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193.エンシェントドラゴンおじさんの封印 残党の討伐へ

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 その日もアサヒさんの証拠を探していたエンシェントおじさん。そこに敵の残党が暴れてるって話しが舞い込んできて。その敵の排除をしてほしいって、エンシェントドラゴンおじさんは頼まれました。

 それでハイエルフとエルフ達と一緒に、その残党を倒しに行こうとしたんだけど。どうも2箇所で残党は暴れているみたいで。だから別れ倒しに行ってほしいって言われたんだって。
 でもエンシェントドラゴンおじさん達は、残党といっても、もともと力のある者達が集まっていたから、なるべくみんな一緒に倒しに行った方が良いって言ったんだ。

 もし何かあったら? 討伐が遅れるどころか、さらに被害が大きくなる恐れが。だったら最初から同じ場所に行って確実に倒してから、もう1箇所に行った方が良いって。
 エンシェントドラゴンおじさんとハイエルフとエルフ達、この3種族が一緒なら、そう簡単に負けるはずないからね。

 ちなみに、ハイエルフもエルフも、かなりの力の持ち主みたいです。ドラゴンと同じくらい? それ以上? 僕にはよく分からなかったけど、なにしろかなりの力を持っているって。それからエルフよりもハイエルフの方が強いみたいだよ。
 
 こうして何とか説得しようとしたエンシェントドラゴンおじさん達。でも国の偉い人達は、どちらも同じくらいの被害が出ていて、民が困っているから、何としてもふた手に別れて行ってほしいって引かないでね。
 仕方なくエンシェントドラゴンおじさん達は、おじさんと国の騎士達。ハイエルフとエルフ達に別れて、残党を倒しに行く事にしました。

 でもね、この時エンシェントおじさんは、何か嫌な予感がしていて。残党の所へ行く前に、ある事をしにある場所へ行きました。何をしに行ったか。大切な宝物を、洞窟に隠しに行ったんだって。

 その宝物は、アサヒさんから貰った物でした。それはアサヒさんがこの世界にかなり慣れた頃。この頃からちょこちょこ冒険には出ていたんだけど、その日始めて、とっても強い魔獣に出くわして。

 魔獣は2匹いたから2人で手分けしてその魔獣を倒す事に。もちろんエンシェントドラゴンおじさんはすぐに魔獣を倒したよ。でもアサヒさんは初めての強い魔獣だったからね。かなり時間がかかって、ちょっと怪我もして。でも最終的にちゃんと倒す事ができました。

 そしてその魔獣を倒した後には、ある物が出現したんだ。僕は知らなかったんだけど、この世界の魔獣は、倒すと時々その倒した魔獣から、宝物を手に入れることができるみたい。こう、ふわっと体から出てくるの。

 その宝物は武器だったり、防具だったり、宝石だったり、他のも色々。その時その時で違うみたいなんだけど、とっても良い物が手に入るんだって。ドロップってやつかな?

 それでね、その時は2人の倒した魔獣それぞれから宝物が出て。基本出てきた宝物は、その魔獣を倒した人の物らしいんだけど。アサヒさんは自分の方に出てきた宝物を、エンシェントドラゴンおじさんにあげようとしました。

 この世界に来て、お世話をしてくれたお礼だって。初めて倒した強い魔獣、しかも初めてとっても素敵な宝物が出て。だからこの宝物をエンシェントドラゴンおじさんにプレゼントしたいって。

 アサヒさんのその気持ちが、とても嬉しかったでエンシェントドラゴンおじさん。でも貰うだけじゃってことで、せっかくなら記念に、自分の方に出た宝物と交換しようって事になりました。

 そしてその宝物を、エンシェントドラゴンおじさん達は、ずっと肌身離さず持ち歩く事に。僕達みたいだよね。自分達の宝物、みんな一緒の宝物、時々交換もするしね。

 そんな大切な宝物を、アサヒさんは最後の時も持っていました。アサヒさんが亡くなった後は、アサヒさんの遺体は国が管理していたから、宝物だけでもって。
 エンシェントドラゴンおじさんが何とか、バレないように宝物を回収して。そしてアサヒさんが好きだったある場所に、その宝物を埋めたんだって。

 そしてエンシェントドラゴンおじさんの、アサヒさんの貰った宝物。こっちもとっても大切な宝物だからね。エンシェントドラゴンおじさんは、嫌な予感がしたから、宝物がなくならないように、隠しに行ったんだ。
 そして隠し場所を見つけたら、しっかりと宝物を隠すと、さらに結界を張って、完璧に宝物を隠しました。

 こうして準備を整えたエンシェントドラゴンおじさんは、すぐに騎士達と残党の暴れている場所へ。
 そして着いた場所は大きな洞窟で、エンシェントドラゴンおじさんも、ドラゴン姿のまま、少し小さくなれば入れるくらいの洞窟でした。

 中へ入るエンシェントドラゴンおじさん達。この時エンシェントドラゴンおじさんは、おかしいと思っていて。確かに人の気配はするけれど、残党の気配がしなかったの。残党の気配は独特ですぐに分かるんだって。でも、その時はぜんぜんその気配がしなくて。

 そして洞窟の最奥に着くと待っていたのは、確かに人はいたけど、残党じゃありませんでした。騎士達と魔法師達だったの。
 エンシェントドラゴンおじさんが、どういう事か聞くと、ここに残党はいないけれど、ハイエルフとエルフ達が行った方には、ちゃんと残党がいる。そう、国王に言われたんだ。

 何故か討伐について来た国王。何故付いて来たいのか聞いたら、しっかり状況を把握したい、ようやく全てを終わらせたのに、また国が危険にさらされたら大変だ、だから自ら確認したいって言ってね。それで無理矢理ついて来ていたんだって。

 でもそれは、全て嘘でした。もうね、ほとんどが嘘だったって。何故居もしない残党の方へ、エンシェントドラゴンおじさんを連れて来たか。それは…。

「ようやくこれで、本当の平和が訪れる」

『…いつからだ。いつから考えていた』

「そんなもの、お前達がこの国で、大々的に活動を始めてから、いや、そのずっと前からか」

『我はお前達に、何かをした覚えはないが?』

「ふん、お前達の存在そのものが、わしにとっては脅威だった。だがそれも今日で終わりだ」

『こんな事をせずとも、邪魔ならすぐに国から出て行くぞ』

「お前が国から出ていく、それだけで本当の平和が訪れると?」

 国王が手を挙げると、エンシェントドラゴンおじさんをたくさんの騎士達と魔法師達が取り囲みました。
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