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229.まさかの偶然? 奴隷契約の破棄が始まった?
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「うにょ?」
『ん? なの』
『およ?』
『何だ、何の音だ?』
「お前達、何をしている?」
「アルフォンス様、カナデをこちらへ」
ある一点を見つめる僕とフィルとクルクル。音は聞こえたんだろうけど、それが何の音か分かっていない、エンシェントドラゴンおじさん。おじさんのお腹の下で音はしたかららね。自分の大きな体のせいで、下がしっかり見えていないんだよ。
それからみんながザワザワしている最中に、僕がちょっと待ってって言ったのと、変な音が重なって、それで振り返ったアルフォンスさんも。もちろん音が鳴った物を見ていなかったから、何をしているって聞いてきて。
もちろん向こう側に居るカーライルさんは、こっちの状況が分かるわけもなく、僕を穴から渡せって言っています。そしてカーライルさんの声の後は、洞窟の中がシーンとなりました。
『何の音か分からんが、アルフォンス早くいけ』
「ああ、まったく。少しおとなしくしていられないのか」
と、その言葉と共にアルフォンスさんが動こうとした時。それは起こりました。パキッ、ピキッ、パキパキパキッ、パリンッ、パリンッ、パリンッ!! 最後にパリ~ンッ!!
そして音が消えれば、エンシェントドラゴンおじさんの下で光っていた魔法陣が、一気に光り出して。それからおじさんを包んでいた気持ち悪いモヤモヤ全てが、その光の中へと入っていきました。
『な、何だ!! 何が起きた!?』
「エンドラ!?」
光はどんどんエンシェントドラゴンおじさんを包んでいって、最終的にはエンシェントドラゴンおじさんの全てを包んじゃったよ。音がしてからここまで、1分も。ううん、30秒もかかっていないんじゃないかな。
「何故? 一体何が!? エンドラの奴隷契約が破棄される!?」
え? え? 何々? この光は奴隷契約が破棄されてる光なの? これで本当に、エンシェントドラゴンおじさんの奴隷契約がはきされるの? それにそれに、あの音は何だったの?
今エンシェントドラゴンおじさんに、何が起きているのか分からずに慌てる僕とフィルとクルクル。そんな僕達にアルフォンスさんが、何があったのか聞いてきて。もちろんすぐに、今までのことを話したよ。
それでその時に、ほらさっきの。僕は後で話しを聞いたって話し、それを聞いたんだけど。
僕が投げた武器は、途中で変な動きをしながらエンシェントドラゴンおじさんの方へ。そしておじさんの目の前で落ちたでしょう? 落ちた場所がね、あの最後の1本の、途中までヒビが入っている鎖の上だったんだ。
僕達がヒビを入れていた場所に、武器がバッチリ落ちたの。それが最初の、みんなが何だ? って言ってた音。
僕達が思わず変な声を出しちゃったのはそれのせい。だってまさか鎖の上に、しっかりと落ちるなんて思わなかったから。しかも鎖に当たった時の音、けっこう良い音してたからね。
そして次の音。カーライルさんの言葉の後、洞窟の中がシーンとしていた時の音ね。あれは、1番ヒビの入っていた所の鎖が割れて、それからその割れ目からさらにヒビが、鎖全体に一気に進んで。
最後のパリ~ンッ!! っていう音は。鎖全部が粉々の砕け散った音でした。そして砕け散った鎖は、サラサラとした物に変わって、空気に消えて行ったんだ。ここまでが数秒起きたこと。
その後起こったのが、エンシェントドラゴンおじさんの下にあった魔法陣と光りでした。
「そうか。あの時の風魔法。カナデ、武器が浮かんで進んだのは、フィルとクルクルの風魔法だ」
「かじぇまほ? ふぃりゅ、くりゅくりゅ、できちゃ?」
『ぼく、わからないなの』
『クルクルも分からない』
「はぁ、おそらく無意識でやったのだろう。が、こっちの詳しい話しは後だ。今はエンドラだ。偶然とはいえ鎖が切れた。後はあの魔法陣が消えれば、エンドラはコースタスクから自由になれる」
今エンシェントドラゴンおじさんに起きていること。あれは奴隷契約が破棄されている途中なんだって。だから全く問題ありません。ただいきなりこんな事が起こったから、事態が分かっていなかったエンシェントドラゴンおじさんとアルフォンスさんは、驚いちゃったみたい。
「ほんちょ? おじちゃ、じゆ?」
『わるいのなくなる?』
『もう、苦しまない?』
「ああ! カナデ、フィル、クルクル。よくやった!」
「えへへ」
『ふへへへ』
『ピロロロロ~!』
アルフォンスさんの説明に、僕達は思わず笑っちゃいます。そんな僕達に話しかけてきたのはカーライルさん。アルフォンスさんがささっとカーライルさんに説明をしました。それから今の状況も。
エンシェントドラゴンおじさんを包んでいるこの光り、どのくらいで消えるのかな? 数分? 数十分? もう奴隷契約がなくなるのは分かっているけど、でもなるべく早く、しっかりと解除できた方が良いよね。
だって、エンシェントドラゴンおじさんは、もうすぐコースタスクの所へ、強制的に帰る所だったんだから。
と、その時でした。向こう側にいるカーライルさんが僕達を呼んで。それからもう少し穴を広げて始めたカーライルさん。フィルとクルクルが『あっ!』って言って、穴から離れました。
なんかね、僕達と遊んでいた小鳥と虫さん達が、ただならぬ様子に気づいて、心配して来てくれたみたい。
『もうすぐなの!』
『苦しいのがなくなって、自由に何でもできるようになる』
『ひかり、はやくきえないかな?なの』
『自由になったら、みんなで移動する』
なんて会話が聞こえて来ました。
「いちゅきえりゅ?」
「もうすぐだろう。強い契約だったからな、それだけ解除にも時間がかかるんだ。だが、見てみろ。エンドラの足元の方、先ほどよりも光が薄くなってきた。この様子ならば、後2、3分もすれば。エンドラは自由になれる」
数分……。早く早く、それでみんなでここから逃げようね!
*・゜゚・*:.。..。.:*・ .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.。..。.:*・ .。.:*・゜゚・*
ご愛読ありがとうございます。ありぽんです。
新しい年になり、せっかくの新年なので、新作を書きました。
『水の中でも何処でももふもふ!! あたらしい世界はもふもふで溢れていました』
です。
私の作品では初めての、海での物語りとなっております。
もちろん、もふもふたくさん登場予定です。
今日の更新で新もふもふ登場しているので、もしよろしければ新作の、
『水の中でも何処でももふもふ!! あたらしい世界はもふもふで溢れていました』
を、よろしくお願いします。
ホットランキングに載ることができましたので是非。
新しいちびっ子ともふもふをよろしくお願いします。
『ん? なの』
『およ?』
『何だ、何の音だ?』
「お前達、何をしている?」
「アルフォンス様、カナデをこちらへ」
ある一点を見つめる僕とフィルとクルクル。音は聞こえたんだろうけど、それが何の音か分かっていない、エンシェントドラゴンおじさん。おじさんのお腹の下で音はしたかららね。自分の大きな体のせいで、下がしっかり見えていないんだよ。
それからみんながザワザワしている最中に、僕がちょっと待ってって言ったのと、変な音が重なって、それで振り返ったアルフォンスさんも。もちろん音が鳴った物を見ていなかったから、何をしているって聞いてきて。
もちろん向こう側に居るカーライルさんは、こっちの状況が分かるわけもなく、僕を穴から渡せって言っています。そしてカーライルさんの声の後は、洞窟の中がシーンとなりました。
『何の音か分からんが、アルフォンス早くいけ』
「ああ、まったく。少しおとなしくしていられないのか」
と、その言葉と共にアルフォンスさんが動こうとした時。それは起こりました。パキッ、ピキッ、パキパキパキッ、パリンッ、パリンッ、パリンッ!! 最後にパリ~ンッ!!
そして音が消えれば、エンシェントドラゴンおじさんの下で光っていた魔法陣が、一気に光り出して。それからおじさんを包んでいた気持ち悪いモヤモヤ全てが、その光の中へと入っていきました。
『な、何だ!! 何が起きた!?』
「エンドラ!?」
光はどんどんエンシェントドラゴンおじさんを包んでいって、最終的にはエンシェントドラゴンおじさんの全てを包んじゃったよ。音がしてからここまで、1分も。ううん、30秒もかかっていないんじゃないかな。
「何故? 一体何が!? エンドラの奴隷契約が破棄される!?」
え? え? 何々? この光は奴隷契約が破棄されてる光なの? これで本当に、エンシェントドラゴンおじさんの奴隷契約がはきされるの? それにそれに、あの音は何だったの?
今エンシェントドラゴンおじさんに、何が起きているのか分からずに慌てる僕とフィルとクルクル。そんな僕達にアルフォンスさんが、何があったのか聞いてきて。もちろんすぐに、今までのことを話したよ。
それでその時に、ほらさっきの。僕は後で話しを聞いたって話し、それを聞いたんだけど。
僕が投げた武器は、途中で変な動きをしながらエンシェントドラゴンおじさんの方へ。そしておじさんの目の前で落ちたでしょう? 落ちた場所がね、あの最後の1本の、途中までヒビが入っている鎖の上だったんだ。
僕達がヒビを入れていた場所に、武器がバッチリ落ちたの。それが最初の、みんなが何だ? って言ってた音。
僕達が思わず変な声を出しちゃったのはそれのせい。だってまさか鎖の上に、しっかりと落ちるなんて思わなかったから。しかも鎖に当たった時の音、けっこう良い音してたからね。
そして次の音。カーライルさんの言葉の後、洞窟の中がシーンとしていた時の音ね。あれは、1番ヒビの入っていた所の鎖が割れて、それからその割れ目からさらにヒビが、鎖全体に一気に進んで。
最後のパリ~ンッ!! っていう音は。鎖全部が粉々の砕け散った音でした。そして砕け散った鎖は、サラサラとした物に変わって、空気に消えて行ったんだ。ここまでが数秒起きたこと。
その後起こったのが、エンシェントドラゴンおじさんの下にあった魔法陣と光りでした。
「そうか。あの時の風魔法。カナデ、武器が浮かんで進んだのは、フィルとクルクルの風魔法だ」
「かじぇまほ? ふぃりゅ、くりゅくりゅ、できちゃ?」
『ぼく、わからないなの』
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なんかね、僕達と遊んでいた小鳥と虫さん達が、ただならぬ様子に気づいて、心配して来てくれたみたい。
『もうすぐなの!』
『苦しいのがなくなって、自由に何でもできるようになる』
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なんて会話が聞こえて来ました。
「いちゅきえりゅ?」
「もうすぐだろう。強い契約だったからな、それだけ解除にも時間がかかるんだ。だが、見てみろ。エンドラの足元の方、先ほどよりも光が薄くなってきた。この様子ならば、後2、3分もすれば。エンドラは自由になれる」
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