上 下
86 / 113
連載

217.これからの予定

しおりを挟む
 エンシェントドラゴンおじさんとアルフォンスさんの話しを聞いて、しっかりとこれからの事について納得した僕達。もう少しコースタスク達の事に付いて話し合いたかったけど、その前にこれからの行動について、更に詳しく話しを聞く事に。

 それで時間が余っていたら、ギリギリまでエンシェントドラゴンおじさん達はコースタスク達の話しをするって。なにしろエンシェントドラゴンおじさんは奴隷契約のせいで、コースタスクの所へ戻っちゃうからね。そうしたら話し合いなんかできなくなっちゃう。

 だから今のうちに、できるだけの話し合いをしておきたいって。うん、大事だよ。僕達も逃げる話しを聞いたら、その後は静かしていようね。エンシェントドラゴンおじさん達が、出来るだけいっぱい話しができるように。

 まず初めに、アルフォンスさんは、アルフォンスさんに連絡をしてきた、ハイエルフさんを紹介してくれました。僕達をアルフォンさんと一緒に、連れて逃してくれるハイエルフさんだよ。

「私の名はカーライル。よろしく頼む」

「よろちく、おねがちましゅ!」

『よろしくおねがいなの!』

『お願いします!』

 カーライルさんはアルフォンスさんよりも背が高くて、体も結構がっしりしている感じ。僕、小説で読んだハイエルフ達は、みんなスラっとしていたから、この世界のエルフ達もそうなのかな? と思っていたら違ったよ。筋肉…、良いなぁ。

 それからカーライルさんは、アルフォンスさんの直属の部下らしいです。何かあった時は必ずアルフォンスさんと行動をして、その場その場でアルフォンスさんから指示を受けて、的確に行動する。ハイエルフの里で、1番何でもできちゃう、凄いハイエルフみたい。

「これからの事に付いてカナデ達に説明をするから、お前も聞いておけ」

「はっ!」

 カーライルさんとの自己紹介も今は手短に。すぐにこれからの話しに移ります。まず最初に、エンシェントドラゴンおじさんと別れる時間だけど。色々考えて、早くて明日の朝か、夕方には移動したいって。

 話しているうちに、そう考えがまとまったって。だから今日の夜までに、できる限りの準備は済ませておくように言われました。まぁ、準備って言われてもね。これといって、最初からほとんど何も持っていないし。そんなに準備には時間はかからないかな。

 後は何でも入っちゃうカバンに、一応食料を少し、木の実や果物を入れます。ただ食事についてはアルフォンスさんがしっかりと食べさせてくれるって。アルフォンスさんのご飯、とっても美味しいもんね。

 僕達はカバンの中身をアルフォンスさんに見せたよ。その時アルフォンスさんが興味を示したのはあれね。どうもアルフォンスさん、魔法のことで人が変わるけど、武器、防具でも人が変わるみたいで。

 しまっていた、クルクルが考えてくれた、あの武器と防具に興味深々に。でもなんとか我慢して、次の話しに移りました。でも隠れる場所に着いたら見せてくれって。フィルとクルクルがかなり警戒してたよ。
 アルフォンスさん、イングラム達みたいになる一歩手前だから気をつけて。フィルとクルクルに攻撃されないようにね。

 こうしてカバンの中身を見せた僕達。すぐに片付けようかと思ったんだけど、話しが終わって、エンシェントドラゴンおじさん達が話し合いをしている時に片付ければ良いかなって。先に話しを聞く事に。

 でもこの片付けなかった行為が、この後起こる出来事に対して、良い方向に向かうなんて、この時の僕は思ってもみませんでした。しかもこの出来事で、さらに大きく事態が動く事になるなるなんてね。

 準備が終わって明日になったら、アルフォンスさんとカーライルさんが森の様子を確認しに行きます。通る場所に強い魔獣がいて、その相手をするの、時間がもったいないでしょう? だからその辺もしっかり確認だって。魔獣が少な場所を確認して移動するんだ。

 こうして移動できるってなったら、いよいよエンシェントドラゴンおじさんとはお別れ。寂しいけど、必ずアルフォンスさんがエンシェントドラゴンおじさんを助けてくれるはず。奴隷契約がなくなったら、また絶対に会うんだ!

 洞窟から出たら、まずはハイエルフの里へ。その時その時の状況によって、着く時間は変わるけど。カーライルさんの他にも、偵察に出ていたハイエルフさん達が数人いるみたいで。途中でその人達と合流しながら、ハイエルフの里へ行くって。

 そしてハイエルフの里に着いたら、里で2日くらい過ごして、また別の隠れ家へ移動します。もし里にいる時に、僕達を追いかけてきてくれている誰かが追いついてきたら、一緒に隠れ家へ。間に合わない時は、後で隠れ家に連れてきてくれる事に。

 これが僕達がエンシェントドラゴンおじさんと別れて、洞窟を出てからの予定です。移動はアルフォンスさんが僕を抱っこそてくれて、フィルはカーライルさんが抱っこしてくれるよ。クルクルは僕の洋服のポケットの中ね。

「だいぶ簡単な説明になってしまったが、分かったか?」

「あい!」

『うんなの!』

『大丈夫!』

「そうか。ではこれから私はエンドラと話しをするから、準備をはじめなさい」

「あい!」

『おいしいくだものときのみ、もっていくなの!』

『あっ、後で虫や小鳥が来たら、さよならの挨拶しよう』

 うん、そうだね。少ししか一緒にいられなかったけど、僕達はもう友達だもんね。後で全部が片付いて、もう何の危険もなくなったら、また虫や小鳥達に会いに来たいねなぁ。

「よし、私達も話しを始めよう」

『もう、それほど時間はないからな。後のこと、お前に任せることになるが。すまないな』

「そんなこと気にするな、お前と私の仲だ。少し向こうで話そう。カーライル、お前もよく話しを聞いておけ」

「はっ」
しおりを挟む
感想 1,420

あなたにおすすめの小説

夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります

ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。 七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!! 初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。 【5/22 書籍1巻発売中!】

もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!

ありぽん
ファンタジー
いつも『もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!』をご愛読いただき、ありがとうございます。 10月21日、『もふもち』コミカライズの配信がスタートしました!! 江戸はち先生に可愛いジョーディ達を描いていただきました。 先生、ありがとうございます。 今後とも小説のジョーディ達、そしてコミカライズのジョーディ達を、よろしくお願いいたします。       ********* 小学3年生の如月啓太は、病気により小学校に通えないまま、病院で息を引き取った。 次に気が付いたとき、啓太の前に女神さま現れて、啓太自身の話を聞くことに。 そして啓太は別の世界の、マカリスター侯爵家次男、ジョーディ・マカリスターとして転生することが決まる。 すくすくそだった啓太改めジョーディは1歳に。 そしてジョーディには友達がいっぱい。でも友達は友達でも、人間の友達ではありません。 ダークウルフの子供にホワイトキャットの子供に。何故か魔獣の友達だらけ。 そんなジョーディの毎日は、父(ラディス)母(ルリエット)長男(マイケル)、そしてお友達魔獣達と一緒に、騒がしくも楽しく過ぎていきます。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

あの日、さようならと言って微笑んだ彼女を僕は一生忘れることはないだろう

まるまる⭐️
恋愛
僕に向かって微笑みながら「さようなら」と告げた彼女は、そのままゆっくりと自身の体重を後ろへと移動し、バルコニーから落ちていった‥ ***** 僕と彼女は幼い頃からの婚約者だった。 僕は彼女がずっと、僕を支えるために努力してくれていたのを知っていたのに‥

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ
ファンタジー
 圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。  アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。  ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?                        それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。  自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。  このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。  それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。 ※小説家になろうさんで投稿始めました

婚約者の側室に嫌がらせされたので逃げてみました。

アトラス
恋愛
公爵令嬢のリリア・カーテノイドは婚約者である王太子殿下が側室を持ったことを知らされる。側室となったガーネット子爵令嬢は殿下の寵愛を盾にリリアに度重なる嫌がらせをしていた。 いやになったリリアは王城からの逃亡を決意する。 だがその途端に、王太子殿下の態度が豹変して・・・ 「いつわたしが婚約破棄すると言った?」 私に飽きたんじゃなかったんですか!? …………………………… たくさんの方々に読んで頂き、大変嬉しく思っています。お気に入り、しおりありがとうございます。とても励みになっています。今後ともどうぞよろしくお願いします!

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

異世界に召喚されたけど間違いだからって棄てられました

ピコっぴ
ファンタジー
【異世界に召喚されましたが、間違いだったようです】 ノベルアッププラス小説大賞一次選考通過作品です ※自筆挿絵要注意⭐ 表紙はhake様に頂いたファンアートです (Twitter)https://mobile.twitter.com/hake_choco 異世界召喚などというファンタジーな経験しました。 でも、間違いだったようです。 それならさっさと帰してくれればいいのに、聖女じゃないから神殿に置いておけないって放り出されました。 誘拐同然に呼びつけておいてなんて言いぐさなの!? あまりのひどい仕打ち! 私はどうしたらいいの……!?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。