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第45話.大きな大きなフルフル、大きな大きなプレルス
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誰だ? と思って父さんの左側から後ろを見ようとする。でも見えたのは人じゃなくて、ネイビーブルーの大きな何かで。
仕方なく今度は右から、何とか首を伸ばして見てみる。すると今度は、やっぱり人じゃなくて、真っ白なモサモサの大きな何かだった。
さっきの声は誰の声だ? どこに居るんだ? 父さんの後ろの何か大きなものの後ろからでも喋ったのか?
『さぁ、ケニーシャ、グレンヴィル、挨拶しような。これから父さん達と一緒にいる魔獣さんだ』
『大丈夫かしら?』
『我らは大きいからな』
『ハハハッ!! 最初は驚いて泣くんじゃないか』
『それでもこれから一緒に行動することが多くなるだろうからね。それにきちんとこの子達には君達の事を知っておいてもらいたい』
そういう父さん、心配する母さん。本当に一体誰なんだ。その時、今度は俺達の後ろで声が。いや、玄関ホールへ来る途中で、フルフル達を追い抜いたんだけど。フルフル達今、玄関ホールに着いたらしい。そして俺達の横を、楽しそうにペタペタ通り過ぎていく。
『お前達、元気だったか? そうかそうか』
どうやら声の1人は、フルフル達の関係者らしい。母さんじゃないけど、フルフルを保護している人とかか?
『よし、じゃあケニーシャ、グレンヴィル、ご挨拶だ』
しっかりと玄関から出た俺達。そうして俺にしっかりと、向こう側を見せてくれようとした父さん。あれ? 先に向こうを見たはずの、いつもならすぐに元気よく挨拶をする姉さんの声が聞こえない?
不思議に思いながら、その間に向きを変える俺。そして俺の前に見えたのは……。
大きな大きな大型トラックよりも大きな、首長竜のような生き物と、大きな大きな、象よりも大きさなのペンギンみたいな生き物だった。そしてそのペンギンみたいな生き物の周りの集まっているフルフル達。
いやぁ、あまりのことにビックリして固まってしまった。姉さんが挨拶しなかったのは、姉さんも俺と同じで固まっていたからだ。見上げるほどの大きな生き物。
何でこんな大きな生き物がここに? まぁ、今の感じから、大きいペンギンみたいな生き物はフルフルなんだろう。小さいフルフル達が大きいペンギンに張り付いて、とっても喜んでいるし。フルフルということは水がなくても平気だろうしな。
でも首長竜みたいな生き物の方は? 海水がないとダメなんじゃ? それとも俺が思っているような生き物じゃなくて、案外陸の生き物だったりして。でもここは海の底だし。ん?
俺と姉さんは固まり、父さん達は苦笑い。そして小さいフルフル達の喜ぶ鳴き声だけが聞こえること数分。最初に叫んだのはやっぱり姉さんだった。そして大きな生き物に突進していこうとして、父さんに洋服を掴まれた。
『おっきな、モコモコのフルフル!! おっきなドラゴン!! こんにちは!! きゃあぁぁぁ!!』
『待ちなさいケニーシャ!!』
姉さんの叫び声にハッ!! とする俺。姉さんを見れば、いつも通りの姉さんだった、姉さんは何か興味があるものを見つけると、物凄い笑顔で突進して行くんだ。叫び声を上げながら。その叫び声に現実に戻って来た俺。慌てて俺も挨拶をする。
『あちょお!!』
『あちょお?』
『ああ、これはグレンヴィルの『こんにちは』だ。まだ話せないからな。ただ最近は少しずつ意思の疎通が出来てきて。それで今の『こんにちは』だ。まぁ。他も大体これなんだが』
『そうなのか。グレンヴィル、我はプレルスだ。少しの間ここで生活させてもらう、よろしく頼む』
『ちょおぉぉぉ!!』
首長竜はプレルスというらしい。ここで生活ということは、やっぱり水がなくても平気らしい。でも手や足はどう見ても、海中向きなんだけどな。まぁ、後で色々分かるだろう。
『俺はフルフルだ。まぁ、体を見れば分かると思うが。……お前は赤ん坊だったな。なら話しても分からないか? まぁ、俺もしばらくここで厄介になるから、よろしく頼む』
うん、やっぱりこっちの生き物はフルフルだった。フルフルは力の強いフルフルが群れのボスになって、他のフルフル達を守るらしい。彼はフルフルのボスだった。
何でこんなに大きな体なのか。それはフルフルは力が強ければ強いほど、体が大きくなるかららしい。父さんが見たフルフルの中では、今のフルフルが1番大きいって。他にも大きなフルフルはここに来ていて、別の場所で待機してもらっているみたいだ。
『それにしても、泣かないのは面白くないな。そっちの小さいのはこっちに来ようとしてるし』
大きなフルフルが俺を見て残念そうな顔をした後、姉さんの方を見て。姉さんは父さんに捕まってから、ずっと前のめりになったままだ。何で俺は残念そうにされないといけないんだ。泣かないのは良い事だろう。
『もふもふ、モコモコ、だっこ!!』
姉さん、抱っこじゃなくて、抱きつきたいだよ。興奮していてただの抱っこになってしまっている。でも大きなフルフルはちゃんと分かってくれて、父さんに手を離して良いと。それから姉さんに抱きついて良いと言ってくれた。
なんて優しい魔獣なんだ。ついでも俺も抱きついて良いだろうか?
『たぁよ! たぁよ!!』
『何だって?』
『あ~、グレンヴィルも抱きつきたいようなんだが』
『ハハハ、そんな事か。良いぞ良いぞ。いくらでも抱きついてこい。他の奴らがいつも抱きついてくるにで慣れてるからな!』
おおお、いくらでも抱きついて良いなんて!! 本当に本当に、なんて優しい魔獣なんだ!!
『では、フルフルの後は我の背にでも乗ってみるか?』
何だって!? 背中に乗ってみるかって!?
『お主ばかりでは、我がつまらん』
『はっ、ヤキモチかよ。俺の方が人気者なんだよ』
『何だと? 我の背に乗れば、お前の体なの気にしなくなるは!』
ケンカを始める2匹。何でも良い、姉さんじゃないけど、早く俺を突撃させてくれ!!
仕方なく今度は右から、何とか首を伸ばして見てみる。すると今度は、やっぱり人じゃなくて、真っ白なモサモサの大きな何かだった。
さっきの声は誰の声だ? どこに居るんだ? 父さんの後ろの何か大きなものの後ろからでも喋ったのか?
『さぁ、ケニーシャ、グレンヴィル、挨拶しような。これから父さん達と一緒にいる魔獣さんだ』
『大丈夫かしら?』
『我らは大きいからな』
『ハハハッ!! 最初は驚いて泣くんじゃないか』
『それでもこれから一緒に行動することが多くなるだろうからね。それにきちんとこの子達には君達の事を知っておいてもらいたい』
そういう父さん、心配する母さん。本当に一体誰なんだ。その時、今度は俺達の後ろで声が。いや、玄関ホールへ来る途中で、フルフル達を追い抜いたんだけど。フルフル達今、玄関ホールに着いたらしい。そして俺達の横を、楽しそうにペタペタ通り過ぎていく。
『お前達、元気だったか? そうかそうか』
どうやら声の1人は、フルフル達の関係者らしい。母さんじゃないけど、フルフルを保護している人とかか?
『よし、じゃあケニーシャ、グレンヴィル、ご挨拶だ』
しっかりと玄関から出た俺達。そうして俺にしっかりと、向こう側を見せてくれようとした父さん。あれ? 先に向こうを見たはずの、いつもならすぐに元気よく挨拶をする姉さんの声が聞こえない?
不思議に思いながら、その間に向きを変える俺。そして俺の前に見えたのは……。
大きな大きな大型トラックよりも大きな、首長竜のような生き物と、大きな大きな、象よりも大きさなのペンギンみたいな生き物だった。そしてそのペンギンみたいな生き物の周りの集まっているフルフル達。
いやぁ、あまりのことにビックリして固まってしまった。姉さんが挨拶しなかったのは、姉さんも俺と同じで固まっていたからだ。見上げるほどの大きな生き物。
何でこんな大きな生き物がここに? まぁ、今の感じから、大きいペンギンみたいな生き物はフルフルなんだろう。小さいフルフル達が大きいペンギンに張り付いて、とっても喜んでいるし。フルフルということは水がなくても平気だろうしな。
でも首長竜みたいな生き物の方は? 海水がないとダメなんじゃ? それとも俺が思っているような生き物じゃなくて、案外陸の生き物だったりして。でもここは海の底だし。ん?
俺と姉さんは固まり、父さん達は苦笑い。そして小さいフルフル達の喜ぶ鳴き声だけが聞こえること数分。最初に叫んだのはやっぱり姉さんだった。そして大きな生き物に突進していこうとして、父さんに洋服を掴まれた。
『おっきな、モコモコのフルフル!! おっきなドラゴン!! こんにちは!! きゃあぁぁぁ!!』
『待ちなさいケニーシャ!!』
姉さんの叫び声にハッ!! とする俺。姉さんを見れば、いつも通りの姉さんだった、姉さんは何か興味があるものを見つけると、物凄い笑顔で突進して行くんだ。叫び声を上げながら。その叫び声に現実に戻って来た俺。慌てて俺も挨拶をする。
『あちょお!!』
『あちょお?』
『ああ、これはグレンヴィルの『こんにちは』だ。まだ話せないからな。ただ最近は少しずつ意思の疎通が出来てきて。それで今の『こんにちは』だ。まぁ。他も大体これなんだが』
『そうなのか。グレンヴィル、我はプレルスだ。少しの間ここで生活させてもらう、よろしく頼む』
『ちょおぉぉぉ!!』
首長竜はプレルスというらしい。ここで生活ということは、やっぱり水がなくても平気らしい。でも手や足はどう見ても、海中向きなんだけどな。まぁ、後で色々分かるだろう。
『俺はフルフルだ。まぁ、体を見れば分かると思うが。……お前は赤ん坊だったな。なら話しても分からないか? まぁ、俺もしばらくここで厄介になるから、よろしく頼む』
うん、やっぱりこっちの生き物はフルフルだった。フルフルは力の強いフルフルが群れのボスになって、他のフルフル達を守るらしい。彼はフルフルのボスだった。
何でこんなに大きな体なのか。それはフルフルは力が強ければ強いほど、体が大きくなるかららしい。父さんが見たフルフルの中では、今のフルフルが1番大きいって。他にも大きなフルフルはここに来ていて、別の場所で待機してもらっているみたいだ。
『それにしても、泣かないのは面白くないな。そっちの小さいのはこっちに来ようとしてるし』
大きなフルフルが俺を見て残念そうな顔をした後、姉さんの方を見て。姉さんは父さんに捕まってから、ずっと前のめりになったままだ。何で俺は残念そうにされないといけないんだ。泣かないのは良い事だろう。
『もふもふ、モコモコ、だっこ!!』
姉さん、抱っこじゃなくて、抱きつきたいだよ。興奮していてただの抱っこになってしまっている。でも大きなフルフルはちゃんと分かってくれて、父さんに手を離して良いと。それから姉さんに抱きついて良いと言ってくれた。
なんて優しい魔獣なんだ。ついでも俺も抱きついて良いだろうか?
『たぁよ! たぁよ!!』
『何だって?』
『あ~、グレンヴィルも抱きつきたいようなんだが』
『ハハハ、そんな事か。良いぞ良いぞ。いくらでも抱きついてこい。他の奴らがいつも抱きついてくるにで慣れてるからな!』
おおお、いくらでも抱きついて良いなんて!! 本当に本当に、なんて優しい魔獣なんだ!!
『では、フルフルの後は我の背にでも乗ってみるか?』
何だって!? 背中に乗ってみるかって!?
『お主ばかりでは、我がつまらん』
『はっ、ヤキモチかよ。俺の方が人気者なんだよ』
『何だと? 我の背に乗れば、お前の体なの気にしなくなるは!』
ケンカを始める2匹。何でも良い、姉さんじゃないけど、早く俺を突撃させてくれ!!
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