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第110話.やっぱり問題は奴隷契約
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「それで双子の、お前の息子達の方だが」
『こちらも問題ない。そっちと同じで我のくっ付けば、そう簡単に離れんからな。それに結界を張れば問題はない』
「と、なるとだ。ここまでは一応、問題なく決まった訳だが。後はやはりお前の奴隷契約の問題と、いつ奴の目を盗んでここから逃げるか、だな。もしもだ、もしお前の奴隷契約が破棄されずに、お前がここに残る場合……」
そうユースタスさんが言いかけた時だ。双子シードラゴンが慌てて、親シードラゴンと一緒に逃げると言って来た。
もちろん俺だって、他のみんなだって同じ気持ちだ。全員でここから無事に逃げようと思っている。でもこれは考えておかないといけない事でもあって。
ユースタスさんは色々な奴隷契約を破棄する事ができるが、そんなユースタスさんでも破棄できない奴隷契約が数個ある。そして今回は、ユースタスさんや親シードラゴンでさえ、知らない属性の力を使った奴隷契約だ。最悪、奴隷契約を破棄できない場合も。
おそらくこれからユースタスさん達は、その話をするんだろう。だけど双子シードラゴンがその話を聞けば、そりゃあ止めに入るよな。
『きゅ!!』
『くきゅ!!』
『お前達、これは大切な話なのだ。先程も少し話したはずだが、前にも話しただろう。父にかけられている、悪い奴隷契約の事を。そしてこの奴隷契約は破棄されない限り、お前達とは逃げることはできないとも』
ユースタスさんが詳しく聞けば、俺達がここへ来る前に、親シードラゴンが逃げられないかもしれないと、さっきみたいに少しじゃなくて、しっかりと話していたらしい。
奴隷契約が破棄できない場合、双子だけで逃げる事になると。親シードラゴンと離れなくてはいけなくなるという事を。
それで前の時双子シードラゴンは、もちろん最初は嫌だって言ったけど、最後にはなんとか納得して。そりゃあ、嫌に決まっているよな。親シードラゴンと一緒に逃げられないなんて。離れ離れにならなきといけないなんて。
でも一応は納得していたから、さっきその話をした時は、あんまり話に入ってこなかったんだろうって。
でも、色々な事がどんどん決まっていって、逃げ道とか、逃げる時はどうするとか、俺達はその時どうしているとか。本当にここから逃げるんだって分かってくると、やっぱり親シードラゴンも一緒じゃないと嫌だと。さっきそう言ってきたらしい。
『だがこればかりは、どうにもできんのだ。その時になってみないと我にも分からんしな。父が前に言った通り、お前達は父が逃げられなければ、先に逃げてくれ』
『きゅう……』
『くきゅう……』
『すまないな、息子達よ』
今のは、でも、だって、と言ったらしい。寂しそうのする双子シードラゴンに、モコモコ達と小さいフルフルが寄り添う。俺もできる限り双子シードラゴンに近づいて、なんとか2人の気持ちを和らげようとした。
『ユースタス、もし我の奴隷契約が破棄できなかった場合。息子達には、息子達だけが通れるような、ある抜け道を教えていたのだが。小さなトンネルとでもいうのか。だが、やはりその道は危ないのでな。すまないが一緒の連れていってもらえるか? モコモコ達のように、グレンヴィルにしっかりとくっ付いて進めるはずだ』
「ああ、それは勿論。必ず双子も共に逃げるから安心しろ」
双子シードラゴンも上手にくっつく事ができるし、服に噛みつけば、なかなか離れることはないらしい。だからモコモコ達と小さいフルフルと一緒に俺にくっ付けば問題ないと。
親シードラゴンの奴隷契約が破棄できない場合の事が決まった。もしこれが実現してしまえば、双子シードラゴンにとっては、最悪な計画になってしまうが。
「よし、決まりだな。後はいつ逃げるかだが。これは私とお前が確認できるから問題ないだろう」
『ああ、奴が我々からかなり離れる時を狙って。またはあまり近くにいられたら別だが、そこそこ我々から離れている場合に、奴の魔力が不安定になれば』
ほらジェフォリオンの得体のしれない属性魔法、それと転移魔法で、奴の魔力の気配が時々、一定じゃなく弱く乱れる時があるらしい。その時を狙い少しでも安全に逃げることができればって。
『しっかり感じととれているか?』
「ああ。少し前から更にしっかりと感じられるようになった。ここの場所に慣れたのもあるのだろう。それにしても、最初の方と今とでは、奴の魔力何乱れる回収が増えているように感じるのだが?」
『我もそう感じる。もしかしたらあの得体の知れない魔法にせいで、奴の体に思っていたよりも影響が出ているのかもしれないが』
「とりあえず、お前の奴隷契約以外は、全て決まったな」
『ああ』
逃げるタイミングも決まった。あとは親シードラゴンの奴隷契約が破棄できれば。そして破棄できた場合は、破棄したことがなるべくジェフィリオンにバレずに、逃げることができれば。
「よし、では始めるぞ。お前の奴隷契約の破棄ができるかどうか。思ったよりも早く話しが終わったからな。こちらに時間をかける事ができる」
『助かる』
『きゅ!!』
『くきゅ!!』
「分かっている。できる限りのことはすると約束する。だから少し静かに待っていろ」
今のは、お願いします!! お父さんの悪い魔法を消してください!! ってお願いしてきたって。ユースタスさんを信じよう。だってユースタスさんは数個以外、全部の奴隷契約を解除できるんだから。
こうしてユースタスさんが親シードラゴンの奴隷契約を調べ始めた。と、それはユースタスさんが調べ始めて、少し経った頃だった。急に俺は誰かに呼ばれたような気がして……。
『こちらも問題ない。そっちと同じで我のくっ付けば、そう簡単に離れんからな。それに結界を張れば問題はない』
「と、なるとだ。ここまでは一応、問題なく決まった訳だが。後はやはりお前の奴隷契約の問題と、いつ奴の目を盗んでここから逃げるか、だな。もしもだ、もしお前の奴隷契約が破棄されずに、お前がここに残る場合……」
そうユースタスさんが言いかけた時だ。双子シードラゴンが慌てて、親シードラゴンと一緒に逃げると言って来た。
もちろん俺だって、他のみんなだって同じ気持ちだ。全員でここから無事に逃げようと思っている。でもこれは考えておかないといけない事でもあって。
ユースタスさんは色々な奴隷契約を破棄する事ができるが、そんなユースタスさんでも破棄できない奴隷契約が数個ある。そして今回は、ユースタスさんや親シードラゴンでさえ、知らない属性の力を使った奴隷契約だ。最悪、奴隷契約を破棄できない場合も。
おそらくこれからユースタスさん達は、その話をするんだろう。だけど双子シードラゴンがその話を聞けば、そりゃあ止めに入るよな。
『きゅ!!』
『くきゅ!!』
『お前達、これは大切な話なのだ。先程も少し話したはずだが、前にも話しただろう。父にかけられている、悪い奴隷契約の事を。そしてこの奴隷契約は破棄されない限り、お前達とは逃げることはできないとも』
ユースタスさんが詳しく聞けば、俺達がここへ来る前に、親シードラゴンが逃げられないかもしれないと、さっきみたいに少しじゃなくて、しっかりと話していたらしい。
奴隷契約が破棄できない場合、双子だけで逃げる事になると。親シードラゴンと離れなくてはいけなくなるという事を。
それで前の時双子シードラゴンは、もちろん最初は嫌だって言ったけど、最後にはなんとか納得して。そりゃあ、嫌に決まっているよな。親シードラゴンと一緒に逃げられないなんて。離れ離れにならなきといけないなんて。
でも一応は納得していたから、さっきその話をした時は、あんまり話に入ってこなかったんだろうって。
でも、色々な事がどんどん決まっていって、逃げ道とか、逃げる時はどうするとか、俺達はその時どうしているとか。本当にここから逃げるんだって分かってくると、やっぱり親シードラゴンも一緒じゃないと嫌だと。さっきそう言ってきたらしい。
『だがこればかりは、どうにもできんのだ。その時になってみないと我にも分からんしな。父が前に言った通り、お前達は父が逃げられなければ、先に逃げてくれ』
『きゅう……』
『くきゅう……』
『すまないな、息子達よ』
今のは、でも、だって、と言ったらしい。寂しそうのする双子シードラゴンに、モコモコ達と小さいフルフルが寄り添う。俺もできる限り双子シードラゴンに近づいて、なんとか2人の気持ちを和らげようとした。
『ユースタス、もし我の奴隷契約が破棄できなかった場合。息子達には、息子達だけが通れるような、ある抜け道を教えていたのだが。小さなトンネルとでもいうのか。だが、やはりその道は危ないのでな。すまないが一緒の連れていってもらえるか? モコモコ達のように、グレンヴィルにしっかりとくっ付いて進めるはずだ』
「ああ、それは勿論。必ず双子も共に逃げるから安心しろ」
双子シードラゴンも上手にくっつく事ができるし、服に噛みつけば、なかなか離れることはないらしい。だからモコモコ達と小さいフルフルと一緒に俺にくっ付けば問題ないと。
親シードラゴンの奴隷契約が破棄できない場合の事が決まった。もしこれが実現してしまえば、双子シードラゴンにとっては、最悪な計画になってしまうが。
「よし、決まりだな。後はいつ逃げるかだが。これは私とお前が確認できるから問題ないだろう」
『ああ、奴が我々からかなり離れる時を狙って。またはあまり近くにいられたら別だが、そこそこ我々から離れている場合に、奴の魔力が不安定になれば』
ほらジェフォリオンの得体のしれない属性魔法、それと転移魔法で、奴の魔力の気配が時々、一定じゃなく弱く乱れる時があるらしい。その時を狙い少しでも安全に逃げることができればって。
『しっかり感じととれているか?』
「ああ。少し前から更にしっかりと感じられるようになった。ここの場所に慣れたのもあるのだろう。それにしても、最初の方と今とでは、奴の魔力何乱れる回収が増えているように感じるのだが?」
『我もそう感じる。もしかしたらあの得体の知れない魔法にせいで、奴の体に思っていたよりも影響が出ているのかもしれないが』
「とりあえず、お前の奴隷契約以外は、全て決まったな」
『ああ』
逃げるタイミングも決まった。あとは親シードラゴンの奴隷契約が破棄できれば。そして破棄できた場合は、破棄したことがなるべくジェフィリオンにバレずに、逃げることができれば。
「よし、では始めるぞ。お前の奴隷契約の破棄ができるかどうか。思ったよりも早く話しが終わったからな。こちらに時間をかける事ができる」
『助かる』
『きゅ!!』
『くきゅ!!』
「分かっている。できる限りのことはすると約束する。だから少し静かに待っていろ」
今のは、お願いします!! お父さんの悪い魔法を消してください!! ってお願いしてきたって。ユースタスさんを信じよう。だってユースタスさんは数個以外、全部の奴隷契約を解除できるんだから。
こうしてユースタスさんが親シードラゴンの奴隷契約を調べ始めた。と、それはユースタスさんが調べ始めて、少し経った頃だった。急に俺は誰かに呼ばれたような気がして……。
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