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145.現れたエンシェントドラゴン
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『おいおい、アレなんだよ』
『何故、あのような物が』
『まさか何処かでオレ達に気づかれずに、生きていたってのかよ。それか何か? 昔封印された奴が復活したのか?』
『昔過ぎて、知っている者はいないだろう。あれが封印された物なのか、それとも新たに生まれた存在なのか。だが、もし新しく生まれたのならば、誰かが気づくはずだ』
『だよなぁ。普通だったら気づくよな。あれだけ面倒くさい魔力を放っているんだからな。気づかないわけがない』
『それに、あれは魔力の爆発と共に現れた。もしかしたらあの爆発は封印が解けた時のものでは?』
『かもしいれないな。が、しかし、これはなぁ。魔力の感じから、そう簡単に片付けられるとは思っていなかったが』
『ああ、我々が全力で戦って、どれだけ奴とやり合えるか』
『だが、やるしかないだろう。ここにはオレ達の森だからな。簡単にやられてたまるかよ』
『どちらがエセルバードに?』
『マウリシオ、お前のとこのリガールは? オレ達の里の中で1番速いだろう? こんな場合だ、オレかお前が行くのが早いが、奴が攻撃してきた時、最初の一撃を止めるのはオレ達の仕事だからな』
『分かった。リガール!!』
『はっ!!』
『お前はエセルバードの所へ、何が来たか伝えろ。それと何かが森の周りにいると。奴が現れたと同時に、奴の魔力に当てられたのか、急に気配を感じることができたと。それから…』
『了解しました』
『おうおう、やっぱりリガールに頼んで正解だな。もうあんな所まで飛んで行った。さて、オレ達はあれの相手でもしますかね』
『数分ここを離れるぞ』
『何だこんな時に』
『奴が相手だぞ、何回結界が破られる可能性が? 強い結界を張れる者を、少し下がらせる。結界だけに集中させるためにな』
『それで追いつくか?』
『やるしかない。アーチボルト、お前の方は私の所よりも、戦闘能力が高いんだ。しっかり奴を止めろ。というか、さっさと倒せ』
『はっ、分かってるよ。…死ぬなよ』
『…ああ』
*********
それは昼食前、禍々しい魔力の何かがかなり我々の森に近づき、後1時間ほどで森の入り口まで到着する、それほどの距離まで近づいていた時だった。猛スピードで我々の里に近づいてくる気配が。
この気配はマウリシオの所のリガールか? あの禍々しい魔力の正体が分かり、知らせに来たのだろうと思い、私は仕事部屋から動かず待つことに。15分ほどすると私の所へ、やはりリガールがやって来た。
『あれの正体が分かったか!』
『はっ! あれの正体はエンシェントドラゴンです!!』
『エンシェントドラゴンだと!?』
『はい、間違いありません。マウリシオ様からです』
マリウスからの伝言を受け取る。飛んできた物の正体。それはドラゴンの中で最強と言われるエンシェントドラゴンで、大きさは私の3倍ほど。ただそのエンシェントドラゴンが、昔封印されたとされるエンシェントドラゴンか、新たに生まれたものかは分からない。
また問題はエンシェントドラゴンだけではない。エンシェントドラゴンが現れた瞬間、森の周りで、何かの気配を確認。エンシェントドラゴンの強い魔力に影響されて、隠れていた者が出て来たらしい。
気配が安定していないため、しっかりとした数、力は分からないが、かなりの数が隠れておる模様。おそらく人間と獣人だろう。
何故、奴らの気配に気づかなかったのかは分からないが、もしかすると今回のエンシェントドラゴンに関係しているかもしれない。
またこの様子だと、そちらの里の方の森の周りにも、人間と獣人達が隠れている可能性がある。今のうちに確認しておいた方が良い。エンシェントドラゴンと同時に、戦わなくても良いよう、消した方が良いだろう。
こちらは結界の外へ出るわけには行かないが。エセルバード、お前の方は間に合うはずだ。こちらは任せろ。
というものだった。
『分かった。何か必要な物は? 頼まれた物はないか?』
『今のところは』
『そうか』
『では、私はこれで』
『マウリシオとアーチボルトに伝えてくれ、死ぬなよと。お前もなリガール』
『はっ!!』
窓からリガールが出て行った。
はぁ、全く不味いことになった。まさかエンシェントドラゴンが現れるとは。それに森の周りに突然人間達が現れただと。エンシェントドラゴンの魔力に影響されて、人間達の気配が現れたと言っていたが。
それまでどうやって、我々に気づかれずに、森の周りに隠れていた? …まさかあの時の犯人と同じか?
我々に気づかれず、反撃もさせずに、我々の仲間の命を奪った犯人。あの事件からずっと捜査していたが、何も見つける事ができず、時間ばかりが過ぎてしまったが。しかし…。
ダメだ、考えるのは後だ。マウリシオの言う通り、先に森の周りを調べなければ。ここはストライドと彼の仲間に頼むべきだろう。私は急いでストライドを呼ぶ。
そして来たストライドに今の状況を話せば、一瞬驚いたが、すぐにいつものストライドに戻り部屋から出て行った。
次に私はセバスを呼ぶと、他の部隊と魔獣達に情報を伝えるように頼むと、私自身はアビアンナ達の元へ。
来てしまった以上、戦うしかないが、どうしてエンシェントドラゴンが。あの時のウィバリーやイングラム達と話していた事。
カナデ、フィル、クルクル、そしてアリスターを逃す事。それが本当になってしまうかもしれない。この森を守れたとしても、かなりの死者が出る可能性も。
エンシェントドラゴンを倒すにはどうすれば良い。昔の書物に何かヒントになるような物はないだろうか? アビアンナ達に話しをしたら、奴が来るギリギリまで調べるしかない。
どんな些細なことでも良い。この森を、子供達を守るために、奴を倒す何かが見つかれば。
『何故、あのような物が』
『まさか何処かでオレ達に気づかれずに、生きていたってのかよ。それか何か? 昔封印された奴が復活したのか?』
『昔過ぎて、知っている者はいないだろう。あれが封印された物なのか、それとも新たに生まれた存在なのか。だが、もし新しく生まれたのならば、誰かが気づくはずだ』
『だよなぁ。普通だったら気づくよな。あれだけ面倒くさい魔力を放っているんだからな。気づかないわけがない』
『それに、あれは魔力の爆発と共に現れた。もしかしたらあの爆発は封印が解けた時のものでは?』
『かもしいれないな。が、しかし、これはなぁ。魔力の感じから、そう簡単に片付けられるとは思っていなかったが』
『ああ、我々が全力で戦って、どれだけ奴とやり合えるか』
『だが、やるしかないだろう。ここにはオレ達の森だからな。簡単にやられてたまるかよ』
『どちらがエセルバードに?』
『マウリシオ、お前のとこのリガールは? オレ達の里の中で1番速いだろう? こんな場合だ、オレかお前が行くのが早いが、奴が攻撃してきた時、最初の一撃を止めるのはオレ達の仕事だからな』
『分かった。リガール!!』
『はっ!!』
『お前はエセルバードの所へ、何が来たか伝えろ。それと何かが森の周りにいると。奴が現れたと同時に、奴の魔力に当てられたのか、急に気配を感じることができたと。それから…』
『了解しました』
『おうおう、やっぱりリガールに頼んで正解だな。もうあんな所まで飛んで行った。さて、オレ達はあれの相手でもしますかね』
『数分ここを離れるぞ』
『何だこんな時に』
『奴が相手だぞ、何回結界が破られる可能性が? 強い結界を張れる者を、少し下がらせる。結界だけに集中させるためにな』
『それで追いつくか?』
『やるしかない。アーチボルト、お前の方は私の所よりも、戦闘能力が高いんだ。しっかり奴を止めろ。というか、さっさと倒せ』
『はっ、分かってるよ。…死ぬなよ』
『…ああ』
*********
それは昼食前、禍々しい魔力の何かがかなり我々の森に近づき、後1時間ほどで森の入り口まで到着する、それほどの距離まで近づいていた時だった。猛スピードで我々の里に近づいてくる気配が。
この気配はマウリシオの所のリガールか? あの禍々しい魔力の正体が分かり、知らせに来たのだろうと思い、私は仕事部屋から動かず待つことに。15分ほどすると私の所へ、やはりリガールがやって来た。
『あれの正体が分かったか!』
『はっ! あれの正体はエンシェントドラゴンです!!』
『エンシェントドラゴンだと!?』
『はい、間違いありません。マウリシオ様からです』
マリウスからの伝言を受け取る。飛んできた物の正体。それはドラゴンの中で最強と言われるエンシェントドラゴンで、大きさは私の3倍ほど。ただそのエンシェントドラゴンが、昔封印されたとされるエンシェントドラゴンか、新たに生まれたものかは分からない。
また問題はエンシェントドラゴンだけではない。エンシェントドラゴンが現れた瞬間、森の周りで、何かの気配を確認。エンシェントドラゴンの強い魔力に影響されて、隠れていた者が出て来たらしい。
気配が安定していないため、しっかりとした数、力は分からないが、かなりの数が隠れておる模様。おそらく人間と獣人だろう。
何故、奴らの気配に気づかなかったのかは分からないが、もしかすると今回のエンシェントドラゴンに関係しているかもしれない。
またこの様子だと、そちらの里の方の森の周りにも、人間と獣人達が隠れている可能性がある。今のうちに確認しておいた方が良い。エンシェントドラゴンと同時に、戦わなくても良いよう、消した方が良いだろう。
こちらは結界の外へ出るわけには行かないが。エセルバード、お前の方は間に合うはずだ。こちらは任せろ。
というものだった。
『分かった。何か必要な物は? 頼まれた物はないか?』
『今のところは』
『そうか』
『では、私はこれで』
『マウリシオとアーチボルトに伝えてくれ、死ぬなよと。お前もなリガール』
『はっ!!』
窓からリガールが出て行った。
はぁ、全く不味いことになった。まさかエンシェントドラゴンが現れるとは。それに森の周りに突然人間達が現れただと。エンシェントドラゴンの魔力に影響されて、人間達の気配が現れたと言っていたが。
それまでどうやって、我々に気づかれずに、森の周りに隠れていた? …まさかあの時の犯人と同じか?
我々に気づかれず、反撃もさせずに、我々の仲間の命を奪った犯人。あの事件からずっと捜査していたが、何も見つける事ができず、時間ばかりが過ぎてしまったが。しかし…。
ダメだ、考えるのは後だ。マウリシオの言う通り、先に森の周りを調べなければ。ここはストライドと彼の仲間に頼むべきだろう。私は急いでストライドを呼ぶ。
そして来たストライドに今の状況を話せば、一瞬驚いたが、すぐにいつものストライドに戻り部屋から出て行った。
次に私はセバスを呼ぶと、他の部隊と魔獣達に情報を伝えるように頼むと、私自身はアビアンナ達の元へ。
来てしまった以上、戦うしかないが、どうしてエンシェントドラゴンが。あの時のウィバリーやイングラム達と話していた事。
カナデ、フィル、クルクル、そしてアリスターを逃す事。それが本当になってしまうかもしれない。この森を守れたとしても、かなりの死者が出る可能性も。
エンシェントドラゴンを倒すにはどうすれば良い。昔の書物に何かヒントになるような物はないだろうか? アビアンナ達に話しをしたら、奴が来るギリギリまで調べるしかない。
どんな些細なことでも良い。この森を、子供達を守るために、奴を倒す何かが見つかれば。
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