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183.想定外の出来事(コースタスク視点)
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「それでこれからどうするの? 色々と想定外の事が起こっているみたいだけど? 悪い方の意味でね」
「ミランダ、口を慎め」
「だって、本当のことじゃない。予定通りだったら今頃もう子供を攫って、ここから離れていたはずなのよ。それでゆっくりと温泉に浸かっていたはずだったのに。もう、ドラゴンとの戦いで、体がかなり汚れちゃって、気持ち悪いったら」
「お前は一体、ここへ何をしに来ていのだ」
「あら、私はここへ、楽しみのために来ているのよ。後はついでよついで。そして後の楽しみのためにも、ここでのことは成功してほしいから、こうして話しをしに来ているのよ。戦う理由は違うけれど、あなた達の最終目的と、私の楽しみが同じ。私がここに居る理由はそれよ」
「何故お前のような者が。はぁ」
「ついでに言わせてもらうけど、互角にドラゴンと戦っていると言っても、正直私達の方がやっぱり押されているのよ。まぁそれは、さすがドラゴンって言ったところだけれど。このままだと不味いんじゃないの?」
「お前達、少し静かにしろ。今、これからの事を考えている」
私がそう言えば、すぐに黙るビルトルートとミランダ。今、私の所に来ているのはこの2人だ。他の幹部は、それぞれの持ち場で待機させている。
私達はドラゴン達との戦いを一時中断し、エセルバードの治めている里から、少し離れて場所まで移動してきていた。それにはいくつか理由があり。私の想定外していなかった事が起こったのだ。いや、それについて考えてはいたが、その考えを上回ったと言った方が正しいだろう。
最初に起きた想定外の出来事。これは少し前にも起こった事については、想定内のことだったが、エンシェントドラゴンが2度目の抵抗を示したのだ。
1回目の抵抗の時、私はすぐにエンシェントドラゴンの抵抗に気づいた。もともと奴隷契約は、もし奴隷が抵抗をすれば分かるようになっている。しかし私の場合は、自分の命を元にして奴隷契約をしているため、普通の奴隷契約よりも、さらに相手のことを感じ取る事ができる。
そんな私の奴隷契約に反抗してきたエンシェントドラゴ。その抵抗は数十分続き、そして反抗したために罰が発動した。
それからすぐにピロートから連絡が入り、詳しい状況を聞いたが、その時の抵抗は、あの時点でのエンシェントドラゴンの力を考えると妥当のもので。最初の抵抗くらいならば何も問題はなかったため、そのまま子供を追わせる事に。
だがそれから数時間後。エンシェントドラゴンが子供に追いついただろう頃に、またエンシェントドラゴンが抵抗を示したのだ。しかもその抵抗は、私の考えを遥かに超える抵抗で。すぐに様子を確認しに行っていた者から連絡が入ったが。
エンシェントドラゴンは、子供とフェンリル、そして鳥を連れて、私の元へ来ることはなく、そのままどこかへ飛び去ったと。
私の考えでは、1回目の抵抗、そして2回目の抵抗ともに、エンシェントドラゴンの力は、そこまで変わらないと。
確かに子供の元へ着く頃には、かなり力が戻っていただろう。ただそこに行くまでにもかなり力は戻っていたため、そう考えていたのだ。
しかしこれだけの抵抗を示すほどの差が出るとは。完全に私の考えが甘かった。そのため少し予定が狂ってしまい。
私は、エンシェントドラゴンが子供を攫ってきたら、ドラゴンの森は部下達に任せ。自分は子供を連れて、すぐ別の場所へ移動しようと考えていた。が、その計画が狂ってしまった。
ただ、どれだけエンシェントドラゴンが抵抗しようとも、これに関しては計画の時間が遅くなるというだけで、重大な問題ではない。
エンシェントドラゴンの抵抗はいつか終わる。そしてその抵抗が長ければ長いほど、私の元へ戻るように、あの奴隷契約には魔法が付与されている。その魔法が発動すれば、エンシェントドラゴンは私の元へ戻ってくるのだ。
命令も、強制的に実行させるための魔法が付与されているため。何故子供を連れ、ここから離れたかは知らないが、結局は強制的に戻ってくる時に、子供も連れてくる事になる。だから時間はかかっても問題はない。
どちらかと言えば、もう1つの想定外の方が問題だ。ピロートが意識のない状態とはいえ、向こうに捕えられた事が。ピロートが向こうに捕えられた事だ。
私はピロートだけではなく、幹部全員に、そしてその幹部の下の者達、そう、使い捨ての者達以外に。敵に捕えられそうになった場合、情報を漏洩させないために、自害するための呪いを覚えさせていた。
その呪いはその辺の弱い呪いではなく、確実に自害するための強力な呪いで。捕えられそうになったピロートは、その呪いを使ったそうなのだが。
まさかエセルバードの妻、アビアンナというドラゴンが、その呪いを消してしまうとは、思いもしなかった。
何故あの強力な呪いを消す事ができたのか。報告では頬を何発か叩き、それで呪いを消してしまったと。そんな事があるのか? これは本当に予想外だった。
これではもし、また捕まる者が出てきた場合、やはり呪いを消され、死なずに捕えられ、私達の情報が漏れれば、面倒な事になりかねない。
「それで、これからどうするの?」
「エンシェントドラゴンと子供の方は、そのうち強制的に戻ってくる」
そう、戻ってくるが、それでも私の想定外の事が起きているからな。気をつけなければ。
「今。ジェルロウを向かわせている。あちらはジェルロウに任せ、こちらはできる限りドラゴンと魔獣を減らすぞ。これからの事を考えればどの道、ここのドラゴン達は邪魔な存在になるからな」
「しかしミランダではありませんが、ここへ来てから、あまりドラゴンも魔獣も減っていませんね」
「ふん、そこはさすがドラゴンとこの森に住む魔獣と言ったところだ。が、これ以上私達の力は、今の段階では上げることはできない。あの方が復活されるまでは。それに向こうには、かなりの力を持った治癒師がいるからな。だが、それでも邪魔な者は消さなければ。お前達はそのまま、自分達の持ち場でドラゴン達を何とか消せ」
「かしこまりました」
「分かったわ。様子を見てまたしかけるわ。それで良いでしょう?」
「ああ」
2人が私の前から消える。そうだ、これからのため、今は少しでもドラゴン達を消しておかなければ。
そしてその合間をぬって、これから連れて来られるピロードの対策をせねば。隙をつきその場で殺せるのであれば殺す。
それにしても、エンシェントドラゴンは、罰を分かっていて、強制的に戻る事を分かっていて、何故子供を連れて行ったのか。あの子供には私が気づいていない、何か秘密があるのか?
「ミランダ、口を慎め」
「だって、本当のことじゃない。予定通りだったら今頃もう子供を攫って、ここから離れていたはずなのよ。それでゆっくりと温泉に浸かっていたはずだったのに。もう、ドラゴンとの戦いで、体がかなり汚れちゃって、気持ち悪いったら」
「お前は一体、ここへ何をしに来ていのだ」
「あら、私はここへ、楽しみのために来ているのよ。後はついでよついで。そして後の楽しみのためにも、ここでのことは成功してほしいから、こうして話しをしに来ているのよ。戦う理由は違うけれど、あなた達の最終目的と、私の楽しみが同じ。私がここに居る理由はそれよ」
「何故お前のような者が。はぁ」
「ついでに言わせてもらうけど、互角にドラゴンと戦っていると言っても、正直私達の方がやっぱり押されているのよ。まぁそれは、さすがドラゴンって言ったところだけれど。このままだと不味いんじゃないの?」
「お前達、少し静かにしろ。今、これからの事を考えている」
私がそう言えば、すぐに黙るビルトルートとミランダ。今、私の所に来ているのはこの2人だ。他の幹部は、それぞれの持ち場で待機させている。
私達はドラゴン達との戦いを一時中断し、エセルバードの治めている里から、少し離れて場所まで移動してきていた。それにはいくつか理由があり。私の想定外していなかった事が起こったのだ。いや、それについて考えてはいたが、その考えを上回ったと言った方が正しいだろう。
最初に起きた想定外の出来事。これは少し前にも起こった事については、想定内のことだったが、エンシェントドラゴンが2度目の抵抗を示したのだ。
1回目の抵抗の時、私はすぐにエンシェントドラゴンの抵抗に気づいた。もともと奴隷契約は、もし奴隷が抵抗をすれば分かるようになっている。しかし私の場合は、自分の命を元にして奴隷契約をしているため、普通の奴隷契約よりも、さらに相手のことを感じ取る事ができる。
そんな私の奴隷契約に反抗してきたエンシェントドラゴ。その抵抗は数十分続き、そして反抗したために罰が発動した。
それからすぐにピロートから連絡が入り、詳しい状況を聞いたが、その時の抵抗は、あの時点でのエンシェントドラゴンの力を考えると妥当のもので。最初の抵抗くらいならば何も問題はなかったため、そのまま子供を追わせる事に。
だがそれから数時間後。エンシェントドラゴンが子供に追いついただろう頃に、またエンシェントドラゴンが抵抗を示したのだ。しかもその抵抗は、私の考えを遥かに超える抵抗で。すぐに様子を確認しに行っていた者から連絡が入ったが。
エンシェントドラゴンは、子供とフェンリル、そして鳥を連れて、私の元へ来ることはなく、そのままどこかへ飛び去ったと。
私の考えでは、1回目の抵抗、そして2回目の抵抗ともに、エンシェントドラゴンの力は、そこまで変わらないと。
確かに子供の元へ着く頃には、かなり力が戻っていただろう。ただそこに行くまでにもかなり力は戻っていたため、そう考えていたのだ。
しかしこれだけの抵抗を示すほどの差が出るとは。完全に私の考えが甘かった。そのため少し予定が狂ってしまい。
私は、エンシェントドラゴンが子供を攫ってきたら、ドラゴンの森は部下達に任せ。自分は子供を連れて、すぐ別の場所へ移動しようと考えていた。が、その計画が狂ってしまった。
ただ、どれだけエンシェントドラゴンが抵抗しようとも、これに関しては計画の時間が遅くなるというだけで、重大な問題ではない。
エンシェントドラゴンの抵抗はいつか終わる。そしてその抵抗が長ければ長いほど、私の元へ戻るように、あの奴隷契約には魔法が付与されている。その魔法が発動すれば、エンシェントドラゴンは私の元へ戻ってくるのだ。
命令も、強制的に実行させるための魔法が付与されているため。何故子供を連れ、ここから離れたかは知らないが、結局は強制的に戻ってくる時に、子供も連れてくる事になる。だから時間はかかっても問題はない。
どちらかと言えば、もう1つの想定外の方が問題だ。ピロートが意識のない状態とはいえ、向こうに捕えられた事が。ピロートが向こうに捕えられた事だ。
私はピロートだけではなく、幹部全員に、そしてその幹部の下の者達、そう、使い捨ての者達以外に。敵に捕えられそうになった場合、情報を漏洩させないために、自害するための呪いを覚えさせていた。
その呪いはその辺の弱い呪いではなく、確実に自害するための強力な呪いで。捕えられそうになったピロートは、その呪いを使ったそうなのだが。
まさかエセルバードの妻、アビアンナというドラゴンが、その呪いを消してしまうとは、思いもしなかった。
何故あの強力な呪いを消す事ができたのか。報告では頬を何発か叩き、それで呪いを消してしまったと。そんな事があるのか? これは本当に予想外だった。
これではもし、また捕まる者が出てきた場合、やはり呪いを消され、死なずに捕えられ、私達の情報が漏れれば、面倒な事になりかねない。
「それで、これからどうするの?」
「エンシェントドラゴンと子供の方は、そのうち強制的に戻ってくる」
そう、戻ってくるが、それでも私の想定外の事が起きているからな。気をつけなければ。
「今。ジェルロウを向かわせている。あちらはジェルロウに任せ、こちらはできる限りドラゴンと魔獣を減らすぞ。これからの事を考えればどの道、ここのドラゴン達は邪魔な存在になるからな」
「しかしミランダではありませんが、ここへ来てから、あまりドラゴンも魔獣も減っていませんね」
「ふん、そこはさすがドラゴンとこの森に住む魔獣と言ったところだ。が、これ以上私達の力は、今の段階では上げることはできない。あの方が復活されるまでは。それに向こうには、かなりの力を持った治癒師がいるからな。だが、それでも邪魔な者は消さなければ。お前達はそのまま、自分達の持ち場でドラゴン達を何とか消せ」
「かしこまりました」
「分かったわ。様子を見てまたしかけるわ。それで良いでしょう?」
「ああ」
2人が私の前から消える。そうだ、これからのため、今は少しでもドラゴン達を消しておかなければ。
そしてその合間をぬって、これから連れて来られるピロードの対策をせねば。隙をつきその場で殺せるのであれば殺す。
それにしても、エンシェントドラゴンは、罰を分かっていて、強制的に戻る事を分かっていて、何故子供を連れて行ったのか。あの子供には私が気づいていない、何か秘密があるのか?
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