って、来た道を引き返した。
馬を走らせる最中に、赤ん坊がニコッと笑い、それを見た私は自然と赤ん坊に笑い返していた。
*********
どうやら大丈夫そうだな。どこへ連れていくか確認するまでは安心できないが、取り敢えずは安心というところか。
はぁ、頼むからドキドキさせないでくれ。お前は我の光なのだから。
………何だ!? この魔力の輝き、まさか生きているのか!?
だが助けた後はどうする? 我に人間の子供を育てることは不可能に近い。今傷を癒し助けたとして、そのあとどうすれば良いかなど、我に分かるはずもない。
どうする、どうする? とりあえず傷だけは治しに行くか?
我は森へと飛び立つ。少しして目的の森にたどり着き、今にも消えそうになっている命の前に座ると、傷を癒し魔力がきれてしまわないように、自分の魔力を流し込む。
これで死ぬことはないだろうが…本当にどうする?
ん? この気配は? あの者達は確か…。
あの者達に後は託してみよう。もしこの命を終わらせようとするのならば、その時こそ、我が連れ帰りあの子と一緒に育てて、生きていく力を授けようではないか。
我はそっと、気づかれないように気配を消し飛び立つと、少し離れたところで見守る事にした。
*********
『おいヴィッグ、血の匂いだ。それもかなりの量だぞ』
「何だと。どの辺だ?」
『あちらだ、ついてこい』
ついていけばそこには、みるも無残な光景が広がっていた。2台の馬車は粉々に破壊され、この破壊された馬車に乗っていただろう人々が、至る所に転がっている。全ての遺体に刃物や魔法による攻撃の痕があった。
「ヴィッグ様、状況と殺されている人々、馬車から判断して、商人の馬車が盗賊に襲われたのでは? あちらで死んでいる者達はおそらく護衛の冒険者でしょう」
「多分そうだろう」
私はエドモントとアンディーに周りを警戒させ、ゲリーとリオと共に、馬車を調べることにした。何か身分の分かる物が残っていれば、どこかにいるかもしれない家族に伝えることができるし、盗賊達の情報も手に入るかもしれない。
1つの馬車をリオとゲリーが、もう1つを私とルーファスが調べようとした時、ルーファスがピクッと反応して、すぐに馬車の後ろの部分の匂いを嗅ぐ。そして、
『おい、これはまだ生きているぞ』
と言った。慌てて全員で駆け寄り、ルーファスが匂いを嗅いだ所を覗き込めばそこには小さな小さな赤ん坊が、すやすやと寝息を立てて眠っていた。
何という事だ、こんな惨状の中怪我ひとつなく、しかもスヤスヤと。そっと抱き上げれば、一瞬起きそうになったが、またすぐにスヤスヤし始めた。
「よく無事で。これは奇跡だぞ」
「もしかすると、襲われた衝撃で気を失って、最後まで気づかれなかったのかもしれませんね」
「それにしてもだ。本当によく無事だった。よし早く戻って、帰ったらゲリーお前が指揮をとって、他の部下達を連れてここに戻ってきてくれ。まずは人命優先だ」
「はい」
リオに一応、体に異常がないか見てもらったが、本当にどこも悪くないらしい。だがきちんと診療するならば街まで早く戻らなければ。
私は馬に積んであった荷物の中から小さめの毛布を取り出すと、お赤ん坊をそれでくるくる包み、そのまま抱いたまま馬に乗って、来た道を引き返した。
馬を走らせる最中に、赤ん坊がニコッと笑い、それを見た私は自然と赤ん坊に笑い返していた。
*********
どうやら大丈夫そうだな。どこへ連れていくか確認するまでは安心できないが、取り敢えずは安心というところか。
はぁ、頼むからドキドキさせないでくれ。お前は我の光なのだから。
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