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第109話.こちらで起きているあれこれ(前半、神視点。後半グレンヴィル視点)
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『何処だ? 何処にいるんだ。まったく、何だよこれは。これ絶対僕達の仲間はが関係してるよな……。はぁ、まったく面倒臭いことを。なるべく早く対処しなくちゃ。でも今はグレンヴィルだよ。ここにきてまた見失うなんて』
『おい、お前は自分の管轄の世界も、きちんと監視できないのか!』
『そんなことないよ。まぁ、この頃ちょっと、色々やっちゃったけどさ。僕はいつも真面目だよ』
『……それで、どうしてこんな事態になっているんだ。しかも同じ者に対して何度も何度も』
『それが分からないから、手伝ってもらったんじゃないか。本当は手伝ってもらう気なんてなかったんだよ。だけどどうにもおかしな事ばかりだったからね』
『だからそれが、お前がしっかり管理できてなかったって事だろう!』
『違うよ、何かが僕の邪魔をしたからだよ。ようやくここまで元に戻したんだから』
『はぁ。なぜすぐに元に戻せない』
『だからそれも説明したじゃないか。それに君だって分からないんだろう?』
『言っておくが私とお前では、いる場所が違うんだ。まぁ、全てを見守っているのは間違いないが。それでもここはお前の管轄で私の管轄ではない。その分お前が分からなくてどうする』
『もう、文句は言いよ。それに謝ったじゃないか。それよりも早くグレンヴィルを探してよ』
『お前はいつも口ばかりだから、こういう事態になるんだ』
『後でお礼するって。それに今回のこと、僕だけに関係していれば良いけど、みんなに今後に関係してくることかもしれないんだからね』
『……分かっている。グレンヴィルを助け次第、より詳しく調べなければ。私達の関係者が関わっている可能性があるのならば尚更な』
『うん……。あっ!! いた!!』
『何だ? なぜグレンヴィルは檻の中をハイハイしているのだ? と、ここにもあの結界か、すぐに破るぞ。お前がやれ』
『分かっているよ。こんなのちょちょいっと……。わわっ!! 弾かれた!! もう1回!! あっ、しまった。向こうにまで影響が』
『……おい』
『わわっ!? ごめんて!! 後で修復するから今はグレンヴィルの所に。どれだけ僕がグレンヴィルに干渉できるか分からないけど。レクリスターも頼むね』
『私は最低限の魔法を、使えるようにしてやれるだけだぞ。それ以上はダメだ』
『分かってるよ、でもそれが必要になると思うから』
『お前は?』
『僕が今できることは、やっぱりあれが良いと思うんだよね。あれさえどうにかできれば、後はグレンヴィルと一緒にいる、エルフとシードラゴンが何とかしてくれるだろうし。それに向こうの力を少しくらいは……』
『おい、やり過ぎるなよ』
『分かってる』
*********
『よし、逃げ道についてはこれで良いな』
「ああ、問題はない」
『よし。では次はどうやって逃げるかだが……』
逃げ道のことがささっと決まって、次は、どうやって逃げるかについて話しを始めた。どうやってっていうのは俺達をどうやって運ぶかってことだ。
さっき途中で話していた通り、勿論俺はユースタスさんに抱かれて逃げる事になるけど。その時にモコモコ達や小さいフルフルに双子シードラゴンは?
「お前達はここへ来た時のように、グレンヴィルにくっついて逃げるな?」
『ぷぴ!!』
『ぷう!!』
『くう!!』
ユースタスさんの問いに、モコモコ達と小さいフルフルが元気よく前足と手を上げて返事をする。そういえば俺はあの時気を失っていたけれど、みんなどうやって一緒に来たんだ? 確かに最初は俺にくっ付いていたのは知ってるけどさ。もしかしてずっとくっ付いてきたのか?
俺はすぐにみんなに聞いた。そうしたらまた元気よく返事をするみんな。おいおい、それ大丈夫だったのか? いや、ここに元気で居るってことは、大丈夫だったんだろうけど。もしくっ付いている途中で何処かへ飛ばされたりしたら、どうするつもりだったんだよ。
俺がそう言えば、フンッ!!と胸を張るみんな。それからみんなで何かを言ってきて。そんな俺達の様子にユースタスさんが話してきた。
「モコモコ達もフルフルも、くっ付くのが得意な生き物なのだ。そうだな、おそらく私やシードラゴンがモコモコ達を離そうとしても、簡単には離れないほどに」
『その者達は面倒な生き物で、我は何度も迷惑をかけられた。時々いつの間にか体にくっ付いていて、それを外そうと魔法を使っても、力尽くで外そうとしても外れずに、何度諦めて離れるのを待ったことか』
その言葉を聞いて、またフンッ!! と胸を張るみんな。え? そんなに? 俺そんな話し、聞いたことなかったんだけど? 母さん達に図鑑を見せてもらった時も、そんなことは書いていなかったぞ。
「じゅう! にゃ!」
「何だ? 何と言った?」
『ぷぴ、ぷぴぴぴ!』
「ああ、そう言ったのか。その図鑑には良い事ばかり書いてあったのだろう。魔獣のよくない部分が載っている本が、人間達の所にはあったか? それには書いてあるはずだぞ。モコモコやフルフル達による弊害を」
弊害って、そんなかよ! まさかのモコモコ達と小さいフルフルの、みんなに悪いと思われている部分を、ここで知る事になるなんて。
そんな事を考えていると、俺にピタッとくっ付いてくるみんな。俺の顔がニヤける。まぁ、俺にとっては害じゃないから良いか。こんなに可愛い子達にくっ付かれるなんて。もふもふ、モコモコ、最高かよ。
「よし、ではお前達はそうしてくっ付いて移動しろ。勿論何かあっても困るからな。私が更にしっかりと離れないように結界を張る」
『ぷぴ!!』
『ぷう!!』
『くう!!』
ああ、可愛いなぁ。
『おい、お前は自分の管轄の世界も、きちんと監視できないのか!』
『そんなことないよ。まぁ、この頃ちょっと、色々やっちゃったけどさ。僕はいつも真面目だよ』
『……それで、どうしてこんな事態になっているんだ。しかも同じ者に対して何度も何度も』
『それが分からないから、手伝ってもらったんじゃないか。本当は手伝ってもらう気なんてなかったんだよ。だけどどうにもおかしな事ばかりだったからね』
『だからそれが、お前がしっかり管理できてなかったって事だろう!』
『違うよ、何かが僕の邪魔をしたからだよ。ようやくここまで元に戻したんだから』
『はぁ。なぜすぐに元に戻せない』
『だからそれも説明したじゃないか。それに君だって分からないんだろう?』
『言っておくが私とお前では、いる場所が違うんだ。まぁ、全てを見守っているのは間違いないが。それでもここはお前の管轄で私の管轄ではない。その分お前が分からなくてどうする』
『もう、文句は言いよ。それに謝ったじゃないか。それよりも早くグレンヴィルを探してよ』
『お前はいつも口ばかりだから、こういう事態になるんだ』
『後でお礼するって。それに今回のこと、僕だけに関係していれば良いけど、みんなに今後に関係してくることかもしれないんだからね』
『……分かっている。グレンヴィルを助け次第、より詳しく調べなければ。私達の関係者が関わっている可能性があるのならば尚更な』
『うん……。あっ!! いた!!』
『何だ? なぜグレンヴィルは檻の中をハイハイしているのだ? と、ここにもあの結界か、すぐに破るぞ。お前がやれ』
『分かっているよ。こんなのちょちょいっと……。わわっ!! 弾かれた!! もう1回!! あっ、しまった。向こうにまで影響が』
『……おい』
『わわっ!? ごめんて!! 後で修復するから今はグレンヴィルの所に。どれだけ僕がグレンヴィルに干渉できるか分からないけど。レクリスターも頼むね』
『私は最低限の魔法を、使えるようにしてやれるだけだぞ。それ以上はダメだ』
『分かってるよ、でもそれが必要になると思うから』
『お前は?』
『僕が今できることは、やっぱりあれが良いと思うんだよね。あれさえどうにかできれば、後はグレンヴィルと一緒にいる、エルフとシードラゴンが何とかしてくれるだろうし。それに向こうの力を少しくらいは……』
『おい、やり過ぎるなよ』
『分かってる』
*********
『よし、逃げ道についてはこれで良いな』
「ああ、問題はない」
『よし。では次はどうやって逃げるかだが……』
逃げ道のことがささっと決まって、次は、どうやって逃げるかについて話しを始めた。どうやってっていうのは俺達をどうやって運ぶかってことだ。
さっき途中で話していた通り、勿論俺はユースタスさんに抱かれて逃げる事になるけど。その時にモコモコ達や小さいフルフルに双子シードラゴンは?
「お前達はここへ来た時のように、グレンヴィルにくっついて逃げるな?」
『ぷぴ!!』
『ぷう!!』
『くう!!』
ユースタスさんの問いに、モコモコ達と小さいフルフルが元気よく前足と手を上げて返事をする。そういえば俺はあの時気を失っていたけれど、みんなどうやって一緒に来たんだ? 確かに最初は俺にくっ付いていたのは知ってるけどさ。もしかしてずっとくっ付いてきたのか?
俺はすぐにみんなに聞いた。そうしたらまた元気よく返事をするみんな。おいおい、それ大丈夫だったのか? いや、ここに元気で居るってことは、大丈夫だったんだろうけど。もしくっ付いている途中で何処かへ飛ばされたりしたら、どうするつもりだったんだよ。
俺がそう言えば、フンッ!!と胸を張るみんな。それからみんなで何かを言ってきて。そんな俺達の様子にユースタスさんが話してきた。
「モコモコ達もフルフルも、くっ付くのが得意な生き物なのだ。そうだな、おそらく私やシードラゴンがモコモコ達を離そうとしても、簡単には離れないほどに」
『その者達は面倒な生き物で、我は何度も迷惑をかけられた。時々いつの間にか体にくっ付いていて、それを外そうと魔法を使っても、力尽くで外そうとしても外れずに、何度諦めて離れるのを待ったことか』
その言葉を聞いて、またフンッ!! と胸を張るみんな。え? そんなに? 俺そんな話し、聞いたことなかったんだけど? 母さん達に図鑑を見せてもらった時も、そんなことは書いていなかったぞ。
「じゅう! にゃ!」
「何だ? 何と言った?」
『ぷぴ、ぷぴぴぴ!』
「ああ、そう言ったのか。その図鑑には良い事ばかり書いてあったのだろう。魔獣のよくない部分が載っている本が、人間達の所にはあったか? それには書いてあるはずだぞ。モコモコやフルフル達による弊害を」
弊害って、そんなかよ! まさかのモコモコ達と小さいフルフルの、みんなに悪いと思われている部分を、ここで知る事になるなんて。
そんな事を考えていると、俺にピタッとくっ付いてくるみんな。俺の顔がニヤける。まぁ、俺にとっては害じゃないから良いか。こんなに可愛い子達にくっ付かれるなんて。もふもふ、モコモコ、最高かよ。
「よし、ではお前達はそうしてくっ付いて移動しろ。勿論何かあっても困るからな。私が更にしっかりと離れないように結界を張る」
『ぷぴ!!』
『ぷう!!』
『くう!!』
ああ、可愛いなぁ。
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