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211.力に関係するステータスボード

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『ステータスボードは、本人の力がまだ使えない状態、あるいはその者にとって強すぎて使えない場合にも、表示されないことが多いのだ』

 エンシェントドラゴンおじさんとアルフォンスさんの話しによると、ステータスボードは本人の力のよって、表示が色々変わってくるんだって。

 ほら最初の僕のステータスボードと今のステータスボード、まだまだ分からない物ばっかりだけど。でも最初よりは、表示される物が増えたでしょう。
 あれは僕が使える魔法が増えて、それからその魔法を、まぁ、練習中だけど、一応は使えるようになったから。だから表示されるようになったって。

 ただ僕の場合と普通の人との違いが。普通の人は、人間とか獣人ね。ハイエルフとか別の種族はまた違うみたいなんだけど。人や獣人は小さい頃、お父さんやお母さん、それから他の人に手伝ってもらったりして、ステータスボードを確認します。

 それはその子が、どんな力を持って生まれてきたかを確認するため。なぜ確認するのか、それはもちろん、子供が成長して、魔法や剣を練習するときに、その練習を有意義なものにするため。

 ただ小さいことのステータスボードだからね、最初はかなり大雑把みたいだよ。魔法が使えるとか、剣の才能があるとか。
 そして成長をすると、あの魔法を確認する装置を使って、しっかりとどの魔法が使えるか調べます。調べた後はその魔法を練習して、剣や槍なんかも練習して。

 そうするとステータスボードに詳しく、例えば火魔法初級が使えるかとか、初級の槍使いとか、表示されるようになるんだ。こうしてどんどんステータスは、進化していくんだって。

 でも稀に、分からない記号が表示されることが。そう、今の僕と同じね。その場合はまた話しが違ってきます。いくら種類がまだ分からなくても、魔法が使える、剣や槍などが使えるって、表示が出るはずなのに、記号が表示される。
 それはあまりにも強い力のために、きちんと表示されずに、記号として表示された、その人の能力なんだって。

 例えばこの世界では、治療魔法が使える人がたくさんいるけど。もちろん能力には差があって。その中にはどんな怪我でも病気でも、治すことができる治癒師の人達がいます。特級の治癒魔法師だって。その人達は今世界に3人しかいないみたい。

 もちろん、本当に死の一歩手前だった場合は、治せないこともあるし。今亡くなった人であっても、命を復活させることはできないけど、それでもかなりの人々を助けられるみたいで。

 その治癒魔法を使える人達は子供の頃、やっぱり今の僕みたいに、ステータスボードにその治癒魔法の力が、記号として表示されていました。
 そしてちゃんと表示がされるようになったのは、その子供が大人になってからだったり、大人になっても、かなり経ってからだったり。

 最初は初級、中級、上級治癒魔法までは、ステータスボードに表示されていました。でも相変わらず記号はそのままで。
 ただある日突然、その人達が特級の治癒魔法が使えるように。そうしたらステータスボードの記号の部分が、初めてしっかりと表示されて、そこには特級治癒魔法という表示が。

『しっかりとしたことは分かってはいないが、そういった記号は、本人を守るために、最初のうちは記号として、表示されているのではとされている』

「あまりに強い力は、本人にとって命に関わるからな。訓練をまだしておらず、また訓練をしていたとしても、強い力を使えるまでになっていなかった場合。もしその強い力を使ったら、最悪その力に耐えきれず、命を落とす場合があるのだ」

『そうならないために、本人が力をきちんと使えるようになるまで、表示されないようになっている。というのが我々の、世界の考えだ』

「もちろん治癒魔法ばかりではない。どの魔法にも、体術にも、そういった力の強いものは存在し、その力を持っていた者達は、幼い頃、その力が記号として表示されていた」

『だからカナデ達の場合も、その可能性が高い。お前達は神が間違えた、と言っていたがな』

 そうなんだ。あれ? でもそれだとおかしくない? だって強い魔法や体術が、記号で表示されるんでしょう? 最初は表示されていなかった、初級全属性魔法。今は表示されているけど。

 初級だよ? 中級でもないんだよ。強い力が表示されないなら、これは最初から表示されていても良かったんじゃ?

「しょきゅまほ、しゃいしょ、わかりゃにゃかっちゃ。かんたんにゃまほ」

『それもお前の歳では、おかしいという事だ。言ったであろう? 最初は『魔法が使える』としか表示されないと。何が使えるかまでは分からない。そして幼き者が魔法を使えるようになるのは、大きくなってからだ』

「確か人間が初めて魔法を使えるようになるのは、早くて10歳くらいだったか? そしてしっかりと一応魔法が使えるようになるのは、15歳くらいだったか?」

 そういえば、小さい頃は洞窟に入れないとか、魔法を使える歳でも、初めのうちは入れる洞窟が決まっているとか、色々決まっていたね。

「『魔法が使える』という表示ではなく、カナデ達の歳で、初級のしかも全属性が使えるなどと、その表示がある事自体がおかしいのだ。しかし現に魔法は使えているようだからな。そのせいで表示はされたのだろうが」

『普通の人間達がその表示を見れば、皆がお前達の力がおかしいことに気づくぞ』

「そしてコースタスクではないが、お前達を狙ってくる者も現れるだろう。最初にお前達を保護し、そして養い親にまでなってくれた者が、エセルバード達で良かったな。エセルバード達には感謝しなくては。お前達の存在を、そして力を知っても、変わらずに側にいてくれたのだから」

 そうか。そんなに僕達のステータスっておかしかったんだ。そこまでおかしいと思っていなかったよ。エセルバードさん、アビアンナさん、アリスター、みんな、ありがとう。僕達を助けてくれて。 

 でもさ、このステータスって、原因は神様だよね。やっぱり神様がちょっとやりすぎたんじゃ。それプラス間違えているとか。神様、やっぱり今、ここに来て説明してよ。
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