93 / 113
連載
224.今度はみんなで
しおりを挟む
「みにゃ、がんばりゅ!!」
『どんどんこうげきなの!!』
『それでどんどん切る!! 早く早く!!』
そう、早く早く、時間がない。どうしてか分からないけど、僕の周りだけあの黒いモヤモヤが避けてくれて。でもエンシェントドラゴンおじさんの周りはモヤモヤでいっぱい。この黒いモヤモヤが、最初よりも濃くなってきた気がするんだ。
2本目の鎖を切ってから、その後もどんどん鎖を切り続ける僕達。今ので何本目だったかな? みんな頑張って、4分の1は切ったと思うんだけど。それで切っているうちの気づいたんだ。モヤモヤが濃くなってきたって。
濃くなってきたのはモヤモヤだけじゃありません。エンシェントドラゴンおじさんの下にある魔法陣。魔法陣も光が強くなってきてね。多分奴隷契約の魔法が強くなってきたからだと思うんだ。
そして強くなってきたっていうことは、エンシェントドラゴンおじさんが、コースタスクの元へ強制的に戻されるのが、近くなってきているってことで。
間に合うかな? 諦めていないけど、このまま僕達だけじゃ。頑張って急いで切っていて4分の1。ここまでどれくらいの時間がかかった? 後どれくらい時間が残ってるの?
色々考えていた僕。考えていたら慌ててきちゃって、攻撃がちゃんと鎖に当たらないでかすっちゃったよ。僕は自分のほっぺたをパチンッ!! と叩きます。ダメだ、余計なこと考えてちゃ。今は鎖に集中しないと。と、気合を入れ直した時でした。
「ここまでよく頑張った」
急に僕の後ろで声がして、ちょっとビクッとしちゃった僕。振り向くといつの間にか、アルフォンスさんとカーライルさんが、僕の後ろに立っていました。僕達が鎖を切っているうちに、アルフォンスさんの治療が終わっていたみたい。気づかなかったよ。
「何故お前達の攻撃が効いたのか分からないが、よくここまで鎖を切ったな。今から我々も共に鎖を切ろう。そこでなのだが…」
アルフォンスさん達、フィルの武器を借りたいんだって。今四つ足に武器をつけて、順番に右手を使ったり、左足を使ったりしているんだけど。そのうちの2つを、アルフォンスさんとカーライルさんが借りて、一緒に攻撃したいみたい。
たぶんだけどアルフォンスさん達の武器じゃ、この鎖は切れないからって。すぐにアルフォンスさん達が数回、自分達の剣や弓で鎖を攻撃しました。そうしたら最初の僕達みたいに、傷もつかなかったよ。
僕は急いでフィルを呼びます。それから武器の説明もささっとして。
「ふぃりゅ、ぶきかちて! ありゅしゃんが、いちょにこげき!」
アルフォンスさんが、ありゅさんになっちゃったよ。でも今は急いでるから仕方ないよね。僕の簡単な説明。うん、ほとんど説明出来ていなかったかもしれないけど。フィルは今までの僕達の話を少し聞いていたみたい。
左の前足と後ろ足の武器をサッと外して、僕の方に飛ばしてきました。バッチリ僕の前に飛ばしてくれたフィル。
『みんなで、こうげきなの!!』
それだけ言って、鎖に攻撃を続けます。すぐにその武器を手に装着するアルフォンスさん達。そして攻撃をする前にこれも確認して。
ほら、今僕の周りはモヤモヤが避けてくれているけど、アルフォンスさん達は? 鎖は大切に決まっているけれど、これも大切な確認だよ。
ちょっと離れたアルフォンスさん達。さっきのフィル達みたいに、僕の3~4人分くらい離れると、アルフォンスさん達にもモヤミヤが戻ってきて。
「やはりカナデから離れすぎるのは不味いようだ。ならば近くの鎖を」
シュッ!! と少しだけ移動したアルフォンスさん達。そして僕の周りの鎖をそれぞれ4~5本、武器で攻撃すると。パリンッ!! バリンッ!! って、1度の攻撃で全部の鎖が切れました。僕思わず拍手しちゃったよ。そしてすぐに僕も、鎖を切るのを再開。
「やはりこの武器なら、鎖を切ることができるらしい。よし、このまま続けるぞ!! カナデ、フィル、クルクル、もう少し頑張れるか!!」
「だじょぶ!! こにょまま、こげきできりゅ!! まだまだげんき!!」
『ボクもなの!! ずっとこうげきできるなの!!』
『クルクルも!! アルフォンス達よりも切っちゃうよ!!』
それからは凄かったよ。アルフォンスさん達がきてくれて、これでどんどん鎖を切ることができる。そう思って少し落ち着いたからかな。今までよりも落ち着いて、早く鎖を切ることができるようになって。アルフォンスさん達は…。
流石アリフォンスさん達。さっき試しに攻撃した時よりも、僕達には攻撃が見えない速さで鎖を攻撃して切っていくから、あっという間に半分の鎖を切り終わりました。
でもまだ半分。鎖はエンシェントドラゴンおじさんの体に、何本って分からないほど巻き付いているから頑張らないと。
あっ、ただエンシェントドラゴンおじさんの左手と右足が、見えるようになったんだ。巻きついている鎖のせいで、見えなくなっていたんだよ。右手や足、体もね。それだけ鎖が多いってことなんだけど。それが半分鎖を切ったから、見えるようになったんだ。
『カナデ! そっちの細い鎖切って!!』
「こちにょ、ほしょいにょもきりゅ!!」
『ボクはこっちなの!!』
みんな手分けして、鎖を切り続けます。早く早く、さっきよりもモヤモヤと魔法陣がまた濃くなってきてる。絶対にエンシェントドラゴンおじさんは連れて行かせないんだから!!
少しして左足も見えるようになりました。それから顔の周りの鎖が半分くらい。顔も後少しで全部なくなるかも。と、その時でした。
『…何だ? 我はどうしたんだ?』
少し話しづらそうに話したのは、エンシェントドラゴンおじさんでした。
『どんどんこうげきなの!!』
『それでどんどん切る!! 早く早く!!』
そう、早く早く、時間がない。どうしてか分からないけど、僕の周りだけあの黒いモヤモヤが避けてくれて。でもエンシェントドラゴンおじさんの周りはモヤモヤでいっぱい。この黒いモヤモヤが、最初よりも濃くなってきた気がするんだ。
2本目の鎖を切ってから、その後もどんどん鎖を切り続ける僕達。今ので何本目だったかな? みんな頑張って、4分の1は切ったと思うんだけど。それで切っているうちの気づいたんだ。モヤモヤが濃くなってきたって。
濃くなってきたのはモヤモヤだけじゃありません。エンシェントドラゴンおじさんの下にある魔法陣。魔法陣も光が強くなってきてね。多分奴隷契約の魔法が強くなってきたからだと思うんだ。
そして強くなってきたっていうことは、エンシェントドラゴンおじさんが、コースタスクの元へ強制的に戻されるのが、近くなってきているってことで。
間に合うかな? 諦めていないけど、このまま僕達だけじゃ。頑張って急いで切っていて4分の1。ここまでどれくらいの時間がかかった? 後どれくらい時間が残ってるの?
色々考えていた僕。考えていたら慌ててきちゃって、攻撃がちゃんと鎖に当たらないでかすっちゃったよ。僕は自分のほっぺたをパチンッ!! と叩きます。ダメだ、余計なこと考えてちゃ。今は鎖に集中しないと。と、気合を入れ直した時でした。
「ここまでよく頑張った」
急に僕の後ろで声がして、ちょっとビクッとしちゃった僕。振り向くといつの間にか、アルフォンスさんとカーライルさんが、僕の後ろに立っていました。僕達が鎖を切っているうちに、アルフォンスさんの治療が終わっていたみたい。気づかなかったよ。
「何故お前達の攻撃が効いたのか分からないが、よくここまで鎖を切ったな。今から我々も共に鎖を切ろう。そこでなのだが…」
アルフォンスさん達、フィルの武器を借りたいんだって。今四つ足に武器をつけて、順番に右手を使ったり、左足を使ったりしているんだけど。そのうちの2つを、アルフォンスさんとカーライルさんが借りて、一緒に攻撃したいみたい。
たぶんだけどアルフォンスさん達の武器じゃ、この鎖は切れないからって。すぐにアルフォンスさん達が数回、自分達の剣や弓で鎖を攻撃しました。そうしたら最初の僕達みたいに、傷もつかなかったよ。
僕は急いでフィルを呼びます。それから武器の説明もささっとして。
「ふぃりゅ、ぶきかちて! ありゅしゃんが、いちょにこげき!」
アルフォンスさんが、ありゅさんになっちゃったよ。でも今は急いでるから仕方ないよね。僕の簡単な説明。うん、ほとんど説明出来ていなかったかもしれないけど。フィルは今までの僕達の話を少し聞いていたみたい。
左の前足と後ろ足の武器をサッと外して、僕の方に飛ばしてきました。バッチリ僕の前に飛ばしてくれたフィル。
『みんなで、こうげきなの!!』
それだけ言って、鎖に攻撃を続けます。すぐにその武器を手に装着するアルフォンスさん達。そして攻撃をする前にこれも確認して。
ほら、今僕の周りはモヤモヤが避けてくれているけど、アルフォンスさん達は? 鎖は大切に決まっているけれど、これも大切な確認だよ。
ちょっと離れたアルフォンスさん達。さっきのフィル達みたいに、僕の3~4人分くらい離れると、アルフォンスさん達にもモヤミヤが戻ってきて。
「やはりカナデから離れすぎるのは不味いようだ。ならば近くの鎖を」
シュッ!! と少しだけ移動したアルフォンスさん達。そして僕の周りの鎖をそれぞれ4~5本、武器で攻撃すると。パリンッ!! バリンッ!! って、1度の攻撃で全部の鎖が切れました。僕思わず拍手しちゃったよ。そしてすぐに僕も、鎖を切るのを再開。
「やはりこの武器なら、鎖を切ることができるらしい。よし、このまま続けるぞ!! カナデ、フィル、クルクル、もう少し頑張れるか!!」
「だじょぶ!! こにょまま、こげきできりゅ!! まだまだげんき!!」
『ボクもなの!! ずっとこうげきできるなの!!』
『クルクルも!! アルフォンス達よりも切っちゃうよ!!』
それからは凄かったよ。アルフォンスさん達がきてくれて、これでどんどん鎖を切ることができる。そう思って少し落ち着いたからかな。今までよりも落ち着いて、早く鎖を切ることができるようになって。アルフォンスさん達は…。
流石アリフォンスさん達。さっき試しに攻撃した時よりも、僕達には攻撃が見えない速さで鎖を攻撃して切っていくから、あっという間に半分の鎖を切り終わりました。
でもまだ半分。鎖はエンシェントドラゴンおじさんの体に、何本って分からないほど巻き付いているから頑張らないと。
あっ、ただエンシェントドラゴンおじさんの左手と右足が、見えるようになったんだ。巻きついている鎖のせいで、見えなくなっていたんだよ。右手や足、体もね。それだけ鎖が多いってことなんだけど。それが半分鎖を切ったから、見えるようになったんだ。
『カナデ! そっちの細い鎖切って!!』
「こちにょ、ほしょいにょもきりゅ!!」
『ボクはこっちなの!!』
みんな手分けして、鎖を切り続けます。早く早く、さっきよりもモヤモヤと魔法陣がまた濃くなってきてる。絶対にエンシェントドラゴンおじさんは連れて行かせないんだから!!
少しして左足も見えるようになりました。それから顔の周りの鎖が半分くらい。顔も後少しで全部なくなるかも。と、その時でした。
『…何だ? 我はどうしたんだ?』
少し話しづらそうに話したのは、エンシェントドラゴンおじさんでした。
31
お気に入りに追加
4,246
あなたにおすすめの小説
夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります
ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。
七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!!
初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。
【5/22 書籍1巻発売中!】
もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!
ありぽん
ファンタジー
いつも『もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!』をご愛読いただき、ありがとうございます。
10月21日、『もふもち』コミカライズの配信がスタートしました!!
江戸はち先生に可愛いジョーディ達を描いていただきました。
先生、ありがとうございます。
今後とも小説のジョーディ達、そしてコミカライズのジョーディ達を、よろしくお願いいたします。
*********
小学3年生の如月啓太は、病気により小学校に通えないまま、病院で息を引き取った。
次に気が付いたとき、啓太の前に女神さま現れて、啓太自身の話を聞くことに。
そして啓太は別の世界の、マカリスター侯爵家次男、ジョーディ・マカリスターとして転生することが決まる。
すくすくそだった啓太改めジョーディは1歳に。
そしてジョーディには友達がいっぱい。でも友達は友達でも、人間の友達ではありません。
ダークウルフの子供にホワイトキャットの子供に。何故か魔獣の友達だらけ。
そんなジョーディの毎日は、父(ラディス)母(ルリエット)長男(マイケル)、そしてお友達魔獣達と一緒に、騒がしくも楽しく過ぎていきます。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
あの日、さようならと言って微笑んだ彼女を僕は一生忘れることはないだろう
まるまる⭐️
恋愛
僕に向かって微笑みながら「さようなら」と告げた彼女は、そのままゆっくりと自身の体重を後ろへと移動し、バルコニーから落ちていった‥
*****
僕と彼女は幼い頃からの婚約者だった。
僕は彼女がずっと、僕を支えるために努力してくれていたのを知っていたのに‥
【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
婚約者の側室に嫌がらせされたので逃げてみました。
アトラス
恋愛
公爵令嬢のリリア・カーテノイドは婚約者である王太子殿下が側室を持ったことを知らされる。側室となったガーネット子爵令嬢は殿下の寵愛を盾にリリアに度重なる嫌がらせをしていた。
いやになったリリアは王城からの逃亡を決意する。
だがその途端に、王太子殿下の態度が豹変して・・・
「いつわたしが婚約破棄すると言った?」
私に飽きたんじゃなかったんですか!?
……………………………
たくさんの方々に読んで頂き、大変嬉しく思っています。お気に入り、しおりありがとうございます。とても励みになっています。今後ともどうぞよろしくお願いします!
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
異世界に召喚されたけど間違いだからって棄てられました
ピコっぴ
ファンタジー
【異世界に召喚されましたが、間違いだったようです】
ノベルアッププラス小説大賞一次選考通過作品です
※自筆挿絵要注意⭐
表紙はhake様に頂いたファンアートです
(Twitter)https://mobile.twitter.com/hake_choco
異世界召喚などというファンタジーな経験しました。
でも、間違いだったようです。
それならさっさと帰してくれればいいのに、聖女じゃないから神殿に置いておけないって放り出されました。
誘拐同然に呼びつけておいてなんて言いぐさなの!?
あまりのひどい仕打ち!
私はどうしたらいいの……!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。