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234 お魚さんとカエルさんでゆっくりまったり?

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「シルリオ、他への連絡は?」

「すでに済ませてあります」

 木の陰から出てきた人はシルリオさんっていうみたい。たぶんアルファンスさん達と同じハイエルフだと思うんんだ。同じ姿だし、仲間が待っているって言っていたからね。

「カナデ、フィル、クルクル。シルリオだ」

「こんちゃ!」

『こんにちは!!』

『ボク、クルクル!! こんにちは!!』

 みんなで揃ってご挨拶。頭を上げるとシルリオさんがじっと僕達を見ていました。そう、じっと。僕もフィルもクルクルもその様子に、思わずお互いを見ちゃいます。
 僕達何か変? そりゃあさ、色々あって洋服は汚れちゃっているけど。でもアルフォンスさん達の魔法で、綺麗にしてもらったから問題はないはず?

「あにょ、にゃにかへん?」

『なんでジッとみてるなの?』

『クルクル達変?』

「いや、そうではない。と、すまない、挨拶もせずに。私の名はシルリオ。よろしく頼む。私がお前達をカナデ達を見ていたのは、別にカナデ達に問題があるわけではない。いや、問題なのか?」

 いや、それはどっちなの? 問題なのか問題じゃないのか。その理由を聞こうと思ったんだけど、ゆっくり話している時間がないって、アルフォンスさんが自然の物を使って連絡していたことの、詳しいない内容と他にも色々と話し始めちゃいました。

「カナデも皆も、もし暇ならその池でも見ていろ。何か池の中にいるかもしれないぞ」

 そうアルフォンスさんに言われて、話している間僕達は、小鳥さん達と虫さん達と一緒に、近くにあった池を覗いて待っている事に。

 池の中にはメダカくらいの可愛い魚が泳いでいて。僕もだけど、みんなもその魚が気に入ってね、魚が向こうへ泳いでいけば僕達もそっちへ。また別の方へ泳いでいけば、それに続いてまたまた移動。

 それでね、僕達が池で遊び始めてすぐに、アルフォンスさんが達がある話しをしていたなんて、気づきませんでした。うん。危険なら先に言っておいてほしかったよ。いや危険じゃないんだよ。危険じゃないけど危険だって。

「アルフォンス様、カナデもフィルもクルクルも不味いのでは? 特にカナデですが」

「それは仕方がないだろう、こればかりはな。私も来るとは思っていなかった。しかし伝言を頼むにはちょうどか」

「そうですね。おそらくもう着くかと。移動される時は全力で抑えますので」

「ああ、頼むぞ。それと後のことはティファーに任せるとしよう」

 魚を追いかける僕達。その時何処からきたのか、可愛いカエルが池の中へ入ってきて。カエルで良いのかな? とりあえず今はカエルで良いや。後で聞いてみよう。
 今度は魚とカエルを追いかけ始める僕達。と、追いかけているうちに、魚とカエルが同じ場所へ。

『カナデ、可愛いねぇ。ドラゴンの森には、怖い魚いっぱい。この魚は可愛い。うん、僕この魚は捕まえて食べない』

『ぼくもなの!! かわいいねぇ、なのぉ』

『ぴぴぴぃ!』

『ブブブブブ』

 たぶん小鳥も虫も、フィル達と同じようなことを言っているんだと思うんだけど。そして魚をつかまえる時の仕草をするフィルとクルクル。うん、そうだよね。捕まえて食べる。地球だってこの世界だって、みんなそうだよね。でも今は可愛いだけ堪能させてね。

 それにしても、本当に可愛いなぁ。こう、可愛い入れ物に入れて、窓際とかに置いて鑑賞したり、家に庭があればそこの放して飼ったり。まぁ、自然が1番だけど、そういうのも良いと思うんだよね。

 この世界に来てバタバタと生活が始まって。エセルバードさん達のおかげで僕達は十分な生活を送れています。そんなエセルバードさん達に、心が落ち着くようなプレゼント、魚を見てまったりなんてどうかな? まぁ、今はそれどころじゃないけどさ。

 それにエセルバードさん達が魚を見て、クルクル達みたいに捕食対象としてだけ、見ていなかったらの話しだけどね。あっ、でも隠れ家の水族館みたいなのを作ってくれていたから、大丈夫かな?

『ありすたーにも、みせたいなの』

『うん。みんなに見せたい。そうしたらみんなゆっくりの気持ちになれるかも』

『おさかな、なんかゆっくりまったりなの』

『うん。スピードが凄くて、攻撃してくるドラゴンの森の魚と違う。それに丸呑みにしてこようとしてくるカエとも違う』

 色々考えていた僕。そんな時にフィルとクルクルがそう言ってきて。あっ、やっぱりドラゴンの里の魚もカエルも危険なんだね。
 と、それはそれとして、カエってカエルのこと? 僕がクルクルに聞くとそうだって。カエ、一文字ないだけでほとんど一緒でもカエルって言わなくて良かった。

『みんながゆっくりまったりがいいなの』

『ずっとバタバタ。もしかしたらまだバタバタ。僕達もまだバタバタ。だから全部バタバタ終わったら、ゆっくりまったりが良い』

「うん、ぼくも!!」

 そうだよね。早くみんなでゆっくりまったりしたいよね! その時にこの魚さんとカエルさんがいてくれたら、さらにそれが充実するよね。

「なぁに? その魚とカエを家に飾りたいの」

「うん、みにゃで、ゆっくりまっちゃり」

『みんなおつかれなの。みんなぼくたちまもってくれて、それでぼくたちもがんばって、みんなおつかれなの』

『だから、みんなでゆっくりまったり』

「そう。なら私が良いものを用意してあげるわ」

 ん? 誰? 思わず話しちゃったけど、今までに聞いたことがない声。僕達は慌てて声がした方を振り向きます。僕達の横ちょっと後ろをね。そうしたそこには、見たことのない人が立っていて、みんなで思い切りその人から離れました。

 いつの間に僕達の近くに? 離れながらアルフォンスさんを呼ぶ僕達。

「カナデ!? ……と、はぁ。わざわざ気配を消してきたのか。ここまで気配を消すとは、薬を使ったのか」

 ん? アルフォンスさん慌てていない? それにちょっと面倒くさそうな顔をしている?
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