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190.エンシェントドラゴンおじさんの過去 2人が巻き込まれた大きな出来事

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 ずっと調べて続けるエンシェントドラゴンおじさん。何とかアサヒさんの無実を証明しようとして。でも、出てくる証拠は全て、アサヒさんに不利なものばかりでした。

 そしてアサヒさんが帰ってくる1週間前、アサヒさんにとって不利な、決定的な証拠が出てしまいました。エンシェントドラゴンおじさんがいくらアサヒさんを信じていても、みんなに無罪だって主張しても、その証拠はあまりにも完璧な物で。

 それでもエンシェントドラゴンおじさんは、アサヒさんが帰って来て、ちゃんとアサヒさんが説明してくれれば、誤解だったって、疑いは晴れると信じていました。

 そんな完璧な証拠が見つかって、予定通り1週間後に帰って来たアサヒさん。アサヒさんはすぐに捕えられて、取り調べを受ける事に。
 もちろんアサヒさんは、今回の事件に付いて、もう知らせを受けていたからね。すぐにその事件に付いて否定しました。

 その否定を聞いて少し安心したエンシェントドラゴンおじさん。でも取り調べが進むにつれ、だんだんとアサヒさんの様子が、証言がおかしくなって来て。ただ無罪ってことだけは、変わらずに主張していました。

 また不安になってきたエンシェントドラゴンおじさん。この時エンシェントドラゴンおじさんは、取り調べの時は必ずその取り調べに参加していました。
 相手は大切な相棒のアサヒさんだからね。アサヒさんを良く思っていない人達も、この国には少なからずいて、その人達が嘘の証拠をでっち上げる可能性もあったから、それを見張っていたの。

 そしてその日も取り調べが終わって、アサヒさんと少しだけ話す時間があったエンシェントドラゴンおじさん。その時話した事は。

「俺は何もしていない。だが証拠は…。俺がやったという証拠が集まり過ぎている。もしかしたら俺はこのまま捕えられたままになる可能性も」

『諦めるんじゃない。我が奴等が文句の言えないほどの、お前の無罪の証拠を見つけてやる』

「ありがとう。…だけど、もしこの後も、俺に不利な証拠が出てきても、どうかお前だけは、俺を信じて欲しい」

『ああ、絶対に。我はお前を信じる』

 そんな話しをした後は、2人で冒険をしていた、楽しかった頃の話しをして、その日は別れたんだって。でもその次の日。

 どうにも覆せない証拠が出て。その証拠はエンシェントドラゴンおじさんも認めるしかないほどの完璧に証拠でした。
 信じられず確認をしに、現場へ向かったエンシェントドラゴンおじさん。その証拠を確認した瞬間。エンシェントドラゴンおじさんは、前の日にアサヒさんのことを信じるって約束をしたのに、信じる事ができなくなってしまいました。

 でもね、その証拠が出た後もアサヒさんは、ずっとエンシェントドラゴンおじさんに信じてくれって、訴えていたみたいなんだけど。結局最終的には、アサヒさんは今敵対している相手を倒し次第、刑を受ける事に。

 それが決まってからは、アサヒさんがいくらエンシェントドラゴンおじさんに話しがしたいって言っても、エンシェントドラゴンおじさんは、ずっとアサヒさんを無視して。何も話さないまま、ついに敵の本拠地へ攻め込む事に。

 どんどん敵を倒していくエンシェントドラゴンおじさんとアサヒさんと、そして同じ国の人々に、他の国の人々。最初は完璧に敵を押さえていました。でも相手だって、そのまま黙っているわけもなくて。

 戦いが始まってから半分くらい敵を片付けた時に、相手の反撃が始まり、こちら側にかなりの被害が。そのまま相手の攻撃は止まる事がなく、せっかく半分まで攻め込んでいたのに、かなり戻されちゃったみたい。
 挙句、相手のあまりの恐ろしさに、逃げ出す国まで。戦況はどんどん悪くなっていきました。

 そんな中、やっぱり立ち上がったのはアサヒさんとエンシェントドラゴンおじさんで。戦っている中で、2人より力がある人達はいなかったからね。だから2人は先頭に立って、力の限り敵を攻撃しました。そしてなんとか形勢は逆転。ついに敵の親玉との対決に。

 親玉との対決は、今まで以上に大変でした。親玉を倒せば全てが終わるのに、どんどん仲間がやられていき、やっと親玉に一撃を入れる頃のには、エンシェントドラゴンおじさんもアサヒさんもボロボロで。

 そしてついに、その時はやってきました。相手の親玉を倒す時が。そしてエンシェントドラゴンおじさんとアサヒさんの別れの時が。

 アサヒさんが最後の攻撃をしようと、親玉に飛びかかって時、どこにその力が残っていたのか、親玉はその力を使い、最後の攻撃とばかりにアサヒさんを狙って。
 アサヒさんはもう攻撃態勢に入っていたから、絶対にその攻撃を親玉に喰らわせようと、エンシェントドラゴンおじさんに援護を頼むって言ったんだけど。

 その時エンシェントドラゴンおじさんは、一瞬反応が遅れて。アサヒさんは親玉の攻撃をもろに受けちゃいました。
 ここ1ヶ月以上、アサヒさんを無視していたエンシェントドラゴンおじさん。アサヒさんの声に、すぐに反応する事ができなかったんだよ。

 エンシェントドラゴンおじさんの前に、ドサッと落ちてきたアサヒさん。そしてハッ!! となるエンシェントドラゴンおじさん。
 すぐに動いて、動けなかった親玉に、最後の攻撃をし、止めを刺すと。親玉は完全に息絶え、世界を救う事には成功しました。でも…。

 フラフラとアサヒさんの元へ戻るエンシェントドラゴンおじさん。アサヒさんを抱き起こし怪我を確認。アサヒさんの傷は、回復魔法では治せないほど酷い状態で。治せないという事はアサヒさんは…。

 何度か声をかけると、なんとか意識を取り戻したアサヒさん。

「…やつは?」

『大丈夫だ、我が止めを刺した』

「…そうか。…お前と話すのも、久しぶりだな」

 本当、それは久しぶりの会話で、そして最後の会話でした。
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