80 / 113
連載
212.守ってくれてありがとう
しおりを挟む
話しをしているうちに魔法の羽が消えて、羽を出して喜んで飛んでいたフィルもこっちに戻ってきて、そのまま話しの続きをします。
『カナデ達のステータスをしっかり見て、改めて知っておいて良かったな』
「ああ。何故カナデが狙われているのか。その理由はまだしっかりと決まってはいないが、守る側としては、カナデ達の状態を知っておくことは大切だからな」
守る側。う~ん、ここはやっぱり、1度きちんと聞いておかないとね。それでちゃんとお礼を言わなくちゃ。
「えちょ、どりゃごんおじしゃん、ありゅふぉんしゅしゃん、ぼく、ふぃりゅ、くりゅくりゅ。まもっちぇくれりゅ?」
エンシェントドラゴンおじさんは、奴隷契約のせいで僕を捕まえるように言われていたけど。そしてアサヒさんの事があって、僕達をコースタスク達の元へは連れて行かずに、ここへ連れてきて。
もともと連れてきた理由がアサヒさんであっても、今は僕達に攻撃するとか、傷つけるとかそんなことはなく、洞窟の家と寝床、そして食事を用意してくれてさ。確かに最初はドキドキして、とっても怖かったけど今はね。ぜんぜん不安なんかないよ。
それに今までのエンシェントドラゴンおじさんが味わった、とっても悲しい、そして辛い話しを聞いたら。あんな話しを聞いて、エンシェントドラゴンおじさんを悪いドラゴンだなんて言える?
もしかしたら、エンシェントドラゴンおじさんの話しが、嘘って事もあるかもしれにけど。でも話しをしていた時のおじさんの感じ。僕には嘘をついているようには見えなかったし、アサヒさんの話しをしている時の様子は特にね。
だからもう、僕はエンシェントドラゴンおじさんを信用しているから、守る者って言ってもらえるのはとっても嬉しいです。
そしてアルフォンスさん。エンシェントドラゴンおじさんの復活した気配に、すぐにおじさんの元へ駆けつけてくれて。いきなり僕達みたいなちびっ子がいて、ビックリしただろうに。それなのに話しを聞いて、すぐに僕達の事を心配してくれて。
朝なんて、豪華な朝ごはんまで用意してもらったし。お昼と夜のご飯も楽しみだなぁ。と、それは今は考えている場合じゃなくて。
エンシェントドラゴンおじさんのことも、僕達の事も、とっても心配してくれたアルフォンスさん。そんなアルフォンスさんを見ていれば、アルフォンスさんの事を疑ったり、警戒することなんかないよ。
そう、だからね、そんな2人に守るべき者って言ってもらえたのは嬉しいけど、でも…。というような話しを、僕はエンシェントドラゴンおじさんとアルフォンスさんに話しました。
力はあるかもしれないけど、でも今は何にも役に立たない僕を、そして僕よりも動けるフィルとクルクルを、本当に守ってもらえるのなら。そこなしっかりとお礼を言わないといけない。
『なんだ、そんな事を気にしていたのか。いや、我のせいだな。我が無理やりお前達を連れてきたせいで、怖い思いをさせてしまったからな。どこまで信じてもらえるか分からんが、我はお前達を奴らに渡そうとは思っていない。そして連れてきてしまったからには、しっかりとお前達を守る』
「私もだ。出会ったばかりだが、お前達の事は良く分かったからな。そして幼な子を守るのは、我ら大人の役目。それを自分達の力のために捕えようなどと。お前達は必ず私が守るから安心しろ」
「ありがちょ、ごじゃましゅ」
『うん、ありがとう!!』
『ん? ありがとうなの!!』
フィル、全部ちゃんと分かってないでしょう? まぁ、ほとんど分かってれば良いか。それにちゃんとありがとうもしたし。
『気にするな』
「そうだ。当たり前の事だからな」
みんながニコニコ笑っています。僕も釣られてニコニコ。なんか嬉しいなぁ。
そんな嬉しい気持ちのまま、僕のステータスの話しに戻った僕達。僕のステータスがたぶん強すぎて、あんな表示になっているって事は分かったけどね。
「ぼく、まほ、ちょよい。だかりゃ、こーしゅたくしゅ、ちゅかまえにきちゃ。はねにょまほも、めじゅらちい」
『ああ。しかし、ステータスは関係ないだろう』
関係ない? どうして? だって珍しくて強い魔力だから、コースタスクは何かを復活させつために、僕を捕まえに来たんでしょう? エンシェントドラゴンおじさんを奴隷にしてまで。
『このステータスを知っていれば、ドラゴンの森を襲撃するまで、ずっとお前を調べるような事はしなかっただろう。コースタスクは、お前にどんな力があるのか、捕えるまでに調べておきたかったようだからな』
コースタスク、エンシェントドラゴンおじさんを奴隷にする前から、僕達の事を調べていたみたいだよ。
『ステータスを知るには、ステータスボードを見るか、別の方法で調べるしかない。それには本人にかなり近づかなくてはいけないからな。そんな近くまで、何も警戒せずに近寄る事ができ、ステータスを確認していたのならば。ステータスが分かった時点で、お前達を攫えば良かったはずだ』
「それをしていないという事、そしてずっと調べ続けていたという事は。奴はカナデ達の本当の力を知らないはずだ」
『もしかしたら、カナデ達が初めて魔法を使った時、森に隠れて今回の襲撃の計画を立てていた奴に、それ見られていた可能性があるだろう。他にも何かの拍子に、お前達が魔法を使っているところを目撃されていた場合、その魔法を見てカナデ達に目をつけた可能性が』
「おそらくそうだろうな」
でも、最初の魔法以外は、最初の魔法も一応はそうだったけど、エセルバードさん達が結界を張ってくれたんだよ。周りから見えなくしてくれる結界。
『ならば、最初の魔法だろうな。ドラゴン達の結界を破るほどの魔法。それをたまたま見られてしまったのだろう』
ずっと調べられていたなんて。羽魔法とかステータスを見られていたら、もっと大変なことになっていたかもって。ふぅ、危ない危ない。
『カナデ達のステータスをしっかり見て、改めて知っておいて良かったな』
「ああ。何故カナデが狙われているのか。その理由はまだしっかりと決まってはいないが、守る側としては、カナデ達の状態を知っておくことは大切だからな」
守る側。う~ん、ここはやっぱり、1度きちんと聞いておかないとね。それでちゃんとお礼を言わなくちゃ。
「えちょ、どりゃごんおじしゃん、ありゅふぉんしゅしゃん、ぼく、ふぃりゅ、くりゅくりゅ。まもっちぇくれりゅ?」
エンシェントドラゴンおじさんは、奴隷契約のせいで僕を捕まえるように言われていたけど。そしてアサヒさんの事があって、僕達をコースタスク達の元へは連れて行かずに、ここへ連れてきて。
もともと連れてきた理由がアサヒさんであっても、今は僕達に攻撃するとか、傷つけるとかそんなことはなく、洞窟の家と寝床、そして食事を用意してくれてさ。確かに最初はドキドキして、とっても怖かったけど今はね。ぜんぜん不安なんかないよ。
それに今までのエンシェントドラゴンおじさんが味わった、とっても悲しい、そして辛い話しを聞いたら。あんな話しを聞いて、エンシェントドラゴンおじさんを悪いドラゴンだなんて言える?
もしかしたら、エンシェントドラゴンおじさんの話しが、嘘って事もあるかもしれにけど。でも話しをしていた時のおじさんの感じ。僕には嘘をついているようには見えなかったし、アサヒさんの話しをしている時の様子は特にね。
だからもう、僕はエンシェントドラゴンおじさんを信用しているから、守る者って言ってもらえるのはとっても嬉しいです。
そしてアルフォンスさん。エンシェントドラゴンおじさんの復活した気配に、すぐにおじさんの元へ駆けつけてくれて。いきなり僕達みたいなちびっ子がいて、ビックリしただろうに。それなのに話しを聞いて、すぐに僕達の事を心配してくれて。
朝なんて、豪華な朝ごはんまで用意してもらったし。お昼と夜のご飯も楽しみだなぁ。と、それは今は考えている場合じゃなくて。
エンシェントドラゴンおじさんのことも、僕達の事も、とっても心配してくれたアルフォンスさん。そんなアルフォンスさんを見ていれば、アルフォンスさんの事を疑ったり、警戒することなんかないよ。
そう、だからね、そんな2人に守るべき者って言ってもらえたのは嬉しいけど、でも…。というような話しを、僕はエンシェントドラゴンおじさんとアルフォンスさんに話しました。
力はあるかもしれないけど、でも今は何にも役に立たない僕を、そして僕よりも動けるフィルとクルクルを、本当に守ってもらえるのなら。そこなしっかりとお礼を言わないといけない。
『なんだ、そんな事を気にしていたのか。いや、我のせいだな。我が無理やりお前達を連れてきたせいで、怖い思いをさせてしまったからな。どこまで信じてもらえるか分からんが、我はお前達を奴らに渡そうとは思っていない。そして連れてきてしまったからには、しっかりとお前達を守る』
「私もだ。出会ったばかりだが、お前達の事は良く分かったからな。そして幼な子を守るのは、我ら大人の役目。それを自分達の力のために捕えようなどと。お前達は必ず私が守るから安心しろ」
「ありがちょ、ごじゃましゅ」
『うん、ありがとう!!』
『ん? ありがとうなの!!』
フィル、全部ちゃんと分かってないでしょう? まぁ、ほとんど分かってれば良いか。それにちゃんとありがとうもしたし。
『気にするな』
「そうだ。当たり前の事だからな」
みんながニコニコ笑っています。僕も釣られてニコニコ。なんか嬉しいなぁ。
そんな嬉しい気持ちのまま、僕のステータスの話しに戻った僕達。僕のステータスがたぶん強すぎて、あんな表示になっているって事は分かったけどね。
「ぼく、まほ、ちょよい。だかりゃ、こーしゅたくしゅ、ちゅかまえにきちゃ。はねにょまほも、めじゅらちい」
『ああ。しかし、ステータスは関係ないだろう』
関係ない? どうして? だって珍しくて強い魔力だから、コースタスクは何かを復活させつために、僕を捕まえに来たんでしょう? エンシェントドラゴンおじさんを奴隷にしてまで。
『このステータスを知っていれば、ドラゴンの森を襲撃するまで、ずっとお前を調べるような事はしなかっただろう。コースタスクは、お前にどんな力があるのか、捕えるまでに調べておきたかったようだからな』
コースタスク、エンシェントドラゴンおじさんを奴隷にする前から、僕達の事を調べていたみたいだよ。
『ステータスを知るには、ステータスボードを見るか、別の方法で調べるしかない。それには本人にかなり近づかなくてはいけないからな。そんな近くまで、何も警戒せずに近寄る事ができ、ステータスを確認していたのならば。ステータスが分かった時点で、お前達を攫えば良かったはずだ』
「それをしていないという事、そしてずっと調べ続けていたという事は。奴はカナデ達の本当の力を知らないはずだ」
『もしかしたら、カナデ達が初めて魔法を使った時、森に隠れて今回の襲撃の計画を立てていた奴に、それ見られていた可能性があるだろう。他にも何かの拍子に、お前達が魔法を使っているところを目撃されていた場合、その魔法を見てカナデ達に目をつけた可能性が』
「おそらくそうだろうな」
でも、最初の魔法以外は、最初の魔法も一応はそうだったけど、エセルバードさん達が結界を張ってくれたんだよ。周りから見えなくしてくれる結界。
『ならば、最初の魔法だろうな。ドラゴン達の結界を破るほどの魔法。それをたまたま見られてしまったのだろう』
ずっと調べられていたなんて。羽魔法とかステータスを見られていたら、もっと大変なことになっていたかもって。ふぅ、危ない危ない。
41
お気に入りに追加
4,246
あなたにおすすめの小説
夢のテンプレ幼女転生、はじめました。 憧れののんびり冒険者生活を送ります
ういの
ファンタジー
旧題:テンプレ展開で幼女転生しました。憧れの冒険者になったので仲間たちとともにのんびり冒険したいとおもいます。
七瀬千那(ななせ ちな)28歳。トラックに轢かれ、気がついたら異世界の森の中でした。そこで出会った冒険者とともに森を抜け、最初の街で冒険者登録しました。新米冒険者(5歳)爆誕です!神様がくれた(と思われる)チート魔法を使ってお気楽冒険者生活のはじまりです!……ちょっと!神獣様!精霊王様!竜王様!私はのんびり冒険したいだけなので、目立つ行動はお控えください!!
初めての投稿で、完全に見切り発車です。自分が読みたい作品は読み切っちゃった!でももっと読みたい!じゃあ自分で書いちゃおう!っていうノリで書き始めました。
【5/22 書籍1巻発売中!】
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!
ありぽん
ファンタジー
いつも『もふもふが溢れる異世界で幸せ加護持ち生活!』をご愛読いただき、ありがとうございます。
10月21日、『もふもち』コミカライズの配信がスタートしました!!
江戸はち先生に可愛いジョーディ達を描いていただきました。
先生、ありがとうございます。
今後とも小説のジョーディ達、そしてコミカライズのジョーディ達を、よろしくお願いいたします。
*********
小学3年生の如月啓太は、病気により小学校に通えないまま、病院で息を引き取った。
次に気が付いたとき、啓太の前に女神さま現れて、啓太自身の話を聞くことに。
そして啓太は別の世界の、マカリスター侯爵家次男、ジョーディ・マカリスターとして転生することが決まる。
すくすくそだった啓太改めジョーディは1歳に。
そしてジョーディには友達がいっぱい。でも友達は友達でも、人間の友達ではありません。
ダークウルフの子供にホワイトキャットの子供に。何故か魔獣の友達だらけ。
そんなジョーディの毎日は、父(ラディス)母(ルリエット)長男(マイケル)、そしてお友達魔獣達と一緒に、騒がしくも楽しく過ぎていきます。
あの日、さようならと言って微笑んだ彼女を僕は一生忘れることはないだろう
まるまる⭐️
恋愛
僕に向かって微笑みながら「さようなら」と告げた彼女は、そのままゆっくりと自身の体重を後ろへと移動し、バルコニーから落ちていった‥
*****
僕と彼女は幼い頃からの婚約者だった。
僕は彼女がずっと、僕を支えるために努力してくれていたのを知っていたのに‥
婚約者の側室に嫌がらせされたので逃げてみました。
アトラス
恋愛
公爵令嬢のリリア・カーテノイドは婚約者である王太子殿下が側室を持ったことを知らされる。側室となったガーネット子爵令嬢は殿下の寵愛を盾にリリアに度重なる嫌がらせをしていた。
いやになったリリアは王城からの逃亡を決意する。
だがその途端に、王太子殿下の態度が豹変して・・・
「いつわたしが婚約破棄すると言った?」
私に飽きたんじゃなかったんですか!?
……………………………
たくさんの方々に読んで頂き、大変嬉しく思っています。お気に入り、しおりありがとうございます。とても励みになっています。今後ともどうぞよろしくお願いします!
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。