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224.今度はみんなで

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「みにゃ、がんばりゅ!!」

『どんどんこうげきなの!!』

『それでどんどん切る!! 早く早く!!』

 そう、早く早く、時間がない。どうしてか分からないけど、僕の周りだけあの黒いモヤモヤが避けてくれて。でもエンシェントドラゴンおじさんの周りはモヤモヤでいっぱい。この黒いモヤモヤが、最初よりも濃くなってきた気がするんだ。

 2本目の鎖を切ってから、その後もどんどん鎖を切り続ける僕達。今ので何本目だったかな? みんな頑張って、4分の1は切ったと思うんだけど。それで切っているうちの気づいたんだ。モヤモヤが濃くなってきたって。

 濃くなってきたのはモヤモヤだけじゃありません。エンシェントドラゴンおじさんの下にある魔法陣。魔法陣も光が強くなってきてね。多分奴隷契約の魔法が強くなってきたからだと思うんだ。

 そして強くなってきたっていうことは、エンシェントドラゴンおじさんが、コースタスクの元へ強制的に戻されるのが、近くなってきているってことで。
 間に合うかな? 諦めていないけど、このまま僕達だけじゃ。頑張って急いで切っていて4分の1。ここまでどれくらいの時間がかかった? 後どれくらい時間が残ってるの? 

 色々考えていた僕。考えていたら慌ててきちゃって、攻撃がちゃんと鎖に当たらないでかすっちゃったよ。僕は自分のほっぺたをパチンッ!! と叩きます。ダメだ、余計なこと考えてちゃ。今は鎖に集中しないと。と、気合を入れ直した時でした。

「ここまでよく頑張った」

 急に僕の後ろで声がして、ちょっとビクッとしちゃった僕。振り向くといつの間にか、アルフォンスさんとカーライルさんが、僕の後ろに立っていました。僕達が鎖を切っているうちに、アルフォンスさんの治療が終わっていたみたい。気づかなかったよ。

「何故お前達の攻撃が効いたのか分からないが、よくここまで鎖を切ったな。今から我々も共に鎖を切ろう。そこでなのだが…」

 アルフォンスさん達、フィルの武器を借りたいんだって。今四つ足に武器をつけて、順番に右手を使ったり、左足を使ったりしているんだけど。そのうちの2つを、アルフォンスさんとカーライルさんが借りて、一緒に攻撃したいみたい。

 たぶんだけどアルフォンスさん達の武器じゃ、この鎖は切れないからって。すぐにアルフォンスさん達が数回、自分達の剣や弓で鎖を攻撃しました。そうしたら最初の僕達みたいに、傷もつかなかったよ。

 僕は急いでフィルを呼びます。それから武器の説明もささっとして。

「ふぃりゅ、ぶきかちて! ありゅしゃんが、いちょにこげき!」

 アルフォンスさんが、ありゅさんになっちゃったよ。でも今は急いでるから仕方ないよね。僕の簡単な説明。うん、ほとんど説明出来ていなかったかもしれないけど。フィルは今までの僕達の話を少し聞いていたみたい。

 左の前足と後ろ足の武器をサッと外して、僕の方に飛ばしてきました。バッチリ僕の前に飛ばしてくれたフィル。

『みんなで、こうげきなの!!』

 それだけ言って、鎖に攻撃を続けます。すぐにその武器を手に装着するアルフォンスさん達。そして攻撃をする前にこれも確認して。
 ほら、今僕の周りはモヤモヤが避けてくれているけど、アルフォンスさん達は? 鎖は大切に決まっているけれど、これも大切な確認だよ。

 ちょっと離れたアルフォンスさん達。さっきのフィル達みたいに、僕の3~4人分くらい離れると、アルフォンスさん達にもモヤミヤが戻ってきて。

「やはりカナデから離れすぎるのは不味いようだ。ならば近くの鎖を」

 シュッ!! と少しだけ移動したアルフォンスさん達。そして僕の周りの鎖をそれぞれ4~5本、武器で攻撃すると。パリンッ!! バリンッ!! って、1度の攻撃で全部の鎖が切れました。僕思わず拍手しちゃったよ。そしてすぐに僕も、鎖を切るのを再開。

「やはりこの武器なら、鎖を切ることができるらしい。よし、このまま続けるぞ!! カナデ、フィル、クルクル、もう少し頑張れるか!!」

「だじょぶ!! こにょまま、こげきできりゅ!! まだまだげんき!!」

『ボクもなの!! ずっとこうげきできるなの!!』

『クルクルも!! アルフォンス達よりも切っちゃうよ!!』

 それからは凄かったよ。アルフォンスさん達がきてくれて、これでどんどん鎖を切ることができる。そう思って少し落ち着いたからかな。今までよりも落ち着いて、早く鎖を切ることができるようになって。アルフォンスさん達は…。

 流石アリフォンスさん達。さっき試しに攻撃した時よりも、僕達には攻撃が見えない速さで鎖を攻撃して切っていくから、あっという間に半分の鎖を切り終わりました。
 でもまだ半分。鎖はエンシェントドラゴンおじさんの体に、何本って分からないほど巻き付いているから頑張らないと。

 あっ、ただエンシェントドラゴンおじさんの左手と右足が、見えるようになったんだ。巻きついている鎖のせいで、見えなくなっていたんだよ。右手や足、体もね。それだけ鎖が多いってことなんだけど。それが半分鎖を切ったから、見えるようになったんだ。

『カナデ! そっちの細い鎖切って!!』

「こちにょ、ほしょいにょもきりゅ!!」

『ボクはこっちなの!!』

 みんな手分けして、鎖を切り続けます。早く早く、さっきよりもモヤモヤと魔法陣がまた濃くなってきてる。絶対にエンシェントドラゴンおじさんは連れて行かせないんだから!!

 少しして左足も見えるようになりました。それから顔の周りの鎖が半分くらい。顔も後少しで全部なくなるかも。と、その時でした。

『…何だ? 我はどうしたんだ?』

 少し話しづらそうに話したのは、エンシェントドラゴンおじさんでした。
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