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おまけ 3
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【伊央 卒業記念パーティー】
いつも華やかな店内が今夜は一層華やかだ。
由良や黒服たちが準備に追われている。
就活時期を除き、店に尽くしてくれた伊央が大学卒業を迎え、ホストを辞めることになった。
本人はひっそりと店を去るつもりだったらしいが、そんなこと出来るわけがない。
お客様から
「伊央くんにちゃんとお別れさせて!」と物凄い数の要望があり、由良からも
「卒業記念パーティーをしないと私が殺されるか、店が潰れます。もしくは両方です」
と泣きつかれた。
勿論パーティーはするつもりだったから、由良は殺されないし、店も潰れずに済んだ。
元々伊央は固定客が強かったので、予約客ですぐ埋まり、入れない、来られなかったお客様からは夥しい数の花が届き、来られなくても最後のご奉仕としてこれまたとんでもない量のシャンパンの注文も入っている。
3桁を超えるものも多い。
シャンパンタワーを出したいというお客様も多かったが、あまりにも希望者が多かったのと伊央が
「お客様の負担が大きすぎる」と恐縮し、パーティーを辞退したいと言い出したので、今回は有志を募り一基を共同で出してもらう形を取った。それでも四角の10段、シャンパンも最高級ということで4桁を超えた。
抜け駆けは許さないというお客様同士の溜飲も下げられ、一人当たりの負担も抑えられたので(充分高額だが)伊央もなんとか納得してくれた。
改めて伊央の凄まじさを目の当たりにすることになった。
涙に明け暮れるお客様に最後のご挨拶をし、オーナーと共に礼を言う伊央。
そんな伊央を労い、オーナーが伊央にキスをした。
悲鳴とも歓喜とも言い難い絶叫が店内に響き渡り、
「眼福!!」と写真を撮るお客様たちに混じり、由良も
「売れる!」とパシャパシャ撮ってる。
店内が大騒ぎになっている中、三木は伊央の耳元で
「お前、八雲さんにキスしただろ?
上書きしてやった」
と警告と挑発を贈る。
伊央は一瞬目に闇を宿し、銀色の光を静かに放ちながら
「雇用主と従業員の関係ではなくなりましたので、遠慮なく堕としますね」
と三木の挑発を受け取る。
「お前、やっぱり無自覚じゃなかったか」と三木が薄く笑うと
「なんのことですか?」と伊央が妖しく微笑む。
上等だと三木が豪快に笑う。
「今一瞬停電した?」
「なんか光った?」お客様が不思議がってる。
伊央、お前は天性のホストだよ、辞めるのは非常に勿体無いと素直に認める。
あそこで呑気に茶漬け食ってるおっさんが一番の無自覚か。
可笑しくて思わず笑ってしまう。
さて、早速今夜あたり締めておくか、伊央の脅威に三木は真顔になった。
いつも華やかな店内が今夜は一層華やかだ。
由良や黒服たちが準備に追われている。
就活時期を除き、店に尽くしてくれた伊央が大学卒業を迎え、ホストを辞めることになった。
本人はひっそりと店を去るつもりだったらしいが、そんなこと出来るわけがない。
お客様から
「伊央くんにちゃんとお別れさせて!」と物凄い数の要望があり、由良からも
「卒業記念パーティーをしないと私が殺されるか、店が潰れます。もしくは両方です」
と泣きつかれた。
勿論パーティーはするつもりだったから、由良は殺されないし、店も潰れずに済んだ。
元々伊央は固定客が強かったので、予約客ですぐ埋まり、入れない、来られなかったお客様からは夥しい数の花が届き、来られなくても最後のご奉仕としてこれまたとんでもない量のシャンパンの注文も入っている。
3桁を超えるものも多い。
シャンパンタワーを出したいというお客様も多かったが、あまりにも希望者が多かったのと伊央が
「お客様の負担が大きすぎる」と恐縮し、パーティーを辞退したいと言い出したので、今回は有志を募り一基を共同で出してもらう形を取った。それでも四角の10段、シャンパンも最高級ということで4桁を超えた。
抜け駆けは許さないというお客様同士の溜飲も下げられ、一人当たりの負担も抑えられたので(充分高額だが)伊央もなんとか納得してくれた。
改めて伊央の凄まじさを目の当たりにすることになった。
涙に明け暮れるお客様に最後のご挨拶をし、オーナーと共に礼を言う伊央。
そんな伊央を労い、オーナーが伊央にキスをした。
悲鳴とも歓喜とも言い難い絶叫が店内に響き渡り、
「眼福!!」と写真を撮るお客様たちに混じり、由良も
「売れる!」とパシャパシャ撮ってる。
店内が大騒ぎになっている中、三木は伊央の耳元で
「お前、八雲さんにキスしただろ?
上書きしてやった」
と警告と挑発を贈る。
伊央は一瞬目に闇を宿し、銀色の光を静かに放ちながら
「雇用主と従業員の関係ではなくなりましたので、遠慮なく堕としますね」
と三木の挑発を受け取る。
「お前、やっぱり無自覚じゃなかったか」と三木が薄く笑うと
「なんのことですか?」と伊央が妖しく微笑む。
上等だと三木が豪快に笑う。
「今一瞬停電した?」
「なんか光った?」お客様が不思議がってる。
伊央、お前は天性のホストだよ、辞めるのは非常に勿体無いと素直に認める。
あそこで呑気に茶漬け食ってるおっさんが一番の無自覚か。
可笑しくて思わず笑ってしまう。
さて、早速今夜あたり締めておくか、伊央の脅威に三木は真顔になった。
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