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203.見張っていたのは?

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 エンシェントドラゴンおじさんの言う通り、本当にしっかりと頷いていたよね。フィルの封印って何?って言葉で、今までピリピリしていた空気が、一気に柔らかくなりました。うん。あれだけ深刻な話しをしていたのに。

 と、和んだからなのか、思わずあくびが出ちゃった僕。そんな僕に釣られて、フィルとクルクルも一緒にあくびをして。

『一旦休むか。どうにも話し込んでしまった。まだ色々と話すことはあるし確認する事もあるが、休むとしよう』

 洞窟に着いてご飯を食べて。その後すぐに話しを初めて、そしてアルフォンスさんが来てまた話しをして。ここに来たのは夕方だったけど、今は何時くらいかな? けっこうな時間になってると思うんだけど。

 話しの続きは明日またするってことで、僕達はこのまま寝ることに。エンシェントドラゴンおじさんに浄化の魔法をかけてもらって、すぐに寝る準備は完了。洞窟の中だけど、エンシェントドラゴンおじさんが集めてくれた葉っぱのおかげで、ふわふわと気持ちよく眠れそうです。

「あちたも、おはなち」

『まだまだいっぱい、おはなしなの』

『フィルは封印のお話しもある』

『う~ん、ふういんわからないなの。でも、ぜんぶおはなしおわってからでだいじょぶなの。たいせつなおはなししてるなの。だからおわってからなの』

 フィル、封印のことは分かってないけど、でもちゃんと大事な話しをしていることは理解してて、封印の話しは後でで良いって。

 封印か。う~ん、なんて説明すれば良いのかな? 悪い人を閉じ込めるとか? 悪いことをしないように、こう動けなくするとか。でもそれだと、封印されていたエンシェントドラゴンおじさんも悪い人って事になっちゃうし。

 エンシェントドラゴンおじさんは、周りが悪って仕立て上げて封印されたから、全然違うけど。でもそれをどうやって説明するかだよね。
 大体僕だって、小説やテレビで見た封印のことしかしらなし。本物の封印の話しを聞いたのは今回が初めてだから、上手く説明できるかな?

 なんて事を考えている時でした。なんか洞窟の入り口が騒がしくなったような気がして。でもそれは僕の気のせいじゃありませんでした。

『チッ! まったく目ざとい連中だ』

 エンシェントドラゴンおじさんが、舌打ちをして洞窟の入り口へ向かいます。そんなエンシェントドラゴンおじさんを見ながらアルフォンスさんが、どうして集まって来たんだって言って。

 洞窟の入り口に、何かが集まって来たの? もしかしてコースタスクの仲間? でもその割にはピリピリした感じはしてないし。エンシェントドラゴンおじさんは、ただただ面倒くさいって感じ? それでアルフォンスさんは、どうしてだ?って不思議な顔してるし。

 少ししてエンシェントドラゴンおじさんが戻って来ました。誰かと話しをしながら。

『いいか、明日の朝、ご飯を食べ終わったら、また外へ行くんだぞ。我等はまだ話し合いの最中なのだ』

 とか。

『まったく、隠れて見張っていたとは、しかも我らに気づかれずに』

 他にも。

『何だってこうも集まってくるのだ。我の時も集まって来ていたが、これ程ではなかったぞ』

 なんて、愚痴って感じのことを話しながら歩いて来たよ。一体誰と話しているの? 一旦は寝た僕達だけどみんなで起き上がって、エンシェントドラゴンおじさんがくる方を見ます。
 そして広場に入って来たエンシェントドラゴンおじさんの周りには、たくさんの虫と鳥達が群がっていました。

 もしかしてあの子達。僕達がここに来てすぐに、僕達のところに集まって来た鳥と虫達? みんな同じに見えるからはっきりとは言えないけど、でもわざわざここに来たってことは。
 それに最初ここに入る時、僕達と一緒に入ってこようとして、エンシェントドラゴンおじさんに、後で僕達と遊ばせてって、約束させてたもんね。

『おい、その者達は何だ?』

 先の声をかけたのはアルフォンスさん。でもその間にも僕達を見た鳥と虫達は、勢いよく僕達の所に飛んできて、僕達の頭や肩、体にとまったりくっ付いたりしました。

『それが、ここに来てすぐに、なぜか花畑に居たこの者達が、カナデ達上周りに集まって来て、しかも離れないで洞窟まで一緒についてこようとしたのだ。どうにもカナデ達が気に入ったようでな』

 軽くあの時のことを説明するエンシェントドラゴンおじさん。話しを聞いたアルフォンスさんは、ここの鳥や虫は警戒心が強いのに、そんなにすぐに集まって来たのかって。
 警戒心が強い? まさかぁ。だって本当にすぐに、みんな僕達の所に集まって来たよ。それでずっと一緒に遊んでたんだから。

『我々の話しが終わるのを、隠れて確認していたらしい。寝るときになったら一緒寝ようと』

『ずっとか? 私がここへ来たときにも?』

『ああ、お前が来る前からだそうだ』

『まったく気づかなかったな』

『それだけ気配を消して、こちらを見張っていたのだろう。カナデ達と寝ようとな。まったく、ドラゴンだけカナデ達を気に入ったのか』

 エンシェントドラゴンおじさん達にも分からないように、隠れてこっちを見張る? それって凄い事なんじゃ?

 その後エンシェントドラゴンおじさんは、鳥と虫達に再度注意をして。ほら、さっき愚痴ってた、明日の朝ご飯を食べたら、また外へ行くとか、他にも静かに寝るんだぞとかね。それに元気よく鳴いたり、身振り手振りで反応する鳥と虫達。

 僕達がもう1回寝ると、潰されないように、みんなそれぞれ僕達の上を移動して、そしてそれぞれフィットする場所を見つけたら、すぐに静かになりました。

「おやちゅみなしゃい」

『おやすみなの!』

『おやすみなさい』

 こうして洞窟に着いて1日目の話し合いは終わりました。色々濃い話しだったけど、まだまだ色々とありそう、しっかり寝ないとね。
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