もふもふ相棒と異世界で新生活!! 神の愛し子? そんなことは知りません!!

ありぽん

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219.突然のエンシェントドラゴンおじさんの変化

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「にゃに…?」

『おじさん…?』

『どうしたなの…?』

 エンシェントドラゴンおじさんの叫び声に、僕達は全員おじさんの方を見ます。そしてそのまま固まっちゃいました。

 今の僕達の姿は、フィルとクルクルが武器の付け具合を確認していて、フィルは後ろ右足を上げた状態。クルクルはくちばしの鋭いくちばしキャップを、足で良い具合に調節していて、やっぱり片足を上げた状態。

 そして僕は、ようやく自分の手首にフィルから借りた武器を付け終わって。みんなみたいにギザギザ腕輪を回して、しっかりついているか、確認しようとしていたところで。みんなそれぞれ、その格好のまま固まっていました。

 でもそれは僕達だけじゃなかったよ。アルフォンスさんもカーライルさんも固まっていて、エンシェントドラゴンおじさんを見つめていました。そして僕達が見つめる先のエンシェントドラゴンおじさんは…。

 エンシェントドラゴンおじさんは、黒いモヤモヤに完全に覆われて、とっても苦しんでいました。でも、黒いモヤモヤだけじゃないんだ。
 いつの間にかモヤモヤの種類が増えていて、紫や濃いオレンジと茶色が混ざったような色、それからドス黒い緑色に、真っ青に。本当嫌な感じの色をしたモヤモヤが、エンシェントドラゴンおじさんを覆っていました。

「おじちゃ…?」

 もう1度エンシェントドラゴンおじさんを呼ぶ僕。何が起きているのか全く分からない僕は、ボソッとエンシェントドラゴンおじさんを呼ぶことしかできなくて。その時、アルフォンスさんが動きました。

 流石に僕達みたいに、ずっと固まったままじゃなかったアルフォンスさん。カーライルさんに結界を張るから、カーライルさんも僕達に結界を張って、そのまま洞窟から出ろって。
 アルフォンスさんはエンシェントドラゴンおじさんの方を見たまま、手だけを僕達の方へ向けて、そうしたら僕達の周りに白い透明な物が現れてね、これが多分結界だよね。

 ただ次の瞬間、今まで僕達の前に居たアルフォンスさんは、僕達の後ろの方に飛ばされていました。そして地面に叩きつけられて。でも地面に叩きつけられたのは、アルフォンスさんがだけじゃありませんでした。
 アルフォンスさんの方を見ているうちに、今度はカーライルさんが同じように場所に飛ばされて、地面に叩きつけられたんだ。2人が飛ばされるのに、数秒もかかっていませんでした。
 
 そのせいでパニックになりそうになる僕。でもフィルとクルクルがすぐに僕に寄り添ってくれて。大丈夫、側にいる、ずっと一緒って言ってくれたから、なんとかパニックにならずに済んだよ。

 そしてここでまた攻撃が。ガラガラガラッ!! バリバリバリッ!! って音がしたと思ったら、入り口へと向かう道が洞窟の岩と、何処からか飛んできた木の枝や土? 色々な物で塞がれちゃったんだ。

『グアァァァァァァァッ!!』

 エンシェントドラゴンおじさんがまた、苦しそうに叫びます。

「3人とも、そこから動くな。今結界を張る!! カーライルは私に回復魔法を」

「はっ!!」

 飛ばされて叩きつけられたアルフォンスさんとカーライルさん。立てないみたいで、僕達の方へ手を伸ばしながら、アルフォンスさんは結界を張ろうとしてくれていて。カーライルさんはアルフォンスさんに、何か魔法をかけています。でも…。

「ちっ、カーライル、できる限り早く私の回復を!」

「はっ!!」

 意識はあっても、やっぱり体に影響が出ているのか、さっきみたいにすぐに、白い半透明の膜のような結界がでません。それに回復しているだろうカーライルさんの魔法も、すぐにはアルフォンスさんを回復できないみたいで。

 その間僕達は、アルフォンスさん達を見たり、エンシェントドラゴンおじさんを見たり。ただ、最初は交互に見ていた僕達だったけど、最終的にはずっとエンシェントドラゴンおじさんを見ていました。

 だって今のエンシェントドラゴンおじさんは、さっきまでは立っていたのに、今は倒れて更に苦しんでいて。挙句あの気持ち悪い色々な色のモヤモヤが、更に濃くなっていて。どうして急にこんなことになっちゃったの?

 誰かが、コースタスクかその仲間が攻撃してきた? でも僕達がいる広間には僕達以外いないし。みんなには透明で見えないけど、僕達には見える黒いモヤモヤが来ていたとしたら、それは僕達が気付けるし。

 なら外から攻撃された? エンシェントドラゴンおじさん達に気づかれずに? エセルバードさん達も気づかなかったから、その可能性もあるんだけど。
 それでその敵がエンシェントドラゴンおじさんをこんなに苦しめて、挙句外へ出られないように、外へ続く道を塞いで。

『アルフォンスさんたちとばしたの、おじさんなの』

『うん。ブンッ!! ってしっぽで攻撃した』

「おじしゃん、こげき?」

『うん、狙って攻撃した』

『きれいにしっぽがあたってたなの。でもカーライルさんは、たぶんかぜで、ふきとばしたなの』

『うん、そう。たぶん風』

 フィルもクルクルも良く見えたね。僕なんてただ飛んだような気がしたっていうか、気づいたらもう2人とも飛ばされてたのに。

「おじしゃん、どちたにょかにゃ?」

『苦しんでる。誰かの攻撃』

『でも、だれもいないなの。みんなにみえないにんげん、ここにはいないなの』

「みにゃも、みえにゃい?」

『うん。見たけど誰もいない。また新しい見えない人間がいたら分からない。でも前に見えた見えない人間は、ここにはいない』

『シュッ!! っとまわって、ぜんぶみたなの。でもいなかったなの』

 フィル、さっきその場で1回回って確かめたみたい。僕、気づかなかったよ。最近前よりも早く動けるようになったって。早く動けるように? 見えないほど?

 クルクルは見える範囲で首を動かして見たって。こう、首を約1回転できるくらい、回せる鳥がいるらしんだけど、それの真似をして。できるだけ首を回して確かめたって。フクロウみたいな感じかな?

 2匹とも凄いね。いつの間にそんなに動けるようになったの。え? 魔法の練習してるから? こう、動きにも変化が起きたとか?

『グガアァァァァァァッ!!』

 その時再び、エンシェントドラゴンおじさんの叫び声が響きました。
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